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2026-02-16 ~ 2026-02-22

2026/02/20

脳梗塞発症後24時間以内のtenecteplase、機能的アウトカムを改善/Lancet

ジャーナル四天王

 脳底動脈閉塞による虚血性脳卒中患者において、発症後24時間以内のtenecteplase投与は標準治療と比較し機能的アウトカムを改善し、症候性頭蓋内出血および死亡の発生は同程度であった。中国・首都医科大学のYunyun Xiong氏らTRACE-5 investigatorsが、同国の脳卒中センター66施設で実施した無作為化非盲検評価者盲検第III相優越性試験「TRACE-5試験」の結果を報告した。脳底動脈閉塞による脳梗塞発症後24時間以内にtenecteplaseを静脈内投与した場合の有効性と安全性は十分に研究されていなかった。Lancet誌オンライン版2026年2月5日号掲載の報告。 発症後4.5時間以内のアルテプラーゼ投与を含む標準治療と比較

コーヒーや紅茶、認知症リスク低下と関連した摂取量は/JAMA

ジャーナル四天王

 カフェイン入りコーヒーおよび紅茶の摂取量の多さは、認知症リスクの低下、認知機能の軽度改善と関連しており、その関連性は摂取量が中程度レベルで最も顕著であったという。米国・Harvard T.H. Chan School of Public HealthのYu Zhang氏らが、大規模前向きコホート研究のデータを用いた解析結果を報告した。コーヒーや紅茶と認知機能との関連を示すエビデンスはまだ決定的ではなく、また、ほとんどの研究でカフェイン入りコーヒーとデカフェコーヒーを区別できていなかった。JAMA誌オンライン版2026年2月9日号掲載の報告。  約13万人を最長43年(中央値37)追跡 研究グループは、米国の1976年に開始されたNurses’ Health Study(NHS)に参加した30~55歳の女性看護師と、1986年に開始されたHealth Professionals Follow-Up Study(HPFS)に参加した40~75歳の男性医療従事者のデータを用いた前向きコホート研究を行った。

コーヒーやお茶を飲むと認知症にならない?(サハラ砂漠のお茶)(解説:岡村毅氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

とても楽しい論文だし、科学的にもしっかり書いてある。一方で、ああそうですか、というのが私の正直な感想だ。例えるならば「夕方の天気を予測する因子を探したところ、傘を持っている人が多い日は、夕方から雨になる可能性が高いことが判明した!」と言われたような感じだ。そうかもしれないが、別に意味のある発見じゃないよな、ということだ。あと、この論文は「コーヒーやお茶が認知症予防になる」とは一言も言っていない。しかしそのように誤読される危険があるという意味で、このコラムで取り上げる価値はある。この論文が明らかにしたことは、「米国の医療職の長期コホートで、カフェイン入りコーヒーおよび茶の摂取量が多いことは、認知症リスクの低下と関連しており、カフェインレスコーヒーではそうではなかった」というだけのことだ。

日本の高齢進行乳がん患者へのパルボシクリブ+内分泌療法、RWでの転帰

医療一般

 日本の65歳以上のホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)進行乳がん患者において、パルボシクリブと内分泌療法併用の有効性は、65歳未満と同等であることがリアルワールドデータで示された。昭和医科大学の増田 紘子氏らは、P-BRIDGE試験の年齢群別サブグループ解析結果を、Breast Cancer誌オンライン版2月11日号に報告した。  P-BRIDGE試験は、日本国内で2017~20年に1次または2次治療としてパルボシクリブ+内分泌療法を開始したHR+/HER2-進行乳がん患者693例が組み入れられた多施設共同観察研究。治療転帰および治療パターンを年齢群別(65歳未満、65歳以上75歳未満、75歳以上)に評価した。

日本人片頭痛患者に対する抗CGRP mAbsの有効性と患者満足度

医療一般

 抗カルシトニン遺伝子関連ペプチドモノクローナル抗体(CGRP mAbs)は、臨床試験および実臨床において片頭痛に対する有効性が確認されている。しかし、東アジアにおいては、頭痛頻度以外のデータは、依然として限られていた。慶應義塾大学の今井 俊吾氏らは、日本の実臨床における抗CGRP mAbsの長期的な有効性、忍容性、患者満足度を調査した。Journal of the Neurological Sciences誌2026年2月15日号の報告。  本単施設観察研究には、2021年8月〜2023年2月に、3種類の抗CGRP mAbs(エレヌマブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブ)のいずれかを投与された片頭痛患者を登録した。

2024~25年コロナワクチンは重症化をどれくらい防いだのか?

医療一般

 2024~25年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種がCOVID-19関連アウトカムの予防に及ぼした効果を推定した症例対照研究の結果、入院に対するワクチンの有効性は40%であった一方、アウトカムが重篤であるほど有効性は高く、最も重篤な人工呼吸器使用または死亡に対する予防効果は79%であることが示された。これらの重症化予防効果は、ワクチン接種後少なくとも3~6ヵ月は持続した。米国疾病管理予防センター(CDC)のKevin C. Ma氏らが、JAMA Network Open誌2026年2月3日号で報告した。  対象は、2024年9月1日~2025年4月30日に、米国20州の26病院でCOVID-19様症状により入院し、SARS-CoV-2検査を受けた成人患者(18歳以上)であった。

隠れた心房細動の検出にスマートウォッチが有用

医療一般

 気付かれにくく危険性の高い心臓リズム障害である心房細動(AF)を検出する医師の能力が、スマートウォッチによって大きく向上する可能性を示した臨床試験の結果が報告された。同試験でApple Watchを装着していた患者では、医師がAFを発見する頻度が4倍に増加したという。また、AFを抱えていたApple Watch装着者の半数以上には、診断前に明らかな症状はなかったことも分かった。アムステルダム大学医療センター(オランダ)の循環器専門医であるMichiel Winter氏らによるこの研究の詳細は、「Journal of the American College of Cardiology」に1月22日掲載された。

GLP-1受容体作動薬が2型糖尿病患者の椎体骨折リスクを低下させる可能性

医療一般

 GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)が処方されている2型糖尿病患者は、椎体骨折のリスクが低いことを示すデータが報告された。国立成功大学(台湾)のWei-Thing Khor氏らの研究によるもので、「JAMA Surgery」に12月10日、レターとして掲載された。  近年、GLP-1RAが血糖降下以外のさまざまな副次的作用を有することを示す臨床データが報告されてきているが、2型糖尿病がリスク因子となり得る椎体骨折への影響についてはデータがまだ十分でない。この点についてKhor氏らは、世界各地の医療機関の電子医療記録を統合したリアルワールドのデータベースである「TriNetX」を用いて検討した。

2026/02/19

HIV-1感染症、ARTからドラビリン+islatravir切り替えによる有効性・安全性を確認/Lancet

ジャーナル四天王

 HIV-1感染症治療においてドラビリン/islatravir配合錠は、有効かつ良好な忍容性を示す、初となる非インテグラーゼ阻害薬(INSTI)ベースの2剤併用療法として有望であることが、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のChloe Orkin氏らによる第III相無作為化実薬対照非盲検非劣性試験で示された。すべての国際ガイドラインでは、INSTIを含むレジメンが第1選択薬として推奨されているが、INSTI耐性の出現を示すWHOのデータが示されたことから懸念が生じている。ドラビリン/islatravir配合錠は、2つの強力な抗ウイルス薬からなる開発中の1日1回投与の配合錠で、相補的な作用機序および耐性プロファイルを有する。

経口PCSK9阻害薬enlicitide、LDL-C値を有意に低下/NEJM

ジャーナル四天王

 アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)イベントの既往/初回リスクを有する患者において、経口PCSK9阻害薬enlicitideはプラセボと比較して、24週時点でLDL-C値を有意に低下させたことが示された。米国・University of Texas Southwestern Medical CenterのAnn Marie Navar氏らCORALreef Lipids Investigatorsが、日本を含む14ヵ国168施設で実施した国際共同第III相二重盲検無作為化プラセボ対照試験「CORALreef Lipids試験」の結果を報告した。第II相試験において、enlicitide decanoateはLDL-C値を低下させることが示され、より長期のデータが求められていた。NEJM誌2026年2月5日号掲載の報告。

肥満症薬物療法の「出口戦略」なき処方への警鐘!(解説:島田俊夫氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

GLP-1受容体作動薬などの新薬の登場により、肥満症治療は劇的な変貌を遂げました。しかし、これら「魅惑の肥満治療薬」がもたらす減量は、果たして「治癒」と言えるのでしょうか。2026年1月にBMJ誌に掲載されたOxford大学Sam West氏らの体系的レビュー/メタ解析論文は、薬物療法の中止後に待ち受ける過酷なリバウンドの現実を浮き彫りにし、現在の安易な処方ブームに冷や水を浴びせています。本論文は、肥満治療薬(WMM)と行動療法(BWMP)の中止後を比較し、以下の事実を明らかにしました。リバウンドの「速さ」:薬物療法を中止すると、月平均0.4kgという猛烈な速度で体重が戻ります。これは行動療法中止後のリバウンド速度の約4倍に相当します。

初めて治療ゴールを示した「骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン」

医療一般

 骨粗鬆症は、社会的認知も上がり、高齢者の診療では考慮しなければならない疾患となった。日本骨粗鬆症学会と日本骨代謝学会、骨粗鬆症財団の3団体は2025年8月に『骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン 2025年版』(編集:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会)を10年ぶりに刊行した。  今回の改訂では「Minds診療ガイドライン作成マニュアル」の作成方法を採用して作成され、新たにClinical Question(CQ)を設定してシステマティックレビューを行い、エビデンスの評価・統合をして推奨文が作成された。治療薬では新しい治療薬が追加されたほか、「治療アルゴリズム(初期治療選択)」が盛り込まれた。  本稿では、本ガイドラインの作成委員である萩野 浩氏(独立行政法人 労働者健康安全機構 山陰労災病院 院長)に改訂のポイントや骨粗鬆症予防の意義、今後の展望について聞いた。

HER2陽性胃がん、T-DXdの効果予測因子は?/名大など

医療一般

 トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)は、2020年9月にHER2陽性の切除不能進行・再発胃がん患者に対して承認された。日本のリアルワールド研究により、T-DXd治療効果を予測する複数の因子が明らかになった。名古屋大学の中西 香企氏らによる本研究成果は、ESMO Gastrointestinal Oncology誌2025年6月号に発表された。  EN-DEAVOR研究は、胃がん患者におけるT-DXdの有効性と安全性を評価する多施設共同後ろ向き観察研究として実施された。対象は20歳以上のHER2陽性(IHC3+またはFISH陽性)の胃・胃食道接合部腺がん患者307例で、2020年9月~2021年9月にT-DXdを3次治療以降に投与された。今回は実臨床無増悪生存期間(real-world PFS:rwPFS)と奏効率(ORR)の予測因子を解析した。

抗精神病薬誘発性体重増加に最も有効な介入は〜ネットワークメタ解析

医療一般

 統合失調症は、思考、感情、行動に影響を及ぼす重篤な精神疾患であり、世界人口の0.32%が罹患していると報告されている。抗精神病薬による治療は統合失調症の症状管理に不可欠であるが、患者の約半数が体重増加を経験しており、治療アドヒアランスの低下やさらなる健康合併症につながる可能性がある。エジプト・Zagazig UniversityのMohamed Ezzat M. Mansour氏らは、抗精神病薬誘発性体重増加に対する薬理学的および非薬理学的介入の安全性および有効性を明らかにするため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2025年12月24日号の報告。

男女のストレスの差異:女性は日々の運動からより多くの恩恵を受ける

医療一般

 運動はどんな人にもメリットがあるが、ストレス軽減効果という点では、男性よりも女性の方がより多くの恩恵を受けられることが、米ギャラップ社が発表した健康・幸福指数に関する調査報告書で明らかになった。毎日運動している女性は、運動していない女性に比べてストレスを自覚する割合が20%低く、このストレス軽減効果は男性の約3倍に上るという。  米国の成人約1万7,000人を対象に昨年行われた調査に基づくと、30分以上の運動を週に6日間以上行っている女性は、全く運動していない女性に比べてストレスレベルが顕著に低いことが分かった。例えば、運動をしていない女性の56%が強いストレスを感じていると回答したのに対して、毎日体を動かしている女性はその割合が45%だった。つまり、ストレスを感じる程度が相対的に20%低かった。

コーヒーから見つかった新たな成分が2型糖尿病のコントロールに有望

医療一般

 コーヒーの中から、2型糖尿病の血糖コントロールに役立つ新たな成分が見つかった。糖の吸収を遅くする作用があり、糖尿病の治療に用いられている薬剤よりも効果が優れている可能性もあるという。中国科学院昆明植物研究所のMinghua Qiu氏らの研究の結果であり、詳細は「Beverage Plant Research」2025年発行号に掲載された。  コーヒーについてはこれまでにも、エネルギー消費を増やしたりインスリンの感受性を高めたりする作用のあることが報告されてきている。今回の研究では新たに、焙煎したコーヒー豆に含まれている特定の成分が、食品中の糖が吸収されて血糖になるまでの速度を抑制することを示唆するデータが得られた。  血糖値は食後に高くなる。これは摂取した炭水化物食品が消化されてブドウ糖となり、それが吸収されて血液中に流れ込むためだ。

2026/02/18

高齢者の減薬、EHRによる医師への通知が有効/JAMA

ジャーナル四天王

 高齢者に対する「潜在的に不適切な薬剤」、とくにベンゾジアゼピン系薬剤や抗コリン薬の処方は、転倒や入院のリスクを約30%増加させることが知られている。臨床ガイドラインは、これらの薬剤の使用制限を推奨しているが、多忙な診療現場における時間の制約や、患者の希望、現状維持バイアスなどが障壁となり、減薬(deprescribing)による処方の適正化は容易ではないという。米国・ブリガム&ウィメンズ病院・ハーバード大学のJulie C. Lauffenburger氏らは「NUDGE-EHR-2試験」において、行動科学の知見に基づく電子健康記録(EHR)への介入ツール(ナッジ[nudge]と呼ばれる医師への通知システム)が、高齢患者における不適切な処方の削減にきわめて有効であることを示した。

PD-L1陽性転移TNBC1次治療におけるADC+ICI(解説:下村昭彦氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

PD-L1陽性転移トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の初回治療は、IMPassion130試験(Schmid P, et al. N Engl J Med. 2018;379:2108-2121.)、KEYNOTE-355試験(Cortes J, et al. N Engl J Med. 2022;387:217-226.)の結果に基づき、化学療法+免疫チェックポイント阻害薬(ICI:抗PD-L1抗体アテゾリズマブ、もしくは抗PD-1抗体ペムブロリズマブ)が標準治療として用いられている。IMPassion130試験では全生存期間(OS)延長の可能性が示され、KEYNOTE-355試験では統計学的有意にOSが延長された。一方、2次治療以降では抗体薬物複合体(ADC)の開発が活発に行われており、TNBC全体に対するサシツズマブ ゴビテカン(SG)(Bardia A, et al. N Engl J Med. 2021;384:1529-1541.)やHER2低発現TNBCに対するトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)(Modi S, et al. N Engl J Med. 2022;387:9-20.)が用いられており、いずれもOS延長が示されている(T-DXdは探索的)。

更年期症状のほてりや動悸、心血管リスクのアラートに/日本循環器協会

医療一般

日本循環器協会が主催するGo Red for Women Japan健康セミナー「赤をまとい女性の心臓病を考えるin東京」が2月7日に一橋大学の一橋講堂で開催された。今回で3回目を迎える本イベントは、循環器疾患の診断・治療における性差などを患者自身が学ぶための機会として、米国心臓協会(AHA)のサポートのもとで行われている。今回、副島 京子氏(杏林大学 循環器内科)と塚田(哲翁)弥生氏(日本医科大学武蔵小杉病院 総合診療科)が心疾患好発年齢の女性らに向け、受診が必要な症状などについて解説した。

VR介入はMCI/認知的フレイルの高齢者に有効な介入なのか?

医療一般

 軽度認知障害(MCI)や認知症、またはフレイルを有する高齢者の認知機能、移動能力、情緒面の健康をサポートするための介入として、没入型バーチャルリアリティ(VR)の利用が増加している。そのエビデンスは拡大しているが、いずれも小規模なランダム化試験や実現可能性試験であり、依然として情報は断片化している。下関市立大学の窪田 和巳氏らは、MCI/認知症およびフレイルの高齢者に対するVR介入のベネフィット、リスク、VR導入における考慮事項を明らかにするため、最近のシステマティックレビューを実施し、研究結果の統合を試みた。BMC Geriatrics誌2026年1月13日号の報告。

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