OTC医薬品の適切な使用を促進し、国民医療費の削減に貢献するうえで、OTC医薬品の使用に影響を与える要因を理解することは重要である。大阪大学の田 雨時氏らは、COVID-19パンデミック後の日本における風邪や咳に対するOTC医薬品を用いたセルフメディケーションの現状を調査し、関連要因を明らかにするため、本調査を実施した。BMC Public Health誌2025年5月24日号の報告。
2024年4月25日〜6月26日にオンライン横断調査を実施した。日本の風邪や咳に対するセルフメディケーション行動の現状および社会背景や心理評価尺度に関する共変量を収集した。これらの関連性の分析には、多変量ロジスティック回帰分析を用いた。結果のロバスト性を検証するため、サブグループ分析および感度分析を実施した。
主な結果は以下のとおり。
・分析には、参加者1,086例を含めた。
・参加者の43.6%が風邪や咳の症状が出始めた時点でOTC医薬品を服用していた。
・症状が1週間続いた後、医療機関を受診した割合は61.7%であった。
・参加者の80%超が使用上の注意を厳守していた。
・1週間以内に医療機関を受診することに関連する因子には、年齢、居住地域、教育水準、婚姻状況、保険の種類、基礎疾患の有無、定期的な医師の受診、外向性が挙げられた。
・服用量順守に関しては、協調性が正の因子であり、子供がいることは負の因子であることが示された。
・OTC医薬品の使用期限の認識については、健康関連情報を検索するためのインターネットリテラシーを示すeHEALSが、有意かつロバストな正の因子であることが明らかとなった。
著者らは「日本人の多くは、風邪や咳に対してOTC医薬品を使用していることが明らかとなった。また、ほとんどの参加者は、OTC医薬品の適切な使用を順守していた」とし、「OTC医薬品のさらなる普及促進のためには、本研究で明らかになった主な因子に対処することが重要である」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)