無作為化試験の報告論文の質は改善されたか?

提供元:ケアネット

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公開日:2010/04/09

 



英国オックスフォード大学医学統計センターのSally Hopewell氏らは、2001年に出された試験論文の執筆勧告「Consolidated Standards of Reporting Trials(CONSORT)Statement」以後、PubMedで検索される論文の質(無作為化試験の特性および手法)が改善されたかを、2000年と2006年とで比較を行った。結果、重要な方法論の面で改善がみられはしたが、論文の質自体は容認できるレベル以下だったという。BMJ誌2010年3月27日号(オンライン版2010年3月23日号)掲載より。

2000年と2006年の発表論文を比較




Hopewell氏らは、2000年12月と2006年12月にPubMed検索された主要無作為化試験論文(試験デザインが平行群、交差、クラスタ、要因解析、分割解析など)を対象とした。

対象論文を、発表年および試験デザインで階層化し、総合項目(試験デザイン、発表学術誌のタイプ、専門領域、介入タイプ、データ収集サイト数、無作為化群の数、サンプルサイズ)、および方法論的項目(試験タイトルに無作為化が使用されているか、主要評価項目が明確か、サンプルサイズ算出、無作為化の手法、割付法の隠蔽度合い、盲検かどうか、盲検の手法)を主要評価項目とし比較検討された。

結果、大部分は、専門誌発表[2000年群:482/519件(93%)vs. 2006年群:555/616件(90%)]の、2群比較[同:379/519(73%) vs. 468/616(76%)]、平行群比較[同:383/519 (74%)vs. 477/616(78%)]の研究論文だった。

しかし、2000年、2006年ともに、平行群比較の試験被験者中央値は、80例だった。

また、医薬品試験の論文の占める割合は、2000年393/519件(76%)から2006年は356/616(58%)に減っていた。一方で、手術試験論文の割合は増えていた(10% vs. 21%)。

なお残る不透明性




方法論的側面で改善が認められたのは、主要評価項目の詳細記述(リスク比:1.18、95%信頼区間:1.04~1.33)、サンプルサイズ算出(同:1.66、1.40~1.95)、無作為化の手法(同:1.62、1.32~1.97)、割付法の隠蔽度合い(同:1.40、1.11~1.76)だった。

しかし、盲検化については改善したことが認められなかった(同:0.91、0.75~1.10)。

以上からHopewell氏は、方法論的な面で改善がみられた部分もあったが、質に関しては改善されているとは言えないと結論。「試験が、どのように設計され、実行されたかの透明性が確保されていなければ、その試験の実効性および有効性を評価することは難しい」とまとめている。