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2026-06-15 ~ 2026-06-16

2026/06/16

アルツハイマー病のバイオマーカー、中年期にも検出可能か/Lancet

ジャーナル四天王

 アミロイドβ(Aβ)およびリン酸化タウ(p-tau)タンパク質の蓄積を特徴とするアルツハイマー病の神経病理学的所見は、主に高齢者の検体のバイオマーカーを用いて評価しており、中年期の血漿バイオマーカーの状態や、その認知機能との関連はほとんど知られていないという。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のXiaqing Jiang氏らは、これらの血漿バイオマーカーによって定義されるアルツハイマー病の神経病理学的陽性所見は、相対的に頻度は低いものの、中年期にも検出可能であり、認知能力の低下やその加速と関連し、特定の集団においてより強い関連性を持つ可能性があることを示した。研究の成果はLancet誌2026年5月30日号で報告された。

うつ病の再発を予測する残存症状は?

医療一般

 うつ病の急性期治療が成功した後の再発予防は、依然として臨床上の課題となっている。残存する抑うつ症状は、再発の信頼できる予測因子であると考えられる。しかし、特定の残存症状が再発リスクにどの程度影響を及ぼしているかをシステマティックに評価した研究は、これまであまりなかった。ベルギー・ルーベン大学のDavid Borghgraef氏らは、うつ病の急性期治療が成功した後に残存する抑うつ症状と再発リスクとの関連を調査するため、スコーピングレビューを実施した。Canadian Journal of Psychiatry誌オンライン版2026年5月6日号の報告。

ALK陽性NSCLC、術前ロルラチニブでpCR 46.9%(LORIN)/ASCO2026

医療一般

 ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)において、StageIB~IIIAに対する術後アレクチニブの有効性が示されている。一方、局所進行例や切除不能StageIIIに対する周術期治療のエビデンスは限定的である。第3世代ALKチロシンキナーゼ阻害薬のロルラチニブは、ALK融合遺伝子陽性の進行NSCLCで高い有効性を示しており、術前治療としての有用性も注目される。  そこで、Chao Zhang氏(中国・Guangdong Lung Cancer Institute)らの研究グループは、ALK融合遺伝子陽性のStageIII NSCLCに対する術前ロルラチニブの有効性と安全性を検討する海外第II相試験「LORIN試験」を実施した。

テレビや映画の偏った自閉症の描写が診断の遅れを招く可能性

医療一般

 映画やテレビに登場する自閉スペクトラム症(ASD)の男性のステレオタイプな描写の影響で、女性やノンバイナリーの人の間でASDの診断が遅れがちになっている可能性が、新たな研究で示唆された。ドラマ『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』(原題:The Big Bang Theory)のシェルドン・クーパーや、映画『レインマン』(原題: Rain Man)のレイモンド・バビットといった登場人物は、ひと目でASDだと分かるように描かれている。しかし、こうした描写は過度に誇張され単純化されているため、ASDの人には共感しにくいものになっていることが判明したという。英スターリング大学のSarah Dantas氏らによるこの研究の詳細は、「Societies」に4月29日掲載された。

術後の歩数は回復を左右する?

医療一般

 手術から回復中の患者にとって、散歩は順調な術後回復を促す簡単な方法となるかもしれない。新たな研究で、術後の1日当たりの歩数が術前と比べて1,000歩増加するごとに、入院期間が短縮し、合併症リスクが低下することが示された。このような歩数の増加と転帰改善との関連は、患者の全身状態にかかわりなく、さまざまな種類の手術で認められたという。米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターのTimothy Pawlik氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American College of Surgeons」に5月6日報告された。

不眠症と心房細動の関連、全国178万人データで検証

医療一般

 不眠症は多くの人が経験する身近な症状であり、生活の質の低下に加え、さまざまな健康リスクとの関連も指摘されている。今回、日本の全国規模データを用いた解析から、不眠症は心房細動の発症リスク上昇と有意に関連することが示され、特に若年層や女性でその傾向が強いことが明らかになった。睡眠の状態が心臓のリズム異常と関連する可能性を示した研究として注目される。研究は、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科循環器内科学分野の増田拓郎氏、江尻健太郎氏、東京大学医学部附属病院循環器内科先進循環器病学講座の金子英弘氏らによるもので、詳細は4月20日付の「Journal of the American Heart Association(JAHA)」に掲載された。

膵臓がんの発症リスク、血糖と生活習慣で予測可能か

医療一般

 膵臓がんは早期発見が難しく、診断時にはすでに進行していることが少なくない。今回、静岡県の健診データとレセプトデータを統合した約64万人規模の解析により、血糖指標であるHbA1cや生活習慣が膵臓がんリスクと関連することが明らかになった。研究は、静岡県立総合病院消化器内科の佐藤辰宣氏、名古屋市立大学大学院医学研究科の中谷英仁氏(現・名古屋医療センター臨床研究センター)、静岡社会健康医学大学院大学の田中仁啓氏らのグループによるもので、その詳細は4月6日付で「Pancreatology」に掲載された。

2026/06/15

再発・難治性多発性骨髄腫、テクリスタマブ単剤でPFS延長(MajesTEC-9)/NEJM

ジャーナル四天王

 1~3ラインの治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫患者の治療では、担当医選択のレジメンと比較してテクリスタマブは、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を有意に改善し、その一方でGrade3または4の感染症の頻度が高いことが、フランス・ナント大学病院のCyrille Touzeau氏らが実施した「MajesTEC-9試験」で示された。テクリスタマブは、多発性骨髄腫細胞上に発現するB細胞成熟抗原(BCMA)とT細胞上に発現するCD3を標的とする二重特異性抗体である。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年5月29日号で報告された。

完全切除NSCLCへのニボルマブ、DFSを改善せず(EA5142/ALCHEMIST)/JAMA

ジャーナル四天王

 切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)の治療では、抗PD-1抗体ニボルマブによる術前および周術期(術前・術後)の補助療法は無イベント生存期間(EFS)を改善することが知られているが、初回手術後の補助療法におけるニボルマブの役割は明らかにされていない。米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのJamie E. Chaft氏らは「ECOG-ACRIN EA5142試験」において、切除術を受けたNSCLC患者に補助化学療法または放射線療法(あるいは両方)を行った後にニボルマブを投与したところ、無病生存期間(DFS)は改善しなかったと報告した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年6月1日号に掲載された。

冠微小循環障害と予後―CFR・IMRによる評価の妥当性を巡って(解説:野間重孝氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

本論文は、虚血性心疾患が疑われ侵襲的冠動脈造影を受けた患者を対象に、冠微小循環障害(coronary microvascular dysfunction:CMD)の有病率と予後的意義を検討した韓国7施設による前向き多施設コホート研究である。著者らは、冠動脈造影に加えて冠血流予備量比(fractional flow reserve:FFR)、冠血流予備能(coronary flow reserve:CFR)、微小循環抵抗指数(index of microcirculatory resistance:IMR)を系統的に評価し、CFR<2.0かつIMR≧25をCMDと定義した。その結果、CMDは非閉塞性冠動脈疾患のみならず、閉塞性心外膜冠動脈疾患を有する患者にも認められ、さらに全死因死亡、心筋梗塞、臨床的再血行再建術、または心不全入院から成る主要複合エンドポイントの増加と関連したと報告している。

アルツハイマー病に対するアーモンド効果、その結果は?

医療一般

 アーモンドは、脳の強壮や記憶力向上において、ペルシャ医学でたびたび推奨されている。また、いくつかのエビデンスにおいても、アーモンドの記憶力への効果が裏付けられている。イラン・Iran University of Medical SciencesのMohsen Mohajeri氏らは、アルツハイマー病患者におけるアーモンドの記憶力および認知機能への影響を評価するため、ランダム化比較試験を実施した。Avicenna Journal of Phytomedicine誌2026年3・4月号の報告。  本ランダム化比較試験では、軽〜中等度の認知機能障害を有するアルツハイマー病患者60例を対象に、アーモンド摂取群(1日10gの粉末スイートアーモンドと小さじ1杯の粉末ロックキャンディを既存の処方薬に加えて摂取)または対照群(既存の処方薬を継続)にランダムに割り付け、3ヵ月間フォローアップを行った。

遺伝性血管性浮腫の疾患認知はまだ不十分/CSLベーリング

医療一般

 CSLベーリングは、5月16日の「HAE Day」によせて都内でメディアセミナーを開催した。  HAEは、生まれつき血液中にあるタンパク質C1インヒビター(C1-INH)の不足・機能低下が原因で浮腫を生じる疾患。指定難病に認定され、皮膚や腹部(腸)など、全身に浮腫が生じ、とくに咽喉で腫れると呼吸困難に陥り、命に関わるケースもある。わが国には、診断・治療中の患者は430人前後であり、未診療の患者も相当数がいると推定されている。また、海外のデータでは、人口50,000人に1人の割合で患者がいるとされる。なお、同社ではHAEの急性発作の発症抑制薬として、ヒト抗活性化第XII因子モノクローナル抗体製剤ガラダシマブ(商品名:アナエブリ)を発売している。

スタチンと乳がん生存率の関連、サブタイプ別に検討

医療一般

 スタチンは乳がん患者の生存率向上と関連することが報告されているが、サブタイプ別の関連についてのデータはない。今回、フィンランド・Tampere University HospitalのSanteri Palmi氏らが、早期乳がん患者における診断前後のスタチン投与とサブタイプ別の生存率との関連を後ろ向きコホート研究で検討した。その結果、診断前のスタチン投与は生存率に影響を与えなかったものの、診断後のスタチン投与はホルモン受容体陽性(HR+)乳がんにおいて、乳がん死亡および全死亡のリスクを低下させることが示唆された。JAMA Network Open誌2026年6月1日号に掲載。

DOACに併用するNSAIDs、出血リスクが低いのは?

医療一般

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に関連する消化管出血について、関節リウマチや変形性関節症などでは、COX-2選択的NSAIDsを用いたほうがリスクが低いと報告されている。しかし、直接経口抗凝固薬(DOAC)による治療を受けている非弁膜症性心房細動(NVAF)など、出血リスクが高い集団におけるCOX-2選択的NSAIDsの有益性は明らかになっていない。そこで、ドイツ・シャリテー-ベルリン医科大学のFabian Maximilian Meinert氏らの研究グループは、NVAF患者におけるDOACとNSAIDsの併用について、NSAIDsをCOX-2選択性で分類し、出血リスクを比較した。

スーパーシューズはパフォーマンス向上と傷害リスクに関連

医療一般

 米国のランニング界で「スーパーシューズ」の普及が進み、ランナーの走りにさらなる反発力をもたらし、レースやイベントでのタイム短縮に貢献している。しかし、この先進的なフットウェア技術(advanced footwear technology;AFT)には負の側面もあるようだ。新たな研究で、一般に「スーパーシューズ」と呼ばれているAFTシューズは、骨ストレス障害に関連する微妙なランニング動作の変化を引き起こすことが明らかになった。米マス・ジェネラル・ブリガムのランニング医学部門ディレクターを務めるAdam Tenforde氏らによるこの研究は、「PM&R」に4月23日掲載された。

抗菌薬使用とセリアック病発症に因果関係は認められず

医療一般

 抗菌薬の使用はセリアック病(CD)の発症と関連付けられてきたが、新たな研究で、この因果関係を支持するエビデンスは認められないことが示された。CD患者では、CDではないきょうだいや一般集団と比較して抗菌薬使用のオッズが高かったものの、腸粘膜が正常な人では、そのオッズはさらに高かったという。ヨーテボリ大学(スウェーデン)のMaria Ulnes氏らによるこの研究は、「Clinical Gastroenterology and Hepatology」に4月27日掲載された。  Ulnes氏は、「CDと抗菌薬使用との間に因果関係は認められなかった。抗菌薬の適正使用が重要であることに変わりはないが、CD発症を恐れて抗菌薬の使用を避ける理由はない」と述べている。

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