リピトール投与により脳卒中既往例の腎機能が改善または、悪化が抑制された

提供元:ケアネット

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公開日:2007/11/21

 



アステラス製薬およびファイザーは、脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)の既往例に対するアトルバスタチン(リピトール)80mgの投与により、腎機能の有意な改善、または悪化の抑制が認められたと発表した。

これはSPARCL(Stroke Prevention by Aggressive Reduction of Cholesterol Lowering)の事後解析により認められた結果である。脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)の既往患者に対するリピトール80mgの投与により、慢性腎臓病の有無に関わらず、そして、メタボリックシンドローム合併の患者において腎機能が有意に改善した。2型糖尿病合併患者では、プラセボ群で腎機能が低下したのに対し、リピトール群では、腎機能の低下が抑制された。なお、この結果は先日の米国心臓協会(AHA)の年次学術集会にて発表されている。

近年増加している脳卒中慢性期の患者は、心血管イベントの発症リスクが高いため、より強力にその発症を抑制する必要がある。最近、腎機能低下がイベント発症の危険因子であると明らかになったことを鑑みると、今回の発表により、脳卒中既往例に対するリピトール投与は、腎機能の改善、または悪化抑制という面からも、イベントの発症を抑制すると期待される。

(ケアネット 鈴木 渉)