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2026-03-30 ~ 2026-04-01

2026/04/01

腱滑膜巨細胞腫、pimicotinibが高い奏効率/Lancet

ジャーナル四天王

 腱滑膜巨細胞腫(TGCT)は、関節滑膜、滑液包、腱鞘などに発生する局所的に侵襲性の高いまれな軟部組織腫瘍であり、痛み、腫れ、こわばり、関節可動域の低下が一般的な症状で、適切な治療が行われないと関節や骨に不可逆的な損傷を引き起こす可能性があるという。中国・首都医科大学のHairong Xu氏らは「MANEUVER試験」において、手術不能なTGCTの治療ではプラセボと比較してpimicotinib(高選択性の強力なコロニー刺激因子-1受容体[CSF-1R]阻害薬)は、25週時の客観的奏効率(ORR)が有意に高く、TGCT関連の機能制限および症状の負担に関して臨床的に意義のある改善をもたらし、管理可能な安全性プロファイルを有することを示した。研究の成果は、Lancet誌2026年3月14日号で報告された。

HER2変異陽性NSCLCへのゾンゲルチニブ、脳転移例にも奏効(Beamion LUNG-1)/ELCC2026

医療一般

 ゾンゲルチニブは、未治療のHER2遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、管理可能な安全性プロファイルとともに高い抗腫瘍活性を示し、活動性脳転移を有する患者においても良好な頭蓋内活性を示した。欧州肺がん学会(ELCC2026)において、John V. Heymach氏(米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンター)が、国際共同第Ia/Ib相試験「Beamion LUNG-1試験」のコホート2(未治療のチロシンキナーゼドメイン[TKD]の変異陽性患者)、およびコホート4(ベースライン時に活動性脳転移を有するTKDの変異陽性患者)の結果を報告した。

肝がん、TACE後のアテゾリズマブ+ベバシズマブが有用(TALENTACE)/日本臨床腫瘍学会

医療一般

 Intermediate Stage(中間期)の肝細胞がん(HCC)に対して、TACE(肝動脈化学塞栓療法)が標準治療として広く用いられているものの、腫瘍負荷の高いHCCではその有効性は限定的である。TACE後にアテゾリズマブ+ベバシズマブを投与することで予後が改善する可能性があることが報告された。中国と日本のHCC患者を対象に行われたTALENTACE試験の結果を、第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)のPresidential Sessionで近畿大学の工藤 正俊氏が発表した。

1次治療前のがん遺伝子パネル検査の結果が生存期間を延長する可能性(FIRST-Dx)/日本臨床腫瘍学会

医療一般

 1次治療前からのがん遺伝子パネル検査(CGP検査)は推奨治療を受けた患者の生存を改善するという結果が第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)において報告された。  日本でのCGP検査は2019年6月から保険診療で実施可能となったが、その適応は「標準治療がない、もしくは終了した症例」に限られている。そのため、CGP検査の結果から、有効な治療薬に到達する割合は低い。厚生労働省第12回がんゲノム医療中核拠点病院等連絡会議資料では、CGP検査結果に基づいた治療を実際に受けた症例は8.2%にとどまる。

初の人乳由来母乳強化剤が承認、超早産児の栄養管理に新たな選択肢/クリニジェン

医療一般

 2026年3月18日、「極低出生体重児等の体重増加不全を呈する新生児及び乳児の栄養管理」を効能又は効果とする、プリミーフォート経腸用液が薬価収載され、2026年4月下旬の発売が予定されている。プリミーフォート経腸用液は、極低出生体重児等の栄養管理を目的とした人乳由来母乳強化剤の医薬品として、本邦で承認された初めての製品となる。クリニジェンは同日「超早産児の新しい栄養管理とNICUの未来~本邦初の完全人乳栄養による経腸栄養の可能性~」と題したメディアセミナーを開催。水野 克己氏(昭和医科大学小児科学講座)が登壇し、超早産児の栄養管理の考え方と同製品の役割について解説した。

統合失調症、うつ病のガイドライン教育が日本の精神科治療に及ぼす影響は?

医療一般

 教育的介入は、直接介入を受ける参加者だけでなく、同じ組織内の非参加者にも影響を与える可能性がある。北海道大学の堀之内 徹氏らは、リアルワールドにおける臨床診療ガイドラインの実施において、組織内における教育的スピルオーバー効果が生じるかどうかを検証した。Asian Journal of Psychiatry誌2026年4月号の報告。  2016〜24年に精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究(EGUIDE)プロジェクトに参加した298施設における、統合失調症(2万2,032例)およびうつ病(1万1,207例)の入院患者の退院データを収集した。

2つのRCT事後解析からみたカナグリフロジンの尿路感染症発症リスク

医療一般

 2型糖尿病患者におけるカナグリフロジンの尿路感染症(UTI)発症リスクは尿中白血球エステラーゼ(LE)および亜硝酸塩が異常値であってもプラセボと同程度だったという研究結果が、Nephrology Dialysis Transplantation誌オンライン版2026年3月16日号に報告された。  SGLT2阻害薬は心腎系の有益性が確立されているものの、UTIのリスクに対する懸念から、とくに高リスク患者では使用が制限される可能性がある。  大阪大学の土井 洋平氏らは、UTIの診断に有用とされるLEおよび亜硝酸塩を指標にカナグリフロジンとUTIとの関連を検証した。

心房細動/心房粗動の発症リスク、低亜鉛が影響

医療一般

 亜鉛欠乏症は心房細動(AF)/心房粗動(AFL)発症の重要な独立した危険因子となる可能性が、台湾・Chi Mei Medical CenterのI-Wen Chen氏らの研究から明らかになった。近年、AF/AFLの有病率が世界的に増加しており、修正可能なリスク因子の特定が喫緊の課題である。また、心血管疾患との関連が示唆されている亜鉛欠乏症について、AF/AFLの発症を関連付けるような大規模なエビデンスは依然として限られていた。Frontiers in Nutrition誌2026年2月20日号掲載の報告。

2026/03/31

多臓器mCRC、腫瘍減量療法追加で全生存期間は改善するか/JAMA

ジャーナル四天王

 多臓器の転移を有する大腸がん(mCRC)患者の治療では、局所治療と全身療法の併用が生存率を改善する可能性が、多くの後ろ向き研究で示唆されている。オランダ・Radboud University Medical CenterのElske C. Gootjes氏らORCHESTRA Study Groupは、この課題を前向きに検討し(ORCHESTRA試験)、緩和的全身化学療法単独と比較して、全身療法に局所治療として腫瘍減量療法を加えても、全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)は改善せず、重篤な有害事象が有意に増加することを示した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年3月16日号に掲載された。

転移乳がんへのサシツズマブ ゴビテカン、アジアを含む安全性統合解析/日本臨床腫瘍学会

医療一般

 サシツズマブ ゴビテカン(SG)は、既治療で転移を有するトリプルネガティブおよびHR+/HER2-乳がん患者を対象とした複数の臨床試験において、標準治療と比較して患者の転帰を大幅に改善し、安全性プロファイルは管理可能であることが示されている。今回、米国やカナダ、欧州、アジアで実施された試験でSGを投与された転移乳がん患者の安全性データを統合した解析結果を、米国・UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer CenterのHope S. Rugo氏が第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)で発表した。

再発・難治性濾胞性リンパ腫へのエプコリタマブ+R2併用療法のEPCORE FL-1試験、日本人解析を含む最新データ/日本臨床腫瘍学会

医療一般

 1ライン以上の治療歴を持つ濾胞性リンパ腫に対するエプコリタマブ+R2(レナリドミド+リツキシマブ)療法とR2療法を比較した国際第III相試験であるEPCORE FL-1試験において、規定された2回目の中間解析から得られた、日本人データを含む最新版のデータについて、がん研究会有明病院の丸山 大氏が第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)で発表した。エプコリタマブ+R2療法群はR2療法群に比べ、有意に高い全奏効割合(ORR)と無増悪生存期間(PFS)の延長が認められ、日本人集団の追跡期間は短いものの全体集団の結果と一貫していることが示唆された。

「心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン」をフォーカスアップデート/日本循環器学会

医療一般

 『2026年JCS/JSOGガイドラインフォーカスアップデート版 心血管疾患患者の妊娠・出産の適応と診療』1)が第90回日本循環器学会学術集会(2026年3月20~22日)会期中の3月20日に発刊された。本ガイドラインの研究班長を務めた神谷 千津子氏(国立循環器病研究センター循環器病周産期センター)と桂木 真司氏(宮崎大学産科・婦人科 主任教授)が本学術集会プログラム「ガイドラインを学ぶ2」において、妊娠を避けることを強く望まれる心疾患、妊産婦に注意が必要な循環器用薬を中心に解説した。

生涯を通じた食生活の質が認知機能と関連している

医療一般

 食生活は、高齢期における認知機能低下や認知症発症のリスク因子である。しかし、食生活の質と認知機能の長期的な関係は、これまであまりよくわかっていなかった。米国・タフツ大学のKelly C. Cara氏らは、食生活の質と認知機能の傾向、そして生涯にわたるこれらの相互関係について調査を行った。Current Developments in Nutrition誌2025年12月20日号の報告。  1946年英国出生コホート(3,059例、男性の割合:50.2%)のデータを用いて、混合軌跡モデリング(group-based trajectory modeling)により、幼少期から成人期後期までの食生活と認知機能の軌跡およびそれらの関連性、また食生活の軌跡とその後の認知症の徴候との関連性を調査した。

遠隔診療で医療費が対面診療の約5分の1に

医療一般

 遠隔診療は単に便利なだけでなく、患者と医療システム双方の医療費削減につながることが、新たな研究で示された。特に頻度の高い症状の診療においては、遠隔診療では対面診療と比べて医療費を約5分の1に抑えられることが明らかになったという。米ペンシルベニア大学戦略的イニシアチブのシニアバイスプレジデントであるDavid Asch氏らによるこの研究の詳細は、「JAMA Network Open」に2月9日掲載された。  Asch氏は「この研究を行う前は、遠隔診療は“応急処置”を気軽に受けられる手段の一つに過ぎず、対面診療を先延ばしにするだけで、結果的に全体の医療費を押し上げるのではないかという懸念があった」と説明。

BMIでは見えない死亡リスク?新体型指標の可能性~日本人大規模コホート

医療一般

 体格評価に広く用いられるBMI(体格指数)だが、その限界も指摘されている。近年、体型の丸みや腹囲を反映する指標であるBody Roundness Index(BRI)や、体型形状を考慮したA Body Shape Index(ABSI)が提案されている。今回、日本人約78万人を対象とした大規模研究で、これらの指標が死亡リスク評価に新たな視点をもたらす可能性が示された。研究は、東京大学大学院医学系研究科ヘルスサービスリサーチ講座の木村悠哉氏らによるもので、詳細は1月31日付で「Journal of Obesity」に掲載された。

2026/03/30

ICUでの身体拘束、限定的vs.系統的/JAMA

ジャーナル四天王

 侵襲的人工換気を受けるICU入室成人患者に対する手首拘束具の使用について、低頻度(限定的)使用戦略は高頻度(系統的)使用戦略と比べて、14日時点のせん妄または昏睡のない日数を減少させないことが示された。フランス・パリ・シテ大学のRomain Sonneville氏らR2D2-ICU Investigator Study Groupが、非盲検無作為化試験「R2D2-ICU試験」の結果を報告した。先行研究によると、ICU入室患者の約半数が身体拘束を受けているとされる。ICUにおける身体拘束は現実的な安全対策と見なされている一方、身体拘束が患者のストレスや興奮を増大させ、鎮静薬などの使用によってせん妄や昏睡のリスク、ひいては死亡や認知機能低下などのリスクが高まる懸念も指摘されている。

脳卒中・出血リスクの高い心房細動患者、LAAC vs.最善薬物療法/NEJM

ジャーナル四天王

 脳卒中および出血リスクの高い心房細動患者において、左心耳閉鎖術(LAAC)は医師主導の最善薬物療法(physician-directed best medical care)に対して、複合エンドポイント(脳卒中、全身性塞栓症、大出血、心血管死または原因不明の死亡)に関して非劣性は示されなかった。ドイツ・Charite University Medicine BerlinのUlf Landmesser氏らCLOSURE-AF Trial Investigatorsが、同国で行ったプラグマティックな多施設共同前向き非盲検無作為化試験の結果で報告した。LAACは、心房細動患者の脳卒中予防において経口抗凝固薬に代わる選択肢であるが、脳卒中および出血リスクの高い患者において、医師主導の最善薬物療法と比較した有効性は明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2026年3月18日号掲載の報告。

日本人統合失調症外来患者における抗精神病薬の多剤併用パターンを調査

医療一般

 統合失調症治療において抗精神病薬単剤療法が推奨される標準療法であるにもかかわらず、2種類以上の抗精神病薬の併用と定義される多剤併用は、臨床現場で依然として一般的に行われている。佐賀大学の祖川 倫太郎氏らは、日本の統合失調症外来患者における抗精神病薬の多剤併用率とその要因について調査するため、全国横断調査を実施した。International Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2026年2月18日号の報告。  2024年10月21~25日に、医療機関36施設より3,657例の外来患者データを収集した。

透析患者でもGLP-1薬開始で心血管イベント・死亡リスク低下と関連

医療一般

 維持透析を受けている腎不全の2型糖尿病患者において、GLP-1受容体作動薬(GLP-1薬)の新規使用は、他の一般的な血糖降下薬と比較して心血管イベントおよび全死因死亡のリスク低下と関連していたことを、米国・Duke University School of MedicineのBenjamin Catanese氏らが示した。Journal of the American Society of Nephrology誌オンライン版2026年3月12日号掲載の報告。  GLP-1薬は、透析を必要としない慢性腎臓病患者において心血管イベントリスクを低減することが報告されている。しかし、透析に至った腎不全患者におけるGLP-1薬の有益性は依然として不明であり、腎不全患者の心血管アウトカムを改善する治療選択肢は限られている。

辛い食品は炎症性腸疾患リスクを上げるのか

医療一般

 潰瘍性大腸炎やクローン病を含む炎症性腸疾患(IBD)は世界的に有病率が増加しており、その原因として食事の関与が指摘されている。今回、サウジアラビア・保健省のAnas Almofarreh氏らが、辛い食品の毎日の摂取とIBDリスクとの関連を検討したところ、クローン病とは関連を示したが、潰瘍性大腸炎との関連は認められなかった。Nutrition誌2026年5月号に掲載。

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