統合失調症の治療目標、急性期と維持期で変更を:京都大学 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/11/25 抗精神病薬は、統合失調症の治療の柱であり、その効果は数百件の無作為化臨床試験によって確立されたものである。しかしながら、ベースライン時の症状の重症度を問わず有効なのか、どれぐらい効果があるのかは解明されていない。京都大学の古川 壽亮氏らは、統合失調症の初期重症度と抗精神病薬の有効性についてメタ解析にて検討した。その結果、抗精神病薬の効果は、急性期およびより陰性症状が主体となっている統合失調症の、全スペクトラムにおいて期待できるとの示唆が得られたことを報告した。所見を踏まえて著者は、「医師は、スペクトラムで軽症に向かっている患者については、症状改善の効果が減少している一方で有害作用のリスクが高まっていることに気付かなくてはならない。同時に、寛解期の患者の再発予防を見据えた抗精神病薬の使用に配慮する必要があり、この点が本検討の主眼であった」と述べている。JAMA Psychiatry誌オンライン版2014年11月5日号掲載の報告より。 研究グループは、統合失調症のベースライン時の重症度の違いにより抗精神病薬の効果が異なるのかを調べた。検討は、3件の急性期統合失調症患者が参加した試験(611例)と3件の陰性症状が主体となっている統合失調症患者が参加した試験(475例)の患者データをメタ解析し行われた。治療介入は、オランザピンまたはリスペリドンvs.プラセボ、アミスルピリドvs.プラセボであった。主要評価項目は、試験開始から6週時点までの、陽性陰性症状評価尺度(PANSS、スコア範囲:30~210)と、陰性症状評価尺度(SANS、スコア範囲:0~125)のスコアの変化であった。試験薬群およびプラセボ群の、ベースライン時からのスコア変化の関連性を8つの競合ミックス効果モデルで反復評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・最適モデルでは、両タイプの患者において、ベースライン時の症状重症度と治療の相互作用は統計的に有意であった(p<0.01)。 ・ベースライン時の症状が重症であるほど、実薬群とプラセボ群の群間差は大きかった。 ・急性期の治療において、PANSSスコア変化の差の平均値は、ベースライン時の精神疾患が軽度の患者では9.5ポイント(ベースライン時のPANSSスコア58)、中等度では13.7ポイント(同75)、顕著では18.8ポイント(同95)、重度では24.0ポイント(同116)であった。 ・陰性症状が主体となっている患者の治療では、SANSスコア変化の差の平均値は、ベースライン時の精神疾患が中等度の患者では1.7(ベースライン時のSANSスコア55)、中等度では5.7(同70)、重度では9.7(同85)であった。 関連医療ニュース 統合失調症の再発予防、ω-3脂肪酸+α-LAは有用か 急性期統合失調症、2剤目は併用か 切り換えか:順天堂大学 アリピプラゾール経口剤⇒注射剤への切り替え、その安全性は 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Furukawa TA, et al. JAMA Psychiatry. 2014 Nov 5. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 高リスク早期TN乳がん、術後EC+PTXにCBDCA追加で3年DFS・OS改善/BMJ(2026/01/08) 妊娠前・中のコロナワクチン接種、母体の重症化および早産リスク低下/JAMA(2026/01/08) 退職後でも認知機能が維持される人の特徴は?(2026/01/08) 腹囲の大きさでフレイルを予測できるか/大阪公立大(2026/01/08) ナーシングホームでの感染症対策に関する新ガイダンスが公表される(2026/01/08) MASLD患者における死亡リスクを最も高める3つの心血管代謝リスク因子を特定(2026/01/08) 大気汚染は運動の健康効果を損なう(2026/01/08) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01)