慢性腰痛に気功は本当に有効か?

提供元:ケアネット

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公開日:2014/07/02

 

 慢性腰痛の治療における気功の有効性は不明である。ドイツ・シャリテ医科大学のSusanne Blodt氏らは運動療法を対照に無作為化比較試験を行った。結果、気功が運動療法に比べ“劣っていない”ことは証明されなかった。著者は、「慢性腰痛の予防における気功の役割についてはさらなる研究が必要のようだ」とまとめている。European Journal of Pain誌オンライン版2014年6月5日号の掲載報告。

 研究グループは、慢性腰痛の治療において運動療法に対する気功療法の非劣性を検証する無作為化比較試験を行った。

 対象は慢性腰痛の外来患者127例(年齢46.7±10.4歳)で、気功療法群(64例)と運動療法群(63例)に無作為に割り付けて検討した。

 気功療法は1回90分、運動療法は1回60分の治療を週1回、3ヵ月間(計12回)行い、視覚的アナログスケール(VAS)を用いて疼痛強度を評価した。

 主要評価項目は、3ヵ月後の最後の1週間における疼痛強度の平均値であった。

 主な結果は以下のとおり。

・3ヵ月後の、補正後疼痛強度の平均値は、気功療法群34.8mm(95%信頼区間[CI]:29.5~40.2)、運動療法群33.1mm(同:27.7~38.4)であり、気功療法群の非劣性は示されなかった(p=0.204)。
・両群で計10例に有害事象が疑われる報告(筋肉痛、めまい、疼痛など)があった。発生総件数は両群でほぼ同程度であった(気功療法群40件、運動療法群44件)。

(ケアネット)