日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1082

シャープ、プラズマクラスター技術による付着・浮遊MRSAの活動抑制効果を実証

シャープは、北里研究所 北里大学北里研究所メディカルセンター病院と共同で、高濃度プラズマクラスターイオンが代表的な院内感染菌である「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」の活動を、付着および浮遊両状態において抑制することを実証したことを発表した。

カリフォルニア、新型インフルの入院・死亡リスクは1歳未満が最大

米国カリフォルニア州の調査によると、新型(A/H1N1)インフルエンザで入院または死亡した割合は、年齢別では1歳未満の乳幼児が最大で、10万人中11.9人に上ることが報告された。入院または死亡した人の年齢中央値は27歳(範囲:1~92歳)と、通常のインフルエンザに比べて低年齢の傾向であることも確認された。米国カリフォルニア州公衆衛生局のJanice K. Louie氏らの調べで明らかになったもので、JAMA誌2009年11月4日号で発表している。

医療従事者のインフルエンザ予防、サージカルマスクはN95マスクと効果同等

 医療従事者のインフルエンザ予防に、サージカルマスク装着が、N95マスクを装着した場合と同等の効果があることが、カナダMcMaster大学のMark Loeb氏らによる、看護師400人超を対象とした無作為化試験で明らかにされた。サージカルマスクとN95マスクを比較してのインフルエンザ予防効果に関するデータは、ほとんどなかった。一方でN95マスクは、入手が不可能な国もあるうえ、インフルエンザ流行時期には入手困難になる場合が少なくない。JAMA誌2009年11月4日号(オンライン版2009年10月1日号)からの報告。

それでも低調、パンデミック宣言後の香港市民の新型インフルワクチン接種意欲

香港の医療従事者を対象とした調査(5月)で、新型インフルのワクチン接種希望者が半数以下にとどまることが報告されている(2009/10/02配信:http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=10240)。低調の背景には過去の季節性インフルワクチンの“歴史”が大きく影響しており、ワクチンの効果や安全性に対する疑念があった。では一般市民の意識はどうなのか。香港大学のJoseph T F Lau氏らが、接種費用およびワクチン効果に関する5つの仮説を用意し、接種意図について約300人に電話インタビューを行った。これまでの接種動向を見ると、2006~2007年シーズンの季節性インフルワクチン接種率は、高齢者35%、妊婦4%、2歳未満児9%、持病がある人23%、健常者15%と低調だったという。BMJ誌2009年10月31日号(オンライン版2009年10月27日号)より。

腎移植後のEPO製剤投与、ヘモグロビン濃度125g/L超で死亡率が上昇

腎移植後に貧血を呈する患者は40%近くに達し、重症貧血患者の約20%はエリスロポエチン(EPO)製剤の投与を受けている。しかし最近のデータは、EPO製剤投与が一定の条件下で死亡率を増加させる可能性があることを示唆していた。オーストリア・ウィーン医科大学のGeorg Heinze氏らの研究グループは、EPO製剤の安全かつ死亡率上昇を招かないヘモグロビン濃度の最適範囲を調べるため、後向きコホート研究を実施した。BMJ誌2009年10月31日号(オンライン版2009年10月23日号)より。

HIV感染症:進歩と進化

11月5日に開催された、アボット ジャパン株式会社 メディアセミナー「HIV/AIDS診療最前線―女性における感染の現状と対策」のレポートをお届けする。国立国際医療センター戸山病院 エイズ治療・研究開発センター センター長の岡慎一氏は、HIV/AIDS診療のこれまでの変遷と今後の展望について、最新の知見や自身の施設におけるデータも交え、講演した。

アステラス製薬、米国アイアンウッド社とLinaclotide(リナクロチド)に関するライセンス契約締結

アステラス製薬株式会社は10日、米国の医薬品会社アイアンウッド社と同社が米国にて便秘型過敏性腸症候群および慢性便秘の治療薬として開発中の「Linaclotide(リナクロチド、一般名)」について、日本およびインドネシア、韓国、フィリピン、台湾、タイ(以下「契約地域」)での開発、販売に関する独占的なライセンス契約を締結したと発表した。

女性の64%が免疫力を高めようと意識している

グラクソ・スミスクライン株式会社は11日、かぜ等が流行するシーズンの到来を控え、女性を対象とした『免疫力』に関する生活者意識調査を行った結果を発表した。調査期間は2009年10月22日から10月26日の5日間で、600人から有効回答を得た。その調査結果をもとに、現代人の『免疫力』に対する意識と対策方法、免疫力低下からくるといわれる病気とその対処法についてまとめたところ、20代~40代の女性に、去年より免疫力を高めようという意識が向上したかについて尋ねたところ(複数回答)、全体の64.0%が「はい(向上した)」と回答していたことがわかった。

中枢神経系リンパ腫、高用量メトトレキサート+シタラビン併用療法が有用

原発性中枢神経系リンパ腫の治療として、高用量メトトレキサート(商品名:メソトレキセート)に高用量シタラビン(同:キロサイド、サイトサール)を併用する方法は、高用量メトトレキサート単剤に比べ予後良好で、有害事象も許容できることが、イタリアSan Raffaele科学研究所腫瘍科リンパ性悪性疾患部のAndres J M Ferreri氏らInternational Extranodal Lymphoma Study Group (IELSG)による無作為化試験で明らかとなった。中枢神経系リンパ腫はまれな疾患であるため無作為化試験の実施が難しく、治療法についても議論が多く無作為化試験を行うにも全体的な戦略や主要エンドポイントに関するコンセンサスが得られにくい状況だという。現時点で、新規診断例に最も頻用されているは高用量メトトレキサート+全脳照射である。Lancet誌2009年10月31日号(オンライン版2009年9月20日号)掲載の報告。

早期glatiramer acetate治療、多発性硬化症の臨床的進行を抑制:PreCISe試験

glatiramer acetateによる早期治療は、多発性硬化症(multiple sclerosis; MS)が疑われる最初の臨床症状(clinically isolated syndrome; CIS)とMRI上で活動性の脳病変が検出されている患者が、臨床的に確実なMS(clinically definite MS; CDMS)へ移行するのを遅延させることが、イタリアSan Raffaele科学研究所生命・健康大学実験神経学のG Comi氏ら実施した無作為化試験(PreCISe試験)で示された。MSは軸索の損傷および消失を伴う中枢神経系の炎症性脱髄性疾患で、軸索損傷の範囲は炎症の程度と密接に関連しており、罹患期間や臨床的カテゴリー分類が重要とされる。glatiramer acetateは、欧米ではすでに再発・寛解を繰り返すMS(relapsing-remitting MS; RRMS)における再発回数の減少効果について承認を得ており、1日1回皮下注法による再発率、MRI上の活動性病変数、疾病負担の低減効果が確認されているという。Lancet誌2009年10月31日号(オンライン版2009年10月7日号)掲載の報告。

バイオ医薬品生産技術プラットフォームBI-HEXにより、チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いた抗体生産で高生産性を実現

ドイツ・ベーリンガーインゲルハイム社は2日、同社の研究チームが独自のバイオ医薬品生産技術プラットフォームBI-HEXにより、記録的な生産性で抗体生産を実現したと発表した。治療用モノクローナル抗体を発現させるCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞の植種培養および流加培養で、1日に細胞1個あたり 100pg(1pgは1兆分の1g)以上の抗体生産を実現化したとのこと。

「アバスチン」、非小細胞肺がんに対する効能・効果、用法・用量の追加承認取得

中外製薬株式会社は9日、抗VEGFヒト化モノクローナル抗体ベバシズマブ(遺伝子組換え)-販売名『アバスチン点滴静注用100mg/4mL、同400mg/16mL』について、6日に厚生労働省より「扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する効能・効果および用法・用量の追加に関する承認を取得したと発表した。

約9割の患者がより改善した経口血糖降下薬を希望-2型糖尿病の治療に関する調査

ノバルティスファーマ株式会社は9日、11月14日の「世界糖尿病デー」を前に、全国の30代から60代で、2型糖尿病に5年以上の罹患歴があり、現在も経口血糖降下薬による治療を行っている患者男女300名に対して行われた、2型糖尿病の治療に関するインターネット調査の結果を発表した(実施時期:2009年10月)。

リラグルチド、優れた血糖降下作用を1年間(52週)維持-国内第3相試験のデータより

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社はカナダ・モントリオールで開催された世界糖尿病連合(略称:IDF)主催の第20回世界糖尿病会議(2009年10月18~22日)において、新規2型糖尿病治療薬ヒトGLP-1アナログ製剤リラグルチドの、日本国内で実施された2つの第3相臨床試験(52週)の結果を発表した。両試験から、日本人2型糖尿病患者に対するリラグルチドの優れた血糖降下作用、体重増加抑制効果、膵β細胞の機能を表す指標の改善が示され、長期的な臨床効果が示されと報告した。

「フルダラ静注用50mg」「フルダラ錠10mg」にそれぞれ適応追加

バイエル薬品株式会社とジェンザイム・ジャパン株式会社は9日、両社が共同プロモーションを行っている「フルダラ静注用50mg」(一般名:フルダラビンリン酸エステル)の効能・効果として「再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫」が、「フルダラ錠10mg」(一般名:フルダラビンリン酸エステル)の効能・効果として「貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病」が、2009年11月6日付で新たに承認されたと発表した。

抗悪性腫瘍剤「エルプラット」 胃がんの適応拡大を目指した臨床試験を実施

株式会社ヤクルトは9日、白金錯体系抗悪性腫瘍剤オキサリプラチン-販売名『エルプラット注射用50㎎、同100㎎』、『エルプラット点滴静注液50㎎、同100㎎』(以下、エルプラット)の進行・再発胃がんでの適応拡大を目指した、第III相臨床試験を実施することを決定したと発表した。