気象関連疼痛に期待される食事性フラボノイドの有用性

提供元:ケアネット

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公開日:2025/12/03

 

 悪天候や気象変動は健康に悪影響を及ぼし、気象関連疼痛と呼ばれる症状を引き起こす可能性がある。症状の緩和には、鎮痛薬などによる薬物療法が一般的に用いられているが、副作用を引き起こす可能性がある。そのため、非薬物療法や食事療法への関心が高まっている。大塚製薬の池田 泰隆氏らは、気象関連疼痛に対する食事性フラボノイドであるケンフェロールの有効性を評価するため、オープンラベルパイロット研究を実施した。International Journal of Biometeorology誌2025年10月号の報告。

 従来、気象関連疼痛は、気圧変動に対する内耳の感受性(交感神経系の活性化)が主なメカニズムと考えられてきたが、低気圧下での末梢低酸素症による酸素利用の低下も重要な要因であると考えられている。食事性フラボノイドであるケンフェロールは、これまでの研究において酸素利用を促進し、副交感神経系の優位性を促すことが示されていた。ケンフェロールを毎日摂取することで、酸素利用と自律神経バランスが改善され、気象関連の不快感が軽減されるという仮説を立て、本研究を実施した。本パイロット研究では、中等度の気象関連症状を有する458例を対象に、1日10mgのケンフェロールを4週間投与した。対象患者には、介入前後にアンケート調査を実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・アドヒアランスが80%超であった患者387例のデータを分析した。
・症状の頻度、持続時間、重症度の有意な減少が認められた。
【症状の頻度】頭痛の場合:Cohen’s d=0.61、p<0.001
【症状の持続時間】rank-biserial correlation=0.64、p<0.001
【症状の重症度】Cohen’s d=0.57、p<0.001
・介入終了時には、対象患者の80%超において症状の改善が認められた。

 著者らは「ケンフェロールは、酸素利用と自律神経調節をターゲットとすることで、気象に関連した身体的および精神的症状を管理するための有望な非薬理学的戦略であることが示唆された」としている。

(鷹野 敦夫)