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2026-01-05 ~ 2026-01-11

2026/01/09

高リスク頭頸部がん、術後化学放射線療法へのニボルマブ追加でDFS改善/Lancet

ジャーナル四天王

 切除後の再発高リスク局所進行頭頸部扁平上皮がん(LA-SCCHN)に対し、術後シスプラチン+放射線療法にニボルマブを追加することにより、中等度の毒性が増加するものの無病生存期間(DFS)が有意に改善された。スイス・ローザンヌ大学のJean Bourhis氏らが、欧州6ヵ国82施設で実施された、フランスの頭頸部がん放射線治療グループ(GORTEC)主導の無作為化非盲検第III相試験「GORTEC 2018-01 NIVOPOST-OP試験」の結果を報告した。シスプラチン+放射線療法は、高リスクLA-SCCHNに対する術後補助療法の標準治療であるが、ニボルマブ追加の有効性と安全性は不明であった。著者は、「ニボルマブ+シスプラチン+放射線療法は、新たな標準治療として提案可能である」とまとめている。Lancet誌オンライン版2025年12月22日号掲載報告。

ASCVD合併2型DMのCVアウトカム、チルゼパチドvs.デュラグルチド/NEJM

ジャーナル四天王

 2型糖尿病とアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)を有する患者の治療において、心血管死、心筋梗塞または脳卒中の複合エンドポイントに関し、チルゼパチドのデュラグルチドに対する非劣性が認められた。オーストラリア・Monash UniversityのStephen J. Nicholls氏らSURPASS-CVOT Investigatorsが、30ヵ国640施設で実施した無作為化二重盲検実薬対照非劣性試験の結果を報告した。チルゼパチドはGLP-1受容体およびGIP受容体のデュアルアゴニストで、血糖コントロールと体重において好ましい効果をもたらすが、心血管アウトカムへの影響は不明であった。NEJM誌2025年12月18・25日号掲載の報告。

PCOS妊婦へのミオイノシトールの投与は妊娠合併症率を改善せず(解説:前田裕斗氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

本研究は、オランダの13施設で464例の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)妊婦を対象とし、ミオイノシトールの妊娠糖尿病・早産・妊娠高血圧腎症の予防効果を確かめた二重盲検プラセボ対照RCTである。ミオイノシトールにはインスリン抵抗性改善を通した血管内皮機能不全や炎症の予防効果があることから、PCOS妊婦においてリスクが上昇する3つの妊娠合併症をアウトカムとしている。先行するRCTでは妊娠糖尿病の予防効果が示されていたが、サンプルサイズが200例程度と小さく、また妊娠糖尿病の有病率が約50%と高いこと、患者への薬の盲検化がされていなかったことなどを背景として、この試験が行われた。

再発・難治性多発性骨髄腫へのiberdomide+低用量シクロホスファミド+デキサメタゾンの第II相試験(ICON)/Lancet Haematol

医療一般

 2~4ラインの治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫に対するiberdomide+低用量シクロホスファミド+デキサメタゾン(IberCd)の現在進行中の前向き単群第II相非盲検試験(ICON試験)において、追跡期間25.4ヵ月で無増悪生存期間(PFS)中央値が17.6ヵ月と良好であったことを、オランダ・アムステルダム自由大学のCharlotte L. B. M. Korst氏らが報告した。Lancet Haematology誌2026年1月号に掲載。  iberdomideは、経口セレブロンE3リガーゼモジュレーターであり、レナリドミドやポマリドミドとは薬理学的に異なりセレブロンとの親和性が高いため、直接的な抗腫瘍効果と免疫刺激効果をもたらすことが示されている。

日本人末期がん患者のせん妄、その発生率と薬理学的介入の現状

医療一般

 末期がん患者では、疼痛やせん妄の発生が少なくない。しかし、疼痛管理のために投与されるオピオイドは、患者のせん妄を悪化させる可能性がある。名古屋市立大学病院の長谷川 貴昭氏らは、がん性疼痛とせん妄を有する末期がん患者において、実際の症状経過とオピオイドおよび抗精神病薬を含む薬理学的介入との関連を調査するため、多施設共同プロスペクティブ観察研究の2次解析を実施した。Palliative Medicine Reports誌2025年10月24日号の報告。 対象は、日本のホスピスまたは緩和ケア病棟に入院している成人患者のうち、Palliative Performance Scale(PPS)が20点以下に低下した時点(1日目、死亡直前)で、がん性疼痛(Integrated Palliative care Outcome Scale[IPOS]の疼痛スコア2以上)およびせん妄を有していた患者。薬理学的治療戦略、疼痛レベル(IPOSに基づく)、せん妄症状(Memorial Delirium Assessment Scale[MDAS]の9項目に基づく)を測定した。

呼吸器系ウイルス検査陽性の市中肺炎、抗菌薬投与は必要?

医療一般

 米国胸部学会(ATS)が2025年に発表した最新の市中肺炎(CAP)ガイドラインでは、呼吸器系ウイルス検査陽性となった入院CAP患者全例に対して、抗菌薬を投与することを条件付きで推奨している。しかし米国感染症学会(IDSA)は非重症患者に対するこの推奨に同意せず、非重症患者では重複感染の可能性を検討するために多少の時間をかけることによるリスクはほとんどなく、抗菌薬を開始するかおよびいつ開始するかについては臨床医の裁量の余地があるとしている。米国・ペンシルベニア大学のBrett Biebelberg氏らはこれらの患者集団における抗菌薬投与の頻度・期間と転帰を評価する目的で、大規模な多施設共同の傾向スコア重み付け解析を実施。結果をClinical Infectious Diseases誌オンライン版2025年12月11日号で報告した。

腰痛時の日常動作、症状を悪化させるのか?

医療一般

 腰痛患者を対象に、身体活動の短期的および長期的な影響を調査した結果、持ち上げる、曲げる、押す/引く、ねじる、しゃがむなどの一部の日常動作は短期的な腰痛増悪と関連していたものの、長期的な機能障害とは関連しなかったことを、米国・Veterans Affairs(VA) Puget Sound Health Care SystemのPradeep Suri氏らが明らかにした。  身体活動は、腰痛に対して有害な影響と有益な影響の両方を有すると考えられている。研究グループは、10種類の一般的な動作について、短期的(24時間以内)な腰痛増悪リスクと長期的(累積的)な機能障害との関連をそれぞれ評価するため、前向きコホート研究の中にケースクロスオーバー解析を組み込んだ研究を実施した。

15分で判定可能なC型肝炎ウイルス迅速PCR検査を開発

医療一般

 米ノースウェスタン大学が開発した迅速検査のおかげで、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染しているかどうかを15分以内に判定できるようになった。この検査により、医師は診察中に感染症を診断し、その場で治療を開始できるようになる。ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部グローバルヘルス研究所・グローバル感染症および新興感染症センターのClaudia Hawkins氏らが開発したこの検査に関する詳細は、「The Journal of Infectious Diseases」に12月10日掲載された。  Hawkins氏は、「この検査は、診断を劇的に改善し、治療の普及を加速させ、より多くの人に対するより早期の治癒を可能にすることで、米国および世界のHCV治療に革命をもたらす可能性がある」とニュースリリースで述べている。同氏はさらに、「遅延を減らし、検査に至るまでの流れを簡素化することで、未治療のHCVによる壊滅的な肝臓関連の合併症から何百万人もの命を救う可能性がある」と付け加えている。

2026/01/08

高リスク早期TN乳がん、術後EC+PTXにCBDCA追加で3年DFS・OS改善/BMJ

ジャーナル四天王

 高リスクの早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者に対する術後補助療法として、エピルビシン+シクロホスファミド(EC療法)後の週1回パクリタキセル(PTX)投与にカルボプラチン(CBDCA)を追加することで、新たな安全性の懸念なく早期再発リスクが低下し、生存アウトカムが有意に改善したことが示された。中国・復旦大学上海がんセンターのYin Liu氏らが、第III相の無作為化非盲検試験「CITRINE試験」の結果を報告した。高リスクの早期TNBCの予後は不良であり、術後補助療法の強化戦略の最適化が依然として必要とされていたが、TNBCに対する術後補助療法としてのアントラサイクリン/タキサン系化学療法へのカルボプラチン追加の有益性については、意見が分かれていた。BMJ誌2025年12月23日号掲載の報告。

妊娠前・中のコロナワクチン接種、母体の重症化および早産リスク低下/JAMA

ジャーナル四天王

 妊娠前および妊娠中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの接種(新型コロナウイルス感染症[COVID-19]の診断前)は、変異株の流行時期にかかわらず母体の重症化リスクおよび早産リスクの低下と関連することが、カナダで行われたサーベイランスプログラムで示された。同国ブリティッシュ・コロンビア大学のElisabeth McClymont氏らCANCOVID-Preg Teamが報告した。COVID-19およびワクチン接種が妊娠アウトカムに及ぼす影響については、知見が不足していた。JAMA誌オンライン版2025年12月15日号掲載の報告。

sFlt-1/PlGF検査を含むリスク評価により、満期の妊娠高血圧腎症リスクを低下(解説:前田裕斗氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

本研究は妊娠35~36週で妊娠高血圧腎症を伴わず、胎児に致命的な異常のない単胎妊娠8,136例を対象とした介入試験である。Fetal Medicine Foundationの提供する妊娠高血圧腎症発症のリスク評価により分娩時期を定め、陣痛発来のない場合に計画分娩とすることで妊娠高血圧腎症の発症率低下を目的とした。結果、介入群の発症率は3.9%、対照群は5.6%であり、30%の有意な減少を認めた。新生児合併症や帝王切開率の増加は認めなかった。本研究に用いるリスク評価はsFlt-1/PlGF比の測定を含む。日本においては高リスク群以外に保険適用のない検査ということもあり、全妊娠を対象とするのは現実的ではない。

退職後でも認知機能が維持される人の特徴は?

医療一般

 多くの先進国において、公的年金の受給年齢の引き上げが行われている。これは、退職を遅らせることで認知機能の老化に影響を与える可能性がある。しかし、退職が認知機能に及ぼす影響は個人や状況によって異なる可能性が高いと考えられる。慶應義塾大学の佐藤 豪竜氏らは、退職と認知機能の異質性について、その関連性を調査した。International Journal of Epidemiology誌2025年10月14日号の報告。  米国、英国、欧州で行われた3つの縦断研究(Health and Retirement Study、English Longitudinal Study on Ageing、Survey of Health, Ageing and Retirement in Europe)より得られたデータを統合し、分析した。本データセットは、2014〜19年に19ヵ国で実施された3つのwave調査を網羅している。

腹囲の大きさでフレイルを予測できるか/大阪公立大

医療一般

 腹囲の大きさは、フレイルの進行に何らかの影響を与えるのであろうか。この課題について大阪公立大学研究推進機構都市健康・スポーツ研究センター教授の横山 久代氏は、スマートフォン(スマホ)の健康アプリを用いたウェブ調査を行った。その結果、腹部肥満は将来のフレイルに関係する可能性があることが示唆された。この結果はGeriatrics誌2025年11月8日号に掲載された。自覚、運動習慣、プレフレイルがフレイルの予測因子になる可能性 フレイルリスクの高い人を特定し、適切な介入を実施することは、健康寿命の延伸に極めて重要である。本研究は、後ろ向きコホート研究として、大阪府在住の30~79歳の成人2,962人を対象に、腹部肥満が1年間のフレイル進行を予測するかどうかを検討した。

ナーシングホームでの感染症対策に関する新ガイダンスが公表される

医療一般

 高齢者や病気からの回復期にある人、あるいは長期的な健康問題を抱えて暮らす人が多いナーシングホームでは、感染症が大きな懸念事項となっている。薬剤耐性菌、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどは、このような環境では急速に広がり、入居者の命を脅かす可能性がある。 こうした中、2008年に発行された、ナーシングホームにおける感染予防・管理(IPC)に関する国の推奨事項に代わるものとして、米国医療疫学学会(SHEA)や米国感染症学会(IDSA)など5つの主要学会や専門団体が共同で作成・承認した新しいガイダンスが、「Infection Control & Hospital Epidemiology」に10月28日公表された。

MASLD患者における死亡リスクを最も高める3つの心血管代謝リスク因子を特定

医療一般

 代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)の患者では、高血圧、耐糖能異常、低HDLコレステロール(HDL-C)といった心血管代謝のリスク因子(CMRF)が最も死亡リスクを高めるという研究結果が、「Clinical Gastroenterology and Hepatology」に9月17日掲載された。  米南カリフォルニア大学ケック医学部のMatthew Dukewich氏らは、MASLDを有する米国成人における個々のCMRFと全死亡率との関連を調査した。本研究では、脂肪肝指数(Fatty Liver Index;FLI)が60を超え、かつ少なくとも1つのCMRFを有する20歳以上の成人2万1,872人が対象となった。

大気汚染は運動の健康効果を損なう

医療一般

 大気汚染は、定期的な運動によって得られると期待している健康効果の一部を損なう可能性のあることが、新たな研究で示唆された。運動がもたらすはずの死亡リスクの低減効果は、大気汚染のひどい地域に住む人では半減することが示されたという。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)心理学・疫学教授のAndrew Steptoe氏らによるこの研究結果は、「BMC Medicine」に11月28日掲載された。  Steptoe氏は、「われわれの研究は、大気汚染が運動の効果をある程度弱めることを示しているが、完全に打ち消すわけではない」とニュースリリースの中で述べている。同氏は、「今回の結果は、微小粒子状物質(PM2.5)による健康被害を改めて示すものだ。健康的な老化にはきれいな空気と身体活動の両方が重要と考えられ、健康を害する汚染レベルを下げる努力を強化する必要がある」と話している。

2026/01/07

単純性淋菌感染症、単回投与の新規抗菌薬zoliflodacinが有効/Lancet

ジャーナル四天王

 単純性淋菌感染症の治療において、zoliflodacinはセフトリアキソン+アジスロマイシンの併用療法に対して非劣性であり、安全性プロファイルは同等であることが、スイス・Global Antibiotic Research & Development PartnershipのAlison Luckey氏らZoliflodacin Phase 3 Study Groupが行った海外第III相無作為化非盲検非劣性試験の結果で示された。淋菌(N. gonorrhoeae)は複数の第1選択薬および第2選択薬に対して耐性を獲得しており、新たな治療薬の開発が世界的な公衆衛生上の最優先事項となっている。zoliflodacinは、新規作用機序で細菌のDNA複製を阻害するファーストインクラスの経口スピロピリミジントリオン系抗菌薬で、新たな標的(GyrB)を有し、多剤耐性菌株を含む淋菌に対して強力なin vitro活性を有することが示されていた。著者は、「本検討で示されたデータは、zoliflodacinが単純性淋菌感染症に有効な経口治療選択肢の1つとなりうる可能性を示唆するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2025年12月11日号掲載の報告。

ヘルペス陽性早期アルツハイマー病、バラシクロビルは有効か?/JAMA

ジャーナル四天王

 神経科学的、疫学的、および電子的健康記録を用いた研究において、単純ヘルペスウイルス(HSV)がアルツハイマー病(AD)の病態形成に関与する可能性が示唆されている。米国・New York State Psychiatric InstituteのD. P. Devanand氏らは、早期AD症状を有するHSV(HSV-1またはHSV-2)陽性の患者を対象に、HSVに有効な抗ウイルス薬であるバラシクロビルの臨床的ベネフィットを検討するプラセボ対照無作為化試験「VALAD試験」を実施。主要アウトカムの認知機能の悪化に関して、バラシクロビルの有効性は示されなかったことを報告した。著者は、「早期AD症状を有するHSV陽性患者に対する治療に、バラシクロビルは推奨されないことが示唆された」とまとめている。JAMA誌オンライン版2025年12月17日号掲載の報告。

セマグルチドは抗肥満薬から第2のスタチンになりうるか?(解説:住谷哲氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

セマグルチド注2.4mgは、抗肥満薬(商品名:ウゴービ)としてわが国でも薬価収載されている。本論文はASCVDの既往を有する肥満患者(2型糖尿病患者は含まれていない)に対するセマグルチドの有用性を、MACE(非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中および心血管死の複合)を主要評価項目として評価したSELECT試験の事前指定された解析に関する報告である。本解析は、試験開始時の肥満指標adiposity measures(体重および腹囲)、試験開始後20週までの肥満指標の変化および試験終了時(104週)までの肥満指標の変化とMACEリスクとの関連を明らかにすることを目的とした。

医師数公表、人口当たり医師数が最も多い県・少ない県/厚労省

医療一般

 厚生労働省は、2025年12月23日に令和6(2024)年12月31日現在における医師数を公表した。報告によると全国の届出「医師数」は34万7,772人で、「男性」は26万2,801人(75.6%)、「女性」は8万4,971人(24.4%)だった。令和4(2022)年と比べると4,497人(1.3%)増加していた。また、人口10万人当たりの医師数は280.9で、前回に比べ6.2増加していた。  年齢階級別では「30~39歳」が6万7,729人(20.5%)と最も多く、次いで「50~59歳」が6万5,939人(19.9%)、「40~49歳」が6万5,264人(19.7%)の順で多かった。

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