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2026-02-23 ~ 2026-02-26

2026/02/25

スタチンによる好ましくない作用、多くは過大評価~メタ解析/Lancet

ジャーナル四天王

 スタチン製剤の製品ラベル(たとえば、製品特性概要[SmPC])には、治療関連の可能性がある作用として特定の有害なアウトカムが記載されているが、これらは主に非無作為化・非盲検試験に基づくため、バイアスの影響を受けている可能性があるとされる。英国・オックスフォード大学のChristina Reith氏らCholesterol Treatment Trialists’ (CTT) Collaborationは、このようなスタチン製剤の好ましくない作用(undesirable effect)のエビデンスをより高い信頼性をもって評価することを目的に、大規模な二重盲検試験の個別の参加者データを用いたメタ解析を実施した。研究の成果は、Lancet誌2026年2月14日号で発表された。

脳梗塞発症後4.5~24h、tenecteplase vs.抗血小板療法/JAMA

ジャーナル四天王

 非大血管閉塞性の急性期脳梗塞で、救済可能な脳組織を有する患者では、発症後4.5~24時間までの静脈内tenecteplase(遺伝子改変ヒト組織型プラスミノゲンアクチベータ)投与は標準治療と比較して、症候性頭蓋内出血のリスクが増加するものの、90日時点の良好な機能的アウトカムの達成率が有意に高いことが、中国・National Center for Neurological DisordersのGaoting Ma氏らOPTION Investigatorsが行った「OPTION試験」の結果で示された。脳梗塞の治療では、静注血栓溶解療法は発症から4.5時間以内に行うことが標準とされてきた。しかし近年、画像診断技術の向上により、血流は低下しているが死滅していない救済可能な脳組織(ペナンブラ)を詳細に特定できるようになり、治療時間枠の拡張の可能性が示唆されている。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年2月5日号に掲載された。

がん合併急性冠症候群のリスク構造をどう読むか(解説:野間重孝氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

がんを合併した急性冠症候群(ACS)患者は、これまで多くの大規模臨床研究から除外されてきた集団であり、その予後は必ずしも十分に定量化されてこなかった。本論文は、国際的大規模レジストリデータを用いて、がん合併ACS患者における6ヵ月以内の全死亡、大出血、虚血イベントを同時に予測する競合リスクモデル(ONCO-ACS)を開発し、外部検証を行ったものである。100万例超のACS症例群から約4万人のがん患者を解析対象とし、死亡・出血・虚血という相互に影響しうる転帰を統合的に扱った点に方法論的特徴がある。解析の結果、腫瘍種や転移の有無などのがん関連因子は全死亡予測には強く寄与する一方、虚血イベントの予測においては腎機能、貧血、Killip分類など従来の循環器臨床指標の影響がより支配的であることが示された。

転移のあるTNおよびHR+/HER2-乳がんへのSG、最大規模のリアルワールドでのOS解析

医療一般

 転移を有するトリプルネガティブ乳がん(mTNBC)および転移を有するホルモン受容体陽性/HER2陰性乳がん(HR+/HER2- mBC)の3次治療でのサシツズマブ ゴビテカン(SG)のリアルワールドにおける生存アウトカムを、フランス・National Agency for Medicine and Health Product Safety(ANSM)/National Health Insurance Center(CNAM)のAya Elhusseiny Shaaban氏らが過去最大規模のリアルワールド研究で評価した。本研究では、全生存期間(OS)中央値はmTNBCで11.0ヵ月、HR+/HER2- mBCで11.4ヵ月であった。British Journal of Cancer誌オンライン版2026年2月5日号に掲載。

肝機能指標の正確な理解度は20%未満/ベーリンガーインゲルハイム

医療一般

 日本ベーリンガーインゲルハイムは、2月の全国生活習慣病予防月間に合わせ、同社が行った「脂肪肝に関する認知・理解度調査」の結果を2026年2月16日に公表した。  脂肪肝は、わが国では2,000万例以上が罹患していると推定され、最も頻度の高い肝疾患とされている。また、日本人を含む東アジア人においては、遺伝的背景により肝臓に脂肪が蓄積しやすい体質の人が多いことが知られ、普通体重であっても脂肪肝に至るリスクが相対的に高いとされている。重症化すると肝硬変や肝がんになるリスクがあり、肝硬変に進行すると、再生能力の高い肝臓でも元に戻ることは難しく、日常生活にも大きな支障を及ぼす。さらに肥満症や2型糖尿病などの代謝疾患の合併や発症につながり、心血管疾患イベント(心筋梗塞、虚血性心疾患、心不全など)のリスク増大や、がんなどの重篤な疾患の要因になることも知られている。

片頭痛予防に有効性と安全性のバランスが最もよいCGRP関連抗体薬は?

医療一般

 反復性片頭痛は、生活の質を著しく低下させる神経疾患である。カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とするモノクローナル抗体薬は、反復性片頭痛の予防と治療に有効性が示されている。パキスタン・Islamic International Medical CollegeのIshwa Shakir氏らは、反復性片頭痛に対する各CGRP関連抗体薬の有効性および安全性を比較するため、ランダム化比較試験(RCT)のネットワークメタ解析を実施した。European Journal of Clinical Pharmacology誌2026年1月17日号の報告。

2型糖尿病の病初期にも網膜の微細な変化が生じる

医療一般

 2型糖尿病の初期段階で、網膜のわずかな菲薄化などの変化が生じることを示唆する研究結果が報告された。コインブラ大学(ポルトガル)のSara Oliveira氏らが行った動物実験の結果であり、詳細は「Eye and Vision」12月号に掲載された。  糖尿病網膜症は、過去20年ほどの間にいくつかの新たな治療オプションが開発されてきたにもかかわらず、依然として成人の失明原因の主要な一角を占めている。その一因として、糖尿病の発症から網膜症の診断までに年単位のタイムラグがあり、その間に網膜の分子・細胞レベルでの不可逆的な変化が生じてしまっており、網膜症診断後の治療では十分に病勢を制御できないことの影響が想定される。しかし、現在の臨床で一般的に使用可能な蛍光眼底造影、光干渉断層撮影(OCT)などの検査では、病初期の網膜の変化を検出できない。

風邪がひどくなるかどうかは「鼻の細胞」で決まる?

医療一般

 なぜ、同じウイルスに曝露して、ひどく寝込む人とほとんど症状が出ない人がいるのだろうか。その答えは、「鼻の中で何が起きているか」にあるかもしれない。新たな研究で、風邪の最も一般的な原因ウイルスであるライノウイルスに対して鼻腔内の細胞がどのように反応するかが、症状が出るかどうかやその重症度を左右し得ることが明らかになった。米イェール大学医学部の免疫学者Ellen Foxman氏らによるこの研究結果は、「Cell Press Blue」に1月19日掲載された。  Foxman氏は、「この研究によって、一般的な風邪の感染時に体内で何が起きているのか、これまでになく詳細に理解できるようになった」とウォール・ストリート・ジャーナル紙に対して語っている。

一般的なボトル入り飲料水の一部に規制対象外の化学物質

医療一般

 ボトル入り飲料水を飲むことは、極めて安全な水分補給の方法と感じられるかもしれない。しかし、ボトル入り飲料水は多くの人々が考えているほど純粋ではなく、有害な化学物質を含んでいる可能性のあることが、新たな研究で示唆された。10種類の人気ボトル入り飲料水ブランドの全てから化学物質が検出され、その中には政府による規制の対象となっていない化学物質も含まれていたという。米サウスカロライナ大学化学教授のSusan Richardson氏らによるこの研究の詳細は、「Water Research」3月15日号に掲載予定。

2026/02/24

成人の肥満、重症感染症リスクが1.7倍/Lancet

ジャーナル四天王

 成人肥満は、病原体の種類、集団および患者背景を問わず感染症による入院および死亡のリスク因子であり、世界中の感染症による死亡の約10例に1例が肥満に起因する可能性があることを、フィンランド・ヘルシンキ大学のSolja T. Nyberg氏らが、同国の前向きコホート研究および英国のUK Biobankのデータを解析した結果で示した。これまで成人肥満は、特定の感染症との関連は示されているが、感染症全体に及ぼす影響に関するエビデンスはほとんどなかった。Lancet誌オンライン版2026年2月9日号掲載の報告。

肝線維化を有するMASH、efimosfermin月1回投与の安全性と忍容性を確認/Lancet

ジャーナル四天王

 ステージF2またはF3の肝線維化を有する代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)患者において、月1回皮下投与はプラセボと比較し、安全性および忍容性が良好であることが認められた。米国・Houston Methodist HospitalのMazen Noureddin氏らが、米国の34施設で実施した第II相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告した。MASHの有病率が増加しており、線維化および疾患進行を抑制する効果的で安全な治療戦略は重要なアンメットニーズである。efimosferminは月1回投与が可能な線維芽細胞増殖因子21(FGF21)アナログで、著者は「今回の結果は、MASH関連線維症の治療薬としてefimosferminのさらなる開発を支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年2月5日号掲載の報告。

睡眠薬、抗コリン薬を処方中の患者を受け持つプライマリケア医に、電子カルテを介し減薬を勧める介入は、不適切処方を減らす効果があるが、死亡リスクを高めるかもしれない(解説:名郷直樹氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

高齢者の不適切処方は日本においても大きな問題の1つだが、本研究は米国のプライマリケア医を対象として、65歳以上の高齢者でベンゾジアゼピン、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬、抗コリン薬が処方されている患者の不適切処方に対し、電子カルテを通し、前もって介入する群、診察後減薬を検討させる群と標準的な診療を比較し、1剤以上の減薬の効果を検討したクラスターランダム化比較試験である。ランダム化はプライマリケア医ごとに行われ、結果は患者ごとで解析されている。2つの介入方法であるが、診療前群では、医師が電子カルテを開くと、初回には薬剤継続のリスクの患者との共有、患者向け説明資料、代替治療や減薬アルゴリズムへのリンクが表示され、2回目以降は、前回の情報提供を想起させ、具体的な減薬のお勧めが表示される。

リツキサン、自己免疫性溶血性貧血の適応追加/全薬工業・中外

医療一般

 全薬工業および中外製薬は、共同販売を行っている抗CD20モノクローナル抗体のリツキサン点滴静注100mg/同500mg(一般名:リツキシマブ(遺伝子組換え))について、2026年2月19日、「自己免疫性溶血性貧血」の適応追加の承認を取得したことを発表した。  自己免疫性溶血性貧血(AIHA)に対する適応追加は、日本血液学会および日本小児血液・がん学会より開発要望が提出され、2025年7月4日の医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議の評価を経て、同年7月31日の薬事審議会医薬品第一部会で公知申請を行って差し支えないと正式に決定された。これを受け、全薬工業が同年8月29日に公知申請を行い、今回の承認取得に至った。なお、第一部会で決定された7月31日付けで薬事承認を待たずに保険適用となっている。

テゼペルマブ、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の適応追加/AZ

医療一般

 アストラゼネカは2026年2月19日、テゼペルマブ(商品名:テゼスパイア)について「鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)」に対する適応追加の承認を取得したことを発表した。  本承認は、既存治療で効果不十分な18歳以上の鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験「WAYPOINT試験」の結果に基づくものである。WAYPOINT試験では、共主要評価項目の鼻茸スコア(NPS)と鼻閉重症度スコア(NCS)が、いずれも有意に改善したことが報告されている。なお、NPSは投与4週時、NCSは投与2週時から改善が認められ、投与52週時まで改善が維持された。

中年日本人男性における就寝前の水分摂取が睡眠や抑うつ症状に及ぼす影響

医療一般

 日中の適切な水分摂取はメンタルヘルスを向上させることが知られている。しかし、就寝中への影響はいまだ明らかになっていない。産業技術総合研究所の甲斐田 幸佐氏らは、就寝前の白湯摂取が睡眠パラメーターおよび抑うつ気分に及ぼす影響を明らかにするため、本研究を実施した。PLoS One誌2026年1月6日号の報告。  本研究は日本人2,000人を対象に、就寝前の水分摂取とうつ病自己評価尺度(CES-D)を用いて測定した抑うつ気分との関連を明らかにするため、質問票を用いて調査を行った(Study1)。また、就寝直前に280mLの白湯を摂取した場合と、就寝前2時間以上何も摂取しない場合の影響を比較した(Study2)。

蛋白尿の進行が認知機能低下と独立して関連

医療一般

 慢性腎臓病(CKD)患者を対象とした前向きコホート研究により、CKDの重症度が認知機能障害の発症リスク上昇と関連し、とくに蛋白尿の進行が注意力・処理速度および実行機能の低下と独立して関連することが、米国・Tulane University School of Public Health and Tropical MedicineのZhijie Huang氏らにより示された。JAMA Network Open誌2026年2月17日号掲載の報告。  これまでの研究により、CKDが認知症や認知機能低下のリスク因子となる可能性が指摘されているが、CKD患者のみを対象に前向きに検討した研究は限られている。そこで研究グループは、推算糸球体濾過量(eGFR)の低下と尿蛋白/クレアチニン比(UPCR)の上昇が認知機能障害の発症率上昇と関連するという仮説を立て、eGFRおよびUPCRに基づくCKD重症度と認知機能障害の発症との関連を検討した。

マスクで心筋梗塞リスクが低下!?/Eur Heart J

医療一般

 PM2.5への短期曝露は、急性心筋梗塞(AMI)リスクと関連することが知られている。AMIのなかでも、冠動脈閉塞を伴わない心筋梗塞(MINOCA)は、PM2.5の影響を受けやすい可能性がある。そこで、石井 正将氏(熊本大学病院 医療情報経営企画部)らの研究グループは、新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴うマスク着用や行動制限などの公衆衛生上の介入が、PM2.5曝露とAMIによる入院との関連に及ぼす影響を調査した。その結果、パンデミック前後のPM2.5への曝露に伴う心筋梗塞による入院リスクは、AMI全体および閉塞性冠動脈疾患を伴う心筋梗塞(MI-CAD)では不変であったが、MINOCAではパンデミック後に有意に低下した。本研究結果は、European Heart Journal誌オンライン版2026年2月13日号に掲載された。

2026/02/23

出血と血栓のジレンマの問題は本当に根深いね(解説:後藤信哉氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

 組織因子と血液凝固第VII因子は止血に重要な役割を演じる。遺伝子組み換え第VII因子(rFVIIa)は各種出血性疾患に対して止血効果を示した。本研究では発症後2時間以内の頭蓋内出血を対象として、rFVIIaの有効性を検証したランダム化比較試験である。  発症後2時間以内の脳梗塞症例を選定するのも難しい。本試験では626例のランダム化比較試験を試行するために、3,288例のスクリーニングが必要になっている。頭蓋内の出血がrFVIIaの使用により止血したか否かを検証するのは容易ではない。画像診断による血腫の増大、臨床症状などを間接的指標とせざるを得ない。

日本における認知症の診断遅延と関連する要因は?

医療一般

 認知症患者とその家族の生活の質を向上させるには、早期の診断とケア開始が不可欠である。日本では、支援団体が診断前後の孤立期である空白期間に注目しているが、その決定要因を検討した量的研究は、これまでほとんどなかった。東京都健康長寿医療センター研究所の岡村 毅氏らは、空白期間という枠組みを用いて、診断の遅れとケアアクセスの遅延に関連する要因を調査した。Psychogeriatrics誌2026年1月号の報告。  本研究では、日本国内の医療機関78施設と認知症サポート医27人の協力の下、外来診療を受けている認知症患者の家族介護者を対象に、探索的横断的調査を実施した。

電磁パルスが脳卒中からの回復を助ける

医療一般

 脳卒中後に障害が残った患者の回復を促す可能性のある治療法として、脳を刺激する電磁パルスが役立つ可能性があることを示した研究結果が発表された。脳の特定の回路を電磁パルスで刺激する、電磁ネットワーク標的フィールド療法(ENTF〔electromagnetic network-targeted field〕療法)と呼ばれるこの治療法を理学療法と併用したところ、3分の1以上の患者で障害が大きく軽減したという。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デイビッド・ゲフィン医科大学のJeffrey Saver氏らによるこの研究結果は、米国心臓協会(AHA)主催の国際脳卒中学会議(ISC 2026、2月4〜6日、米ニューオーリンズ)で発表された。  ENTF療法は、運動機能や認知機能など、さまざまな活動に関わる脳のネットワークを刺激する。

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