肥満症について、カロリー制限食(CRD)の食事療法とリラグルチドによる薬物療法では、脂肪関連指標の変化に違いはあるのだろうか。このテーマに対し中国の南京医科大学附属無錫人民病院内分泌科のHaiyan Cheng氏らの研究グループは、肥満者におけるCRDとリラグルチドの膵内脂肪沈着への影響を比較し、脂肪関連指標と血糖関連パラメータの変化との関連性を探った。その結果、両療法ともに膵脂肪率(PFF)を改善することが判明した。この結果はObesity誌2026年オンライン版2月24日号で公開された。
食事療法でもリラグルチドでもPFFを改善
研究グループは、肥満患者46例について24週間の前向き非無作為化試験を行った。患者はCRDによる食事療法またはリラグルチド治療を受けた。主要評価項目はPFFの変化とした。また、副次的評価項目には、体重、肝脂肪率(LFF)、内臓脂肪面積(VFA)、および血糖関連パラメータの変化が含まれた。
主な結果は以下のとおり。
・CRD群(n=23)とリラグルチド群(n=23)のいずれも、PFFの有意かつ同等の減少を示した(時間効果:p<0.001、交互作用効果:p=0.560)。
・体重、LFF、VFA、HbA1c、インスリン抵抗性指標(HOMA2-IR)、Insulin Sensitivity Index Matsuda(ISIM)においても、有意かつ同程度の改善が認められた(全時間効果:p<0.001、全交互作用効果:p>0.05)。
・回帰分析では、ΔHOMA2-IRはΔ体重およびΔLFFと正の相関、ΔPFFと負の相関を示した一方で、ΔISIMはΔVFAと負の相関、ΔPFFと正の相関を示した。
この結果から研究グループは「CRDとリラグルチドはいずれも、肥満患者において膵脂肪、肝脂肪、内臓脂肪を有意かつ同程度に減少させると同時に、血糖関連パラメータを改善した。予備的な知見によれば、インスリン抵抗性の改善は主に肝脂肪および内臓脂肪の減少によって生じる一方、膵脂肪の減少はより微妙なインスリン動態の変化に関連している可能性があり、さらなる調査が必要」と結論付けている。
(ケアネット 稲川 進)