抗精神病薬の切り替えエビデンス、どう評価すべきか 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/03/04 統合失調症や双極性障害に対する抗精神病薬治療では、効果不十分や持続的な副作用が問題となることが少なくない。そのため、忍容性を改善し安全な長期治療を行う目的で、副作用プロファイルが異なる他の薬剤への切り替えが推奨されている。非定型抗精神病薬のアリピプラゾールは、統合失調症および双極性障害に対する有効性が証明されており、他の非定型抗精神病薬とは異なる薬理学的ならびに副作用プロファイルを持つ。そこで、イタリア・シエナ大学のAndrea Fagiolini氏らイタリア精神科医委員会は、アリピプラゾールへの切り替えに関する現在の戦略について討議し、専門家の意見をまとめた。Expert Opinion on Pharmacotherapy誌オンライン版2015年2月12日号の掲載報告。 委員会では、統合失調症または双極性障害の治療におけるアリピプラゾールへの切り替えについて詳細なガイダンスを提示する目的で、PubMedを用い「aripiprazole」および「switching」に関する文献を検索、それらの参考文献などについても検討し、討議した。 概要は以下のとおり。 ・抗精神病薬の切り替えに関する指針や、臨床的に望ましい治療目標を達成するための最良な戦略に関する研究はほとんどない。 ・抗精神病薬の切り替えに関する研究は、なぜ、いつ、どのように切り替えを実施すべきかを明らかにしなければならない。 ・研究結果は、抗精神病薬の切り替えの根拠を標準化し、切り替えの最適な時期ならびに最適な方法を評価しなければならない。 ・抗精神病薬の切り替えは、臨床的および薬理学的要因の両方が考慮されるべきであり、すべての要因に対応した特別なガイドラインが必要である。 関連医療ニュース アリピプラゾール持続性注射剤の評価は:東京女子医大 急性期統合失調症、2剤目は併用か 切り換えか:順天堂大学 統合失調症の治療目標、急性期と維持期で変更を:京都大学 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Fagiolini A, et al. Expert Opin Pharmacother. 2015 Feb 12:1-11. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 高齢者への2価コロナワクチン、脳卒中リスクは?/JAMA(2024/03/29) 出生率は世界的に低下、2100年までの予測/Lancet(2024/03/29) 新型コロナウイルス感染症の認知機能障害は徐々に軽症化している(解説:岡村毅氏)(2024/03/29) 麻疹ワクチン不足、定期接種を最優先に/日医(2024/03/29) 初発統合失調症の脳ネットワークに対するアリピプラゾールの影響(2024/03/29) ファセンラ、小児の難治性気管支喘息で製造販売承認(一部変更)取得/AZ(2024/03/29) 日本での大腸がん手術の転帰、月~木曜日vs.金曜日(2024/03/29) 院外心停止患者への市民による心肺蘇生、AED使用で生存が2倍以上に/日本循環器学会(2024/03/29) 「週末戦士」でも減量効果は習慣的な運動と同じ(2024/03/29) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)