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2026-02-09 ~ 2026-02-15

2026/02/13

がん患者の急性冠症候群、6ヵ月転帰を予測する新スコア/Lancet

ジャーナル四天王

 がんを有する急性冠症候群(ACS)患者の全死因死亡、大出血および虚血性イベントを予測するONCO-ACSスコアが開発され、臨床的に有用で実用的なツールであることが、英国国民保健サービス(NHS)イングランドのFlorian A. Wenzl氏らによる、イングランド、スウェーデンおよびスイスの国民医療データを用いたモデル開発・検証研究の結果で示された。がんを有するACS患者における死亡、出血、およびアテローム血栓症リスクの正確な評価は、新たな個別化治療戦略の策定に役立つ可能性があるが、この目的のために標準化されたツールは存在していなかった。Lancet誌2026年1月31日号掲載の報告。

月経血によるHPV検査、子宮頸がん検診に有望/BMJ

ジャーナル四天王

 Grade2/3以上の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN2+/CIN3+)の検出において、ミニパッドで採取した月経血を用いたヒトパピローマウイルス(HPV)検査は、医師が採取した子宮頸部検体による検査との比較において同等の診断精度であることが、中国・華中科技大学のXun Tian氏らによる地域住民を対象とした研究で示された。月経血を用いたHPV検査は子宮頸がん検診の非侵襲的な代替手段として有望視されており、パイロット研究では医師が採取した子宮頸部検体とHPV遺伝子型の高い一致率が報告されているが、エビデンスは限定的であった。著者は、「本研究の結果は、月経血検体によるHPV検査を子宮頸がん検診ガイドラインに組み込むことを支持するものである」とまとめている。BMJ誌2026年2月4日号掲載の報告。

点鼻のアナフィラキシー補助治療薬「ネフィー」発売/アルフレッサファーマ

医療一般

 アナフィラキシー補助治療薬「ネフィー点鼻液(1mg、2mg)」がアルフレッサファーマから2026年2月12日に発売された。アナフィラキシー補助治療薬としては自己注射製剤のエピペンに続く2剤目となるが、点鼻液での発売は国内初となる。  本製剤はアドレナリンを有効成分とする点鼻液で、蜂毒、食物、および薬物などに起因するアナフィラキシー反応に対する補助治療薬で、点鼻により簡便な投与が可能である。

アシクロビルとバラシクロビルに重大な副作用追加、エンシトレルビルの併用禁忌一部変更/厚労省

医療一般

 2026年2月10日、厚生労働省より添付文書の改訂指示が発出された。アシクロビル(経口剤、注射剤)とバラシクロビル塩酸塩(以下、バラシクロビル)の「重大な副作用」の追加、エンシトレルビル フマル酸(以下、エンシトレルビル)とロナファルニブとの併用が禁忌とされていたリオシグアトの併用注意への変更などが含まれる。  アシクロビルとバラシクロビルの重大な副作用に「急性汎発性発疹性膿疱症」を追加 単純疱疹や帯状疱疹などの治療に用いられる抗ウイルス薬アシクロビルおよびバラシクロビルについて、国内外の急性汎発性発疹性膿疱症症例を評価した結果、因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断された。

うつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法、不安レベルにより有効性に違いはあるか

医療一般

 うつ病患者でよくみられる不安症状は、治療反応の低下と関連している。ブレクスピプラゾールの8週間第IV相オープンラベル試験「ENGAGE試験」において、抗うつ薬への治療反応が不十分なうつ病患者に対するブレクスピプラゾール0.5~2mg/日補助療法により、ライフ・エンゲージメント、抑うつ症状、不安症状の改善が認められた。大塚カナダファーマシューティカルのFrancois Therrien氏らは、臨床的に関連するサブグループにおけるブレクスピプラゾール補助療法の有用性を、ベースライン不安レベル別に明らかにするため、ENGAGE試験の事後解析を実施した。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2025年12月29日号の報告。

乳がん生存率、アジア系と白人を比較

医療一般

 乳がん生存率についてアジア系米国人と白人を比較した研究はほとんどない。今回、中国・Qinghai UniversityのYongxin Li氏らがSEERデータを用いて検討したところ、アジア系米国人の乳がん患者は白人の乳がん患者より全生存期間(OS)が有意に良好で、すべてのサブグループにおいても一貫していた。Clinical Breast Cancer誌2026年3月号に掲載。  本研究はSEERデータベース(2010~21年)のデータを用いて、アジア系米国人と白人の乳がん患者を対象とした後ろ向きコホート研究である。年齢、Stage、分子サブタイプ、治療法などのベースライン特性を調整するため、傾向スコアマッチングを適用した。評価項目はOSおよび乳がん特異的生存期間(BCSS)とした。

てんかん重積状態に対するジアゼパム点鼻液の利点

医療一般

 てんかん重積状態(SE)においては迅速な対応が予後を左右する。新たに登場したジアゼパム点鼻液(商品名:スピジア)が病院前治療にいかなる変革をもたらすのか、3名の専門家が紹介。迅速な発作終息がもたらす神経学的予後の改善と、患者・家族のQOL向上に向けた新たな可能性が示された。  日本のてんかん患者は42万人と推定されるが、文献等によれば100万人にのぼる可能性がある。その中で、抗てんかん薬でも発作をコントロールできない薬剤抵抗性患者は20~30%いるとされる。

入浴中の死亡、年間で最もハイリスクな日は?

医療一般

 日本は世界的にみて高齢者の溺死率がきわめて高く、その主な要因は家庭での入浴習慣にある。とくに入浴中の死亡は冬場にピークを迎えるが、全国規模での外気温の影響や、特定の「ハイリスク日」については十分に検討されていなかった。奈良県立医科大学の田井 義彬氏らの研究グループは、全国の26年間のデータを解析した結果、浴槽内溺死リスクの季節性の影響のうち約80%が外気温の影響であり、元日や大晦日にとくにリスクが上昇することを明らかにした。Environmental Health and Preventive Medicine誌2025年号に掲載。  本研究では、1995〜2020年の死亡診断書に基づく住宅での浴槽内溺死データ(ICD-10コードW65)9万9,930件を用いて、全国47都道府県を対象とした時系列解析を実施した。

2026/02/12

心停止ドナー心移植、再拍動・機械灌流なしのREUP法の実用性/JAMA

ジャーナル四天王

 循環停止ドナー(DCD)の移植心を、ドナーへの蘇生処置を行わずに摘出するために開発されたrapid recovery with extended ultraoxygenated preservation(REUP)法について、多様なドナーおよびレシピエントの集団において、予想された虚血時間に関係なく、安全性、実現可能性および有効性が実証されたことが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのAaron M. Williams氏らによって報告された。REUP法は、若年ドナー集団(16~30歳)および/または虚血時間が短い移植心(4時間未満)であれば、成人DCD心移植への使用が期待できることが示されていた。結果を踏まえて著者は、「現在のDCD移植心回復戦略はコストが高く複雑であり、また常温局所灌流を巡る倫理的な懸念があることから、REUP法の活用は移植心の有望な調達方法となる可能性がある」とし、「この新たな技術の持続的な発展を支持するさらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA誌オンライン版2026年1月26日号掲載の報告。

AI支援マンモ検診、中間期乳がんが減少/Lancet

ジャーナル四天王

 人工知能(AI)支援マンモグラフィスクリーニングは、2人の放射線科医が読影を行う標準的な二重読影と比較して、中間期乳がん(スクリーニングとスクリーニングの間あるいは最後の定期スクリーニング後2年以内に診断された、スクリーニングでは未検出であった原発乳がん)の発生率に関して非劣性で、予後不良の中間期乳がんの減少という良好なアウトカムに結び付き、高い感度、同等の特異度を示しながら、読影者の作業負荷も軽減したことが示された。スウェーデン・Lund UniversityのJessie Gommers氏らが同国で行った無作為化非劣性試験「MASAI試験」の結果を報告した。先行研究で、AI支援のマンモグラフィスクリーニングにより、がんの検出率が増加しかつ読影者の作業負荷を軽減可能であることがエビデンスとして示されているが、中間期乳がんへの有益性は明らかにされていなかった。Lancet誌2026年1月31日号掲載の報告。

日本における認知症有病率、2012年から変化〜久山町研究

医療一般

 2010年代以降、アジア地域における認知症の有病率、発症率、生存率がどのように変化したかを調査した集団ベースの研究は、これまでほとんどなかった。九州大学の小原 知之氏らは、日本のコミュニティにおける37年間の疫学データを用いて、認知症の有病率、発症率、生存率の変化を調査した。Alzheimer's Research & Therapy誌2025年12月29日号の報告。  65歳以上の日本の地域住民を対象に、認知症に関する横断調査を7回実施した(1985、1992、1998、2005、2012、2017、2022年)。また、1988年(803例)、2002年(1,231例)、2012年(1,519例)に、認知症を発症していない65歳以上の住民を対象とした3つのコホートを設定し、それぞれ10年間フォローアップ調査を行った。認知症有病率の傾向は、ロジスティック回帰モデルを用いて検証した。年齢と性別で調整した後、コホート間で認知症発症率と認知症発症後の生存率を比較するため、Cox比例ハザードモデルを用いた。

気管支拡張症へのbrensocatib、日本人サブグループ解析結果(ASPEN)

医療一般

 非嚢胞性線維症性気管支拡張症は、慢性的な咳嗽や膿性痰を伴い、増悪を繰り返すことで肺機能低下やQOL低下を招く進行性の炎症性呼吸器疾患である。炎症には好中球エラスターゼなどの好中球セリンプロテアーゼが深く関与しており、その活性化を担うのがジペプチジルペプチダーゼ1(DPP-1)とされている。そこで、DPP-1阻害薬brensocatibが開発され、非嚢胞性線維症性気管支拡張症患者を対象とした国際共同第III相試験「ASPEN試験」において、増悪を抑制することが示された。本試験の結果から、米国食品医薬品局(FDA)は2025年8月に非嚢胞性線維症気管支拡張症を適応症として、brensocatibを承認した(本邦では承認申請中)。

日本の帯状疱疹罹患率、約10年で増加

医療一般

 日本における帯状疱疹罹患率は2014年以降の約10年間で増加傾向にあり、罹患率は加齢に伴い増加することが明らかになった。自治医科大学の片山 真穂氏らが、日本のレセプトデータベースを用いた大規模解析の結果を、BMC Infectious Diseases誌2026年1月10日号に報告した。  本研究では、2014年4月~2023年3月の帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛の標準化罹患率を検討するため、日本のレセプトデータベース(DeSCデータベース、約1,250万人のデータを含む)を用いた大規模解析を実施した。帯状疱疹発症後の入院および帯状疱疹後神経痛のリスクを評価するとともに、国のサーベイランスデータを用いて水痘罹患率の解析も行った。

腎不全リスク別にみたSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬の有効性

医療一般

 2型糖尿病患者において、腎不全リスクの高低によるSGLT2阻害薬およびGLP-1受容体作動薬の腎不全や心血管アウトカムを調査した結果、GLP-1受容体作動薬は腎不全の中等度リスクの患者に、SGLT2阻害薬は高度リスクの患者にそれぞれより有益である可能性が、米国・ユタ大学のSydney E. Hartsell氏らによって報告された。Clinical Journal of the American Society of Nephrology誌オンライン版2026年1月13日号掲載の報告。  研究グループは、2018年1月1日~2021年12月31日にSGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬(非エキセンジン系)またはインスリン グラルギンのいずれかを新たに開始した2型糖尿病を有する米国退役軍人コホートを用いて観察研究を行った。

発症前のアバタセプト投与により関節リウマチの発症が遅延

医療一般

 長年使用されてきた生物学的製剤を事前に投与することで、関節リウマチ(RA)の発症を数年間遅らせることができる可能性のあることが、新たな研究で示された。アバタセプト(商品名オレンシア)を週1回、52週間にわたり投与された人では、RAの発症が最大で4年遅延したという。アバタセプトは、免疫細胞の活性化を抑えることでRAの原因となる免疫反応を低下させる薬剤であり、2005年末に米食品医薬品局(FDA)によりRA治療薬として承認された。英キングス・カレッジ・ロンドン、リウマチ性疾患センター長のAndrew Cope氏らによるこの研究の詳細は、「The Lancet Rheumatology」に1月20日掲載された。

2026/02/11

変形性膝関節症、膝装具の追加で患者報告アウトカムが改善/BMJ

ジャーナル四天王

 変形性膝関節症の患者では、助言・書面情報・運動指導による介入と比較して、これに膝装具の装着とアドヒアランス介入を追加すると、6ヵ月時の患者報告アウトカムがわずかながら有意に改善するが、12ヵ月後には有意差は消失し、有害事象の多くは軽微で予期されたものであることが、英国・Keele UniversityのMelanie A. Holden氏らが実施した「PROP OA試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2026年1月26日号に掲載された。  イングランドの無作為化対照比較優越性試験 PROP OA試験は、イングランドの4つの地域で実施した無作為化対照比較優越性試験(英国国立衛生研究所[NIHR]医療技術評価プログラムなどの助成を受けた)。

妊娠前・妊娠初期におけるGLP-1受容体作動薬の中止による影響(解説:小川大輔氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

 妊娠中に初めて発見または発症した糖代謝異常である「妊娠糖尿病」と、妊娠前から糖尿病を患っている「糖尿病合併妊娠」は、どちらも高血糖が胎児の発育に影響を与えるため妊娠中の血糖管理が非常に重要になる。そして妊娠中の糖尿病の薬物療法はインスリン療法が原則となる。妊娠前から経口血糖降下薬などで治療していた場合でも、妊娠する前、あるいは妊娠が判明した時点でインスリンへの変更が必要となる1)。これは、経口血糖降下薬が胎盤を通して胎児に運ばれ、低血糖を引き起こす可能性があるためである。  GLP-1受容体作動薬に関しては、ラットやラビットを用いた動物実験でGLP-1受容体作動薬の投与により胎児の構造異常、子宮内での発育制限、胎児の死亡などが報告されており、妊娠中はGLP-1受容体作動薬の使用を避けるべきとされている1)。

政府主導の現金給付プログラムが死亡率に関連する行動および健康決定要因に与える影響:差の差研究(解説:名郷直樹氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

ランダム化比較試験で検討困難な疑問に関して、ビッグデータを用いた観察研究によって検討しようという流れの中にある研究である。37の低~中所得国家を対象とし、政府主導の現金給付プログラムを提供している国と提供していない国を比較し、また提供された国における提供前と提供後を比較して、死亡に関連する17のアウトカムを検討している。 解析方法は、“difference-in-differences study”とあるように、少し特殊である。具体的には、現在現金給付を行っている国の行っていない時期とのアウトカムの差から、行っていない国の現在のアウトカムと行っている国の行っていないのと同時期のアウトカムの差を差し引いたものを効果の指標としている。

気圧の変化は片頭痛の重症度や頻度に関係しているのか?~メタ解析

医療一般

 片頭痛は、最も一般的な神経疾患の1つであり、悪心・嘔吐、羞明、音恐怖、感覚・視覚障害などの症状を伴う頭痛発作を特徴とする疾患である。気象条件などのさまざまな因子が潜在的な片頭痛の誘発因子であると考えられている。グレナダ・St. George's UniversityのAbduraheem Farah氏らは、気圧変化が片頭痛の重症度、頻度、持続時間に及ぼす影響を調査した既存エビデンスを評価し、統合することを目的として、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Cureus誌2025年11月14日号の報告。  本システマティックレビューは、PRISMAガイドラインに準拠し、実施した。適格基準を定め、PubMed、SCOPUS、EMBASE、CINAHLより包括的に検索した。関連研究をスクリーニングし、事前に定義されたスプレッドシートを用いてデータを抽出した。研究の質とバイアスのリスクは、NIHの観察研究、コホート研究、横断研究のための品質評価ツールを用いて評価した。

生成AIの使用頻度が高いほどうつや不安の重症度が高い

医療一般

 生成AIの使用頻度が高いほどうつの重症度が高く、不安やイライラについても同様の傾向であったことが、米国成人における大規模インターネット調査でわかった。米国・マサチューセッツ総合病院のRoy H. Perlis氏らが生成AIの使用頻度と陰性感情症状との関連を調査した結果が、JAMA Network Open誌2026年1月2日号に掲載された。  本研究は、2025年4~5月に米国50州とコロンビア特別区で実施された18歳以上を対象としたインターネット調査のデータを使用した。

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