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2026-08-10 ~ 2026-08-11

2026/08/11

ベンゾジアゼピンの投与量と死亡リスクとの関連

医療一般

 フィンランド・トゥルク大学のHanna Sarkila氏らは、フィンランド人の集団において、ベンゾジアゼピン系薬剤およびZ-drug(以下、BZD)の使用を新たに開始した患者を対象に、5年間のフォローアップ期間中における用量依存的なBZD使用とすべての原因による死亡および原因別死亡リスクとの関連を調査した。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2026年6月21日号の報告。  対象は、2004~05年にBZDの使用歴がなく、2006年にBZDの使用を開始した患者。薬剤調剤に関する情報はPRE2DUP法を用いてモデル化し、調剤のたびに更新される時間依存性変数として扱った。

超多剤併用高齢患者の処方を減量・中止させるには

医療一般

 高齢になると多数の併存疾患が存在し、このため処方される薬剤も多く、いかに減量・中止するか、いわゆる「ポリファーマシー」が課題となっている。ポリファーマシーを成功させるには何が必要であろう。このテーマについて、オランダ・SIR薬局業務・政策研究所のGert Baas氏らの研究グループは、高齢患者の処方薬の減量・中止について、臨床的服薬レビュー(CMR)が薬剤数に影響を及ぼすかどうかを調査した。その結果、研修を受けた薬剤師によるCMRは薬剤数に影響を及ぼすことがわかった。この内容はAge and Ageing誌2026年7月2日号に掲載された。

苛立った患者への対応で救急医が疲弊

医療一般

 救急外来といえば、人気ドラマ『ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室(原題:The Pitt)』が思い出されるが、現実の米国の救急外来では、日々のさまざまな出来事によって医師が疲弊し、その結果、医療の質の低下につながる可能性が、新たな研究で示唆された。医師のストレスの大きな要因の一つが、苛立った患者への対応であることが示されたという。米マサチューセッツ大学アマースト校社会心理学教授のLinda Isbell氏らによるこの研究の詳細は、7月12日付で「BMJ Quality & Safety」に掲載された。

マイクロプラスチックは心筋梗塞と関連?

医療一般

 心筋梗塞を起こした人では、血液中からマイクロプラスチックおよびナノプラスチック(MNP)が高い割合で検出され、その濃度も高いことを示すデータが報告された。サピエンツァ大学サンタンドレア病院(イタリア)のPasquale Paolisso氏らの研究によるもので、詳細は7月14日付で「European Heart Journal」に掲載された。喫煙や大気汚染も、MNPの検出と関連があるという。  この論文では、「先行研究により、ヒトの臓器や組織にMNPが存在していることが既に示されている」と、研究背景が記されている。しかし、筆頭著者であるPaolisso氏によると、冠動脈(心臓の筋肉に血液を供給する動脈)の血液中にもMNPが存在するのか、また、喫煙や大気汚染などの環境要因がその存在に影響を与えるのかどうかという点については、「ほとんど知られていなかった」という。

元プロサッカー選手、中年期から脳萎縮の可能性

医療一般

 サッカーW杯の熱狂が米国を席巻する中、サッカーのもう一つの側面、すなわちサッカーが脳に及ぼす影響に光を当てた研究が報告された。中年期の元プロサッカー選手では、コンタクトスポーツの経験がない人と比べて、脳の重要な領域の萎縮がより顕著であることが明らかになった。また、元選手では、うつ症状や不安症状が多く見られ、計画や問題解決の困難を訴える傾向も認められたという。英インペリアル・カレッジ・ロンドン(ICL)のCaleigh Grace Lynch氏らによるこの研究結果は、アルツハイマー病協会国際会議(AAIC 2026、7月12~15日、英ロンドン)で発表された。

コーヒー摂取量が多いほど肝硬変・肝細胞がんリスク低下

医療一般

 朝のコーヒーの魅力は、カフェインによる目覚め効果だけではないかもしれない。新たな研究で、コーヒーの摂取量が多いほど、肝硬変、肝細胞がん、および肝疾患による死亡リスクが低いことが明らかになった。米シーダーズ・サイナイ医療センター肝がんプログラムのメディカルディレクターを務めるJu Dong Yang氏らによるこの研究結果は、7月1日付で「Clinical Gastroenterology and Hepatology」に掲載された。Yang氏は、「今回の結果は、もともとコーヒーを好み、問題なく飲める人に対して、適度なコーヒー摂取を支持するものだ」と述べている。

「右利き」か「左利き」かは何によって決まる?

医療一般

 字を書く、ボールを投げる、道具を使うといった日常的な動作をするとき、右利きの人は右手、左利きの人は左手の方がはるかに上手に動かせるのはなぜだろうか。新たな研究で、利き手の優れた運動能力は練習の積み重ねによって形成されるものであり、人の利き手を決定付けるような生まれつき固定された大脳半球の優位性は存在しないことが示された。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)デイヴィッド・ゲフィン医学部神経内科のAhmet Arac氏らによるこの研究の詳細は、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に6月30日掲載された。

低ナトリウム血症、腎機能が高くても低くてもリスク上昇

医療一般

 低ナトリウム血症は日常診療でよく遭遇する電解質異常だが、腎機能との関連は十分に明らかになっていなかった。今回、日本の外来患者13万人超を対象とした解析で、腎機能と低ナトリウム血症リスクにはU字型の関連が認められ、腎機能が高い場合と低い場合の双方でリスクが上昇することが報告された。研究は聖路加国際病院腎臓内科の長浜正彦氏らによるもので、詳細は6月25日付の「Clinical and Experimental Nephrology」に掲載された。  低ナトリウム血症は、血液中のナトリウム濃度が低下した状態で、体内の水分バランスを調節する仕組みの異常などによって生じる。

2026/08/10

卵円孔開存を伴う片頭痛、抗血栓療法が有効か/BMJ

ジャーナル四天王

 卵円孔開存(PFO)は片頭痛、とくに前兆を伴う片頭痛と関連し、微小塞栓メカニズムの関与の可能性が示されている。小規模な研究で抗血小板療法(アスピリン、P2Y12阻害薬)の有効性が示唆されているが、これらのエビデンスには一貫性がなく、多くは非比較研究だという。中国医学科学院・北京協和医学院のZiping Li氏らは「COMPETE試験」において、PFOおよび片頭痛を有する患者のレスポンダー率に関して、アスピリン、クロピドグレル、リバーロキサバンはメトプロロールに対し非劣性であり、このうちリバーロキサバンは大出血イベントを増加させずに、レスポンダー率が有意に優れることを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年7月29日号で報告された。

選択的Nav1.8阻害薬LTG-001、術後疼痛を軽減/NEJM

ジャーナル四天王

 Nav1.8は末梢神経系に発現している電位依存性ナトリウムチャネルで、疼痛シグナル伝達において重要な役割を果たすという。LTG-001は、オピオイドと同等の鎮痛効果をもたらすように設計された、経口投与が可能な非オピオイド系の選択的Nav1.8阻害薬である。米国・Latigo BiotherapeuticsのNeil Singla氏らは、腹壁形成術後に疼痛を訴える患者において、低・高用量のLTG-001はプラセボと比較して、48時間後の疼痛スコアを有意に改善し、高用量ではオピオイドのレスキュー使用量が少ないことを示した。研究の成果はNEJM誌2026年7月30日号に掲載された。

SNAP試験:MSSA菌血症に対するセファゾリンの位置付けを変えるエビデンス(解説:小金丸博氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

MSSA(methicillin-susceptible Staphylococcus aureus)菌血症に対する治療では、長年、欧米を中心にflucloxacillin、クロキサシリン、nafcillinなどの抗ブドウ球菌用ペニシリン(antistaphylococcal penicillin:ASP)が標準治療として位置付けられてきた。一方、セファゾリンは広く使用されているものの、とくに重症感染症における有効性については、ASPと比較した質の高いエビデンスが十分ではなかった。この長年の臨床的疑問に対して、大規模ランダム化比較試験で答えを示したのがNEJM誌2026年6月18日号に報告された「SNAP試験」である。 本試験はMSSA菌血症患者を対象とした国際共同ランダム化比較試験であり、セファゾリン群671例とflucloxacillinまたはクロキサシリン群670例を比較した。

治療抵抗性うつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法、実臨床における評価

医療一般

 ブレクスピプラゾールは、既存治療で十分な効果が認められないうつ病に対する増強療法として用いることのできる抗精神病薬である。トルコ・Private PracticeのHuseyin Kara氏らは、実臨床における治療抵抗性うつ病に対するブレクスピプラゾールの有効性を評価した。Dusunen Adam誌2026年4月6日号の報告。  本研究は、2024年5月1日~2025年1月1日に実施された。治療抵抗性うつ病に対する増強療法としてブレクスピプラゾールの投与が開始された患者の診療記録をレトロスペクティブに検討した。解析には、社会人口統計学的データに加え、ベックうつ病評価尺度(BDI)、ベック不安尺度(BAI)、全体的評価尺度(GAS)のスコアが記録された患者データを組み入れた。

閉塞性睡眠時無呼吸へのCPAP、不眠症併存例でより血圧低下

医療一般

 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と不眠症の併存(comorbid insomnia and obstructive sleep apnea:COMISA)は血圧コントロール悪化と関連している。今回、中国・Capital Medical UniversityのShuang Li氏らは、4週間の持続陽圧呼吸療法(CPAP)による降圧効果をCOMISA患者とOSA単独患者で比較したところ、COMISA患者で収縮期血圧が有意に低下したことがわかった。Chest誌オンライン版2026年7月31日号に掲載。

卵巣がんの新たな3つのターゲット療法、日本人患者の成績/日本婦人科腫瘍学会

医療一般

 これまで有効な治療選択肢が限られていた卵巣がんの組織型に対し、分子標的療法の臨床試験が有望な成果を示している。第68回日本婦人科腫瘍学会学術集会では、3つの組織型の新薬における日本人患者の成績を三重大学 金田 倫子氏、兵庫県立がんセンター 山本 香澄氏、名古屋大学 新美 薫氏が紹介した。  低異型度漿液性卵巣がん(LGSOC)は卵巣がんの10%未満とまれな組織型である。再発に対する化学療法の奏効率は0~13%と低く、新たな治療法の開発が強く望まれている。

ピロリ菌で大腸がんリスク増、除菌の恩恵を受けやすい人は?

医療一般

 Helicobacter pylori(H. pylori)感染は大腸がん発症リスクを高める可能性があり、除菌治療が長期的なリスク低減につながる可能性が示された。中国で実施された2つの大規模ランダム化試験の解析により、遺伝的リスクや病原性因子を考慮した層別解析では、除菌の恩恵を受けやすい集団が存在することも明らかになった。北京大学のXuan Han氏らによる研究結果は、Gut誌オンライン版2026年6月30日号に掲載された。  H. pyloriは胃がんや消化性潰瘍の原因菌として知られる一方、近年は慢性炎症や腸内細菌叢の変化などを介して大腸がんにも関与する可能性が指摘されている。今回の解析では、中国・山東省で実施された2つのランダム化試験を対象とした。1つは1995年開始のShandong Intervention Trial(SIT、3,365例、追跡期間29.4年)、もう1つは2011年開始のMass Intervention Trial in Linqu, Shandong Province(MITS、18万284例、追跡期間13.8年)である。MITSでは、宿主の遺伝的リスクとH. pyloriの病原性因子に対する血清陽性率に基づいて大腸がんリスクを評価するケースコホート研究も実施された。

うつ病の個別化磁気刺激療法、MRIに基づく刺激部位決定で有効性向上

医療一般

 MRIで評価した患者ごとの脳の機能的結合に基づいて刺激部位を決定する経頭蓋磁気刺激療法(TMS)により、標準的な治療法に反応しない治療抵抗性うつ病患者に対する治療効果が向上する可能性が、新たな研究で示された。  論文の筆頭著者である米マス・ジェネラル・ブリガムCenter for Brain Circuit TherapeuticsのJoseph Taylor氏は、「今回の結果は、機能的MRI(fMRI)による脳画像を用いてTMSの刺激部位を決定することに臨床的な利点がある可能性を前向きに示したものである。

重度歯周炎、高齢者の脳卒中リスク上昇――医療費増加とも関連

医療一般

 口腔の健康状態は、脳卒中発症だけでなく、その後の医療負担にも影響するのだろうか。今回、高齢者1,997人を対象とした5年間の追跡研究で、重度歯周炎は脳卒中発症リスクの上昇と関連し、脳卒中後の医療費増加にも関与する可能性が示された。研究は愛知学院大学歯学部口腔衛生学講座の齋藤瑞季氏、嶋崎義浩氏らによるもので、詳細は6月12日付で「Journal of Clinical Periodontology」に掲載された。  歯周炎は口腔内の慢性炎症性疾患であり、歯周病菌や炎症反応が血管に影響することで、心血管疾患リスクを高める可能性が指摘されている。

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