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2021-07-26 ~ 2021-07-30

2021/07/30

カナキヌマブ、重症COVID-19入院患者の生存を改善せず/JAMA

ジャーナル四天王

 重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院した患者の治療において、抗インターロイキン(IL)-1β抗体カナキヌマブはプラセボと比較して、29日の時点での侵襲的機械換気(IMV)を要さない生存の可能性を向上させず、COVID-19関連死を抑制しないことが、米国・テンプル大学のRoberto Caricchio氏らが実施した「CAN-COVID試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌2021年7月20日号で報告された。  本研究は、重症COVID-19入院患者の治療におけるカナキヌマブの有効性の評価を目的とする二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2020年4月30日~8月17日の期間に、欧州と米国の39施設で参加者の登録が行われた(スイス・Novartis Pharma AGの助成による)。

がん治療の中心静脈アクセスデバイス、完全埋め込み型ポートが有用/Lancet

ジャーナル四天王

 固形腫瘍または血液腫瘍患者の全身性抗がん薬治療(SACT)に使用する中心静脈アクセスデバイス(CVAD)では、完全埋め込み型ポート(PORT)はHickmanトンネル型中心静脈カテーテル(Hickman)や末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)と比較して、合併症の頻度がほぼ半減し、QOLや費用対効果も比較的良好である可能性があることが、英国・グラスゴー大学のJonathan G. Moss氏らが実施した「CAVA試験」で示された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2021年7月20日号に掲載された。  研究グループは、悪性腫瘍患者に対するSACTに用いる3つのCVADについて、合併症の発生率や費用、QOLを比較し、受容性、臨床的有効性、費用対効果を評価する目的で、非盲検無作為化対照比較試験を行った(英国国立衛生研究所[NIHR]医療技術評価[HTA]プログラムの助成による)。本試験では、2013年11月~2018年2月の期間に、英国の18の腫瘍科病棟で参加者が募集された。

【8月6日まで】ヘルスケアベンチャー大賞への参加者募集

医療一般

 日本抗加齢協会と日本抗加齢医学会は、今秋もヘルスケアベンチャー大賞を開催する。今年で3回目を迎える同大賞は『アンチエイジングからイノベーションを!』をテーマに掲げ、アンチエイジングに資するヘルスケア分野のビジネスプランやアイデアを募集しており、7月26日までだった募集期間を8月6日に延長した。  ベンチャー企業はもちろんのこと、起業準備中の個人や企業との連携を求める個人なども応募が可能。1次審査にてファイナリスト8名(社)を選出し、10月の最終審査で受賞者が決定する。大賞・学会賞受賞者は賞金授与だけではなく、来年6月に開催予定の第22回日本抗加齢医学会総会での発表機会も与えられる。

ファイザー社コロナワクチン、3回接種で「デルタ株」抗体が大幅増強/ファイザー

医療一般

 米国・ファイザー社は、7月28日に発表した第2四半期決算報告会議で、同社の新型コロナワクチンについて、3回接種により、デルタ変異株に対する中和抗体価が大幅に増強されることを示した研究データを公表した。同社は、現在推奨されている2回接種後6〜12ヵ月以内に3回目のブースター接種が必要になる可能性が高いと説明しており、8月中にも米食品医薬品局(FDA)に対し、追加接種の緊急使用許可の承認申請を行う方針だ。  ファイザー社が明らかにした研究データは、ごく少人数のコホート(18~55歳:11例、65~85歳:12例)ながら、3回目のブースター接種を受けることで、「デルタ株」への中和抗体価が2回接種と比べ、18~55歳では5倍以上、65~85歳では11倍以上に高まっていることを示した。同社では、2回接種から8ヵ月後には抗体レベルがピークアウトするため、2回目接種から6〜12ヵ月以内に3回目のブースター接種が必要になる可能性が高いとの見立てだ。本研究では、2回目接種から6ヵ月以上経過した後、保護効果が減弱し始めているときに3回目を接種することで、中和抗体価を最大100倍にまで高める可能性が推定されるとしている。

片頭痛へのフレマネズマブ、日本人対象の試験結果からみえる特徴は

医療一般

 「片頭痛発作の発症抑制」を適応として、抗CGRPモノクローナル抗体薬フレマネズマブ(商品名:アジョビ)が6月23日に製造販売承認を取得した。7月12日にオンラインメディアセミナーが開催され(主催:大塚製薬)、寺山 靖夫氏(湘南慶育病院副院長・脳神経センター長)、坂井 文彦氏(埼玉精神神経センター・埼玉国際頭痛センター長)が登壇。同薬の片頭痛治療における位置づけと臨床試験結果について講演した。

不眠症とメタボリックシンドロームリスク~メタ解析

医療一般

 不眠症と高血圧、高血糖、脂質異常症、肥満などのメタボリックシンドロームリスクとの関連を調査するため、中国・Third Military Medical UniversityのYuanfeng Zhang氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Journal of Clinical Neuroscience誌2021年7月号の報告。  PRISMAガイドラインに従ってメタ解析を実施した。PubMedおよびEmbaseより、不眠症とメタボリックシンドロームリスクとの関連を調査した2020年12月1日までに公表された観察研究を検索した。各研究のリスク推定値を集計し、プールされたデータのオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を算出するため、ランダム効果モデルを用いた。研究の不均一性は、I2統計量を用いて評価した。

緩やかな低糖質食によるメタボ改善を保健指導で実証

医療一般

 糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)の摂取量を1食20g以上40g以下に制限する「緩やかな低糖質ダイエット」を用いた保健指導によって、メタボリックシンドローム(MetS)や糖・脂質代謝が改善したとの報告が、「Diabetes, Metabolic Syndrome and Obesity : Targets and Therapy」に6月23日掲載された。北里大学北里研究所病院糖尿病センターの山田悟氏らが、コンビニエンスストアやタクシー会社社員対象に行った研究であり、著者らは「緩やかな低糖質ダイエットの有効性を保健指導領域で評価した日本初の研究」と述べている。  インスリン分泌を刺激し血糖を上昇させるように働く糖質の摂取を減らし、タンパク質や脂質を増やす低糖質ダイエットは、近年、減量や血糖管理目的で行う人が増えている。ただし、厳格すぎる糖質制限食は、し好に合わなかったりコスト負担のため長続きしないことが多く、リバウンドを招く懸念も指摘されている。それに対して山田氏らは、20~40gの範囲内で毎食の糖質摂取量を減らし、1日10gの糖質でし好品も楽しむ「緩やかな低糖質ダイエット」を提唱している。

2021/07/29

前立腺がんスクリーニング、MRI標的生検で過剰診断が低下/NEJM

ジャーナル四天王

 MRIで前立腺がんが示唆された男性に対するMRI標的生検は、標準生検に対して、臨床的に意義のある前立腺がんの検出に関して非劣性であることが、住民ベースの無作為化非劣性試験で明らかとなった。スウェーデン・カロリンスカ研究所のMartin Eklund氏らが結果を報告した。前立腺がんスクリーニングでは、過剰診断率の高さが大きな障壁となっている。MRI標的生検はこの課題を解決できる可能性が示唆されていたが、前立腺がんスクリーニングにおけるMRI標的生検の意義は不明であった。NEJM誌オンライン版2021年7月9日号掲載の報告。

COVID-19入院患者、60歳未満も男性では約半数で合併症/Lancet

ジャーナル四天王

 COVID-19入院患者は、若年者や既往歴がない患者も含めて院内合併症の発生率が高く、神経学的合併症は退院時のセルフケア能力の低下と関連していた。英国・エディンバラ大学のThomas M. Drake氏らが、COVID-19の合併症の程度や影響を明らかにする目的で、英国の医療機関302施設にて実施した多施設共同前向きコホート研究の結果を報告した。COVID-19は多臓器疾患で、生存患者は院内合併症を発症する可能性があるとされる。著者は、「COVID-19の合併症は、今後数年間、医療および社会的サポートにおいて大きな負担となる可能性がある。今回のデータは、COVID-19による入院患者の退院後のケアを目的としたサービスの設計や提供に役立つだろう」とまとめている。Lancet誌2021年7月17日号掲載の報告。

コロナワクチン接種後の中和抗体価、ウイルス株や年齢での違いは?/JAMA

医療一般

 ファイザー製ワクチン(BNT162b2)を2回接種すると、有効率は約95%だと言われている。その一方で、患者の年齢が新型コロナウイルス感染症の発生率や重症度のリスクに寄与することも知られている。そこで、オレゴン健康科学大学のTimothy A Bates氏らはファイザー製ワクチン2回接種後のUSA-WA1/2020株とP.1系統の変異株(γ株、以下、P.1変異株)に対する年齢と中和抗体価の関係を調べた。その結果、USA-WA1/2020株に対するワクチン接種後の中和抗体価は年齢と負の相関が見られた。一方で、P.1変異株に対する中和抗体価はすべての年齢で減少したが、年齢による差は小さく、全体的にワクチンの有効性に寄与する要因として年齢を特定することができなかった。JAMA誌オンライン版2021年7月21日号リサーチレターでの報告。

日本における抗うつ薬とCBT併用療法による費用対効果

医療一般

 うつ病治療において認知行動療法(CBT)の併用は、最初から行うべきか、薬物治療で寛解が得られない患者に行うべきかについて、慶應義塾大学のYoshihide Yamada氏らは、費用対効果の面から検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2021年6月17日号の報告。  うつ病治療において、最初からCBTと薬物療法を併用したCOMBファースト戦略と、まずは薬物療法で治療を開始し、寛解が得られない場合にCBTを併用したADファースト戦略において、どちらの治療戦略の費用対効果が高いかを調査した。分析を行うため、マルコフモデルを開発した。主要アウトカムは、104週における質調整生存率(QALY)当たりの増分費用対効果(ICER)とした。臨床パラメータに関連する不確実性と結果に対するCBTコストの影響を調査するため、それぞれ確率的感度分析とシナリオ分析を実施した。

マインドフルネスのカリキュラムで子どもの睡眠が改善

医療一般

 子どもの睡眠時間は概して、思春期が近づくにつれて少なくなりがちだ。しかし、学校がマインドフルネスを学ぶカリキュラムを組んで、深呼吸やヨガなどを教えると、睡眠時間が増え、睡眠の質も高まる可能性があるとする研究結果が報告された。米スタンフォード大学医学部のChristina Chick氏らによるこの研究の詳細は、「Journal of Clinical Sleep Medicine」に7月6日掲載された。  この研究は、米サンフランシスコ・ベイエリアの主にヒスパニック系から成る2つの低所得コミュニティに住む子ども115人(8〜11歳、女児49人)、を対象にしたもの。どちらのコミュニティも治安が悪く、住んでいる人たちは食料不安や過密で不安定な住環境によるストレスを抱えている。「こうした住環境の条件は、睡眠に悪影響を及ぼす」と研究グループは説明する。

地球温暖化でマラリアやデング熱が拡大

医療一般

 地球温暖化により、マラリアやデング熱などの、蚊が媒介する致死性感染症のリスクに曝される人口が数十億人増える可能性があることを、英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院助教授のFelipe Colon-Gonzalez氏らが報告した。米国、ヨーロッパ、アジア内で危険地帯が広がっていることが判明したという。この研究結果は、「The Lancet Planetary Health」7月号に掲載された。  マラリアとデング熱は、蚊媒介性感染症としては世界で最も大きな脅威である。Colon-Gonzalez氏らによると、両疾患の発生地域は増えており、これまで症例のなかった地域に発生したり、数十年にわたり感染例のなかった地域で再び感染者が現れたりするケースが見られるという。マラリアの発生地は高地にまで移行している一方で、都市部での発生が多いデング熱のリスクも世界各地の都市化に伴い増大している。

甘い飲み物の摂取量と死亡リスクが相関―JPHC研究

医療一般

 甘味飲料の摂取量が多いことと、全ての原因による死亡(全死亡)、および循環器疾患や心疾患による死亡リスクの高さが有意に関連していることが、日本人を対象とした研究から明らかになった。一方、がん死や消化器疾患、脳血管疾患などによる死亡リスクとは有意な関連がないことも分かった。国立がん研究センターなどによる多目的コホート研究(JPHC研究)によるもので、詳細は「Preventive Medicine」7月号に掲載された。  甘味飲料の摂取量が多いことは、体重増加や糖尿病、がん、脳血管疾患のリスクと関連しており、さらに欧米からは死亡リスクとも関連することが報告されている。一方、アジアからは欧米と異なり、甘味飲料の摂取量と死亡リスクとの間に関連はないとの報告がある。また日本人対象の疫学研究の結果はこれまで報告されていない。

2021/07/28

妊婦への新型コロナワクチン、有効性と安全性/JAMA

ジャーナル四天王

 妊婦において、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンBNT162b2(Pfizer-BioNTech製)の接種は、ワクチン非接種と比較してSARS-CoV-2感染リスクを有意に低下させることが確認された。イスラエル・テルアビブ大学のInbal Goldshtein氏らが、妊婦を対象とした後ろ向きコホート研究の結果を報告した。妊婦におけるBNT162b2ワクチンの有効性と安全性については、第III相試験において妊婦が除外されたためデータが不足していた。JAMA誌オンライン版2021年7月12日号掲載の報告。

アベマシクリブ関連ILD、実臨床での発症率と好発時期は?/日本乳癌学会

医療一般

 日本人転移・再発乳がん患者におけるアベマシクリブ関連薬剤性肺障害(ILD)の実臨床での発症率と好発時期について、国内77施設での調査結果が報告された。日本人におけるアベマシクリブ関連ILDの発症率やリスク因子、臨床病理学的特徴を明らかにする目的で進行中のネステッドケースコントロール研究(NOSIDE)の中間報告結果を、昭和大学乳腺外科・先端がん治療研究所の吉沢 あゆは氏が第29回日本乳癌学会学術総会で発表した。

抗精神病薬LAIの悪性症候群リスク

医療一般

 精神疾患に対する抗精神病薬の長時間作用型(LAI)使用は、いくつかの良いアウトカムをもたらすが、重篤な副作用の1つである悪性症候群が発生した場合、LAIの使用がデメリットとなるかはわかっていない。米国・ザッカーヒルサイド病院のDaniel Guinart氏らは、統合失調症および/または統合失調感情障害と診断された患者における悪性症候群の発生率とアウトカムの予測因子について調査を行った。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2021年5月20日号の報告。  フィンランドのヘルスケアエンカウンタの代表的なデータベースを用いて、1972~2017年に統合失調症および/または統合失調感情障害と診断された患者を対象に、悪性症候群の発生率およびアウトカムの予測因子を調査した。抗精神病薬の剤型(LAIと経口)およびクラス(第1世代[FGA]と第2世代[SGA])による違いを調査するため、ネステッドケースコントロールデザインを用いた。

1日5分の吸気筋トレーニングで血圧低下

医療一般

 呼吸にかかわる筋肉を鍛えるトレーニングを毎日続けることで、降圧薬の効果と同程度の血圧コントロールを期待できる可能性が報告された。米コロラド大学のDaniel Craighead氏らの研究結果であり、詳細は「Journal of the American Heart Association」に6月29日掲載された。  この研究では、吸気筋のトレーニング(inspiratory muscle strength training;IMST)を6週間にわたって行った参加者で、収縮期血圧(SBP)が平均9mmHg低下した。IMSTは、息を吸うときに抵抗を生む専用のデバイスを使用し、横隔膜などの呼吸にかかわる筋肉を鍛えるトレーニング法だ。本研究での1日当たりのトレーニング時間は、わずか5分だった。

10代で肥満だと成人後に減量しても健康リスクが高い

医療一般

 若いうちに肥満の人は、成人後に減量したとしても、健康リスクの高い状態が続くことを示すデータが報告された。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のJason Nagata氏らの研究結果であり、詳細は「Journal of the American College of Cardiology(JACC)」に6月21日掲載された。Nagata氏は、「青年期は将来の糖尿病と心臓発作を防ぐための重要な時期だ」と語っている。  青年期の体重が将来の健康にとってどの程度の影響を及ぼすのかは、まだ完全には明らかになっていない。しかし、若いうちからインスリン抵抗性が発生したり動脈硬化の進行が加速し始めた場合に、それらの危険因子の影響を完全に取り除くのは難しい場合がある。

今世紀中に長寿記録は130歳に達するとの予測

医療一般

 人間は何歳まで生きられるのだろうか。米ワシントン大学のMichael Pearce氏とAdrian Raftery氏による新たな研究で、今世紀中に130歳の誕生日を迎える人が現れる可能性があるとの予測結果が示された。研究の詳細は、「Demographic Research」6月30日号に掲載された。  この数十年で100歳を超える人の数は着実に増えており、全世界で50万人近くにも達するという。人類史上最長寿とされるフランスのジャンヌ・カルマンさんは、1997年に死去した時点で122歳だった。現在の世界最高齢者は日本の田中カ子さんで、2021年7月現在で118歳である。専門家の間には、疾患と細胞の劣化があるため、人間の寿命には限界があるとする見解がある一方で、寿命に限界はないとする見方もある。

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