ER+/HER2-進行・転移乳がん、ESR1変異検出時のcamizestrantへの切り替えでPFS延長(SERENA-6)/SABCS2025

提供元:ケアネット

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公開日:2025/12/17

 

 ASCO2025で第III相SERENA-6試験の中間解析結果が報告され、ER+/HER2-の進行または転移を有する乳がんと診断され、アロマターゼ阻害薬(AI)+CDK4/6阻害薬の併用療法を開始してESR1変異が検出された患者が、次世代経口選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)および完全ER拮抗薬であるcamizestrant+CDK4/6阻害薬へ切り替えることによって、無増悪生存期間(PFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。今回、SERENA-6試験の最終PFS解析結果とESR1変異血中循環腫瘍DNA(ctDNA)動態の探索的解析の結果を、フランス・Institut CurieのFrancois-Clement Bidard氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2025、12月9~12日)で報告した。

 SERENA-6試験は、ctDNAによって内分泌療法抵抗性を検出し、病勢進行前に治療の切り替えを実施するアプローチを使用した初の第III相国際共同二重盲検試験。定期的な腫瘍の画像検査時にctDNA検査を行い、内分泌療法抵抗性の初期兆候およびESR1変異を有する患者を特定した。ESR1変異が検出され、病勢進行がない場合は、AI(アナストロゾール、レトロゾール)からcamizestrant(75mg、1日1回経口投与)に切り替えて、同じCDK4/6阻害薬(パルボシクリブ、アベマシクリブ、ribociclib)との併用を続けた。camizestrant切替群にはAIのプラセボ、AI継続群にはcamizestrantのプラセボも投与された。

 主な結果は以下のとおり。

・315例の患者がcamizestrant切替群(157例)とAI継続群(158例)に無作為に割り付けられた。データカットオフ(2025年6月30日)時点での追跡期間中央値は18.7ヵ月であった。
・主要評価項目であるPFS中央値は、camizestrant切替群16.6ヵ月(95%信頼区間[CI]:14.7~19.4)、AI継続群9.2ヵ月(同:7.2~9.7)であり、中間解析と同様にcamizestrant切替群で有意に良好であった(ハザード比[HR]:0.46[95%CI:0.34~0.62]、p<0.00001)。
・2次治療開始後のPFS(PFS2)中央値は、camizestrant切替群25.7ヵ月(95%CI:20.3~28.9)、AI継続群19.4ヵ月(同:17.8~21.4)であった(HR:0.56[95%CI:0.39~0.80]、名目のp=0.00153)。
・化学療法/抗体薬物複合体(ADC)の投与を開始するまでの期間の中央値は、camizestrant切替群22.7ヵ月(95%CI:20.3~31.5)、AI継続群18.7ヵ月(同:16.7~24.7)であり、camizestrant切替群で長かった(HR:0.69[95%CI:0.49~0.97]、p=0.029)。
・8週時点のESR1変異のアレル頻度はcamizestrant切替群で大幅に減少し(ベースラインからの変化の中央値:-100%[IQR:-100~-100])、AI継続群で増加した(同:+66.7%[IQR:-67.9~+465.0])(p<0.00001)。AI継続群では、ESR1変異のアレル頻度がベースラインから500%以上増加した患者は24.4%であったのに対し、camizestrant切替群では0.8%であった。
・新たな安全性シグナルは報告されなかった。

(ケアネット 森)