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2026-06-01 ~ 2026-06-03

2026/06/03

骨折・転倒予防、CaとビタミンDに効果認めず~メタ解析/BMJ

ジャーナル四天王

 これまでの系統的レビューでは、カルシウムおよびビタミンDは、単独では骨折の減少をもたらさず、これらを併用しても結果に一貫性はなく、転倒に対するビタミンDの効果にもばらつきがみられる。それにもかかわらず、ガイドラインなどは筋骨格系の健康維持にビタミンD(±カルシウム)の補充を推奨し、2000年代初頭以降、これらの処方量は大幅に増加しているという。カナダ・CIUSSS du Nord-de-l’Ile-de-MontrealのOlivier Masse氏らは、骨折および転倒の予防において、カルシウム、ビタミンD、またはこれらを併用した栄養補充製品の有益性はほとんど、あるいはまったく認められないことを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年5月20日号で報告された。

IPFへの吸入トレプロスチニル、TETON-1試験とTETON-2試験の統合解析結果/NEJM

ジャーナル四天王

 特発性肺線維症(IPF)患者において、52週間の吸入トレプロスチニル投与はプラセボと比較し、努力肺活量(FVC)の低下および臨床的悪化のイベント発現を抑制したことが示された。米国・Inova Fairfax HospitalのSteven D. Nathan氏らが、「TETON-1試験」の結果と、先に発表されていた「TETON-2試験」の結果の統合解析結果を報告した。IPFは現在、3剤の治療薬が承認されているが、予後は依然として不良であり、さらなる効果的な治療法が必要とされていた。NEJM誌オンライン版2026年5月18日号掲載の報告。

高血圧治療補助アプリ、オンライン算定点数の新設や要件緩和へ/CureApp

医療一般

 株式会社CureAppが開発・提供する「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」について、令和8年度(2026年度)診療報酬改定における主な変更点が明らかになった。今回の改定では、同アプリにおけるオンライン診療時の算定点数が新設されたほか、ベースとなる医学管理料の要件緩和が実施された。  今回の診療報酬改定において、「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」に関連する主な変更点は以下の2点である。

再発・難治性多発性骨髄腫、週2回イキサゾミブ+ポマリドミド+デキサメタゾンの第I/II相試験

医療一般

 再発・難治性多発性骨髄腫に対する、週2回の経口プロテアソーム阻害薬イキサゾミブ、ポマリドミド、デキサメタゾンを併用した全経口(all-oral)レジメンの第I/II相用量漸増・拡大試験の結果を、米国・Dana-Farber Cancer InstituteのOmar Nadeem氏らが報告した。本レジメンは良好な忍容性と高い有効性を示し、実臨床における高い利便性と有用性を持つ可能性が示唆された。Haematologica誌オンライン版2026年5月28日号に掲載。  プロテアソーム阻害薬(PI)、免疫調節薬(IMiD)、デキサメタゾンを組み合わせた3剤併用療法は、再発・難治性多発性骨髄腫患者に有効な治療選択肢である。

転移膵がんへの新規汎RAS阻害薬daraxonrasib、OS・PFSを2倍に(RASolute 302)/ASCO2026

医療一般

 転移のある膵がんは有効な治療が限られ、きわめて予後が悪いことで知られるが、ここに有望な薬剤が登場した。新規経口RAS(ON)阻害薬daraxonrasibは、KRAS G12D/V/Rを含む汎RASを阻害することが特徴で、膵管腺がんの90%以上でRAS経路異常が認められる。daraxonrasibの有用性を検討したRASolute 302試験の結果が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)のプレナリーセッションで発表され、米国・ダナファーバーがん研究所のBrian M. Wolpin氏による発表後にはスタンディングオベーションが起こり、結果はNEJM誌オンライン版2026年5月31日号に同時掲載された。

HER2+転移乳がん1次治療、T-DXd+PによるCR/deep PRが長期PFS改善と関連(DESTINY-Breast09)/ASCO2026

医療一般

 HER2+の進行または転移を有する乳がん患者の1次治療として、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)+ペルツズマブ併用療法の有用性を評価した第III相DESTINY-Breast09試験の探索的解析の結果、半数以上の患者が完全奏効(CR)または腫瘍縮小率の高い部分奏効(deep PR)を達成し、CRおよびdeep PRの達成は長期的なアウトカムの改善と関連していたことを、韓国・成均館大学校のYeon H. Park氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。  DESTINY-Breast09試験のこれまでの解析において、T-DXd+ペルツズマブ併用療法はタキサン+トラスツズマブ+ペルツズマブ併用療法(THP群)と比較してCR率がほぼ倍増し、無増悪生存期間(PFS)が有意に延長したことが報告されている。

PD-L1陽性NSCLC、sac-TMT+ペムブロリズマブがPFS改善(OptiTROP-Lung05)/ASCO2026

医療一般

 PD-L1陽性非小細胞肺がん(NSCLC)において、TROP2を標的とする抗体薬物複合体(ADC)sacituzumab tirumotecan(sac-TMT)とペムブロリズマブの併用療法は、ペムブロリズマブ単剤と比較して無増悪生存期間(PFS)を改善した。海外第III相試験「OptiTROP-Lung05試験」の結果を、Caicun Zhou氏(中国・Shanghai East Hospital)が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。本研究結果は、Lancet誌オンライン版2026年5月29日号に同時掲載された1)。

治療抵抗性の幻聴に対する視聴覚補助療法、その有効性は?

医療一般

 統合失調スペクトラム症では、抗精神病薬治療を行っているにもかかわらず、幻聴が持続することが少なくない。認知行動療法(CBT)は確立された心理療法であるが、難治性幻聴に対する視聴覚補助療法であるAVATAR療法は、インタラクティブなデジタルアバターを統合した新しいアプローチとして近年導入されている。台湾・高雄医学大学のTien-Wei Hsu氏らは、薬剤抵抗性の幻聴に対するAVATAR療法とCBTの有効性を比較するため、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。Psychological Medicine誌2026年4月13日号の報告。

2026/06/02

血栓回収療法前のtenecteplase、機能的自立を改善せず/JAMA

ジャーナル四天王

 脳梗塞発症後4.5時間を超えても、血管内治療(EVT)を迅速に受けられる環境にある患者において、EVT前のtenecteplase静注による血栓溶解療法の役割は不明とされる。中国・首都医科大学のYunyun Xiong氏らTNK-PLUS Investigatorsは、「TNK-PLUS試験」において、発症後4.5~24時間以内にEVTを実施可能な施設に直接搬送された近位中大脳動脈(MCA)閉塞による急性期脳梗塞患者では、EVT単独と比較して、EVT前にtenecteplase静注を行っても、機能的自立の達成率は改善しないことを示した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年5月8日号に掲載された。

高リスク前立腺がんへの周術期アパルタミド+ADT、主要評価項目達成(PROTEUS)/ASCO2026

医療一般

 高リスクの限局性または局所進行前立腺がん患者では、根治的前立腺全摘除術(RP)後に約50%の患者で再発が認められる。RPの術前および術後に実施するアパルタミド+ADT併用療法は、プラセボ+ADTとの比較において、RPの治癒成功率を高め、無転移生存期間(MFS)を有意に改善した。日本も参加して行われた第III相PROTEUS試験の最終解析結果を、米国・ダナ・ファーバーがん研究所のMary-Ellen Taplin氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。なお、本解析結果はNEJM誌オンライン版2026年5月31日号に同時掲載されている1)。

RET融合遺伝子陽性NSCLC、セルペルカチニブによるアジュバント療法でEFS改善(LIBRETTO-432)/ASCO2026

医療一般

 RET融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、選択的RET阻害薬セルペルカチニブは進行・転移例で有効性が示されている。一方で、早期・局所進行NSCLCに対するアジュバント療法としての有効性と安全性は明らかになっていない。そこで、StageIB~IIIAのRET融合遺伝子陽性NSCLC患者を対象に、アジュバント療法としてのセルペルカチニブの有用性を検証する国際共同第III相試験「LIBRETTO-432試験」が実施された。その結果、セルペルカチニブはプラセボと比較して無イベント生存期間(EFS)を有意に改善することが示された。Jonathan W. Goldman氏(米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校)が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。なお、本研究結果はNEJM誌オンライン版2026年5月31日号に同時掲載された1)。

卵は認知症を予防するか?

医療一般

 アルツハイマー病リスクと修正可能な食事因子との関連性については、依然として多くの知見が不足している。卵は、脳の健康を支える重要な栄養素の供給源の1つである。米国・ロマリンダ大学のJisoo Oh氏らは、卵摂取量とアルツハイマー病発症率との関連性を調査するため、本研究を実施した。The Journal of Nutrition誌オンライン版2026年4月17日号の報告。  米国の大規模なプロスペクティブコホート研究であるAdventist Health Study-2よりデータを抽出した。食事および生活習慣因子は、検証済みの食物摂取頻度調査票を用いて評価した。卵の摂取頻度は、「まったく食べない/ほとんど食べない」から「週5回以上」までの範囲で分類した。

広域抗菌薬が投与された肺炎患者の予後は?/感染症学会・化学療法学会

医療一般

 市中肺炎(CAP)では、緑膿菌などを想定した広域抗菌薬が経験的に使用されることがある。実際に、本邦の研究において全CAP患者の27.4%に抗緑膿菌薬が投与されており、そのうち97.3%が潜在的に不必要な投与であったことが報告されている1)。また、β-ラクタム系薬が投与された耐性菌リスクの低いCAP患者において、β-ラクタム系薬の抗緑膿菌作用の有無別に臨床転帰を後ろ向きに検討した結果、抗緑膿菌作用のあるβ-ラクタム系薬を用いた群は、30日死亡率が有意に高かったことも報告されている2)。

心血管死は暑さより寒さと関連

医療一般

 高齢者や心臓に病気を抱えている人は、暑さよりも寒さに注意すべきかもしれない。心血管死(心筋梗塞や脳卒中などによる死亡)のリスクは、暑さよりも寒さとの関連が強いとする研究結果が報告された。リスクが最低となるのは約23℃で、心血管死のおよそ8割は、それ以下の気温の時に発生しているという。米マウントサイナイ・アイカーン医科大学のPedro Rafael Vieira de Oliveira Salerno氏らが米国心臓病学会年次学術集会(ACC.26、3月28~30日、ニューオーリンズ)で発表し、また、研究内容が3月24日に「American Journal of Preventive Cardiology」に短報として掲載された。

クロノタイプに合わせた運動で効果がより高まる可能性

医療一般

 運動が健康に良いことは広く知られている。しかし、自分のクロノタイプ(朝型か夜型か)を意識して運動する時間帯を決めると、その効果がさらに高まる可能性を示唆するデータが報告された。血圧や血糖値、LDL(悪玉)コレステロールなど、心臓病のリスク因子がより良好になるという。ラホール大学(パキスタン)のArsalan Tariq氏らの研究の結果であり、詳細は「Open Heart」に4月14日掲載された。研究者らによると、クロノタイプに合わせて運動をすることで睡眠の質の向上も認められ、それも心臓病のリスク因子の改善に寄与している可能性があるとのことだ。

2026/06/01

頻回増悪を示すCOPD、astegolimabの有効性・安全性(ALIENTO・ARNASAより)/Lancet

ジャーナル四天王

 インターロイキン-33(IL-33)とその受容体ST2は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の増悪時に生じる好中球性および好酸球性の炎症に関与するとされる。イタリア・フェラーラ大学のAlberto Papi氏らALIENTO and ARNASA investigatorsは、2つの臨床試験「ALIENTO試験」「ARNASA試験」において、頻回の増悪歴を有するCOPD患者を対象に、2週ごとのastegolimab(ST2を介するIL-33の活性を阻害するヒト抗ST2 IgG2モノクローナル抗体)投与の有用性を評価し、ALIENTO試験ではプラセボと比較して年間増悪発生率が有意に低下し、ARNASA試験でも効果の大きさは同等であったが統計学的有意性は示されなかったことを報告した。Lancet誌2026年5月23日号掲載の報告。

過体重・高齢の持続性AFの減量、重症度スコア改善につながらず/JAMA

ジャーナル四天王

 過体重を呈する持続性心房細動(AF)の高齢患者では、低カロリー食と行動支援プログラムを併用した介入は、安全上の懸念なく有意かつ持続的な体重減少をもたらすが、AF症状の重症度・負担や心臓リモデリング、追加のリズムコントロール介入の必要性には影響を及ぼさないことを、英国・オックスフォード大学のMatteo Sclafani氏らが、「LOSE-AF試験」の結果で示した。過体重はAFの強力なリスク因子であり、欧米の診療ガイドラインでは、肥満とAFを併発するすべての患者に対して減量が推奨されている。

Implementation Scienceと外傷症例のundertriageの克服(解説:香坂俊氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

「Implementation Science」、あえて日本語にすれば「実装科学」という言葉が、医療の中でも徐々に市民権を得てきている。これは、臨床試験やガイドラインによって示された有効な介入を、実際の医療現場にどのように届け、定着させ、患者アウトカムの改善につなげるかを扱う学問領域である。循環器領域でも、Implementation Scienceは第III相試験の後に考える補助的な作業ではなく、治療や介入を設計する段階から組み込むべき方法論として位置付けられている。

高リスクER+/HER2-早期乳がん、Prosignaで化学療法省略を判断できるか/ASCO2026

医療一般

 エストロゲン受容体陽性/HER2陰性(ER+/HER2-)でリンパ節転移陽性例を中心とした早期乳がんに対し、Prosigna(PAM50)による再発リスク(Risk of Recurrence:ROR)スコアを用いることで化学療法の必要性を判断できるかどうかを検討した第III相OPTIMA試験の結果を、英国・NIHR University College London Hospitals Biomedical Research CentreのRobert C. Stein氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2026 ASCO Annual Meeting)で発表した。本試験により、RORスコアが低い患者では化学療法を安全に省略できる可能性が示された。

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