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2026-09-28 ~ 2026-09-29

2026/09/29

CRTの左室リード、最遅延部位への標的留置は予後を改善せず/Lancet

ジャーナル四天王

 心臓再同期療法(CRT)の両室ペーシングでは、電気的興奮が最も遅い部位(最遅延部位)への左室リードの留置が、左室収縮機能の大幅な改善と生存率の向上をもたらすことが、観察研究によって報告されている。デンマーク・オーフス大学病院のJens Cosedis Nielsen氏らDANISH-CRT Trial Investigatorsは「DANISH-CRT試験」において、QRS時間の延長を伴う心不全患者に対するCRTの左室リードの位置について、最遅延部位への標的留置は従来の冠静脈洞分枝の後壁・側壁の非心尖部への留置と比較して、死亡または心不全による予定外の入院の複合評価項目を改善せず、左室リード関連の合併症が数値上は増加することを示した。Lancet誌2026年9月26日号掲載の報告。

原因不明の失神、14日間携帯型ECGモニタリングで再発率は改善するか/NEJM

ジャーナル四天王

 欧米では、失神を主訴に救急診療科を受診した患者の約50%が原因不明で、1ヵ月以内に約7%が臨床的に重篤な病態を呈するため、血管迷走神経性および起立性低血圧などによる良性の失神と、不整脈などによる心原性失神の鑑別が課題である。また、失神患者の約50%が1年以内に再発するが、不整脈が特定されて治療を受けると再発率は約10%に低下することが知られ、早期診断が重要である。英国・エジンバラ大学のMatthew J. Reed氏らASPIRED Investigatorsは「ASPIRED試験」で、救急外来受診時に原因が特定されなかった失神患者において、携帯型心電図(ECG)による14日間のモニタリングを実施しても、標準治療と比較して1年後の患者報告による失神発作回数が低減しなかったことを示した。研究の詳細は、NEJM誌オンライン版2026年8月31日号に掲載された。

第2世代抗精神病薬に関連する低ナトリウム血症リスクの比較

医療一般

 低ナトリウム血症は、抗精神病薬の使用に伴う有害事象である。しかし、第2世代抗精神病薬間でのリスクを比較したエビデンスは、これまで限られていた。藤田医科大学の波多野 正和氏らは、個々の第2世代抗精神病薬に伴う低ナトリウム血症のリスクを比較するため、本研究を実施した。JAMA Network Open誌2026年8月13日号の報告。  本研究は、レトロスペクティブコホート研究および不均衡性分析として実施した。データは、FDAの有害事象報告システム(FAERS:1997年第4四半期~2023年第3四半期)のデータを基に日本医薬情報センター(JAPIC)が整備したデータセット、メディカル・データ・ビジョンのレセプトデータベース(2008年4月~2024年4月)から取得した。

PD-L1陽性NSCLC1次治療におけるサシツズマブ ゴビテカン+ペムブロリズマブの成績(EVOKE-03/KEYNOTE D46)/WCLC2026

医療一般

 PD-L1 TPS高発現(50%以上)の転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、サシツズマブ ゴビテカン(SG)とペムブロリズマブの併用療法は、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)の主要評価項目を達成しなかった。世界肺がん学会(WCLC2026)において、ギリシャ・Henry Dunant Hospital CenterのGiannis Mountzios氏が報告した国際共同第III相EVOKE-03/KEYNOTE D46試験の初回解析の結果。

HR+/HER2-転移乳がんへのアベマシクリブ後の治療の検討~日本のリアルワールドデータ

医療一般

 ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)で転移のある乳がんの1次治療においてアベマシクリブが広く用いられているが、中止後の治療選択や治療継続期間に関するリアルワールドデータは限られる。今回、国立がん研究センター東病院の内藤 陽一氏らが、日本の医療レセプトデータベースを用い、1次治療でアベマシクリブを投与された患者の治療パターンを検討した結果、アベマシクリブ+非ステロイド性アロマターゼ阻害薬(NSAI)後の2次治療でCDK4/6阻害薬を継続した患者では、ほかの2次治療レジメンより全体の治療中止までの期間(TTD)が数値的に長いことが示された。とくに2次治療でアベマシクリブ+フルベストラントを投与された患者では、2次治療のTTDが長い傾向であったという。Future Oncology誌オンライン版2026年9月11日号に掲載。

牛乳・チーズ・ヨーグルト、膝OAを予防できる?~日本の大規模コホート

医療一般

 変形性膝関節症(膝OA)は中高年期における膝の痛み、機能制限などの主な原因となっている。一方、乳製品は筋骨格系の健康に有用とされるが、膝OAの予防に関するエビデンスは限られている。今回、新潟大学のIrina Bulycheva氏らが日本人における乳製品全体および種類別乳製品の摂取量と膝OA発症リスクとの関連を検討した結果、チーズやヨーグルトの摂取量が多いほど、症候性かつX線学的な膝OAの発症リスクが低いことが示された。Clinical Nutrition誌2026年10月号に掲載。

日本の慢性膵炎患者は5年で3割増、約半数は糖尿病を合併

医療一般

慢性膵炎の臨床疫学的特徴を明らかにするため、本邦では1994年以来、4~5年ごとに全国疫学調査が実施されてきた。慢性膵炎患者数は、1994年(3万2,000例)から2011年(6万7,000例)にかけて一貫して増加傾向にあったが、2016年の調査で初めて減少していた(5万6,520例)。東北大学の正宗 淳氏らは、2021年に参加病院で診療された慢性膵炎患者を対象とした全国規模の疫学調査を実施。その結果、2021年の慢性膵炎患者数は7万3,590例と推計され、2016年と比較して30%増加していることが明らかになった。本研究結果は、Journal of Gastroenterology誌オンライン版2026年9月11日号に掲載された。

短期的な禁煙で24時間血圧を改善できるか~メタ解析

医療一般

 喫煙と診察室外血圧の関連についての研究は限られている。また、研究の多くは喫煙者と非喫煙者を比較しており残存交絡を完全に排除できない可能性がある。今回、大阪大学の赤木 優也氏らは、日本高血圧学会の「血圧朝活(早朝高血圧徹底制圧プロジェクト)アクションプラン」の一環として、喫煙者において喫煙期間と禁煙期間で診察室外血圧に差があるかどうかを評価するため、24時間自由行動下血圧(ABP)および心拍数の違いを系統的レビューとメタ解析により検討した。その結果、喫煙期間では禁煙期間に比べて、24時間・日中の拡張期血圧が高く、また心拍数は24時間・日中・夜間とも有意に高かった。Hypertension Research誌オンライン版2026年9月8日号に掲載。

2026/09/28

約230万例のコホート研究が特定した不適切処方カスケードのパターン/BMJ

ジャーナル四天王

 カナダ・Sinai Health SystemのPaula A. Rochon氏らは、同国オンタリオ州に在住の66歳以上の高齢者を対象とした後ろ向きコホート研究により、潜在的に不適切な処方カスケード(potentially inappropriate prescribing cascade:PIPC)65種類のうち、24種類がとくに介入優先度が高いPIPCとして特定されたことを報告した。高齢者においてPIPCは頻繁にみられるものの、その多くは見過ごされており、患者や医療システムに多大な負担を強いる不適切な多剤併用の一因と指摘されている。今回示された24種類のリストは、個々の高齢患者および高齢者集団レベルにおける、薬剤安全性を向上させる処方および脱処方(deprescribing)の取り組みや政策策定に役立つ可能性があるという。BMJ誌2026年9月10日号掲載の報告。

高感度心筋トロポニン測定、0/1時間アルゴリズムは安全かつ有効か?/Lancet

ジャーナル四天王

 心筋梗塞が疑われる患者において、高感度心筋トロポニン(hs-cTn)測定の0/1時間アルゴリズムは0/3時間アルゴリズムと比較し、安全性の主要複合評価項目である30日以内の全死因死亡または新規1型心筋梗塞に関して事前に設定された非劣性基準を満たしたことが示された。有効性の主要評価項目である救急外来滞在時間は短縮しなかった。スイス・バーゼル大学のJasper Boeddinghaus氏らPRESC1SE-MI investigatorsが、10ヵ国(オーストラリア、オーストリア、フィンランド、イタリア、ルーマニア、韓国、スペイン、スイス、英国、米国)の19の病院で実施した無作為化比較試験「PRESC1SE-MI試験」の結果を報告した。結果を踏まえて著者は、「0/1時間アルゴリズムの導入のみでは、救急外来の処理能力(スループット)向上は期待できないと考えられる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年8月29日号掲載の報告。

TAVI後の抗血栓療法は抗凝固薬がよい?それとも抗血小板薬?(解説:後藤信哉氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

社会の高齢化と共に大動脈狭窄症は増加し、TAVIを受ける患者数も増えている。TAVIの弁置換後の抗血栓療法のベストは確立されていない。本研究では、参加症例数は360例と多くはなく、primary efficacy endpointも臨床症状を惹起しないsubclinical leaflet thrombosisと間接的ではあるが、抗凝固薬にて抗血小板薬より血栓が少ないことを示した。重篤な出血イベントは両者で差はなかった。人工弁における血栓弁の予防には、ワルファリンが標準治療であった。TAVIでは生体弁を利用するため、機械弁より血栓リスクは少ないとされた。

高齢者に対するSSRI継続使用、認知症リスクを上昇させるか?低下させるか?

医療一般

 うつ病は、認知症のリスク因子である。しかし、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)と認知症リスクとの関連を検討した研究において、うつ病を交絡因子として調整した研究は少なく、神経病理学的アウトカムを検討した研究はほとんど存在しない。米国・ジョンズ・ホプキンス大学のJacob S. Shaw氏らは、うつ病の既往歴を有する高齢者におけるSSRIの継続使用と認知機能障害および機能障害の進行、抑うつ症状、認知症に関連する神経病理学的所見との関連を検討した。The American Journal of Geriatric Psychiatry誌2026年1月号の報告。

SCLCの頭蓋内管理、MRIサーベイランス単独かPCI併用か(SWOG S1827/MAVERICK)/WCLC2026

医療一般

 初回治療後に脳転移を認めない小細胞肺がん(SCLC)患者において、MRIによる脳サーベイランス単独と、MRIサーベイランスおよび予防的全脳照射(PCI)の併用を比較した第III相試験の結果、認知機能低下または死亡までの期間(CFFS)はMRI単独群で有意に良好であった。  米国・コロラド大学のChad G. Rusthoven氏が、世界肺がん学会(WCLC2026)で発表した第III相無作為化比較試験SWOG S1827/MAVERICKの結果である。  SCLCは脳転移の頻度が高く、予防的治療を行わない場合、約40~60%が脳転移を発症するとされる。PCIは頭蓋内病勢進行を約50%低下させる一方で、認知機能やQOLへの障害を引き起こす。

イサツキシマブ皮下注が多発性骨髄腫の治療とSDMにもたらすもの/サノフィ

医療一般

 抗CD38抗体薬を含む4剤併用療法の導入により、多発性骨髄腫(MM)の1次治療は進化を遂げている。そのような中、従来の静注製剤に加え、イサツキシマブ(商品名:サークリサ)に皮下注製剤が登場した。サノフィが開催したメディアセミナーでは、日本赤十字社医療センターの鈴木 憲史氏、湘南鎌倉総合病院の佐藤 淑氏が登壇。イサツキシマブによる治療の進展と、皮下注製剤の登場がShared Decision Making(SDM)にもたらす影響を紹介した。  近年、MMの治療成績は向上し、標準リスク患者の約6割が10年生存する時代となっている。

ピロリ除菌の保険適用拡大後、日本の胃がん死亡・罹患はどう推移したか

医療一般

日本では、2013年2月にHelicobacter pylori(H. pylori)陽性の内視鏡診断慢性胃炎に対する除菌療法が保険適用となり、胃がん予防に関わる診療環境が大きく変化した。一方、この保険適用拡大後の胃がん死亡・罹患数の全国的な推移については、人口高齢化や内視鏡検査の普及などを踏まえた解釈が求められる。そこで、札幌・カレス記念病院の浅香 正博氏らは、2013年の保険適用拡大前後における日本の胃がん死亡および罹患の推移を検討した。その結果、2013年以降、日本の胃がん死亡数は減少し、とくに80歳未満で死亡数の減少が顕著であった。罹患数もその後のピークを経て減少した。本研究結果は、Helicobacter誌2026年9・10月号に掲載された。

男性乳がんに術前化学療法は有効か~SEERデータでの検討

医療一般

 術前化学療法(NAC)は女性の乳がんで広く行われているが、男性の乳がんにおけるNACの有効性は十分に明らかになっていない。今回、中国・Zhejiang University School of MedicineのLiwei Pang氏らは、SEERデータベースを用いて、男性乳がんに対するNAC後の病理学的完全奏効(pCR)率および全生存期間(OS)をサブタイプ別に検討した。その結果、男性乳がん患者では女性乳がん患者と比較してpCR率が有意に低く、とくにホルモン受容体(HR)+/HER2-およびHR+/HER2+ではNACへの抵抗性がより高かった。また、男性乳がんにおいてpCRはOSの予後因子ではないことが示唆された。Breast Journal誌2026年9月12日号に掲載。

再発卵巣がんに対するmirvetuximab soravtansine(MIRV)の実臨床における有用性

医療一般

 再発卵巣がんを対象に、抗体薬物複合体(ADC)であるMIRVの実臨床での有効性と安全性を評価した後方視的コホート研究を行った。その結果、MIRVは臨床的に意義のある生存期間の延長を示した一方で、その治療成績は患者の全身状態(PS)に影響を受けることが明らかになった。  本研究は米国・ワシントン大学のAnna V. Jones氏らによるもので、Gynecologic Oncology Reports誌オンライン版2026年9月1日号に掲載された。

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