日本語でわかる最新の海外医学論文|page:3

過体重・肥満者の変形性膝関節症による痛みをメトホルミンが緩和

 経口血糖降下薬の一種であるメトホルミンが、変形性膝関節症による痛みを抑制するとする研究結果が、世界変形性関節症研究会議(OARSI2025、4月24~27日、韓国・仁川)で報告された。モナッシュ大学(オーストラリア)のFeng Pan氏らの研究によるもので、24日の発表に合わせて「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に論文が掲載された。  前臨床試験およびヒト対象の予備的な研究から、メトホルミンには炎症抑制や軟骨保護作用があり、変形性膝関節症患者の疼痛を改善する可能性が示唆されている。Pan氏らはこの効果を、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験によって検討した。

歌いかけはぐずる乳児の気分を落ち着かせる

 乳児に歌いかけることは、乳児の気持ちを落ち着かせる簡単で安全、かつ費用もかからない方法であることが新たな臨床試験で明らかになった。新しい歌や歌を使った育児のアイディアを教えられた親は乳児に歌いかける頻度が高くなり、その結果、乳児の全般的な気分が改善することが示されたという。オークランド大学(ニュージーランド)心理学分野のSamuel Mehr氏らによるこの研究結果は、「Child Development」に5月28日掲載された。  論文の筆頭著者である米イェール大学児童研究センターのEun Cho氏は、「歌うことは誰にでもできるし、ほとんどの家庭ですでに実践されている。われわれは、このシンプルな習慣が乳児の健康に実際に効果のあることを証明した」と話している。また、研究グループは、乳児の気分の改善は、親と乳児双方の生活の質(QOL)の向上につながるため、結果的に家族全体の健康にも有益であると述べている。

けいれんや痛み、麻痺の治療に新たな電極パッドが有用か

 背中に貼り付けたグリッド電極が近い将来、痛みやけいれん、麻痺の治療に役立つ可能性のあることが、新たな研究で示された。この電極を通じて皮膚の上から低電圧の電気刺激を与えることで、脊髄内の神経の機能を短期間、変化させることができたという。米テキサス大学(UT)サウスウェスタン医療センター物理療法学・リハビリテーション医学教授のYasin Dhaher氏らによるこの研究の詳細は、「Journal of Neural Engineering」に4月7日掲載された。  論文の上席著者であるDhaher氏は、体の外側に設置した電極を使って脊髄神経の興奮性を調整できるこの方法は、「侵襲的な脊髄刺激療法を受けられない患者や希望しない患者にとって、有望な代替手段になり得る」とUTのニュースリリースの中で述べている。

不眠症へのベンゾジアゼピン中止のための介入策の効果は?/BMJ

 ベンゾジアゼピン系および類似の催眠鎮静薬(BSH)を中止するための介入について、有効性に関するエビデンスの確実性は低く、患者教育、薬剤の見直し、薬剤師主導の教育的介入がBSHを中止する患者の割合を増加させる可能性はあるが、現状ではエビデンスの確実性が低いため、さらなる質の高い研究が求められるという。カナダ・McMaster UniversityのDena Zeraatkar氏らが、システマティックレビューとメタ解析の結果を報告した。多くの患者が、転倒、認知機能障害、依存などのリスクがあるにもかかわらず、不眠症の治療にBSHを使用している。しかし、BSHの代替療法に関する知識は限られており、その有害性が明確ではなく、中止を支援する最適な戦略に関するエビデンスは不十分であることが報告されていた。BMJ誌2025年6月17日号掲載の報告。

局所進行頭頸部がん、周術期ペムブロリズマブ上乗せが有効(KEYNOTE-689)/NEJM

 未治療の局所進行頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)に対し、標準治療へのペムブロリズマブ術前および術後補助療法の追加は、標準治療のみと比較し無イベント生存期間(EFS)を有意に改善した。ペムブロリズマブの術前補助療法は、手術施行に影響を与えず、新たな安全性に関する懸念は認められなかった。米国・ハーバード大学医学大学院のRavindra Uppaluri氏らKEYNOTE-689 Investigatorsが、日本を含むアジア、北米、欧州などの192施設で実施した第III相無作為化非盲検比較試験「KEYNOTE-689試験」の結果を報告した。局所進行HNSCC患者に対する手術と術後補助療法の標準治療に対し、周術期のペムブロリズマブ追加の有用性は不明であった。NEJM誌オンライン版2025年6月18日号掲載の報告。

手術不能胃がんに対する2次治療:抗HER2抗体薬物複合体vs.ラムシルマブ+パクリタキセル併用療法(解説:上村直実氏)

日本における胃がんはピロリ菌感染率の低下および除菌治療の普及と共に、患者数および死亡者数が著明に低下しているが、世界的には依然として予後不良な疾患とされており、手術不能胃がんに対する薬物療法の開発が急務となっている。手術不能または転移を有する胃がんに対する化学療法に関しては、HER2遺伝子の有無により決定されている。全体の20%弱を占めるHER2陽性胃がんに対しては、従来の化学療法に抗HER2抗体のトラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)を追加した3剤併用療法が標準的1次治療として推奨されている。1次治療が奏効しないもしくは効果不十分な症例に対する2次治療としては、現在、ヒト型抗VEGFR-2モノクローナル抗体ラムシルマブとパクリタキセルの併用療法が標準治療とされているが、最近、トポイソメラーゼI阻害薬を搭載した抗HER2抗体薬物複合体であるトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)の有用性を示す研究結果が相次いで報告されている。

DVRd療法、移植適応・非適応によらず未治療多発性骨髄腫に使用可能に/J&J

 Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ)は25日、ダラツムマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(商品名:ダラキューロ配合皮下注)について、医薬品添付文書改訂相談に基づく添付文書改訂により「用法及び用量に関連する注意」が追加された結果、ダラツムマブ+ボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾン(DVRd)療法が、造血幹細胞移植(ASCT)が適応および適応とならない未治療の多発性骨髄腫に対する新たな治療選択肢として使用可能になることを発表した。

7月13日開催、講習会『イノベーション委員会プログラム』【ご案内】

 日本抗加齢医学会の新たな試みとなる講習会『イノベーション委員会プログラム』が、7月13日(日)に日本橋ライフサイエンスハブで開催される。「アンチエイジングからイノベーションを起こす」をテーマに、医療現場の第一線で活躍する医師・研究者でありながら、実際にビジネスを立ち上げた“起業家ドクター”が多数登壇する。彼らのリアルな体験と挑戦、そして事業化へのヒントが凝縮された、ここでしか聞けない貴重な講演が行われる。  終了後には、登壇講師や関係者と直接話せる懇親会を同会場にて開催。講師への相談や名刺交換など、貴重なネットワーキングの場として活用することができる。

溶連菌咽頭炎への抗菌薬、10日間から短縮可能?

 本邦では、『気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言(改訂版)』において、A群溶血性レンサ球菌(GAS)が検出された急性咽頭・扁桃炎に対して、抗菌薬を投与する場合にはアモキシシリン内服10日間を検討することが推奨されている。ただし、海外では臨床的な治療成功については、短期治療(5~7日)が10日間の治療と同等であるいう報告もあり、短期治療の可能性が検討されている。  2022年にニュージーランドで実施された抗菌薬適正使用の取り組みの一環として、GAS咽頭炎に対する抗菌薬治療期間の短縮が、地域的に促進された。この介入により、抗菌薬の投与期間が10日間から5日間や7日間などへ短縮されるようになったが、治療成績に及ぼす影響は明らかになっていなかった。そこで、Max Bloomfield氏(Awanui Laboratories、Te Whatu Ora/Health New Zealand)らの研究グループは、後ろ向きコホート研究により治療期間の短縮の影響を検討した。その結果、治療期間を短縮しても治療成績に悪影響はみられなかった。本研究結果は、Open Forum Infectious Diseases誌2025年6月6日号に掲載された。

自閉スペクトラム症に対する非定型抗精神病薬の有効性〜ネットワークメタ解析

 自閉スペクトラム症(ASD)患者は、社会的な交流や行動に関連する多様な症状を呈する。非定型抗精神病薬は、小児および成人ASD患者の易刺激性、攻撃性、強迫観念、反復行動などの苦痛を伴う症状の治療に広く用いられてきた。しかし、その効果と相対的な有効性は依然として明らかではなかった。チリ・Universidad de ValparaisoのNicolas Meza氏らは、ASDに対する非定型抗精神病薬の有効性を明らかにするため、ネットワークメタ解析を実施した。The Cochrane Database of Systematic Reviews誌2025年5月21日号の報告。  小児および成人ASD患者を対象とした短期フォローアップ調査において、易刺激性に対する非定型抗精神病薬の相対的ベネフィットを評価するため、ネットワークメタ解析を実施した。さらに、短期、中期、長期フォローアップにおける、小児および成人ASD患者のさまざまな症状(攻撃性、強迫行動、不適切な発言など)と副作用(錐体外路症状、体重増加、代謝性副作用など)に対する非定型抗精神病薬のベネフィット/リスクについて、プラセボ群または他の非定型精神病薬との比較を行い、評価した。CENTRAL、MEDLINEおよびその他10のデータベース、2つのトライアルレジストリーを検索し、リファレンスの確認、引用文献の検索、研究著者への連絡を行い、対象研究を選定した(最終検索:2024年1月3日)。ASDと診断された小児および成人を対象に、非定型抗精神病薬とプラセボまたは他の非定型抗精神病薬と比較したランダム化比較試験(RCT)を対象に含めた。重要なアウトカムは、易刺激性、攻撃性、体重増加、錐体外路症状、強迫行動、不適切な発言とした。バイアスリスクの評価には、Cochrane RoB 2ツールを用いた。易刺激性の複合推定値には頻度主義ネットワークメタ解析、その他のアウトカムにはランダム効果モデルを用いて、対比較統計解析を実施した。エビデンスの確実性の評価には、GRADEを用いた。

腹部脂肪は乾癬リスクを高める?

 乾癬患者の多くは過体重であり、体脂肪レベルの増加が乾癬リスクを高めると考えられているが、新たな研究で、体全体の脂肪よりも腹部の脂肪の方が乾癬発症のより強い警告サインである可能性が示された。この傾向は男性よりも女性で顕著だったという。英キングス・カレッジ・ロンドン(KCL)セント・ジョンズ皮膚科学研究所の皮膚科医であるRavi Ramessur氏らによるこの研究結果は、「Journal of Investigative Dermatology」に5月27日掲載された。  Ramessur氏は、「乾癬の発症には、体幹部の脂肪、特にウエスト周りの脂肪が重要な役割を果たしているようだ。この結果は、乾癬を発症しやすい人や乾癬が重症化しやすい人の特定方法や乾癬の予防・治療戦略の立て方に重要な示唆を与える」と話している。

潰瘍性大腸炎の予後因子、思考を説明できるAIで特定

 潰瘍性大腸炎(UC)は慢性の炎症性腸疾患であり、その病態生理は多岐にわたる。そのため、症例ごとに最適な治療法を選択することが大切だ。今回、全国規模のレジストリを説明可能な人工知能(日立製作所)を用いて解析することで、難治性UCの予後因子を特定できることが報告された。レジストリ登録時の偽ポリープが存在することが、寛解と有意に負の相関を示したという。研究は東海大学医学部消化器内科の佐野正弥氏らによるもので、詳細は「Annals of Medicine」に5月5日掲載された。  UCは、重度の下痢、血便、激しい腹痛、発熱を特徴とし、再発と寛解を繰り返す難治性の炎症性腸疾患だ。UCの寛解を目指す場合、コルチコステロイド(CS)の導入が有効とされるが、CSには長期使用による有害事象のリスクがあり、早晩にCSに依存しない薬剤への切り替えが不可欠と考えられる。そのため、従来の研究では、どの治療がどの疾患型に対してより高い寛解率をもたらすかが検討されてきた。しかし、UCの疾患の多様性が影響し、包括的な予測モデルの開発は困難となっている。このような背景を踏まえ、著者らは、全国の医療記録に基づく機械学習モデルを用いて、難治性UCの予後因子を特定することとした。

CLLの1次治療、I-V併用vs.イブルチニブ単独vs.FCR/NEJM

 慢性リンパ性白血病(CLL)患者において、イブルチニブ+ベネトクラクス(I-V)併用療法はイブルチニブ単独またはフルダラビン+シクロホスファミド+リツキシマブ(FCR)療法と比較して、測定可能残存病変(MRD)陰性および無増悪生存期間(PFS)延長の達成割合が高かったことが示された。英国・Leeds Cancer CentreのTalha Munir氏らUK CLL Trials Groupが第III相の多施設共同非盲検無作為化試験「FLAIR試験」の結果を報告した。同試験のPFSの中間解析では、MRDに基づいて投与期間を最適化するI-V併用療法はFCR療法に対する優越性が示されていたが、イブルチニブ単独と比較した有効性は不明であった。NEJM誌オンライン版2025年6月15日号掲載の報告。

進行肛門扁平上皮がん、標準治療vs. retifanlimab上乗せ/Lancet

 プラチナ製剤化学療法中に病勢進行した進行肛門管扁平上皮がん(SCAC)において、retifanlimabは抗腫瘍活性を示すことが報告されている。英国・Royal Marsden Hospital NHS Foundation TrustのSheela Rao氏らPOD1UM-303/InterAACT-2 study investigatorsは、本疾患の初回治療における、カルボプラチン+パクリタキセル療法へのretifanlimab上乗せを前向きに評価する、第III相の国際多施設共同二重盲検無作為化対照試験「POD1UM-303/InterAACT-2試験」を行い、臨床的ベネフィットが示され、安全性プロファイルは管理可能であったことを報告した。著者は、「結果は、retifanlimab+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法が、進行SCAC患者に対する新たな標準治療と見なすべきであることを示すものであった」とまとめている。Lancet誌2025年6月14日号掲載の報告。

降圧薬服用は、朝でも夜でもお好きなほうに―再び(解説:桑島巖氏)

「降圧薬の服用は朝か夜か?」の問題については、2022年にLancet誌上で発表されたTIME studyのコメントで発表しているが、今回JAMA誌に発表されたGarrisonらのBedMed randomized clinical trial論文でもまったく同じコメントを出さざるを得ない。TIME studyと同様、本研究でも降圧薬の時間薬理学を理解していれば、服薬は朝(6~10時)でも夜(20~0時)でもどちらも同じ結果(心血管イベント、心血管死)をもたらすというのは当然の結論である。降圧薬の心血管予防効果は24時間にわたる降圧効果の持続と相関することはすでに知られており、現在処方されている降圧薬のほとんどは血中濃度に依存して降圧効果を発揮するが、24時間以上持続する降圧薬はアムロジピンとサイアザイド系、非サイアザイド系降圧利尿薬のみである。ACE阻害薬やARBはいずれも24時間持続性がない。

既治療進行胃がんに対するCLDN18.2特異的CAR-T細胞療法(satri-cel)と医師選択治療との比較:第II相試験(解説:上村直実氏)

切除不能な進行胃がんおよび食道胃接合部がん(以下、胃がん)に対する化学療法のレジメはHER2陽性(20%以下)とHER2陰性(約80%)に区別されている。HER2陰性の進行胃がんに対する標準的1次治療はフルオロピリミジンとプラチナベースの化学療法であるFOLFOXやCAPOXなどが推奨されてきたが、全生存期間(OS)の中央値が12ヵ月未満であり、無増悪生存期間(PFS)の中央値は約6ヵ月程度と満足できる成績ではなかった。最近になって、標準化学療法にドセタキセルを上乗せしたFLOT療法(3剤併用化学療法)さらに免疫チェックポイント阻害薬(ICI)や抗claudin-18.2(CLDN18.2)抗体のゾルベツキシマブ(商品名:ビロイ)を組み合わせた新しい併用療法の有効性が報告されている。しかしながら、これらのレジメを用いた国際的共同試験におけるOSの中央値は12~18ヵ月程度にとどまっているのが現状である。

デスモプレシン、重大な副作用にアナフィラキシー追加/厚労省

 厚生労働省は2025年6月24日、男性の夜間頻尿や中枢性尿崩症治療薬として使用される脳下垂体ホルモン薬のデスモプレシン酢酸塩水和物(以下、デスモプレシン)と甲状腺・副甲状腺ホルモン薬のチアマゾールに対して、添付文書の改訂指示を発出した。副作用の項に重大な副作用を新設し、デスモプレシンの経口剤と点鼻剤の両剤形においてアナフィラキシーの追記が、チアマゾールには急性膵炎の追記がなされた。なお、デスモプレシンの点鼻剤には、合併症・既往歴等のある患者の項にもアナフィラキシーの発現について追記がなされた。  対象製品は以下のとおり。

フィネレノン、HFpEFの心血管死・心不全入院リスク減~プール解析(FINE-HEART)

 米国・ブリガム&ウィメンズ病院のJohn W Ostrominski氏らが、非ステロイド性ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)のフィネレノン(商品名:ケレンディア)の3件の大規模試験(FIDELIO-DKD、FIGARO-DKD、FINEARTS-HF)をプール解析した「FINE-HEART」から、フィネレノンは左室駆出率(LVEF)の保たれた心不全(HFpEF)の心血管死または心不全による入院を13%減少させることを示唆した。JACC:Heart Failure誌2025年6月11日号掲載の報告。

片頭痛に有効な運動介入は?

 トルコ・Ege UniversityのYunus Emre Meydanal氏らは、さまざまな種類の運動およびその組み合わせが、片頭痛発作および併存疾患に及ぼす影響を検討するため、パイロット研究を実施した。これまで、有酸素運動とレジスタンス運動との組み合わせは、片頭痛患者においてより顕著な症状改善が得られる可能性が示唆されていた。Headache誌オンライン版2025年5月20日号の報告。  本研究は、Ege University Hospitalにおいて、2022年9月〜2024年3月にかけて片頭痛患者24例を対象に、並行群間ランダム化比較試験のパイロット研究として実施した。対象患者は、有酸素運動群、複合運動群(有酸素運動とレジスタンス運動の組み合わせ)、対照群にランダム化した。ベースライン期間に1ヵ月間の頭痛日誌による調査を行った後、両介入群とも同じ有酸素運動を週3日、12週間行った。複合運動群には、有酸素運動に加え、首、背中上部、肩の筋肉をターゲットとした5種類のレジスタンス運動を行った。測定は、ベースライン時、3ヵ月の介入期間後、2ヵ月のフォローアップ期間後に実施した。主要アウトカムは、1ヵ月当たりの片頭痛日数とした。副次的アウトカムには、不安および抑うつレベル、有酸素能力、身体活動レベル、片頭痛関連の生活の質(QOL)とした。

がん診断後の運動習慣が生存率と関連

 がんと診断された後の運動習慣が、生存率と関連しているとする研究結果が報告された。年齢やがんのステージなどの影響を考慮しても、運動量が多いほど生存率が高いという。米国がん協会(ACS)のErika Rees-Punia氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of the National Cancer Institute」に5月21日掲載された。  運動が健康に良いことは古くから知られている。しかしがん診断後には、がん自体や治療の影響で体力が低下しやすく、運動が困難になることも少なくない。たとえそうであっても習慣的な運動が予後にとって重要なようだ。Rees-Punia氏は、「われわれの研究結果は、がん診断後に活動的に過ごすことが生存の確率を有意に高める可能性を示唆する、重要なエビデンスだ」と述べている。