心理教育的介入で、地域社会の精神保健ケア構築は可能か/Lancet
ジャーナル四天王
医療提供者の不足と文化的に適合したケアの欠如が、世界中で多文化集団への精神保健サービスの提供の妨げになっているとされる。米国・マサチューセッツ総合病院のMargarita Alegria氏らは、人種/民族的、言語的に少数派の集団における抑うつや不安への地域社会の対処能力の構築を目指す心理教育的介入(Strong Minds-Strong Communities[SM-SC]と呼ばれる)の有効性を評価するために、6ヵ月間の研究者主導型多施設共同無作為化臨床試験「SM-SC試験」を実施。SM-SCによる文化的に適合した介入が黒人、ラテン系、アジア系の住民に抑うつ、不安症状の改善をもたらすことが示唆され、これによって地域社会の対処能力を構築することで、精神保健ケアの不足を補う選択肢の提供が可能であることが示されたという。研究の成果は、Lancet誌2025年8月23日号に掲載された。