医療従事者のインフルエンザ予防、サージカルマスクはN95マスクと効果同等

提供元:ケアネット

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公開日:2009/11/17

 

 医療従事者のインフルエンザ予防に、サージカルマスク装着が、N95マスクを装着した場合と同等の効果があることが、カナダMcMaster大学のMark Loeb氏らによる、看護師400人超を対象とした無作為化試験で明らかにされた。サージカルマスクとN95マスクを比較してのインフルエンザ予防効果に関するデータは、ほとんどなかった。一方でN95マスクは、入手が不可能な国もあるうえ、インフルエンザ流行時期には入手困難になる場合が少なくない。JAMA誌2009年11月4日号(オンライン版2009年10月1日号)からの報告。

446人の看護師を無作為に2群に分け追跡

 Loeb氏らは、2008年9月23日~12月8日にかけて、8病院の救急治療部、内科病棟、小児科病棟の看護師446人を対象に試験を行った。被験者は無作為に2群に分けられ、一方はサージカルマスク(225人)を、もう一方はN95マスク(221人)を着用した。N95マスクについては、試験前にきちんとフィットして装着しているかを確認した。

 サージカルマスクの非劣性を示す定義としては、N95マスク群の罹患率からサージカルマスク群の罹患率を引いた場合の95%信頼区間下限信頼限界が、-9%より大きい場合とした。インフルエンザ罹患については、検査で確定された。

インフルエンザ感染率の両群格差は-0.73%

 その結果、インフルエンザ感染が確認されたのは、サージカルマスク群50人(23.6%)、N95マスク群48人(22.9%)だった(絶対リスク格差:-0.73%、95%信頼区間:-8.8~7.3)。先の定義により、サージカルマスクのインフルエンザ予防効果は、N95マスクと同等であることが確認された。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)