認知症者に対するSSRI使用はどのような影響を与えるか? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/05/23 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、認知症の神経変性プロセスに影響を及ぼし、認知機能を高める可能性があるといわれている。英国・Royal Infirmary of EdinburghのHelen E Jones氏らは、いかなるタイプの認知症者でも認知実行や気分、機能に対しSSRIが影響を与えるのかを検討した。Age and ageing誌オンライン版2016年4月7日号の報告。 ALOIS(ALzheimer's and cOgnitive Improvement Studies register)に基づき、2013年4月および2015年1月のアップデートにおいて、認知アウトカムを示した認知症者に対するSSRIについての無作為化プラセボ対照比較試験よりデータを抽出した。データには、認知、興奮、気分、ADL、有害事象が含まれた。治療終了時の統計が算出された。 主な結果は以下のとおり。 ・選択基準を満たした試験12件(1,174例)のうち、7件(710例)から認知に関するメタ分析のデータが得られた。 ・治療終了後のMMSEスコアに差はなく、平均差(MD)は0.28(95%CI:-0.83~1.39)であった(6件、470例)。 ・MMSEスコアの変化には小さな改善があり、MDは0.53(95%CI:-0.07~1.14)であった(3件、352例)。 ・それ以外の研究では、認知の改善は認められなかった。 ・治療終了後の気分(4件、317例、標準平均差[SMD]:-0.10、95%CI:-0.39~0.2)、興奮(3件、189例、SMD:-0.01、95%CI:-0.86~0.83)、ADL(4件、336例、SMD:-0.15、95%CI:-0.45~0.15)に対するSSRIのベネフィットは統計学的に有意ではなかった。 ・両群間の死亡率に差はなかった。 ・研究の質については、不十分と懸念されるデータが含まれていた。 関連医療ニュース 認知症者の向精神薬使用実態と精神症状発現状況 認知機能改善効果が期待される新規抗うつ薬 SSRI依存による悪影響を検証 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Jones HE, et al. Age Ageing. 2016 Apr 7. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 SSRI、インスリン抵抗性から糖尿病への移行を加速! 疫学(危険因子) (2013/01/31) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 肝線維症、40歳以上の有病率と主な要因/Lancet(2026/04/24) 血栓後症候群、血管内治療が症状およびQOLを有意に改善/NEJM(2026/04/24) 在宅医療・介護の場で見逃してはいけない骨粗鬆症/日本シグマックス(2026/04/24) 双極症患者の食事の質、うつ病患者や健康対照者との違いは?(2026/04/24) がん患者、24時間以内の死亡予測は可能か(2026/04/24) 加齢観が健康改善に関連、高齢者の約半数で機能向上(2026/04/24) GLP-1受容体作動薬、減量後は注射頻度減でも体重維持の可能性(2026/04/24) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) 今、注目のエビデンス(2018/07/02) 第4回 特別編 覚えておきたい熱中症の基本事項【救急診療の基礎知識】(2018/07/25) 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.2(2018/04/07) 長門流 認定内科医試験BINGO! 総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.3(2017/06/07) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】(2016/12/07) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.4(2016/06/07) 認定内科医試験完全対策 総合内科専門医ベーシック vol.3(2016/05/31) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07)