サイト内検索|page:3

検索結果 合計:1265件 表示位置:41 - 60

42.

新規診断AML、経口decitabine-cedazuridine+ベネトクラクスが有用/NEJM

 新たに診断された75歳以上または強力な寛解導入療法非適応の急性骨髄性白血病(AML)患者において、経口decitabine-cedazuridineとベネトクラクスの併用療法により、骨髄抑制作用が認められたものの、薬物相互作用を起こすことなく約半数の患者で完全寛解が認められた。米国・New York Presbyterian HospitalのGail J. Roboz氏らが、第I/II相多施設共同非盲検非無作為化臨床試験「ASCERTAIN-V(ASTX727-07)試験」の結果を報告した。75歳以上または強力な寛解導入療法非適応のAML患者に対しては、アザシチジンまたはdecitabineとベネトクラクスの併用療法が標準治療であるが、非経口投与は患者と医療従事者の双方に負担となっている。経口配合薬であるdecitabine-cedazuridineはAML治療薬として欧州で承認されており、静脈内投与のdecitabineと同等の薬物動態特性を有するが、単剤療法での生存期間延長効果は限定的であった。NEJM誌2026年6月4日号掲載の報告。第I/II相試験で、薬物動態と完全寛解率を評価 研究グループは、75歳以上の患者または18歳以上で強力な化学療法が非適応の、新たにAMLと診断された患者に、decitabine-cedazuridineおよびベネトクラクスを経口投与した。 全例に、1サイクルを28日として、1日目から5日目までdecitabine-cedazuridine(decitabine 35mg、cedazuridine 100mg)を経口投与し、ベネトクラクス400mgを1日1回経口投与した。ベネトクラクスは、腫瘍崩壊症候群を軽減するため第1サイクルに用量漸増投与(1日目100mg、2日目200mg、3日目以降400mg)を行った。 第IIb相では、第I相で観察された骨髄抑制を軽減するため、骨髄芽球の消失が確認された場合、decitabine-cedazuridineおよびベネトクラクスの投与期間を短縮することが推奨された。 主要評価項目は、第I相では第2サイクルの5日目および15日目に評価したベネトクラクスの血中濃度曲線下面積(AUC0-24)および最高血中濃度(Cmax)(decitabine-cedazuridine併用不問)とし、第IIa相では第2サイクルの5日目および15日目のベネトクラクスのAUC0-24およびCmax、ならびに完全寛解とし、第IIb相では完全寛解とした。薬物相互作用は認められず、完全寛解率は47% 2021年1月~2022年2月に30例(第I相)、2021年11月~2024年3月に58例(第IIa相)および101例(第IIb相)の、計189例が登録された。 第I相および第IIa相の薬物動態解析の結果、decitabine-cedazuridineとベネトクラクスの間に薬物相互作用は認められなかった。 第IIb相において、完全寛解は47%(95%信頼区間[CI]:36~57)に認められた。また、副次評価項目である完全寛解または血液学的回復が不完全な完全寛解の患者の割合は63%(95%CI:53~73)で、全生存期間中央値は15.5ヵ月(95%CI:7.6~推定不能)であった。 第IIb相におけるGrade3以上の有害事象の発現率は、貧血30%、好中球減少症26%、発熱性好中球減少症25%で、30日時点の死亡率は3%、60日時点の死亡率は10%であった。

43.

ST合剤に「急性汎発性発疹性膿疱症」の重大な副作用追加/厚労省

 2026年6月16日、厚生労働省より添付文書の改訂指示が発出され、抗菌薬のスルファメトキサゾール・トリメトプリム(商品名:バクタ配合錠、バクトラミン配合錠ほか、通称:ST合剤)の「重大な副作用」の項に「急性汎発性発疹性膿疱症」が追加された。急性汎発性発疹性膿疱症の発生状況と改訂の理由 急性汎発性発疹性膿疱症の症例を評価し、専門委員の意見も聴取した結果、本剤と事象との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断された。なお、国内症例は12例で、うち医薬品と事象との因果関係が否定できない症例は4例(死亡0例)であった。その他、添付文書が改訂された薬剤 同日、ほかの医薬品についても使用上の注意の改訂指示が出されており、主な変更点は以下のとおり。◯炭酸リチウム 「禁忌」の項から「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」が削除された。これに伴い、「特定の背景を有する患者に関する注意」において、妊婦には「治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと」に改められ、新たに「生殖能を有する者」への注意喚起(催奇形性に関する十分な説明など)が新設された。◯カルボキシマルトース第二鉄、含糖酸化鉄 「重大な副作用」の項に「低リン血症、骨軟化症」が新設・追加された。また、重要な基本的注意として、投与開始前や投与中の定期的な血清リン値の測定と、骨軟化症を疑う症状が現れた際の処方医への相談を患者に指導する旨が追記された。◯バレメトスタットトシル酸塩 「重要な基本的注意」の項に、「急性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群などの二次性悪性腫瘍が発現する可能性」について追記され、患者の状態を十分に観察することが求められている。

44.

高リスクDLBCLの初回治療、タファシタマブ+レナリドミド+R-CHOPでPFS延長/Lancet

 未治療の高リスクびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者の約40%は、初回治療のR-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、prednisoneまたはプレドニゾロン)で再発・進行に至る。ドイツ・University Hospital MunsterのGeorg Lenz氏らMIND Study Investigatorsは、DLBCLを含む高リスクB細胞リンパ腫を対象とした検討(frontMIND試験)で、R-CHOP+タファシタマブ(Fc領域を改変した抗CD19モノクローナル抗体)+レナリドミド(tafa-len-R-CHOP)療法がR-CHOP療法と比較し、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことを示した。ただし、追加併用により、治療中に発現し死亡に至った有害事象(TEAE)を含む有害事象の増加が認められた。全生存期間(OS)に関するデータは未成熟で追跡調査が継続されているが、著者らは「循環腫瘍DNA(ctDNA)を含むさらなる解析で、tafa-len-R-CHOP療法で観察されたPFS改善に分子学的奏効がより深く寄与しているかどうか評価できるだろう。tafa-len-R-CHOP療法は、高リスクDLBCLや高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)患者の新たな初回治療となる可能性がある」と述べている。Lancet誌オンライン版2026年5月30日号掲載の報告。tafa-len-R-CHOP療法とR-CHOP療法を比較する国際共同試験 MIND試験は北米・南米、欧州および日本を含む環太平洋地域の298施設で行われた第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験。対象は、18~80歳で未治療の高中リスクまたは高リスクのDLBCL、もしくはHGBLの患者であった。 研究グループは被験者を、International Prognostic Index(IPI)または年齢補正IPI、試験地で層別化し、標準治療の21日サイクル6回投与のR-CHOP療法群またはtafa-len-R-CHOP療法群に1対1の割合で無作為に割り付けた。R-CHOP療法は、初日にリツキシマブ375mg/m2、シクロホスファミド750mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、ビンクリスチン1.4mg/m2(最大2mg)を静脈内投与し、prednisoneまたはプレドニゾロン100mg/日を1~5日目に経口投与した。これらに加えてtafa-len-R-CHOP療法群では、タファシタマブ(12mg/kgを1、8、15日目に静脈内投与)とレナリドミド(25mg/日を1~10日目に経口投与)が投与された。 主要評価項目は、試験担当医師の評価によるPFS(無作為化から病勢進行または全死因死亡までと定義)で、ITT集団で評価した。安全性は副次評価項目として、試験薬を少なくとも1回投与された全被験者を対象に評価した。2年PFS率tafa-len-R-CHOP療法群71.1%vs. R-CHOP療法群62.9% 2021年5月11日~2023年3月2日に1,229例がスクリーニングされ、899例が無作為化された(tafa-len-R-CHOP療法群448例[50%]、R-CHOP療法群451例[50%])。両群の人口統計学的および疾患の特性はバランスが取れており、年齢中央値は65歳、IPI 3またはaaIPI 2が503例(56%)、IPI 4~5またはaaIPI 3が388例(43%)、ECOG-PS 2が283例(31%)、485例(54%)が腫瘤性病変(直径7.5cm以上)を有していた。 追跡期間中央値35.2ヵ月(95%信頼区間[CI]:35.0~35.4)の主要解析時点において、PFSはtafa-len-R-CHOP療法群がR-CHOP療法群より改善し(ハザード比[HR]:0.75、95%CI:0.59~0.96、p=0.0194)、2年PFS率はtafa-len-R-CHOP療法群71.1%(95%CI:66.3~75.4)、R-CHOP療法群62.9%(57.9~67.5)であった。 OSの中間HRは0.85(95%CI:0.63~1.14)で統計学的有意差は認められなかった(p=0.2703)。3年OS率はtafa-len-R-CHOP療法群81.1%(95%CI:77.0~84.6)、R-CHOP療法群77.8%(73.5~81.5)であった。 Grade3以上の全TEAE発現率は、tafa-len-R-CHOP療法群(384/443例[87%])がR-CHOP療法群(340/447例[76%])よりも高率であった。さらに、死亡に至ったTEAEの発現率もtafa-len-R-CHOP療法群(26例[6%])がR-CHOP療法群(17例[4%])よりも高率であった。一方で、試験中のすべての死亡例は、tafa-len-R-CHOP療法群(82例[19%])がR-CHOP療法群(97例[22%])よりも少なかった。 投与データに基づくすべての試験薬の早期中止率は、tafa-len-R-CHOP療法群(71/443例[16%])とR-CHOP療法群(66/447例[15%])で同程度であった。

45.

再発・難治性多発性骨髄腫、テクリスタマブ単剤でPFS延長(MajesTEC-9)/NEJM

 1~3ラインの治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫患者の治療では、担当医選択のレジメンと比較してテクリスタマブは、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)を有意に改善し、その一方でGrade3または4の感染症の頻度が高いことが、フランス・ナント大学病院のCyrille Touzeau氏らが実施した「MajesTEC-9試験」で示された。テクリスタマブは、多発性骨髄腫細胞上に発現するB細胞成熟抗原(BCMA)とT細胞上に発現するCD3を標的とする二重特異性抗体である。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年5月29日号で報告された。24ヵ国の無作為化第III相試験 MajesTEC-9試験は、日本を含む24ヵ国162施設で実施した非盲検無作為化第III相試験(Johnson & Johnsonの助成を受けた)。2023年4月~2025年4月に参加者を登録した。 対象は、抗CD38モノクローナル抗体およびレナリドミドを含む1~3ラインのレジメンによる治療歴があり、病勢が進行または直近のレジメンが奏効しなかった再発・難治性多発性骨髄腫の患者であった。 被験者を、テクリスタマブ(皮下投与)または担当医が選択したレジメン(ポマリドミド+ボルテゾミブ+デキサメタゾン[PVd]、カルフィルゾミブ+デキサメタゾン[Kd]のいずれか)を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。抗菌薬の予防投与と免疫グロブリン補充療法が推奨された。 主要評価項目はPFS(無作為化の日から病勢進行または死亡の日までの期間)とし、独立審査委員会が評価した。CR以上の達成率も有意に優れる 593例を登録し、テクリスタマブ群に296例、PVd/Kd群に297例を割り付けた。574例(テクリスタマブ群291例、PVd/Kd群283例)が実際に試験薬の投与を受け、PVd/Kd群のうち86例(30.4%)がPVd、197例(69.6%)はKdを受けた。 全体の年齢中央値は70歳(範囲:34~86)、173例(29.2%)が75歳以上で、290例(48.9%)が女性であった。前治療ライン数中央値は2(範囲:1~3)であり、128例(21.6%)が1ラインのみを受けていた。治療期間中央値は、テクリスタマブ群が13.1ヵ月、PVd/Kd群は7.0ヵ月だった。 追跡期間中央値17.3ヵ月の時点における推定18ヵ月PFS率は、PVd/Kd群が26.9%(95%信頼区間[CI]:21.1~33.0)であったのに対し、テクリスタマブ群は69.8%(95%CI:63.7~75.1)と有意に優れた(ハザード比[HR]:0.29、95%CI:0.23~0.38、p<0.001)。 完全奏効(CR)以上(65.9%vs.16.8%、リスク比:3.95、95%CI:3.03~5.14、p<0.001)の達成率はテクリスタマブ群で有意に高く、全奏効(部分奏効[PR]以上:84.5%vs.54.2%、リスク比:1.56[95%CI:1.39~1.75])の達成率もテクリスタマブ群で高かった。 また、推定18ヵ月OS率についても、テクリスタマブ群で有意に良好だった(79.2%[95%CI:73.5~83.8]vs.68.6%[95%CI:62.4~74.0]、HR:0.60[95%CI:0.43~0.83]、p=0.002)。Grade3、4の有害事象の頻度が高い、厳密な感染予防策が重要 Grade3または4の有害事象は、テクリスタマブ群の84.9%、PVd/Kd群の76.3%に発生し、Grade5(死亡)の有害事象の発生率はそれぞれ6.5%および3.5%であった。 テクリスタマブ群では、サイトカイン放出症候群が66.0%に発生し、そのほとんどがGrade1(48.8%)または2(16.5%)で、Grade3は2例のみであり、Grade4または5は認めなかった。免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)は4.1%にみられ、Grade1が2.4%、Grade2が1.4%で、Grade3の1例はテクリスタマブの投与中止に至った。 Grade3または4の感染症は、テクリスタマブ群で頻度が高かった(41.6%vs.29.0%)。致死的感染症は、テクリスタマブ群で16例(5.5%)、PVd/Kd群で8例(2.8%)に発生した。 著者は、「PVd/Kd群の3分の2以上が、後治療として二重特異性抗体療法またはCAR-T細胞療法を開始したにもかかわらず、テクリスタマブ群はCRの確率がより高く、OSがより延長した」「重篤な感染症のリスクがあるため、感染症管理では厳密な感染予防策と免疫グロブリン補充療法が不可欠である」としている。 また、「これらの結果は、多発性骨髄腫の2次治療およびそれ以降の治療選択肢として、テクリスタマブを基盤とし、グルココルチコイドの使用を控えるレジメンを支持するものである」と指摘している。

46.

第317回 埼玉県立小児医療センターの死亡事故、何があったのか(後編)

INDEX故意の仮説をする場合過失の仮説をする場合小児ALL治療の背景と事件の事実関係について触れた前回を踏まえ、今回は「なぜこうした事故が起こってしまったのか?」を深掘りしてみたい。ちなみに病院側の調査では、調剤記録、投与記録、手順書、ダブルチェック体制などを確認したものの、明確な違反は見つからなかったとしている。事故調査委員会が特定できなかったものを不謹慎と言われるのを承知で、可能性のある原因を私個人として考えてみた。前提として、故意か過失かによって大きく変わってくる。故意の仮説をする場合まず、故意という仮説である。この場合に一般的に考えられる可能性は、(1)髄腔内注射(以下、髄注)薬への意図的混入(2)シリンジすり替え(3)調製工程への介入(4)特定患者やその担当医を標的とした行為、となる。いずれも悪意がある前提となり、そもそも常識的な思考(少なくとも私自身もその範疇の人間である前提)では、もはや理解不能である。このうちまず(4)については、ビンクリスチンが検出された3例は、事案の発生時期が異なる患者であり、特定の患者を標的として行われたとは考えにくい。これら3例の担当医が同一人物かそれとも異なるかは情報がない。もし、同一担当医でその個人に恨みを持っていた人物が意図的に混入したとしても、結果の重大性は予測しえたわけで、「そこまでするのか?」というレベルである。ただ、繰り返しになるが故意でこうした重大な結果を招くようなことをする人物がいたとしたら、およそ常識で測れない思考をしている可能性はあるので、可能性がゼロとは言えない。また、(1)、(2)は(4)と関連するもので、あくまで理論上は可能かもしれないが、率直に言ってこの可能性を考え出したら安全対策は際限のないものになる。(3)も(1)と(2)と同様であり、また通常、注射製剤や髄注の調製を行う無菌室は入退室記録や監査記録が存在するため、1人での実行は容易ではない。実際、同センターでは注射製剤などの調製はセキュリティーカードを3回使って入退室する薬剤部の1室で行われ、「ビンクリスチンなどはこの部屋の鍵付き保管庫で保管されていた」と報じられていることなども考えると、調剤室で悪意を持って行うことはかなり難易度が高いと言わざるを得ない。繰り返しになるが、故意の可能性を前提とした場合、もはやどの段階でも完璧な対策はないと言える。その意味では前述の医療事故調査委員会が「故意の可能性でも対応し得る再発防止対策を立てた」との主張は、個人的にはややピンと来ない。過失の仮説をする場合一方、過失との仮説はどうか? 私個人のない頭で考えた場合、(1)調剤時の取り違え(2)ラベル貼付ミス(3)投与時の取り違え(4)シリンジへの微量混入(5)システム的欠陥、などが思い浮かぶ。(1)はメトトレキサート髄注用シリンジ、ビンクリスチン静注用シリンジが同時に準備され、医師、看護師、薬剤師が誤って入れ替えるケースで最も古典的なビンクリスチン髄注事故の事例である。世界では数多く報告されているビンクリスチン髄注事故の原因と1つ言われている。(2)は静注と髄注のシリンジのラベルを誤って逆に貼り付けたなどのケースであり、(3)は正しく調剤・ラベル貼りが正しくても実際の処置室で静注と髄注が同じトレイ上に存在し、医師がそれを取り違えて投与するケースである。(3)も(1)と同様に過去の事故では多い原因である。もっとも過去に何度も髄注事故が明らかになっているビンクリスチンの場合、現在はミニ点滴バッグに充填するのが一般的と言われる。これまで同センターの記者会見で記者の質問に対し、「髄注用シリンジはいわゆる静注シリンジとは別のもので、コネクターも違い、通常ではコネクトもできない状態になっているので、混入するということは通常ではなかなか考えにくい」と答えている。ただ、髄注、静注ともシリンジを利用していたとしても(1)~(3)のいずれも個人的には今回の原因と考えるのは難しい。というのも、どれも単純な偶発ミスといえ、同一施設で約9ヵ月間に3回も発生するようなものとは考えにくいからである。とくに(3)については、前述の通り、このような事故を防ぐために静注と髄注の実施日を変えることが現在では当たり前に行われているからである。(4)については、同じ作業台や器具を使用した場合、交差汚染が起こる可能性があり、個人的には過失の中でも最も有力視している原因である。同センター側はビンクリスチンとそのほか薬剤の調製は同じ安全キャビネットを使用し、調製時間をずらす形にしており、手順書上の問題はなかったとしている。一方で、同センター側内での関係者の聞き取り調査では「通常の手順と違ったことがあったか?」とダイレクトに聞いているだけであり、調製現場に監視カメラはないため、確実に手順書通りだったかは確認するすべがない。たとえばビンクリスチンを採取したシリンジを本来は廃棄すべきにもかかわらず、そのまま使って髄腔用の薬剤を調製した場合などには発生する可能性がある。ただ、この場合、今回の3例以外にも同センターでは過去にほかの髄注も行っているはずであり、薬剤部として手順書の順守が形骸化していたというよりは、特定の薬剤師個人の中で形骸化していたならばあり得ることだ。(5)は、静注薬と髄注薬を同日に調製、保管場所が近接、ダブルチェックの形骸化など、単一工程ではなく複数工程で問題が常態化していたならば、今回のように短期間で複数回の事故発生の可能性はある。もっとも2025年という特定時期に事故が集中的に発生している現実を考えれば、相当程度の属人性の考慮が必要である。いずれにせよこの件に関しては非常に理解しがたいことを前提に考えねばならない。事故調査委員会が原因と特定しきれないのも、率直に言ってしまえば、当たり前ではないことを前提に調査を進めなければならない点が大きな障害になっていると考えられる。この件については、すでに埼玉県立病院機構は3月段階で大宮警察署に今回の事案を届け出ており、最終的にはこの捜査結果も待たねばならない。それでも原因が特定できないとなると、謎は深まるばかりである。参考1)厚生労働省:埼玉県立小児医療センターの報道に関する対応状況について(報告)令和8年3月26日

47.

高リスク多発性骨髄腫、MRD陰性維持期間とPFSの関連

 多発性骨髄腫において微小残存病変(MRD)陰性は生存率の向上と関連しているが、高リスク多発性骨髄腫におけるMRD陰性の予後的価値については明らかになっていない。今回、中国・The First Affiliated Hospital of Sun Yat-sen UniversityのHuan Liu氏らは移植適応の初発多発性骨髄腫を対象にした単施設の後ろ向き研究を実施し、個別治療の指針となる最短のMRD陰性維持期間を検討した。その結果、MRD陰性を2年維持した高リスク患者は標準リスク患者と同様の無増悪生存期間(PFS)を示し、さらに4年の維持によりPFSが改善されることが示唆された。Cancers(Basel)誌2026年5月12日号に掲載。 本研究は、同院において初期治療後に連続して2回以上MRD陰性を達成した移植適応の初発多発性骨髄腫223例を対象とし、リスク別にMRD陰性維持の生存への影響を解析した。 主な結果は以下のとおり。・MRD陰性期間が2年以上の高リスク群と標準リスク群の間で、PFSに差は認められなかった(70.77ヵ月vs.67.38ヵ月、p=0.529)。・標準リスク群では、MRD陰性を2~3年維持した患者と3年以上維持した患者との間で、PFSに差は認められなかった(72.25ヵ月vs.107.50ヵ月、p=0.103)。・高リスク群では、4~5年維持した患者と5年以上維持した患者の間に差は認められなかった(未到達vs.84.53ヵ月、p=0.136)。・患者全体で、2年以上の維持期間は全生存期間の延長と関連していた。 著者らは、「長期的なMRD陰性の維持は良好な予後と関連している。2年以上のMRD陰性の維持は高リスク細胞遺伝学的異常の悪影響を軽減し、また、限定的な症例に基づく探索的解析ではあるが、高リスク多発性骨髄腫患者において4年以上の維持がPFS延長と関連する可能性が示された」としている。

49.

シンポジウム座長インタビュー:名古屋市立大学 飯田 真介 氏【第51回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー】

名古屋市立大学 飯田 真介 氏:シンポジウム座長インタビュー(インタビュアー:獨協医科大学埼玉医療センター 田村 秀人 氏)出演名古屋市立大学医薬学総合研究院 生体総合医療学講座 血液・腫瘍内科学分野飯田 真介 氏

50.

シンポジウム座長インタビュー:日本赤十字社医療センター 塚田 信弘 氏【第51回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー】

日本赤十字社医療センター 塚田 信弘 氏:シンポジウム座長インタビュー(インタビュアー:獨協医科大学埼玉医療センター 田村 秀人 氏)出演日本赤十字社医療センター塚田 信弘 氏

56.

現地特別インタビュー 中堅・若手メンバーインタビュー:北里大学 堀米 佑一 氏、藤田医科大学 服部 裕次 氏【第51回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー】

北里大学 堀米 佑一 氏、藤田医科大学 服部 裕次 氏現地特別インタビュー 中堅・若手メンバーインタビュー出演北里大学 堀米 佑一 氏藤田医科大学 服部 裕次 氏

57.

「多発性骨髄腫の診療指針 2026 Update」(日本骨髄腫学会/ケアネット共催プログラム)【アーカイブ配信】

日本骨髄腫学会 理事 尾崎 修治氏日本骨髄腫学会編「多発性骨髄腫の診療指針 第6版」作成委員長 尾崎 修治氏より最新の臨床試験結果や治療アルゴリズムの変更点をご解説いただきます。※本企画は、日本骨髄腫学会/ケアネット共催Web講演会のアーカイブ配信です。

58.

第316回 埼玉県立小児医療センターの死亡事故、何があったのか(前編)

INDEXビンクリスチンの誤髄注死亡事故、世界的に報告事故が起こりやすい治療時期ビンクリスチンの誤髄注死亡事故、世界的に報告今年3月上旬、埼玉県立小児医療センターが明らかにした急性リンパ性白血病(ALL)で治療中の患者5例が、髄腔内注射(以下、髄注)の後に重篤な神経症状を発症し、うち1例はこれが原因とみられる状態で死亡に至った事案は記憶に新しい。この件では5例中3例の髄液から髄注には禁忌の抗がん剤ビンクリスチン(商品名:オンコビン)が検出されたことが判明し、重篤な神経症状発症事例の可能性が濃厚と指摘されている。ちなみに、ビンクリスチンは微小管重合阻害薬(ビンカアルカロイド系)であり、紡錘体を形成しているチューブリンに結合して微小管の形成を阻害し、細胞分裂を停止させる作用を持つ。また、ビンクリスチンは胆汁排泄される肝代謝型で、主な代謝酵素は CYP3A4 とCYP3A5 である。ただし、CYP3A5の発現レベルには大きな個人差があり、その度合いによって副作用の出現頻度は異なる。一般的な副作用は末梢神経症状であり、薬剤が末梢神経に到達すると、軸索輸送(タンパク質・小胞の輸送)に必須な軸索内の微小管が障害される。このため、もし髄注でビンクリスチンが脊髄・脳に接触すれば、同部位には代謝機構は存在しないため、直接高濃度で曝露することになり、末梢神経毒性とは比較にならないほど重篤な神経症状が生じる。具体的には軸索の順行性・逆行性輸送が破綻し、神経細胞の変性・壊死が急速に進行する。実際の症状としては、激しい疼痛、下肢麻痺、上行性麻痺、呼吸筋麻痺、意識障害などを発症し、最悪は死に至る。救命のためには早期に大量の脳脊髄液洗浄を行う必要があるが、誤って髄注してしまった場合の救命例は少数といわれている。2006年に米国・ノースウェスタン大学のグループが行った文献レビュー1)では、当時確認されたミスによるビンクリスチンの髄注事例32例中27例(84.3%)が死亡したとされている。なお、オーストラリアの研究者が2019年に発表した論文2)によれば、過去の論文検索や事故報告書などの集計から、これまで全世界で確認されているビンクリスチンの誤った髄注事例は少なくとも135例あるものの、これは氷山の一角とみられている。この件について同センターが医療法の医療事故調査制度に基づいて設置した外部有識者による医療事故調査委員会は、5月27日に第3回の会合を開き、「ビンクリスチン混入の原因特定は困難」との結論に達した。一方で再発防止策については、3回の会合で委員から提示された意見を踏まえ、過失、故意のいずれの可能性でも対応し得る対策がまとめられたとし、これを反映させた報告書の微修正などは委員長に一任された。報告書は同センターに提出され、調査対象となっている5例の家族に内容を説明後、個人情報などに配慮しつつ可能な範囲で公表する予定だ。事故が起こりやすい治療時期しかし、何ともすっきりしない結末である。この事件を改めて振り返り論考してみたい。まず、今回の事案で髄液からビンクリスチンが検出されたのは、髄注時期別にみると、2025年1月に投与された10歳未満の男児、2025年3月と10月にそれぞれ10代男性の3例である。3例とも注射後数日以内に下肢痛や麻痺などの神経症状を発症。2025年10月に髄注を受けた患者は2026年2月に死亡し、残る2例も意識不明や全身麻痺などの重篤な状態となった。実は同センター側では3例目の神経症状発症事例を経験した直後の11月、院内外の委員で構成される調査対策委員会を発足させ、対外的な公表の約1週間前の3月5日まで同委員会が計6回開催されていた。この3例の髄液中のビンクリスチン検出は、同委員会の開催過程で、がん性髄膜炎の評価などほかの神経症状を検索するために採取した髄液を使用した髄液タンデム質量分析の結果、判明したものである。さて、ここで改めて小児でのALLの標準的治療について触れておかねばならないだろう。ALLではおおむねプレフェーズ(導入前治療)→寛解導入療法→強化(地固め)療法→再寛解導入療法→維持療法という流れとなる。プレフェーズは、腫瘍崩壊症候群の防止とステロイドへの反応性の評価を目的として行われるもので、プレドニゾロンまたはデキサメタゾンが通常5~7日程度投与される。今回、焦点となっているのは、寛解導入療法の段階である。この寛解導入療法(約4週間)では、ビンクリスチン、プレドニゾロンまたはデキサメタゾン、L-アスパラギナーゼの3剤(高リスク群ではダウノルビシンなどを加えた4剤)併用療法とメトトレキサートの髄注が行われる。ちなみにこのうちプレドニゾロンは内服、そのほかは基本的に静脈注射である(ただしL-アスパラギナーゼは筋注の場合もあり)。ALLではがん細胞が中枢神経に潜伏しやすく、血液脳関門の存在ゆえにこうした潜伏したがん細胞を制圧するには全身化学療法では不十分であり、メトトレキサート、シタラビン、ヒドロコルチゾンの3剤併用による髄注(トリプルIT)が寛解導入療法の時期から行われる。ただし、ビンクリスチンは一般的に寛解導入療法後の強化療法で使われるケースは少ないものの、再寛解導入療法以降に再び定期的に投与されるようになる。今回の事案については、どの治療段階で起きたかは明らかにされていない。ただ、過失で起きた前提で考えるならば、それが起きやすい環境があるのは寛解導入療法時となる。そして同センターではこの事案が公表された今年3月11日から約1週間後の3月17日にこの3例以外にも髄注を受けた2例のALL患者で神経症状が疑われることを公表している。前出の3例とは異なり、この2例の患者プロファイルは明らかにされていない。前出の3例は早い患者で髄注翌日、遅い患者でも4日以内に症状が出現、急速に進行・重症化した。それに対し、この2例は発症まで約2週間を要し、症状は下肢麻痺などで命に別状はないことなどから、前述の調査対策委員会では「最初の3例と同じ病態であることには否定的」との見解だ。ALLでは、ビンクリスチン静注とトリプルIT髄注を同日に行うことによる取り違えに起因した事故が過去に世界的にも報告されている。このため昨今ではあえて投与日を変えて行うことが一般的と言われる。患者や施設の事情によっては、同日に行われることもあるという。もちろん過去の事故のことは多くの施設で念頭にあることは想像に難くなく、その場合は同日内でも相当時間を空けて行うなど、通常は相当厳重な注意が払われる。今回は小児ALL治療の背景と事件の事実関係について触れた。次回、「なぜ起きたのか?」 故意・過失の双方から今回の事件を独自視点でひもといてみたい。参考1)Basetty P, et al. blood. 2006;108:3327.2)Gilbar P, et al. J Oncol Pharm Pract. 2020;26:263-266.3)日本小児血液・がん学会編. 小児白血病・リンパ腫 診療ガイドライン 2016 年版. 金原出版株式会社. 2016.4)厚生労働省:埼玉県立小児医療センターの報道に関する対応状況について(報告)令和8年3月26日

59.

未治療MCLへのイブルチニブを含む1次治療±ASCT、長期解析結果(TRIANGLE)/Lancet

 18~65歳の未治療マントル細胞リンパ腫(MCL)患者において、標準的な免疫化学療法へイブルチニブを追加した治療に、自家造血幹細胞移植(ASCT)を追加する意義を検討した「TRIANGLE試験」の長期追跡評価(55ヵ月)の結果が、ドイツ・LMU University HospitalのMartin Dreyling氏らEuropean Mantle Cell Lymphoma Networkによって報告された。イブルチニブ追加療法群は治療成功生存期間(Failure Free Survival:FFS)のみならず全生存期間(OS)の改善との関連も示された。一方で、イブルチニブ追加療法+ASCT群ではASCT追加のベネフィットは示されず、毒性の増加が認められた。TRIANGLE試験の最初の評価報告(追跡期間中央値31ヵ月)では、標準的な1次免疫化学療法へのイブルチニブ追加はFFSを改善することが示されていたが、さらにASCTを追加すべきかどうかについては議論の余地が残っていた(ジャーナル四天王「未治療MCL、免疫化学療法+イブルチニブ±ASCT(TRIANGLE)/Lancet」)。Lancet誌2026年5月16日号掲載の報告。ASCT+免疫化学療法群、ASCT+免疫化学療法+イブルチニブ群、免疫化学療法+イブルチニブ群に無作為化 TRIANGLE試験は、MCLの治療経験がありASCTが実施可能または実施可能施設と連携する欧州13ヵ国およびイスラエルの165施設(2次または3次医療センター)で実施された第III相の3群無作為化非盲検優越性試験。18~65歳、未治療の病期II~IV期でASCTの適応がある患者を、1対1対1の割合で対照群のA群(ASCT+免疫化学療法群)、試験群のA+I群(ASCT+免疫化学療法+イブルチニブ群)またはI群(免疫化学療法+イブルチニブ群)の3群に無作為に割り付け追跡評価した。無作為化は、コンピュータ生成乱数を用いて行われ、研究グループおよびMCL国際予後指数(Mantle Cell Lymphoma International Prognostic Index:MIPI)リスク分類で層別化された。 A群の治療は、R-CHOP(0日目または1日目にリツキシマブ375mg/m2静脈内投与、1日目にシクロホスファミド750mg/m2、1日目にドキソルビシン50mg/m2、1日目にビンクリスチン1.4mg/m2[最大2mgまで]、1~5日目にprednisone 100mg経口投与)と、R-DHAPまたはR-DHAOx(0日目または1日目にリツキシマブ375mg/m2静脈内投与、1~4日目にデキサメタゾン40mg静脈内または経口投与、2日目に高用量シタラビン2×2g/m2を12時間ごと3時間かけて静脈内投与、これらに加えて1日目に24時間かけてシスプラチン100mg/m2を静脈内投与[R-DHAP]または1日目にオキサリプラチン130mg/m2を静脈内投与[R-DHAOx])を21日間ごと交互に6サイクル行われ、その後にASCTを行った。 A+I群では、経口イブルチニブ(1日560mg)がR-CHOPサイクルの1~19日目(導入療法)に追加され、またASCT後に2年間投与された(維持療法)。 I群では、A+I群同様にイブルチニブが投与された(導入療法と維持療法)が、ASCTは行われなかった。 すべての治療群で国際ガイドラインに従い、リツキシマブ維持療法が許容された。 主要アウトカムはFFSで、3つのペアワイズ片側log-rank検定により統計学的にモニタリングされた。主要解析は、すべての無作為化された患者(プロトコール逸脱の有無は不問)を包含したITTにて行われた。安全性は無作為化され、いずれかの治療フェーズを開始した患者を対象に評価した。4年FFS率、イブルチニブ追加療法へのASCT上乗せ効果は示されず 2016年7月29日~2020年12月28日に870例が無作為化された(A群288例、A+I群292例、I群290例)。無作為化された患者の年齢中央値は57歳(四分位範囲:52~61)、男性が662例(76%)であり、病期IV期の患者が757/869例(87%)、MIPI低リスク504/870例(58%)、中程度236/870例(27%)であった。 追跡期間中央値54.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:54.4~56.0)後、A+I群のI群に対する優越性は示されなかった。4年FFS率はそれぞれ82%(95%CI:78~87)、81%(76~86)であった(ハザード比[HR]:0.86、片側98.33%CI:0.00~1.27、片側p=0.21)。 一方、A群の4年FFS率は70%(95%CI:65~76)であり、A+I群のA群に対する優越性が認められた(HR:0.63、片側98.33%CI:0.00~0.89、片側p=0.0026)。また、初回評価時同様、A群のI群に対する優越性は認められなかった(HR:1.45、片側98.33%CI:0.00~2.02、片側p=0.99)。 4年OS率は、A+I群88%(95%CI:84~92)vs.A群81%(76~85)(HR:0.59、95%CI:0.38~0.92、p=0.0036)、I群90%(87~94)vs.A群81%(76~85)(HR:0.57、95%CI:0.36~0.90、p=0.0019)であり、両イブルチニブ追加療法群ともに、非追加群と有意な差が認められた。イブルチニブを含む導入・維持療法を新たな標準治療とすべき 維持療法または追跡期間中、最も多くみられたGrade3~5の有害事象は血液およびリンパ系障害で、A+I群で127/234例(54%)報告されたのに対して、I群では74/269例(28%)であり、またA群では56/240例(23%)であった。感染症の発現は、A+I群で80/234例(34%)報告されたのに対して、I群では71/269例(26%)、A群では37/240例(15%)であった。 維持療法または追跡期間中、最も多くみられた死亡に至った有害事象は感染症で、A+I群で4/234例(2%)、I群で5/269例(2%)報告された。 これらの結果を踏まえて著者は、「より若いMCL患者に対して、イブルチニブ+R-CHOP+R-DHAP(またはR-DHAOx)による導入療法後、2年間のイブルチニブ維持療法を新たな標準治療として検討すべきである」と述べている。

60.

再発・難治性多発性骨髄腫、週2回イキサゾミブ+ポマリドミド+デキサメタゾンの第I/II相試験

 再発・難治性多発性骨髄腫に対する、週2回の経口プロテアソーム阻害薬イキサゾミブ、ポマリドミド、デキサメタゾンを併用した全経口(all-oral)レジメンの第I/II相用量漸増・拡大試験の結果を、米国・Dana-Farber Cancer InstituteのOmar Nadeem氏らが報告した。本レジメンは良好な忍容性と高い有効性を示し、実臨床における高い利便性と有用性を持つ可能性が示唆された。Haematologica誌オンライン版2026年5月28日号に掲載。 プロテアソーム阻害薬(PI)、免疫調節薬(IMiD)、デキサメタゾンを組み合わせた3剤併用療法は、再発・難治性多発性骨髄腫患者に有効な治療選択肢である。すべて経口剤で構成される治療法は、従来の注射剤を含む治療法に比べて実臨床での実施可能性や利便性が高いと考えられている。本試験は、再発・難治性多発性骨髄腫50例を対象に実施された。21日を1サイクルとし、イキサゾミブ(3mgまたは4mg、各サイクルの1、4、8、11日目)、ポマリドミド(2mg、3mg、または4mg、1〜14日目)、デキサメタゾン(12mgまたは8mg、イキサゾミブ投与日およびその翌日)が投与された。前治療歴の中央値は2ラインで、98.0%がレナリドミド、88.0%がボルテゾミブの治療歴があった。第II相試験推奨用量は、最高用量レベルであるイキサゾミブ4mg+ポマリドミド4mgで、治療サイクル数の中央値は11サイクルであった。 主な結果は以下のとおり。・用量漸増期において、2例の用量制限毒性(Grade3の上気道感染症、Grade3の好中球減少症)が報告された。・頻度の高かった毒性(全Grade/Grade3/Grade4)は、好中球減少症(76.0%/22.0%/4.0%)、血小板減少症(70.0%/8.0%/8.0%)、白血球減少症(68.0%/22.0%/0%)、疲労(52.0%/4.0%/0%)、貧血(46.0%/2.0%/0%)であった。・全50例における全奏効率(ORR)は60.0%(VGPR以上24.0%)であり、奏効期間(DoR)中央値は18.0ヵ月、無増悪生存期間(PFS)中央値は13.9ヵ月、3年全生存(OS)率は85.2%であった。・第II相推奨用量で治療を受けた38例におけるORRは65.8%(VGPR以上28.9%)であり、DoR中央値は19.3ヵ月、PFS中央値は17.8ヵ月、3年OS率は80.3%であった。

検索結果 合計:1265件 表示位置:41 - 60