晩年期治療抵抗性うつ病の治療戦略に必要なものとは 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/10/21 治療抵抗性うつ病(TRD)に対する経験的および主観的な治療戦略に関する情報は、相対的に不足しており、とくに晩年期については顕著である。オーストラリア・ディーキン大学のKatarina Arandjelovic氏らは、2016年に米国精神医学会の精神科タイムズの調査、米国老年精神医学会議(AAGP)によるメンバー調査からの知見レビューを行った。The American journal of geriatric psychiatry誌2016年10月号の報告。 著者らは、2つの調査から老年期TRDのさまざまなアプローチの記載率、パーセント、強みと弱みの議論を検討した。 主な結果は以下のとおり。 ・精神科タイムズより468件、AAGPより117件、全体として585件の回答が得られた。 ・両群の回答者の過半数(76.3%)は、60歳以上のTRD患者に対する増強や切り替え戦略のリスクとベネフィットを比較した大規模ランダム化試験が参考になるとし、臨床医の80%は、このような研究結果からベネフィットを得られると考えていた。 ・有効性のエビデンスが必要である治療戦略として、増強/併用戦略が最もポピュラーであり、とくにアリピプラゾール(58.7%)、bupropion(55.0%)、リチウム(50.9%)が多かった。 著者らは「晩年期TRDは、大部分がとくに老年精神医学の臨床実践で行われており、多くの治療戦略の有効性に関するエビデンスが不足している。本調査より、増強/切り替え戦略のリスクとベネフィットを比較する大規模ランダム化試験の必要性が明確化された」としている。 関連医療ニュース 治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのか 治療抵抗性うつ病に対する非定型抗精神病薬の比較 難治性うつ病、抗うつ薬変更とアリピプラゾール追加、どちらが有用か (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Arandjelovic K, et al. Am J Geriatr Psychiatry. 2016;24:913-917. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 去勢抵抗性前立腺がん、タラゾパリブ+エンザルタミドがOS改善(TALAPRO-2)/Lancet(2025/07/24) 18歳未満の嘔吐を伴う急性胃腸炎、オンダンセトロンは有益か/NEJM(2025/07/24) バレット食道の悪性度リスク層別化に対する非内視鏡的検査法の有用性:日本と欧米の大きな違い(解説:上村直実氏)(2025/07/24) 高リスク早期TN乳がんへの術前・術後ペムブロリズマブ追加、日本のサブグループにおけるOS解析結果(KEYNOTE-522)/日本乳癌学会(2025/07/24) 次世代技術が切り拓くリンパ腫の未来/日本リンパ腫学会(2025/07/24) 緑茶摂取量が多い日本人は認知症リスクが低下(2025/07/24) ダイエット飲料より水の方が血糖・体重管理に有利(2025/07/24) 妊婦の有害転帰、心血管の健康と社会的孤立が複合的に影響か(2025/07/24) ふくらはぎが細くなったら筋量減少のサインかも?(2025/07/24) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)