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第39回 札束の入った封筒を渡されたら【週刊・川添ラヂオ】

動画解説まるで自分の孫のことのように川添先生の結婚報告を喜んでくれた患者さん。彼女の認知機能がだんだんと低下していくのを目の当たりにした先生は…。在宅訪問を開始した98年に出会った高齢患者さんのエピソードをお話しします。今ならもっとできることがあったはず!患者さんの認知症にいち早く気が付く方法もご紹介。

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「乳腺外科医事件」裁判の争点 【前編】

手術直後の女性患者への準強制わいせつ罪を問われた執刀医が、逮捕・勾留・起訴された事件。一審では無罪判決が言い渡されたが、検察は控訴し、争いは現在も続いている。この事件に関しては、ネットを中心として被害者とされる女性に対するバッシングと、医療者に対するバッシングがそれぞれ見られる。しかし、本件では「麻酔(注:本件ではプロポフォールやセボフルラン、笑気等が使用されていた)の影響で幻覚を体験した可能性がある」 として無罪判決が下されており、事件の本質からすると、女性も医師もある意味で被害者といえる。何が本件の争点となり、このような不幸な事案を防ぐために何ができるのか。担当弁護人の1人である水沼 直樹氏に、実際に法廷で論じられた2つの争点について、前・後編で解説していただく。前編:科捜研による鑑定に問題点!?1.事案の概要2016年某日、右乳房の良性腫瘍摘出術を受けた患者が、術後30分以内に2度回診した執刀医から、(1)1度目は左胸(健側部)の乳頭付近を舐められた、(2)2度目には患者の左胸を見ながら医師が自慰行為をしていた、との被害を訴えました。同日中に臨場した警察官が、患者の左乳頭部付近を微物採取。鑑定の結果、医師のDNA型と同型のDNAが検出され(DNA濃度:1.612ng/µL)、アミラーゼの陽性反応があったとされました。2.証拠関係検察側の主な証拠は、執刀医が患者を舐めていたという患者の目撃証言と、患者の左乳頭部付近から採取された医師のDNAおよびアミラーゼ陽性という鑑定書でした。3.争点争点は、2つあります。1つは、患者の被害証言(目撃証言)の信用性です。すなわち、患者の被害体験が麻酔薬等によって発症したせん妄による幻覚であるか否か。もう1つは本件鑑定書の信用性、すなわち、科学捜査研究所の鑑定に科学的許容性があるかです。なお、これに付随して、医師のDNAおよびアミラーゼが、上記犯行以外の機会に、患者の左乳頭部等に付着する可能性があるか、が争われました。4.鑑定の問題点本件鑑定には、いくつか問題点がありました。まず、アミラーゼ検査の検査方法の詳細が不明であり、アミラーゼ陽性を示す結果(アガロースゲルの呈色反応結果)の写真がありませんでした。また、結果の確認は検査担当者だけが目視して、「+」とワークシートに記載していました。しかもワークシートは、都度記載するようにと通達に定められているものの、後からまとめて記載した疑いがありました。さらに、ワークシートは「鉛筆」で手書きされており、少なくとも、消しゴムで消して鉛筆で上書きした痕跡(日付や実験日時、ロット番号等を含む記載)が7箇所、消しゴムで消した痕跡が2箇所ありました。他方で、DNAの定量検査にも問題がありました。定量検査は、濃度が判明している既知試料(標準試料)と対象となる鑑定試料を同時に測定し、既知試料との比較において定量する検査方法ですが、科学捜査研究所の定量検査は、鑑定試料だけを測定していました。その結果、得られた定量値の正確性が問題となりました。さらにもう1つ、陽性反応を呈したアミラーゼ検査のゲル平板やDNA鑑定に用いた抽出試料、定量結果を示す増幅曲線や検量線図等が、2016年のうちに廃棄されており、検証が不可能となっていました。5.鑑定の信用性に関する主張と裁判所の判断裁判所は、ワークシートが鉛筆書きされ、しかも記載が消しゴムで消されていたこと等は、鑑定者の職業意識の低さに由来し、また、検査結果のデータ資料が廃棄されたこと(鑑定者が破棄を阻止しようとしなかったこと)等は、鑑定者の誠実性を疑わせる事情であるとしました。また、標準試料との比較をしないで鑑定試料だけ定量検査した場合に、なぜ検査結果が信用できるのか判然とせず、検査差の信用性には一定の疑義がある等としました。後編では、せん妄の可能性に対してどのような判断が下されたか、本件のような事例を防ぐための対策について解説します。後編はこちらから講師紹介

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早期乳がん患者の心血管疾患リスク、運動で低下/JAMA Oncol

 がんサバイバーの心血管疾患による死亡は重大な懸念となっている。米国・南カリフォルニア大学のKyuwan Lee氏らによる前向き無作為化臨床試験の結果、16週間の監視型有酸素運動およびレジスタンス運動の介入により、過体重または肥満の早期乳がん患者におけるFraminghamリスクスコア(FRS)で予測された10年間の心血管疾患発症リスクが、低下することが示された。FRSは、10年間の心血管疾患発症リスクを予測する有効な方法として知られる。早期乳がんで過体重の患者では、同年齢の健康な女性と比較してFRSが高いことが報告されているが、これまでこの患者集団において運動介入によりFRSが低下するかどうかはわかっていなかった。JAMA Oncology誌オンライン版2019年3月28日号掲載の報告。 研究グループは、過体重または肥満の早期乳がん患者のFRSに及ぼす、有酸素運動およびレジスタンス運動介入の影響を調べるため、単一施設無作為化臨床試験を実施した。 対象は、登録前6ヵ月以内にがん治療が終了した、過体重または肥満(BMI≧25.0または体脂肪≧30%)で運動不足のStageI~IIIの乳がん患者100例。運動群と通常ケア(対照)群に無作為に割り付け、運動群では監視型有酸素運動を週3回、16週間実施した。 主要評価項目はFRSで、6項目(年齢、収縮期血圧、HDLコレステロール値、LDLコレステロール値、糖尿病の有無、喫煙の有無)から算出し、混合モデル反復測定解析を用い、両群における平均変化量の差を評価した(intention-to-treat解析)。 主な結果は以下のとおり。・100例(運動群50例、対照群50例)の患者背景は、55例(55%)がヒスパニック系白人で、平均年齢が53.5歳であった。・16週後のFRSスコア(平均±SD)は、運動群で2.0±1.5、対照群で13.0±3.0であった。・16週後のFRSスコアは、対照群と比較し運動群で有意に減少した(平均群間差:-9.5、95%CI:-13.0~-6.0)。これはFRSで予測される10年間の心血管疾患発症リスクの11%低下(95%CI:-15.0~-5.0)に相当した。

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転移のある腎細胞がんの1次治療、抗PD-L1抗体+VEGF阻害薬が有効/Lancet

 転移を有する腎細胞がんの1次治療において、アテゾリズマブ+ベバシズマブ併用療法はスニチニブ単剤と比較して、無増悪生存(PFS)期間を有意に延長し、安全性プロファイルも良好であることが、米国・クリーブランドクリニックのBrian I. Rini氏らが実施したIMmotion151試験で示された。研究の成果はLancet誌オンライン版2019年5月9日号に掲載された。過去10年、局所進行・転移を有する腎細胞がんの1次治療では、スニチニブなどの血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を標的とするチロシンキナーゼ阻害薬が標準治療とされてきたが、多くの患者が抵抗性を獲得する。アテゾリズマブによるT細胞を介するがん細胞の殺傷効果は、VEGF阻害薬ベバシズマブの併用で増強する可能性が示唆され、PD-L1発現病変を有する患者では、スニチニブ単剤に比べPFS期間および客観的奏効率を改善したと報告されている。21ヵ国が参加、標準治療と比較する無作為化試験 IMmotion151は、欧州、北米、アジア太平洋諸国を中心とする21ヵ国152施設が参加した非盲検無作為化第III相試験であり、2015年5月~2016年10月の期間に患者登録が行われた(F Hoffmann-La Roche、Genentechの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、切除不能な局所進行・転移を有する腎細胞がんで、組織学的に淡明細胞型または肉腫様の患者であった。被験者は、アテゾリズマブ(1,200mg)+ベバシズマブ(15mg/kg)を3週ごとに静脈内投与する群、またはスニチニブ(50mg)を4週間毎日1回経口投与後2週休薬する群に無作為に割り付けられた。PD-L1の発現状況は、患者、治験担当医、独立の画像審査委員会、スポンサーにはマスクされた。 主要エンドポイントは、PD-L1陽性例における治験担当医判定のPFS期間と、intention-to-treat(ITT)集団における全生存(OS)期間の複合とした。OSの中間解析では有意差なし 915例が登録され、アテゾリズマブ+ベバシズマブ群に454例(年齢中央値62歳[IQR 56~69]、男性70%)、スニチニブ群には461例(60歳[54~66]、76%)が割り付けられた。362例(40%、アテゾリズマブ+ベバシズマブ群178例、スニチニブ群184例)がPD-L1陽性であった。フォローアップ期間中央値は、PFS解析時が15ヵ月、OSの中間解析時は24ヵ月であった。 PD-L1陽性例では、PFS期間中央値はアテゾリズマブ+ベバシズマブ群が11.2ヵ月と、スニチニブ群の7.7ヵ月に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.74、95%信頼区間[CI]:0.57~0.96、p=0.0217)。また、ITT集団におけるOS期間中央値は、アテゾリズマブ+ベバシズマブ群が33.6ヵ月、スニチニブ群は34.9ヵ月であり、有意差はみられなかった(0.93、0.76~1.14、p=0.4751)。 ITT集団のPFS期間中央値(11.2ヵ月 vs.8.4ヵ月、HR:0.83、95%CI:0.70~0.97、0.0219)はアテゾリズマブ+ベバシズマブ群が有意に優れ、PD-L1陽性例のOS期間中央値(34.0ヵ月 vs.32.7ヵ月、0.84、0.62~1.15、p=0.2857)には有意差はなかった。 治療関連のGrade3~4の有害事象は、アテゾリズマブ+ベバシズマブ群が451例中182例(40%)で、スニチニブ群は446例中240例(54%)で認められた。治療中止の原因となった有害事象は、それぞれ24例(5%)および37例(8%)で発現した。 著者は、「延命効果を明確にするには長期のフォローアップを要する」とし、「これらの結果は、転移を有する腎細胞がんの1次治療では、同時にVEGFシグナル伝達経路を阻害することで、免疫療法の効果が増強する可能性があるとの仮説を支持するものである」と指摘している。

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所得別の平均寿命差が拡大、ノルウェーの調査/JAMA

 ノルウェーでは2005~15年の期間に、家計所得別の平均寿命の差が実質的に拡大しており、米国と比較して男女とも低~中所得層の平均寿命が長かった点を除けば、両国は類似の傾向にあることが、ノルウェー公衆衛生研究所のJonas Minet Kinge氏らの調査で示された。研究の詳細はJAMA誌オンライン版2019年5月13日号に掲載された。所得関連の平均寿命の差の理解には、死因を調査し、各国間で比較することが重要だという。米国の2000~14年のデータでは、最も富裕な1%と最も貧困な1%の平均寿命の差は、男性14.6年、女性10.1年と報告されている。ノルウェーは、高所得国家であると同時に、大部分が税金で運営される公的医療保険システムが整備されており、米国に比べると所得と富の分配が公平とされる。40歳以上の約300万人のデータを解析 研究グループは、ノルウェーにおける所得関連の平均寿命の差を検討し、米国の推定値と比較する目的で調査を行った(Research Council of Norwayの助成による)。 2005~15年における40歳以上の全ノルウェー居住者のデータを用い、世帯規模で調整した家計所得を算出した。40歳時の推定平均寿命および原因別死亡を主要評価項目とした。あらかじめ最も所得の低い集団3%(マイナスやゼロ所得者など)は除外し、主要解析では移民出身者は除外した。 40歳以上の304万1,828例(2,580万5,277人年)が解析に含まれ、調査対象の期間中に44万1,768例が死亡した。解析時の平均年齢は59.3歳(SD 13.6)、1人当たりの平均世帯人数は2.5人(1.3)だった。所得上位1%と下位1%の差、女性8.4年、男性13.8年 平均寿命は、男女とも家計所得が高いほど長く、どの所得層でも学歴が高い集団で長い傾向が認められた。 2011~15年の平均寿命は、所得が最も高い1%の女性(86.4歳、95%信頼区間[CI]: 85.7~87.1)が最も長く、所得が最も低い1%の女性(78.0歳、77.1~78.9)より8.4年(7.2~9.6)長かった。一方、所得が最も低い1%の男性の平均寿命(70.6歳、69.6~71.6)が最も短く、最も高所得の1%の男性(84.4歳、83.4~85.4)に比べ13.8年(12.3~15.2)短かった。 2005~15年の期間に所得による平均寿命の差は拡大し、これに大きく寄与した死因は、高齢者では心血管疾患、がん、慢性閉塞性肺疾患、認知症であり、若年者では薬物使用による死亡と自殺であった。 この期間に、所得上位25%の女性の平均寿命が3.2年(95%CI:2.7~3.7)延長したのに対し、所得下位25%の女性は0.4年(-1.0~0.2)短縮した。男性では、所得上位25%が3.1年(2.5~3.7)、下位25%は0.9年(0.2~1.6)延長した。 ノルウェーは、男女とも低~中所得層の平均寿命が長かった点を除けば、所得別の平均寿命の差の傾向は米国と類似していた。また、絶対所得で比較すると、ノルウェーの最下位所得層の平均寿命は、米国のある程度所得が高い層と一致しており、男女ともに米国とノルウェーの差は、より小さくなった。米国との比較において移民を加えても除外しても、解釈に変更はなかった。 著者は、「健康の評価では、絶対所得よりも相対所得が重要とされるが、これらの知見は、国際的な比較研究では絶対所得が重要になるとの見解を支持するものである」としている。

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新精神作用物質使用患者における臨床症状の変化

 新精神作用物質(NPS)の使用は、国内外を問わず広まり続けている。NPSは、より深刻な臨床的、公的および社会的な問題と関連している。日本におけるNPSの影響を改善するための政治的な措置は、治療法を確立することではなく、規制を厳しくすることに焦点が当てられてきた。現在の研究では、数年にわたるNPS関連疾患を有する患者の精神症状を比較しようとしている。国立精神・神経医療研究センターの船田 大輔氏らは、NPSを規制するための法的な措置の影響を明らかにするため、依存症治療専門病院を受診した患者を調査した。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2019年4月9日号の報告。 2012年4月~2015年3月に日本の依存症治療専門病院8施設で治療を受けたNPS関連疾患患者864例。臨床情報は、医療記録よりレトロスペクティブに収集した。 主な結果は以下のとおり。・精神症状については、3年間の研究期間で、幻覚・妄想の割合が経時的に減少した(1年目:40.1%、2年目:30.9%、3年目:31.7%、p=0.037)。・神経症状については、3年間の研究期間で、昏睡・失神の割合(1年目:7.8%、2年目:11.0%、3年目:17.0%、p=0.002)および痙攣の割合(1年目:2.8%、2年目:4.3%、3年目:9.7%、p=0.001)が増加した。 著者らは「NPS関連症状は、最初の1年目は主に精神症状であったが、神経症状の有症率は、経時的な増加が認められた。NPSの規制が増加したことで、死亡や重症症状のリスクは、1年目よりも3年目でより大きかった」としている。

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特別編 ジェラシー全開で中山 祐次郎氏と話してみた!【Dr.倉原の“俺の本棚”】第18回

【第18回 特別編】ジェラシー全開で中山 祐次郎氏と話してみた!Dr.倉原の“俺の本棚”も連載開始から1年が経過し17冊を紹介しました。その中で、2回登場している『医者の本音』、『泣くな研修医』の著者である中山 祐次郎氏。『医者の本音』出版のためのクラウドファンディングへの支援※1といった接点はあるものの、直接お話はしたことがないという2人。今回CareNet.comで対談をセッティングしました。医師と物書きという2つの顔を持つ2人に共通するものとは?―幻冬舎・見城 徹氏との交流から出版に倉原:今日はまず、中山先生の最初、つまり「なぜ書き始めたのか」を教えてもらえますか?僕が最初に中山先生の名前をお見かけしたのは、Yahoo!ニュース個人※2でした。一介の外科医というプロフィールを覚えていて、この人のブログをよく見るなと思っていて。東日本大震災後に福島の病院に駐在されたという話を聞き、その後いろんなところでお名前を聞くようになって。ずっと何がきっかけで書くようになったのか、気になっていたんですよね。中山:ありがとうございます。僕はまず、いきなり本を書いたんです。卒後5年か6年くらいの2014年ごろのことです。僕は消化器がんが専門なので、やはり患者さんが亡くなっていくんですよ。だから死について考えることが多くなって、ある日突然、「これは書かねば自分が立ち行かなくなってしまう」と、考えていることをWordに書いていったんです。とくにきっかけもなく、ただ知って欲しい、と。今思えば押し付けがましい内容だったと思うんですが、ブログでもSNSでもなくWordに書きためていったんですよね。1冊の本を目指して。倉原:日々の診療がきっかけというか。中山:そうですね。そうとも言えるかもしれない。その原稿を友人経由で出版社に持ち込んだんですけど、8ヵ月待ってボツになりましてね。激しいショックで、落ち込んで1人毎日やさぐれて酒を飲んでいたときに、当時流行していた755というSNSを始めたんです。そのアプリはホリエモンと、サイバーエージェントの社長の藤田 晋さんが作ったSNSで、その当時はテレビCMも始まって話題になっていたんですよね。ツイッターと似た感じのアプリなんですけど。それで、面白そうだなと思って、僕は「藪医師」と名乗って、医者として恋愛相談と病気の相談を受ける「藪医者外来へようこそ」というタイトルで、755をやり始めたんです。フォロワーが200人くらいになって少し注目していただくようになったころ、幻冬舎という出版社の社長の見城 徹さんも、755をやり始めたんですよ。60歳を過ぎて、初SNSを始めます、と。755上で見城さんとやり取りをさせてもらい、「すべての新しいことは、たった1人の孤独な熱狂から始まる」という言葉を目にしたとき、やっぱり出版したいという気持ちが再燃したんです。それを755上で「このボツ原稿を、諦めない」と宣言したら、見城さんが原稿を見せてみろと言ってくれて、その後3ヵ月くらいの間に出版が決まったんです。幸いにもこの本※3が3万部以上売れてくれたことでYahoo!ニュースの立場を紹介いただいたという感じです。中山 祐次郎氏:1980年生。聖光学院中・高卒後2浪を経て、鹿児島大学医学部卒。都立駒込病院で研修後、同院大腸外科医師(非常勤)として計10年勤務。2017年2月から福島県高野病院院長、現在福島県郡山市の総合南東北病院外科医長として、手術の日々を送る。消化器外科専門医、内視鏡外科技術認定医(大腸)、外科専門医。モットーは「いつ死んでも後悔するように生きる」。倉原:SNSがきっかけというのは今っぽいですね。1作目は存じ上げませんでした。内容は「死」について。それにしても3万部か…。医学書はヒットして1万部くらいですから。3万部…すごい…。中山:いやいや、マーケットが10倍くらい違いますから、そこは比べないでおきましょう。それよりも、倉原先生はなぜ書き始めたんですか? 倉原:僕はブログがきっかけです。2008年に後期研修医になったときに「呼吸器内科医」というブログを始めたんです。高岸※4っていう、恐ろしい量の論文を読む後輩がいて、毎日、3本とか読んでるんですよ。中山:毎日ですか!倉原:そう、毎日。彼に触発されて、自分も1日1本は読もうと決めたんです。ブログは読んだものを記録するための自己満足で始めたんですけど、続けているうちにだんだんアクセスが増えていって。それを見たシーニュっていう会社の社長から、何か書いてみませんかと声をかけてもらったんです。2013年ごろでしたね。中山:もともとお知り合いだったんですか?倉原:ううん、ブログを見て連絡をくれたんです。ひたすら論文を訳しただけのブログだったんですけど、患者さんに届けたい! みたいな熱意が伝わったって言ってもらって。最初の本※5は、結局そういう本になりました。5年目の若造が何言ってるんだと当時は叩かれてへこみましたけど。中山:それはまた、なぜ批判があったんですか?倉原:扱ったテーマが、答えのない問題ばかりだったから、ですかね。正しい選択がAかBかわからないしエビデンスもないけど、その選択の向こうにある患者さんの未来を見越して、こういうふうに選びましょうとか、そういうことを書いたんです。中山:治療上根拠はないけど、臨床医が結論を出さないといけないような選択を扱ったと。倉原:そうです。具体的に言うと、間質性肺疾患で外科的肺生検とか安易にやっちゃうじゃないですか。当時は当たり前にやられていたけど、すごく疑問に感じていて。やってもIPFの患者さんはどんどん悪くなっていく。全身麻酔をかけてまでやる意味はどこにあるんだろうと思っていて。そういうのをぶつけたんです。まあ、学会とかで本の批判をする先生方の声を聞くたびに心が折れましたよ。だけどシーニュの社長が励ましてくれて、書き続けるにいたっています。医者で本を書くのってこういう始まり方が多いんじゃないかな。1冊出して出版社とつながりができて続いていく、みたいな。―『泣くな研修医』の生みの親は“無力感”倉原:新書ではなく、なぜ小説を書こうと思ったんですか?中山:僕、生きているだけで虚無感がそれほど弱くないレベルで常にあるんです。だってみんな死ぬじゃないですか。とくにこの地球にも、日本にも、大阪にも、何の意味も残さないわけじゃないですか。死んだら全部ゼロになるのに生きるって何なの、という虚無感がひどいんですよ。その中で死を思ったりするところがあると思います。それに気付いたのは最近なんですけどね。倉原:その出口が創作に向かうってすごいですね。中山:結局小説を書いてみて思ったのは、僕が書いていたのは無力感だったなと。やるせなさ、存在しているだけで悲しい、そんなこと。倉原:オーベンを前にしたときの無力感ってありますよね。小説でとてもリアルでした。中山:オーベンは書くのに苦労したからうれしいです。倉原:男性のオーベン、岩井先生、とても冷たいじゃないですか。でも実は…というシチュエーション、現実にも結構ありますよね。中山:ありますね。倉原:いつも冷たいんだけど、飲んだときとかにポロッと出てきたりするのね。中山:そうそう、早く教えてくださいよーってなるやつ。倉原:熱いもの持ってるじゃないですか! みたいにね(笑)。ベテランになってくると動揺しないんですよ。動揺しないべきでもある。それが指導医でもある。それを研修医から見ると冷たい指導医に見えてしまうんだよね。ツンデレと言ってしまえばそれまでだけど。―気持ち悪くなるほど生々しい描写はどうやってできた?倉原:ほかにも細かい描写が、本当にリアルですよね。ストレッチャーを押していてベッドが壁にぶつかるとか。中山:そこのところは自分でも気に入っていたのですが、指摘してくれたのは先生が初めてだったのでうれしいです。倉原:サイレン待つのも嫌ですね。中山:あはは、あれは本当に嫌ですよねー。倉原:あと、「人工呼吸器に乗っている」って。乗っているって何だよ、みたいなあの表現。こういうちょっとした言い回しが本当に生々しい。研修医のころを思い出す、と言われませんか。中山:当時を思い出してつらくなるとか、嫌になるとか。気分が悪くなるっていう人も多いですね。倉原:どう勉強したらこういう生々しい文章が書けるのか、めちゃくちゃ気になります。中山:うまいかどうかは別として、村上 龍氏の受け売りですが、「正確さ」にこだわりました。登場人物の行動と人物像に矛盾が生じないようにしています。このキャラクターだったら、この服は選ばない、きっと患者さんと話すときにこういう感情が生まれるだろうという必然性を見つけていく感じ。あと、妻に読んでもらっています。彼女は医療関係ではないので、わからないところや面白くないところに率直な意見をくれるので、それを参考にすることが多いですね。―中二病だと言われても、太宰の影響は大きい!倉原:読んできた本からの影響はないんですか?中山:ベタで恥ずかしいんですけど、太宰 治。僕、太宰の人には言えないような恥ずかしい感情の動きを書いてしまうところが好きなんです。中二病っぽいですけど。ほかにも夏目 漱石とか昭和の純文学をたくさん読んでいたから、その影響もあるかもしれません。倉原先生はどんな本を読むんですか?倉原:小説はそんなに読んできていなくて、読むのはもっぱら医学書ばかりです。中山:献本も全部ですか? 倉原:ええ、頂いたものはほぼすべて読みます。中山:それだけでも膨大そうですね。それこそ医学書もたくさん出版される中で、いい本に出合うコツはあります?倉原:はっきり言えば著者でしょうか。なかでもやっぱり岩田 健太郎先生はすごい。いい意味で怪物だと思います。中山:それはどういう意味ですか? 倉原:僕、医学書ってもともと読み物ではないと思っていたんです。アメリカの医学書も読みますが、あちらの本は今でも「ですます調」の硬い文体で、内容はもちろんムズカシイから、読んで笑う要素はないんですよ。それと比べて岩田先生は、『抗菌薬の考え方、使い方』※6という本で、医学書と小説を足した、寝転んで読めるような“読み物としての医学書”というジャンルを作り出した。これが、岩田先生は怪物級にスゴイと思う理由です。読み物としての医学書というジャンルができたことで、日本の医学書出版業界のトレンド―文化ができたんだと思います。だから、平均の売上部数が数千部の医学書業界で、岩田先生の本はフツウに1万部売れますからね。医学書業界で1万部は異例中の異例ですよ。そこにきて中山先生の本は10万部超えって本当にジェラシー以外の何物でもないです※7、ほんと。ジェラシー(笑)。中山:いやいや、比べないでおきましょう…。倉原:うん、そうですね。―医学書にストーリー性は必要か?中山:医学書って基本的には情報を得るためのものであって、勉強ができればストーリー性は必要ないと思っていました。でも、今のお話だと医学書にもストーリーが必要ということでしょうか?倉原:あくまで僕個人の体験談ですが、リファレンス、辞書みたいな使い方をする本って、本棚の奥にしまって出さなくなってしまうんです。眠くなっちゃうから。でも1度通読したものは記憶に残っていて、また読む。通読した本って、物語風だったり、話し口調だったりするものですよね。坂本 壮先生※8もそうですけど、本屋で手に取ったときに読みやすそうだなと思うとすぐ買っちゃうし、読んだ後も記憶に残る。中山:ああ、なるほど。倉原:だから、今のトレンドでは、1回すべて読み通させるだけの文章力がないと売れないのかなとも思います。中山:なるほど。今後もそのトレンドは続くのでしょうか。個人的にすごく気になります。倉原:硬い医学書を好む先生も一定数いるので、すみ分けがされるという感じじゃないでしょうか。中山:すみ分けは年齢層によるものですか? 倉原:そうですね…。基本的に僕らより上の世代のベテランドクターは硬い医学書を好むように見えますし、4~5年目までくらいの若手のドクターは、圧倒的に砕けた文体の読み物を読んでいる印象を受けます。でも、年齢で区切れるかというとそうでもないんじゃないかとも思うんです。僕は14年目だけど永遠の若手の自負があるし。岩田先生以降の“読み物としての医学書”に触れてきた人たちは年齢に関係なく、読みやすいものを手に取るから。全体としては読み物のシェアが増えていくんじゃないかな、というのが僕の見方です。―やっぱり医学書が書きたい!中山:それを聞いてやる気が出ました! 僕も医学書を書きたいと思っているんです!倉原:医学書! 中山先生は一般向けに発信しているイメージが強いから、少し意外です。中山:基本は一般の方に向けたものが多いんですが、やっぱり医者なので。ちょうど、小説と医学書の中間のようなものを書いている途中です。倉原:もうすでに書き始めていると。ちなみに内容はどういったもの?中山:ずばりコンサルトの極意です! コンサルト情報の書き方や電話のかけ方とか、自分が若手のときに困ったことをまとめている感じです。倉原:それはニーズあると思うな。それこそストーリー性があったらウケそう。さすがにこれは幻冬舎ではないですよね。中山:これは専門出版社からです。あと、まだ構想でしかないですけど、今、誰からも応援されていない医療者に光を当てるようなものが書きたいですね。倉原:誰からも応援されてない医療者?中山:例えばお局さんです。新人ナース向けの本はたくさんあっても、ある程度経験年数がある看護師さんって置き去りにされている気がして。お局っていう単語自体もあんまりよくないじゃないですか。もっとポジティブな意味付けをした単語を作り出したいと思っています。倉原:それは確かに。ぽっかり抜け落ちているところですね。目のつけどころが面白い。中山:倉原先生は今後、どんなものを書く予定なんですか?倉原:今は喘息関連の本を書いています。あと…、実は僕も読み物的な医学書を書きたいとずっと思っています。でも自分には文才がないなと思って踏みとどまってます。中山:ちょっと待ってください。僕、“文才”という言葉はないと思うんです。倉原:文才という言葉はない。それかっこいいな…。中山:文才っていうと特別なものに感じてしまうけど、率直に自分の感情の動きを書ける人のことを文才がある人というんじゃないかなという気がしています。倉原:かっこつけないで書けるのが文才? それは深いな…。中山:飾らないというか、感情と言葉の間に1個もフィルターのない人。CareNet.comの倉原先生の連載も、ご自身の体験談や時々奥さんとのやりとりが入っていたりしてリアルな感じがしますよね。倉原:下ネタが?中山:そこじゃないです(笑)。なぜ急に下ネタと。倉原:ブログから書き始めたのもあって、PVを上げる方法をつい考えるんです。そうすると自然と下ネタが多くなる。はっちゃけてごまかしている感じが自分ではしていて、だいぶ恥ずかしいです。中山:下ネタは人類共通の話題ですから。でも下ネタなら何でもいいわけではないでしょう。やっぱり文章力のなせる業だと思います。倉原:憧れの小説家に言われるとすごく照れますね。でも読み物的な医学書を書きたい、目指すところが似ている気がします。中山:それはとってもありますね。倉原:そう考えると、出会うべくして出会っているのかもしれませんね。※1第9回「何もかも前代未聞な本」※2Yahoo!ニュース個人中山祐次郎※3中山祐次郎.幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと 若き外科医が見つめた「いのち」の現場三百六十五日. 2015.幻冬舎新書※4第1回「エビデンスが本の中で踊っている」※5「寄り道」呼吸器診療―呼吸器科医が悩む疑問とそのエビデンス※6岩田健太郎. 抗菌薬の考え方、使い方. 2004.中外医学社※7中山祐次郎. 医者の本音.2018.SBクリエイティブ※8第5回「指導医が語る心得のような本」(取材・構成・撮影 ケアネット 安原 祥)

19970.

老いないカギは「あいだ」にある

第19回日本抗加齢医学会総会の大会長である伊藤 裕氏(慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科 教授)が、今提唱しているのが「幸福寿命」。本大会でも、その考え方に沿って数々の新機軸を打ち出す。その内容とは?抗加齢医学を捉え直す時期に来ています。これまでアンチエイジングというと、どうしても見た目を若く見せるために、シワをなくすとか、シミをとる、といった小手先の医療をイメージしがちだったと思います。もちろんそれも抗加齢医学の一部です。しかし、人生100年時代と言われるようになり、もっと本質的な抗加齢というものを学会として提唱していかなくはならないタイミングだと感じています。6月に横浜で開催される日本抗加齢医学会総会で大会長を務めさせていただきますが、テーマを「異次元のアンチエイジング」としたのは、そういう意図です。これまでのアンチエイジングの活動を拡充、拡大するのではなく、まったく違う次元に行く。ある意味、医学の一分野という枠を越えて、心身だけでなく、環境や社会全体をアンチエイジングという観点から捉え直したい。そう考えています。“幸せ感”を持ち続けることが究極のアンチエイジング昨年「幸福寿命」という本を出版させていただきました。「幸福寿命」とは何なのか? たとえば、100歳まで生きた人に「幸せですか」と尋ねると、皆さん「幸せです」とおっしゃいます。でも、それは100歳まで生きられたから幸せ、という結果ではなく、ずっと幸せだったから、100歳まで生きられた、という過程の話なのだと思います。つまり、健康で長生きするには、常に“幸せ感”を持ち続けていることが重要であって、それこそが究極のアンチエイジングだと私は考えています。では、どうしたら、幸せ感を持ち続けられるのか?ということなりますが、そのカギは「あいだ」にあります。自分一人で幸せを感じることはなかなかできません。ほかの人との間。夫婦、家族、職場、地域、いろいろな場面での人と人の「あいだ」こそが、幸せ感を醸成するのです。もう少し医学的な話をしますと、最近、腸内細菌叢が抗加齢に関係しているということが科学的にわかっていますが、これも「あいだ」なんですね。細菌はわれわれの腸の中にすんでいるわけで、彼らとわれわれは共生関係にある。いわばペットを飼っているようなものです。ペットを飼っている人が、ペットをかわいがっているとき、飼い主は幸せを感じているのではないでしょうか。ストレスが和らいで、柔らかな、いい気分になっていると思いませんか?そういうときは、実際、“幸せホルモン”と呼ばれるオキシトシンが脳から分泌されているわけです。腸内細菌をペットのようにかわいがる腸内細菌も同じです。腸内細菌をかわいがってあげればいいんです。ペットにするのと同じように、腸内細菌が喜ぶようなことをする。具体的に言えば、彼らが好きな食物繊維をたくさん取る、いつも同じものでは飽きるでしょうから、バラエティーに富んだ食材を食べる、バランスよく規則正しく食事を取る、といったことです。すると、彼らはホルモンやサイトカインを介してわれわれが幸せを感じるように働きかけてくれるのです。幸せを感じるメカニズムも、そういうふうに物質レベルで科学的に説明できるようになってきています。今年の学会では、特別講演として、マーティン・J・ブレイザー先生を招き、腸内細菌とアンチエイジングについて話していただきます。微生物学の世界的権威であり、彼の話が日本で生で聞けるというのは本当にすごいことです。私自身、とても楽しみにしています。ほかの目玉としては、Presidential Symposium で「スマートシティ」「ロボット」「AIとビッグデータ」「美しさ」という4つのテーマを設定しました。ロボットやAIで高齢者をどう介護するか、といった話ではなく、これからロボットやAIがわれわれの生活にどんどん入ってきたとき、人間の健康、幸福感、エイジングがどう変化していくのか?そういうもっと大きな枠組みでディスカッションしていただくようにシンポジストの先生方にはお願いしています。それではもう「医学会」ではないじゃないか、と言われそうですが、最初にお話ししたように、アンチエイジングは今そのくらい大きな動きがある、エキサイティングな分野なのです。加齢というのはそもそも誰にとっても身近な問題でもありますから、医療に関わるすべての人に興味を持ってもらえればと思っています。メッセージ(動画)

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日本人統合失調症患者に対するブロナンセリンとハロペリドールの二重盲検ランダム化比較試験

 以前、CNS薬理研究所の村崎 光邦氏が、統合失調症患者に対するブロナンセリンの有効性および安全性について、ハロペリドールとの比較を行った日本の多施設共同ランダム化二重盲検試験を日本語で発表した。米国・マイアミ大学のPhilip D. Harvey氏らは、以前報告されたプロトコルごとのデータセットの代わりに完全な分析データセットに基づく試験結果を提示し、統合失調症の薬理学的治療の最新知識に照らし合わせて、調査結果についての議論を行った。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2019年4月30日号の報告。 対象患者265例は、ブロナンセリン(8~24mg/日)またはハロペリドール(4~12mg/日)の1日2回8週間投与に、ランダムに割り付けられた。有効性の評価には、臨床全般印象改善度(CGI-I)および陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・試験終了時のCGI-I改善率において、ブロナンセリンはハロペリドールに劣ることなく、10%のマージンを示した(60.5% vs.50.0%、p<0.001)。・PANSS合計スコアの減少については、両群間で差は認められなかった(-10.3 vs.-7.1)。・PANSS陰性症状スコアの減少は、ハロペリドールよりもブロナンセリンで有意に大きかった(p=0.006)。・ブロナンセリンは、忍容性が良好であった。・有害事象発生率は、両群間で同様であった。・錐体外路系有害事象、鎮静、低血圧、プロラクチン上昇の発生は、ハロペリドールよりもブロナンセリンで低かった。・臨床的に重要な体重増加は、認められなかった。 著者らは「統合失調症治療において、ブロナンセリンはハロペリドールと同様に効果的である。そして、ブロナンセリンは、ハロペリドールと比較し、錐体外路症状のリスクが低く、陰性症状に対してより効果的である」としている。

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プロカルシトニン値による抗菌薬投与短縮と肺炎再発

 肺炎における抗菌薬投与について、プロカルシトニン(PCT)値に基づいた管理により、死亡率を増加させることなく投与期間を短縮したという研究がいくつか報告されている。今回、福岡大学筑紫病院の赤木 隆紀氏らの研究により、PCTガイドによる抗菌薬中止により、肺炎の再発を増加させることなく投与期間を短縮するのに役立つ可能性が示唆された。the American Journal of the Medical Sciences誌オンライン版2019年4月16日号に掲載。 本研究では、2014~17年、入院時PCT値が0.20ng/mLを超えていた市中肺炎または医療関連肺炎の入院患者を前向きに登録した。PCT値は5、8、11日目、その後必要があれば3日ごとに測定した。PCT値が0.20ng/mLを下回った場合に抗菌薬中止を勧奨され、0.10ng/mLを下回った場合は中止するよう強く勧奨された。なお、2010~14年の入院患者をヒストリカルコントロール(対照群)とした。主要評価項目は、抗菌薬投与期間と抗菌薬中止後30日以内の肺炎再発とした。 主な結果は以下のとおり。・PCTガイド群および対照群は、それぞれ116例であった。・肺炎の重症度およびPCT値を含む背景因子は、2つのグループ間で同様であった。・抗菌薬投与期間の中央値は、PCTガイド群で8.0日、対照群で11日であった(p<0.001)。・多変量回帰分析において、PCTガイドによる抗菌薬中止(偏回帰係数[PRC]:-1.9319、p<0.001)、PCT(PRC:0.1501、p=0.0059)およびアルブミン(PRC:-1.4398、p=0.0096)が、抗菌薬投与期間と有意に関連していた。・抗菌薬中止後30日以内の肺炎再発は、2群間で統計的に差がなかった(4.3% vs.6.0%、p=0.5541)。

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がん患者の喫煙継続で増える治療失敗とコストはどの程度?

 喫煙は、がんの大きなリスク因子といわれているが、がん患者の喫煙継続およびがん1次治療の失敗増は、がん2次治療コストの有意な増大と関連していることが、米国・サウスカロライナ医科大学のGraham W. Warren氏らによる検討の結果、示された。著者は「さらなる調査を行い、コスト増を軽減する最適な方法を明らかにする必要があるだろう」と述べている。先行研究で、がん患者の喫煙継続は全死亡率・がん死亡率や二次原発がんリスク、がん治療の毒性作用を増大することが示唆されていたが、著者らによれば、喫煙によるがん治療の追加コストの推算はこれまでされていなかったという。JAMA Network Open 2019年4月5日号掲載の報告。 研究グループは、がん2次治療による増大コストとがん患者の喫煙継続の関連をモデル化するため、2014年の米国 Surgeon General's Report(非喫煙がん患者で予測される1次治療の失敗率、喫煙率、非喫煙と比較した喫煙によるがん1次治療失敗のオッズ比、および1次治療失敗後のがん治療コストを検討している)からデータを集め、2018年に経済評価モデルを開発した。 主要評価項目は、がん1次治療失敗増および2次治療によるコスト増と、喫煙を継続するがん患者との関連であった。 主な結果は以下のとおり。・治療失敗率は、非喫煙者における1次治療治癒率が低いと予測された場合と比べ、高いと予測される場合に高かった。・喫煙による治療失敗率は、非喫煙者における治癒率が50~65%と予測された場合にピークを示した。・非喫煙患者における予測治療失敗率30%、喫煙率20%、非喫煙患者に対する喫煙患者の1次治療失敗のオッズ比1.6、1次治療失敗に対処する平均追加コスト10万ドルの条件下では、1,000患者当たりの追加コストは210万ドル、喫煙患者1例当たりの追加コストは1万678ドルと推算された。・同条件下において、がんと診断される患者の年間160万例の喫煙による増大コストは、34億ドルと見込まれた。

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alpelisib併用群、HR+/HER2-進行乳がんのPFS延長/NEJM

 PIK3CA遺伝子変異を有する内分泌療法歴のあるホルモン受容体(HR)陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)の進行乳がん患者において、alpelisib+フルベストラント併用療法により無増悪生存期間(PFS)が延長した。フランス・パリ第11大学のFabrice Andre氏らが、国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「SORAR-1(Clinical Studies of Alpelisib in Breast Cancer 1)試験」の結果を報告した。PIK3CA遺伝子変異は、HR+/HER2-乳がん患者の約40%に認められる。PI3Kαを特異的に阻害するalpelisibは、初期の試験で抗腫瘍活性が示唆されていた。NEJM誌2019年5月16日号掲載の報告。572例を対象に、PIK3CA遺伝子変異の有無でalpelisibの有効性を評価 SORAR-1試験は、日本を含む34ヵ国198施設で実施された。対象は内分泌療法歴があるHR+/HER2-進行乳がん患者で、腫瘍組織のPIK3CA遺伝子変異の有無で2つのコホートに登録し、各コホート内でalpelisib(300mg/日経口投与)+フルベストラント(1サイクル28日として、500mgを1日目および15日目、以降は1日目に筋肉内投与)群(以下、alpelisib併用群)と、プラセボ+フルベストラント群(以下、プラセボ群)に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、PIK3CA遺伝子変異陽性コホートにおける治験担当医師評価によるPFSであった。PIK3CA遺伝子変異陰性コホートにおいても同様にPFSを解析した。副次評価項目として奏効率(ORR)および安全性等についても評価した。 2015年7月26日~2017年7月21日の期間に計572例が無作為化され、PIK3CA遺伝子変異陽性コホートが341例、陰性コホートが231例であった(うちalpelisib併用群がそれぞれ169例および115例、計284例)。PIK3CA遺伝子変異陽性患者ではPFSが約2倍に延長 PIK3CA遺伝子変異陽性コホートにおいて、追跡期間中央値20ヵ月(データカットオフ2018年6月12日)時点のPFSは、alpelisib併用群で11.0ヵ月(95%信頼区間[CI]:7.5~14.5)、プラセボ群で5.7ヵ月(95%CI:3.7~7.4)であった(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.65、95%CI:0.50~0.85、p<0.001)。 PIK3CA遺伝子変異陰性コホートでは、追跡期間中央値7.4ヵ月(データカットオフ2016年12月23日)時点のPFSが、alpelisib併用群7.4ヵ月(95%CI:5.4~9.3)、プラセボ群5.6ヵ月(95%CI:3.9~9.1)、HRは0.85(95%CI:0.58~1.25)で、事前に定められたProof of Conceptの基準を満たさなかった。 PIK3CA遺伝子変異陽性コホートにおけるORRは、alpelisib併用群がプラセボ群よりも高かった(全例:26.6% vs.12.8%、ベースライン時に測定可能病変を認めた患者:35.7% vs.16.2%)。 両コホートを合わせた全症例において、Grade3/4の有害事象は高血糖(alpelisib併用群36.6% vs.プラセボ群0.7%)が最も多く、次いで発疹(9.9% vs.0.3%)、下痢(6.7% vs.0.3%)であった。Grade4の発疹、下痢は報告されなかった。有害事象によりalpelisibおよびプラセボを中止した患者の割合は、それぞれ25.0%および4.2%であった。

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「ソーダ税」導入、販売量への効果は?/JAMA

 2017年1月、ペンシルベニア州フィラデルフィア市は、砂糖あるいは人工甘味料入り飲料の消費を減らすために、1オンス(約30mL)当たり1.5セントの加糖飲料税(いわゆるソーダ税)を米国で2番目に導入した。米国・ペンシルベニア大学医学大学院のChristina A. Roberto氏らは、課税導入後の飲料価格と販売量について、フィラデルフィアと非課税のメリーランド州ボルティモア市を比較し、課税商品の購入を避けるための越境ショッピングの可能性を評価した。解析の結果、フィラデルフィアでは加糖飲料の価格が有意に上昇し、課税飲料の販売量は半減したことが認められたが、その一部は、近隣地域での販売量増加によって相殺されることが明らかになったという。JAMA誌2019年5月14日号掲載の報告。課税導入のフィラデルフィアと非導入地域で、価格、販売量を比較・解析 研究グループは、差分の差分法(difference-in-differences)を用い、2016年1月1日(課税前)~2017年12月31日(課税後)の期間の販売データを解析し変化を比較した。店の形態、飲料の甘味料の種類、飲料の大きさごとの違いを検証。小売業者の販売データには、フィラデルフィア、ボルティモア(非課税の対照都市)、フィラデルフィア近隣地域(フィラデルフィア市境界から約3マイル以内のバックス郡、デラウェア郡、モンゴメリー郡)にある大規模チェーン店の販売データも組み込まれた。これらのデータは、フィラデルフィアにおける課税飲料の販売量(オンス)の約25%に相当した。 主要評価項目は、課税飲料の価格と販売量の変化であった。近隣地域の増加分を差し引くと課税都市フィラデルフィアの販売量低下は38% 計291店(スーパーマーケット54店、大型小売店20店、薬局217店)のデータが解析に組み込まれた。 フィラデルフィアでは、ボルティモアと比較して加糖飲料の価格が有意に上昇し、課税導入後の課税飲料の販売量が有意に低下した。 すなわち、フィラデルフィアとボルティモアにおいて、加糖飲料1オンス当たりの平均価格は、課税導入後にすべての形態の店で上昇した。フィラデルフィアでは、スーパーで5.43セント(2016年)から6.24セント(2017年)に、大型店で同5.28→6.24セントに、薬局で同6.60→8.28セントに上昇した。ボルティモアではそれぞれ、5.33→5.50/6.34→6.52/6.76→6.93セントに上昇した。両都市間の1オンス当たりの平均価格上昇分の差は、スーパー0.65セント(95%信頼区間[CI]:0.60~0.69)、大型店0.87(0.72~1.02)、薬局1.56(1.50~1.62)で有意差があった(すべてのp<0.001)。 また、両都市とも4週間当たりの加糖飲料の販売量には、すべての形態の店での減少が認められた。フィラデルフィアでは、スーパーで485万→199万オンスに、大型店で298万→172万オンスに、薬局で16万→13万オンスに減少した。ボルティモアではそれぞれ、283万→281万/105万→100万/14万→13万オンスに減少した。両都市間の減少分の差は、スーパーが-285万オンス(95%CI:-410万~-160万、p<0.001)で、ボルティモアと比較しフィラデルフィアのスーパーでは58.7%低下した。同じく、大型店は-120万オンス(-204万~-36万、p=0.001)、40.4%低下、薬局は-2万オンス(-3万~-1万、p<0.001)、12.6%の低下であった。 フィラデルフィアにおける課税飲料の販売総量は、課税導入後に12億6,100万オンス(2016年:24億7,500万→2017年:12億1,400万)、51.0%の低下が認められた。一方で、近隣地域における販売量が3億820万オンス(7億1,310万→10億2,100万)増加していた。これは、フィラデルフィアにおける販売量低下の24.4%を相殺し、フィラデルフィアでの実質販売量低下は38%と考えられた。

19976.

Supraflex対Xienceの比較試験(解説:上田恭敬氏)-1052

 Supraflex stent(Sahajanand Medical Technologies, Surat, India)とXience stent(Abbott Vascular, Santa Clara, CA, USA)を比較した単盲検国際多施設無作為化比較非劣性試験の結果である。Supraflex stentはultrathin struts(60μm)、biodegradable polymer等を特徴とする新世代ステントの1つである。 720症例がSupraflex群に715症例がXience群に割り付けられた。主要評価項目は1年でのcardiac death, target-vessel myocardial infarction, or clinically indicated target lesion revascularisationの複合エンドポイントである。ほとんど除外基準のないall-comerデザインで検討された。 1年での主要評価項目の発生頻度は4.9% vs.5.3%(Supraflex群vs.Xience群)で非劣性が証明された。また、ステント血栓症(definite or probable)にも群間に差を認めなかった。よって、1年までの臨床成績はSupraflex stentとXience stentで同等ということになる。 このような非劣性試験が次々に報告されるが、1年の成績によってその後の長期成績は予測できず、1年の成績には単なる経過報告の価値しかない。容認できないほどの重篤なイベントが有意に多いのでなければ、5〜10年の長期成績が出て初めて、どちらのステントを使うべきかを考える判断材料となりえる。それよりも、画像診断や病理所見から、将来問題となる可能性のある所見が認められないか、といった詳細な検討を行うことが重要であろう。 また、ultrathin strutsを持つステントにおいては、冠動脈内イメージングによって、新生内膜被覆が良好であるというメリットが指摘されているが、IVUSガイドによる至適拡張が大きく結果を向上させることを考慮すると、100%IVUSガイド下にPCIが行われた場合にもそのメリットが有意に予後改善の影響を持つか否かは、今後の検討が必要であろう。

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ニック式英会話【Dr. 中島の 新・徒然草】(273)

二百七十三の段 ニック式英会話ドゥユワミダセラッパミリン?これは YouTube の「ニック式英会話:英語 リスニング 英語 発音:この英語、聴こえますか?(#6)」に出てくる英文です。皆さんは何を言っているか、おわかりになるでしょうか?正解は、Do you want me to set up a meeting?(私がミーティングのセッティングをしましょうか?)だそうです。難しいですね。でも英語を母語とする人たちはこの通りにしゃべっているので、われわれ日本人も受け入れるしかありません。YouTube の「ニック式英会話」は、オーストラリアのシドニー出身のニック・ウイリアムソン氏がほぼ完璧な日本語を使って英語を教える動画で、これまで見た中でも最も面白く、しかもためになるものです。ニック氏が動画の中で何度も言っているのは、子音が2つ並んだら、最初の子音は消える文末の子音は消える子音と母音が並んだら、それらは連結するt は母音が続いても脱落することがあるwant to は「ワナ」と発音するwant me to は「ワミダ」と発音するset up a は「セラッパ」と発音するmeeting の発音は「ミーティング」よりも「ミリン」に近いといったことです。そして、日本人はこのようにしゃべる必要はないけれども、聴き取る必要はあると強調しています。さらに、聴き取るためには、自分でもこのように発音する練習をするのがベストな方法だそうです。結局、日本人もこのような発音を練習するのがいいみたいですね。他の英文発音例を2つほど挙げましょう。解答は最後の1句の後に書いておきます。アイメリムアラパーディ。アイッビーンワニダブレイカッ。わかりますか?「ニック式英会話」は発音だけでなく、文法や会話もわかりやすく役に立つので、読者の皆さんにもお勧めいたします。最後に1句ニック式 聴いてるだけで よくわかる解答:I met him at a party.(私は彼にパーティーで会った)I’ve been wanting to break up.(最近、別れたいなと思っています)

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認知症患者におけるカフェインと精神症状~システマティックレビュー

 カフェイン摂取は、健康成人の行動や睡眠に影響を及ぼすことが知られている。行動症状や睡眠障害に対しカフェイン摂取が影響している可能性のある認知症患者は、多く見受けられる。オランダ・ライデン大学のM. A. Kromhout氏らは、認知症患者におけるカフェイン摂取と精神症状との関連について調査するため、システマティックレビューを行った。Experimental Gerontology誌オンライン版2019年4月30日号の報告。 2019年1月、Medline(PubMed)、Embase、Emcare、Cochrane、PsychInfo、Web of Science、灰色文献より、広範な調査を行った。認知症診断患者を調査し、精神症状の報告があり、カフェインまたはコーヒー摂取による介入を使用し、カフェインまたはコーヒー摂取と精神症状との関連性を検討した研究を抽出した。非認知症患者を含む研究、レビューやエキスパートによる意見を述べた報告は除外した。2人の独立したレビューアーが研究を評価し、評価の合意を行った。 主な結果は以下のとおり。・本レビューの対象となった研究は7件であった。そのうち、睡眠障害についての報告が4件、行動症状についての報告は5件であった。・精神症状に対するカフェイン摂取の影響は、一貫して認められなかった。たとえば、カフェイン摂取の増加と減少のどちらにおいてもアパシーの低下と関連し、コーヒー療法とカフェイン除去のいずれにおいても総Neuropsychiatric Inventory(Nursing Home)の減少が認められた。・また、カフェイン摂取とカフェイン除去のいずれにおいても、睡眠の改善が認められた。 著者らは「これらの知見は、カフェインが認知症患者の精神症状を誘発または軽減することを示唆している。そのため、認知症患者におけるカフェイン摂取では、患者個々への慎重なアプローチが求められる。また、各精神症状に対するカフェインの影響に関して、さらなる研究が必要である」としている。

19980.

ESUSの再発予防、ダビガトランvs.アスピリン/NEJM

 塞栓源不明の脳塞栓症(ESUS)を発症した患者に対し、ダビガトラン投与群はアスピリン投与群との比較において、再発予防効果について優越性は示されなかった。一方で、大出血ではないものの臨床的に重要な出血の発生リスクは、ダビガトラン群が高かった。ドイツ・Duisburg-Essen大学のH.-C. Diener氏らによる、42ヵ国5,390例の患者を対象に行った多施設共同無作為化二重盲検試験の結果で、NEJM誌2019年5月16日号で発表した。脳梗塞の20~30%は原因不明で、その大半がESUSに分類されるという。これらESUS後の再発予防において、先行無作為化試験で、リバーロキサバンの有効性はアスピリンと同程度であることが示されていた。ダビガトランがESUS再発予防に有効であるかは不明であった。42ヵ国564ヵ所を通じて5,390例を対象に無作為化試験 研究グループは2014年12月~2018年1月にかけて、42ヵ国564ヵ所の医療機関を通じて、ESUSを発症した5,390例を対象に試験を開始した。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはダビガトラン(150mgまたは110mg、1日2回、2,695例)を、もう一方にはアスピリン(100mg、1日1回、2,695例)を投与した。 主要アウトカムは、脳梗塞の再発。安全性に関する主要アウトカムは、大出血だった。脳梗塞再発は両群とも7~8% 追跡期間中央値は19ヵ月だった。その間に脳梗塞の再発が認められたのは、ダビガトラン群177例(6.6%、年率4.1%)、アスピリン群207例(7.7%、年率4.8%)で、両群間に有意差はなかった(ハザード比[HR]:0.85、95%信頼区間[CI]:0.69~1.03、p=0.10)。脳梗塞の発症は、ダビガトラン群172例(6.4%、年率4.0%)、アスピリン群203例(7.5%、年率4.7%)だった(HR:0.84、95%CI:0.68~1.03)。 大出血の発生は、ダビガトラン群77例(2.9%、年率1.7%)、アスピリン群64例(2.4%、年率1.4%)だった(HR:1.19、95%CI:0.85~1.66)。 一方で、大出血ではないものの臨床的に重要な出血の発生は、アスピリン群41例(年率0.9%)に対し、ダビガトラン群は70例(年率1.6%)と発生頻度が高かった(HR:1.73、95%CI:1.17~2.54)。

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