双極性障害の症状把握へ、初の質問票が登場 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2014/05/27 米国・ザッカーヒルサイド病院のChristoph U Correll氏らは、双極性障害(BD)の症状に対する初めての特異的質問票であるBipolar Prodrome Symptom Interview and Scale-Prospective (BPSS-P)の有用度を検討した。その結果、内部整合性、評価者間信頼性、診断群間の識別能などにおいて「良好~優」であることを報告した。Bipolar Disorders誌オンライン版2014年5月8日号の掲載報告。 本研究の目的は、BDの症状に対する初めての特異的質問票であるBPSS-Pの心理測定法の特徴を検討することであった。BPSS-Pが施行された12~23歳の若年者やその介護者(両方またはいずれか)、計205例を対象とした。対象者のうち、気分スペクトラム障害患者は129例で、内訳はうつスペクトラム障害が77例、他に分類されない気分障害(NOS)が27例、BD-NOSが14例、双極性障害Ⅰ型(BD-I)/双極性障害II型(BD-II)/循環気質が11例であった。このほか、非気分スペクトラム障害が34例、健常対照(HCs)が42例であった。 主な結果は以下のとおり。 ・BPSS-P Mania (Cronbach's α=0.87)、BPSS-P Depression(Cronbach's α=0.89)およびBPSS-P General Index(Cronbach's α=0.74)の内部整合性は「良好~非常に良好」であった。 ・BPSS-P総スコア(ICC=0.939)、 BPSS-P Mania(ICC=0.934)、BPSS-P Depression(ICC=0.985)、およびBPSS-P General Index(ICC=0.981)の評価者間信頼性は「高」であった。 ・以下のツール間で高い識別能が示された(ρ≧0.50)。 BPSS-P Mania IndexとYMRS、GBI-M-10、CHT BPSS-P Depression IndexとMontgomery-Asberg Depression Rating Scale(MADRS)およびCHT BPSS-P General IndexとGBI-M-10、CHT ・BPSS-P Mania IndexとMADRS、BPSS-P Depression Index、YMRSとの間の収束的妥当性は、予想どおり小さかった(ρ=0.10~0.30未満)。 ・BPSS-Pとそのサブスケールにより、各患者群とHCsおよび非気分スペクトラム患者が識別された(BPSS-P General Indexを除き)。 ・BPSS-P総スコアは、BD-I/BD-II/循環気質とうつスペクトラム患者を識別し、BPSS-Mania Indexは双極スペクトラムグループの3つすべてを、うつスペクトラム患者と識別した。 ・以上より、BPSS-Pは「良好~優れた」心理測定法であると思われた。さまざまな局面での使用と予測妥当性についてはさらなる検討が求められる。 関連医療ニュース 「笑い」でうつ病診断が可能に うつ病の5人に1人が双極性障害、躁症状どう見つける 「歩行とバランスの乱れ」はアルツハイマーのサイン (ケアネット) 原著論文はこちら Correll CU, et al. Bipolar Disord. 2014 May 8. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 術後VTEの予防、REGN7508Catがエノキサパリンを上回る/Lancet(2025/12/08) 宅配DASH食+カウンセリングで血圧は改善するか/JAMA(2025/12/08) 成人期発症の再発型ネフローゼ症候群に対する抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/12/08) 10人に1人が糖尿病疑い、男性は3割が肥満/国民健康・栄養調査2024(2025/12/08) HR+/HER2-進行乳がん1~2次治療、パルボシクリブvs.ribociclib vs.アベマシクリブ(2025/12/08) 若年女性の4人に1人が低体重:運動習慣が与える影響はBMIで異なる(2025/12/08) 多くの若者がAIチャットボットにメンタルヘルスの問題を相談(2025/12/08) 代謝異常を伴う脂肪肝「MASLD」、慢性腎臓病の独立リスクに(2025/12/08) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<上巻>(2012/12/01) カスガ先生の精神科入門[負けるが勝ち!]<下巻>(2012/12/01)