うつ病の5人に1人が双極性障害、躁症状どう見つける? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/08/31 わが国の気分障害患者は増加の一途をたどっている。気分障害の中でも、躁病エピソードとうつ病エピソードを繰り返す双極性障害の診断・治療への関心は高い。治療に関しては、双極性障害の適応を有する薬剤が最近いくつか承認された背景もあり、日本うつ病学会は本年(2012年)3月末に双極性障害治療ガイドラインの改訂を行っている。一方、診断に関しては、躁症状や軽躁状態を把握することが難しく、うつ病と診断されるケースも少なくない。Perugi氏らは、双極性障害の診断ツールとして開発され、国際的にテストされているHCL-32(Hypomania Checklist-32)の有用性を検討し、Psychopathology誌オンライン版2012年8月7日号で報告した。 対象として、DSM-IV基準により大うつ病と診断された571例(563例が適格)が継続的に登録され、多施設共同横断観察研究を行った。躁病エピソード(躁症状、軽躁状態)はHCL-32で評価し、うつ病エピソード(抑うつ症状、不安症状)はZungうつ病自己評価表にて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・119例の患者は双極性障害(Ⅰ型またはⅡ型)と診断された。 ・HCL-32トータルスコアおよび14のサブスコアにおいて、双極性障害患者の躁病エピソードの発生は大うつ病患者に比べ有意に高く、感度は0.85、特異性は0.78であった。 ・若干の偽陽性がみられるものの、HCL-32は大うつ病患者における過去の軽躁病エピソードの把握に有用であると考えられる。 関連医療ニュース ・双極性障害の再発予防に有効か?「Lam+Div療法」 ・双極性障害患者に対するオランザピン単剤 or 併用の忍容性 ・双極性障害に対する薬物療法レビュー (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Perugi G, et al. Psychopathology. 2012 Aug 7. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 既治療CLDN18.2陽性胃がん、CAR-T療法satri-celがPFS改善(CT041-ST-01)/Lancet(2025/06/10) III期dMMR大腸がん、術後補助療法にアテゾリズマブ上乗せでDFS改善(ATOMIC)/ASCO2025(2025/06/10) 進行腎細胞がん1次治療としてのニボルマブ+イピリムマブ、9年長期追跡結果(CheckMate 214)/ASCO2025(2025/06/10) 思春期うつ病に最も効果的な抗うつ薬は?(2025/06/10) 糖尿病患者の認知症リスク低減、GLP-1薬とSGLT2阻害薬に違いは?(2025/06/10) 既治療のEGFR exon20挿入変異NSCLCへのzipalertinib(REZILIENT1)/ASCO2025(2025/06/10) CDK4/6+AI治療後に進行したHR+/HER2-転移乳がん、ipatasertib+フルベストラントがPFS改善(CCTG/BCT MA.40/FINER)/ASCO2025(2025/06/10) コロナワクチン、デマ対策より「接種開始時期」が死亡者数に大きく影響か/東大(2025/06/10)
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