冠動脈CT血管造影の追加で初回冠動脈イベント予測は改善するか/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2025/12/05

 

 冠動脈CT血管造影(CCTA)から得られる冠動脈硬化症に関する情報は、従来のリスク因子や冠動脈石灰化スコア(CACS)に追加することで、冠動脈イベントのリスク予測を若干改善し、1次予防が必要な個人の特定に役立つ可能性があることを、スウェーデン・ヨーテボリ大学のGoran Bergstrom氏らが観察コホート研究「Swedish Cardiopulmonary Bioimage Study:SCAPIS研究」の結果で報告した。冠動脈イベントの1次予防におけるリスク層別化戦略は、精度が不足していた。JAMA誌オンライン版2025年11月9日号掲載の報告。

CCTAデータを追加したモデルと従来モデルで初回冠動脈イベントの予測を比較

 研究グループは、2013~18年にスウェーデンの6地域(ヨーテボリ、リンシェーピング、マルメ/ルンド、ストックホルム、ウメオ、ウプサラ)において、50~64歳の一般住民から無作為に抽出した個人を包括的検査に招待し、研究への寄与に同意した3万154例が心肺画像検査、身体検査、通常の臨床検査、質問票、機能検査を受けた。

 本解析には、心血管疾患の既往がなく、高画質のCCTA画像が得られた2万4,791例が組み込まれた。CCTA画像から、冠動脈硬化症の程度(segment involvement score:SIS)、非石灰化アテローム性動脈硬化症の存在、および閉塞性冠動脈疾患の有無(狭窄≧50%)の情報を使用した。

 参加者を、CTおよびCCTA検査受診時から、イベント発生、死亡または追跡期間終了日(2024年9月30日)のいずれか早い時点まで追跡した。

 主要アウトカムは、非致死的心筋梗塞の初発または冠動脈疾患による死亡の複合とした。CCTAから得られる冠動脈硬化症に関する情報を、動脈硬化性疾患のリスク予測モデル(pooled cohort equation:PCE)のリスクスコアとCACSによるモデルに追加し、初回冠動脈イベントの予測が改善されるかどうかを評価した。

CCTAデータの追加でリスク判別能とリスク再分類が若干改善

 追跡期間中央値7.8年において、304件の冠動脈イベントが発生した。「SISが3~4」「SISが4超」、ならびに「非石灰化アテローム性動脈硬化症の存在」は、冠動脈イベントの発生と関連していた。ハザード比はそれぞれ、2.71(95%信頼区間[CI]:1.34~5.44)、5.27(95%CI:2.50~11.07)、1.66(95%CI:1.23~2.22)であった。

 PCEとCACSに基づくモデルにCCTAから得られたデータを追加すると、リスク判別能(C統計量)が0.764から0.779に改善し(p=0.004)、8年リスクの再分類も改善した(純再分類改善度:0.133、95%CI:0.031~0.165)。イベント発生者の14.2%が正確に高リスクに再分類され、誤って高リスクに分類されたイベント非発生者は1.6%であった。

 コホートにおけるイベント発生率が低かったため、再分類は主にPCEで低リスク(<5%)に分類された集団で発生した。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 野間 重孝( のま しげたか ) 氏

栃木県済生会宇都宮病院 参与・名誉院長

J-CLEAR評議員