死に至る身体障害の予測は不可

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2010/04/14

 



人生の最期、人はどのようにどれだけ衰え死を迎えるのか。高齢者やその家族にとってそれを知り得ることは重要なことだが、どのような経過をたどるのか明らかになっていない。そこで米国エール大学内科のThomas M. Gill氏らは、当初は身体機能レベルに問題がなくその後死亡した、居宅高齢者を追跡評価した。しかし、死に至った健康状態からさかのぼって予測可能な障害の経過を、パターンとして見いだすことはできなかったという。NEJM誌2010年4月1日号より。

居宅高齢者383人の死に至った健康状態と身体障害の経過を評価




Gill氏らは、754人が参加した居宅高齢者の追跡調査(1998年3月~1999年10月の間に試験登録し、2008年12月31日まで追跡)から、死亡した383人について評価した。

被験者は、試験登録時はいずれも基本的な日常生活動作に支障はなく、追跡調査の間、毎月、面談調査で身体機能について確認された。死に至った健康状態については、死亡診断書と、試験登録後18ヵ月間隔で行われていた総合評価から入手・確認された。

評価は、死亡前1年間における、身体障害5段階それぞれの経過(身体障害なし~最重度の身体障害を伴う)について検討された。

認知症と突然死は予測できる?




5段階の経過をたどった人はそれぞれ、身体障害なし:65人(17.0%)、危機的障害(最重度)が起きた:76人(19.8%)、加速度的に障害が進んだ:67人(17.5%)、障害が徐々に進行:91人(23.8%)、重大障害が持続的に進行:84人(21.9%)だった。

死に至った健康状態で最も共通していたのは、虚弱(107人・27.9%)だった。次いで、臓器不全(82人・21.4%)、がん(74人・19.3%)、その他疾患(57人・14.9%)、進行性認知症(53人・13.8%)、突然死(10人・2.6%)という結果だった。

身体障害の経過と、死に至った健康状態とを結びつけることができたのは、進行性認知症(67.9%が「重大障害が持続的に進行」という経過を有した)と、突然死(50.0%が「身体障害なし」)だけだった。

他の健康状態については、いずれの身体障害の経過とも34%以下だった。特に、臓器不全(12.2~32.9%)、虚弱(14.0~27.1%)では、身体障害の経過分布がバラバラで、どのような身体障害の経過をたどるのか、予測することができなかった。

(医療ライター:武藤まき)