急性心房細動患者への薬物的除細動、vernakalant vs.プロカインアミド/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2025/12/04

 

 急性心房細動患者の洞調律への迅速な復帰に関する薬物療法を直接比較した無作為化試験において、新薬であるvernakalantはプロカインアミドよりも復帰率が高く迅速な点で優れることが示された。カナダ・オタワ大学のIan G. Stiell氏らが「RAFF4試験」の結果を報告した。急性心房細動を呈し救急外来を受診した患者(一般的に発症から48時間以内)に対して、カナダの救急医の多くが薬物療法または電気的療法による除細動を行うが、古くて効果が限定的な薬物のプロカインアミドを用いることが多いという。今回の結果を踏まえて著者は、「vernakalantは急性心房細動患者の迅速な洞調律復帰と退院のために、安全で有効性が高い静脈内投与薬となりうるものである」とまとめている。BMJ誌2025年11月11日号掲載の報告。

薬物投与完了後30分以内の洞調律復帰を評価

 RAFF4試験は、救急部門での急性心房細動治療について、vernakalantの静脈内投与とプロカインアミドの静脈内投与の有効性と安全性を比較した無作為化非盲検比較試験であり、カナダの3次救急部門のある12医療施設で行われた。

 急性心房細動を呈し、洞調律への迅速な復帰が安全な選択肢であった患者を対象とした。研究グループは患者を、vernakalantまたはプロカインアミド静脈内投与群に1対1の割合で無作為に割り付けた。洞調律復帰がなされなかった場合は、電気的除細動が患者に提案された。

 主要アウトカムは、薬物投与完了後30分以内の洞調律復帰であった。副次アウトカムは、洞調律復帰までの時間、電気的除細動を受けた割合などであった。

洞調律復帰成功率はvernakalant群62.4%vs.プロカインアミド群48.3%

 2021年6月~2024年8月に適格患者350例が登録された。ベースライン特性はvernakalant群(178例)とプロカインアミド群(172例)で類似していた。

 主要アウトカムの洞調律復帰の割合はvernakalant群62.4%vs.プロカインアミド群48.3%で、vernakalant投与のほうが優れた(補正後絶対群間差:15.0%[95%信頼区間[CI]:4.6~25.0、p=0.005]、補正後オッズ比[aOR]:1.87[95%CI:1.2~2.9、p=0.006])。vernakalant群のほうが、洞調律復帰までの時間が短く(21.8分vs.44.7分、平均群間差:22.9分[95%CI:16.0~29.9、p<0.001])、電気的除細動を受けた割合が低かった(33.7%vs.44.2%、OR:0.62[95%CI:0.39~0.96、p=0.033])。

 有害イベントの発現は両群で同程度であり、概して軽度かつ一時的なものであった。ほとんどの患者は自宅退院となった。

 洞調律復帰の割合に関するサブグループ解析(70歳未満vs.70歳以上)で、vernakalant投与は70歳未満の患者で非常に好ましい効果をもたらすことが示された(vernakalant群73.3%vs.プロカインアミド群47.2%、aOR:3.1[95%CI:1.7~5.5、p=0.001、交互作用のp=0.005])。

(ケアネット)