睡眠薬の血圧コントロールに対する有効性、そのリスクとベネフィットは

提供元:ケアネット

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公開日:2025/11/25

 

 高血圧と睡眠障害を併発している患者における睡眠薬の有効性とリスクについては、依然として不明な点が多い。中国・First Affiliated Hospital of Jinan UniversityのZerui You氏らは、高血圧合併不眠症患者における睡眠薬の潜在的な有効性とリスクを調査した。BMC Cardiovascular Disorders誌2025年10月24日号の報告。

 本研究は、米国成人を対象としたプロスペクティブコホート研究として、国民健康栄養調査(NHANES)の高血圧および薬剤使用データを用いて、分析を行った。睡眠薬の血圧コントロールにおける有効性を評価するため、線形回帰分析を用いた。Cox回帰分析により、睡眠薬と死亡率との関連性を検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・対象は、降圧薬を服用している不眠症患者4,836例。
・睡眠薬非使用患者と比較し、ベンゾジアゼピン系薬剤使用患者は、調整後の収縮期血圧(SBP)が2.22mmHg低かった(95%信頼区間[CI]:-3.70~-0.74、p=0.003)。
・一方、ベンゾジアゼピン類似薬であるZ薬使用患者では、より顕著な低下(-3.33mmHg、95%CI:-5.85~-0.81、p=0.010)を示し、ジアゼパム、クロナゼパム、ゾルピデムでは、有意な降圧効果が認められた。
・フォローアップ期間中央値は82.3ヵ月、すべての原因による死亡は809件みられた。
・睡眠薬全体の使用(ハザード比[HR]:1.14、95%CI:0.97~1.33、p=0.120)およびベンゾジアゼピン系薬剤使用(HR:1.05、95%CI:0.87~1.26、p=0.639)は、すべての原因による死亡リスクの増加と有意な関連が認められなかった。
・一方、Z薬使用患者は、非使用者と比較し、すべての原因による死亡リスクが高いことが示唆された(HR:1.39、95%CI:1.04~1.85、p=0.025)。
・心血管疾患による死亡との有意な関連性は認められなかった。

 著者らは「高血圧と睡眠障害を併発している患者に対する睡眠薬の使用は、血圧低下と関連しており、死亡リスクの有意な増加との関連は認められなかった」としている。

(鷹野 敦夫)