神経根障害への硬膜外ステロイド注射の費用対効果

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2014/10/01

 

 腰仙部神経根症(神経根障害)では、腰椎椎間板ヘルニアによる神経根周辺の炎症に起因した腰痛や坐骨神経痛を伴うが、これら疼痛に対する医療費は国にとって大きな財政的負担となっている。オランダ・フローニンゲン大学のAntje Spijker-Huiges氏らが行った実践的な無作為化単盲検比較試験によれば、神経根障害に対する分節性の硬膜外ステロイド注射は、疼痛や機能障害の改善効果は小さいながら費用対効果に優れることが示された。著者は同治療について「追加の治療選択肢として考慮されてもよいと考えられる」とまとめている。 Spine誌オンライン版2014年9月8日号の掲載報告。

 対象は、開業医を受診している急性神経根障害患者63例であった。

 介入群には通常治療に分節性の硬膜外ステロイド注射(トリアムシノロン80mg)を1回追加し、対照群は通常治療のみとした。

 2、4、6、13、26、52週間後に郵送によるアンケート調査を行い、疼痛、身体障害および費用を調査するとともに費用対効果を解析した。

 主な結果は以下のとおり。

・平均総費用は介入群4,414ユーロ/5,985ドル(USドル、以下同)、対照群5,121ユーロ/6,943ドルで、両群の差は主に生産性の低下に起因した。
・増分費用効果比(ICER)の点推定値は、-730ユーロ/-990ドルであった。
・すなわち1年間で患者1人の腰痛が数値的評価スケールで1ポイント減少により、730ユーロまたは990ドルの削減効果が認められた。
・ブートストラップ法による95%信頼区間は、-4,476~951ユーロ/-6,068〜1,289ドルであった。
・費用対効果受容曲線(CEAC)により、追加費用なしで硬膜外ステロイド注射が費用効果的である確率は80%以上であることが示された。

(ケアネット)