アリピプラゾール持続性注射剤を使いこなすために 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/03/15 アリピプラゾール持続性注射剤(ALAI)が臨床使用可能となった。オーストラリア・モナッシュ大学のNicholas A Keks氏らは、ALAIの使用を決定する際の臨床医を支援するため本研究を行った。Australasian psychiatry誌オンライン版2016年2月23日号の報告。 主なまとめは以下のとおり。 ・アリピプラゾールは、過鎮静を起こしにくく、代謝プロファイルも比較的良好であり、プロラクチンを低下または上昇させない特長を有するドパミンパーシャルアゴニストである。 ・アリピプラゾールは10年以上使用されており、統合失調症治療に有用な選択肢として、多くの臨床医に認識されている。 ・ALAIは、水溶性結晶アリピプラゾール懸濁液で、初回筋肉内注射後、定常状態に達するまで5~7日間を要する薬剤である。 ・毎月注射を行うことで、4ヵ月で定常状態に達する。 ・研究では、ALAIは、アリピプラゾール応答患者に有効であることが実証されている。 ・ALAIは、一般的に忍容性が良好だが、経口投与よりも錐体外路系の副作用を起こしやすい傾向がある。 ・ALAIは、他の持続性注射剤との比較は行われていない。 ・推奨される開始用量は400mgだが、大幅な個人差による用量設定が必要な可能性がある。 ・各患者における至適用量の最適化は、最高の有効性と忍容性のために必要である。 ・ALAIは、現時点では、持続性注射剤が必要なアリピプラゾール応答患者に適切である。 ・しかし、臨床医は、とくに他の持続性注射剤で体重増加や高プロラクチン血症が問題となる患者に投与する可能性がある。 関連医療ニュース アリピプラゾール持続性注射剤の評価は:東京女子医大 アリピプラゾール注射剤、維持療法の効果は 2つの月1回抗精神病薬持効性注射剤、有用性の違いは (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Keks NA, et al. Australas Psychiatry. 2016 Feb 23. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 低用量経口セマグルチド、過体重/肥満者で優れた減量効果/NEJM(2025/10/06) てんかん患者の突然死、発作期無呼吸がリスクマーカーに/Lancet(2025/10/06) 内視鏡鎮静に新たな選択肢、レミマゾラムが覚醒時間を半減/ムンディファーマ(2025/10/06) 家事をしない人は認知症リスクが高い?米国65歳以上の10年間調査(2025/10/06) PS不良の小細胞肺がん、デュルバルマブ+化学療法の有用性は?(NEJ045A)/ERS2025(2025/10/06) ネット上の血圧測定の写真の多くが間違った測り方を示している(2025/10/06) 献血前のカフェイン摂取が赤血球の質に影響か(2025/10/06) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)