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19961.

ドライアイに新規シクロスポリン点眼液が有効

 シクロスポリン(CsA)点眼液CyclASol(0.1%、0.05%含有の2規格)は、中等度~重度ドライアイ(DED)に対し、有効性、安全性ならびに忍容性が良好であることが、米国・Eye Research FoundationのDavid L. Wirta氏らによる第II相臨床試験で示された。角膜および結膜染色による評価でCyclASolと実薬対照を比較したところ、投与開始後2週間という早期で効果が認められ、とくに視覚機能として重要な角膜の中央領域で有効性が顕著であった。著者は、「優れた安全性・忍容性および快適性のプロファイルは、有望なベネフィット・リスク比を有するDED治療薬として、この新しいCsA点眼液を支持するものである」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2019年1月28日号掲載の報告。 研究グループは、CyclASolの有効性および安全性を評価する目的で、多施設共同無作為化試験を行った。 対象は、DED既往患者207例で、2週間の導入期間(SystaneTM Balance点眼液1日2回投与)の後、CyclASol 0.05%群:51例、0.1%群:51例、プラセボ群:52例、実薬対照(RestasisTM:CsA0.05%点眼液)群:53例を1対1対1対1の割合で4つの治療アームに無作為に割り付け、それぞれ1日2回16週間投与した。CyclASolの両濃度群およびプラセボ群は二重盲検、実薬対照群は非盲検であった。 主要評価項目は、角膜フルオレセイン染色、結膜染色、DEDの自覚症状で、VAS(visual analog scale)とOSDI(Ocular Surface Disease Index)で評価した。 主な結果は以下のとおり。・CyclASol群は、プラセボ群および実薬対照群と比較し、角膜および結膜染色時間の改善が治療終了16週まで一貫して認められ、効果発現も14日目と早かった。・混合効果モデルによる解析の結果、CyclASol群の有効性はプラセボ群より有意に優れていた(全角膜染色領域p<0.1、中央角膜染色p<0.001、結膜染色p<0.01)。・自覚症状のパラメータであるOSDIも、CyclASol群で有意に優れていた(p<0.01)。・眼の有害事象件数は、すべての治療群で低かった。

19962.

強迫症合併双極性障害患者に対するアリピプラゾール増強療法に関するシステマティックレビュー

 双極性障害(BD)と強迫症(OCD)は、精神科医療でみられる一般的な併存症状だが、BDとOCD合併患者への治療は依然として臨床的課題となっている。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、OCDの第1選択薬として用いられるが、BDの気分症状に対し不安定化を引き起こす可能性がある。そのため、BDとOCD合併患者に対する最適な治療法は、まだ確立されていない。米国・タフツメディカルセンターのA. Amerio氏らは、BDとOCD合併患者に対するアリピプラゾール増強療法についてシステマティックレビューを行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2019年2月6日号の報告。 各電子データベース(MEDLINE、Embase、PsycINFO、コクランライブラリー)より、2018年8月までの論文を検索した。 主な結果は以下のとおり。・気分安定薬(リチウム、バルプロ酸)へのアリピプラゾール増強療法は、低用量(10~15mg/日)であっても情動性および強迫症状の寛解に対し有意な効果が認められた。・アリピプラゾールは、一般的に安全かつ忍容性が良好であった。・ただし、多くの論文は症例報告であり、主に外来患者を対象としていたため、選択バイアスや限られた集団全体の一般化を来している可能性がある。 著者らは「限られた論文と異質性を考慮したうえで、現在利用可能なエビデンスからの最良の解釈として、BDとOCD合併患者に対する気分安定薬へのアリピプラゾール増強療法は、低用量であっても有効である可能性がある」としている。■関連記事双極性障害と強迫症、併存率が高い患者の特徴治療抵抗性強迫症に対する増強治療に関するメタ解析治療抵抗性強迫症に対するフルボキサミンとメチルフェニデート徐放剤の併用治療

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ICU重症例への心理学的介入、PTSD症状を改善するか/JAMA

 集中治療室(ICU)に入室した重症患者では、看護師主導による予防的な心理学的介入を行っても、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状は軽減しないとの研究結果が、英国・University College London Hospitals NHS Foundation TrustのDorothy M. Wade氏らが行ったPOPPI試験で示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年2月19日号に掲載された。ICU退室後6ヵ月のアウトカムに関するメタ解析では、臨床的に重要なPTSD症状の有病率は25%とされる。ICU入室中の急性ストレスや恐怖体験(幻覚、偏執性妄想、悪夢)の記憶は、PTSD症状などの長期的な心理学的合併症の独立のリスク因子であり、その予防への取り組みは退室後では遅すぎ、ICUで行う必要があるという。外傷でICUに入室した患者では、ICUでの臨床心理士との面談で、PTSD症状の経験が減少するとの報告がある。24のICUが参加したクラスター無作為化試験 本研究は、ICUで開始された看護師主導による複合的な心理学的予防介入が、患者報告による6ヵ月後のPTSD症状の重症度を軽減するかを検討するクラスター無作為化試験である(英国国立健康研究所[NIHR]の助成による)。 英国の24のICUが登録され、介入群または対照群に12施設ずつが無作為に割り付けられた。試験参加者は、年齢18歳以上、ICU入室から48時間以上が経過し、この間にレベル3(intensive)の治療を受け、意思決定能力が回復した重症患者であった。 介入群のICUでは、ベースラインの期間中(1~5ヵ月)に通常治療を行った後、訓練を受けた看護師により高リスク(急性の強いストレス下にある)患者に対し、複合的な心理学的予防介入が実施された。介入は、ICUの治療環境に加え、3つのストレス支援のセッションと、リラクゼーション・リカバリー・プログラムの推進で構成された。対照群のICUでは、ベースライン期および介入期ともに通常治療が行われた。 主要臨床アウトカムは、PTSD症状スケール自己報告(PSS-SR)質問票による、6ヵ月時の生存者のPTSD症状の重症度とした。PSS-SR質問票は、0~51点でスコア化され、点数が高いほど症状の重症度が高い。臨床的に意義のある最小変化量は4.2点とされた。副次アウトカムも、全項目で有意差なし 2015年9月~2017年1月の期間に1,458例(平均年齢58[SD 16]歳、599例[41%]が女性)が登録され、試験を完遂した1,353例(93%)が最終的な解析に含まれた。 主要臨床アウトカムは達成されなかった。介入ICU群のPSS-SR質問票の平均スコアは、ベースライン期が11.8点であったのに対し、介入期は11.5点であった(差:-0.40、95%信頼区間[CI]:-2.46~1.67)。また、対照ICU群ではそれぞれ10.1点、10.2点(0.06、-1.74~1.85)だった。6ヵ月時のPTSD症状の重症度の両群間の差は有意ではなかった(推定治療効果[差分の差分]:-0.03、95%CI:-2.58~2.52、p=0.98)。 副次アウトカムも、2つの短期的アウトカム(30日までの非鎮静での生存日数、ICU入室日数)および4つの6ヵ月時のアウトカム(PSS-SR質問票スコアがその時点およびその後のPTSDを予測する閾値[18点]以上の患者の割合、Hospital Anxiety and Depression Scale[HADS]で評価した不安スコア、HADSによる抑うつスコア、EQ-5D-5Lで評価した健康関連QOL)のすべてにおいて、有意差のある結果は得られなかった。 また、事前に規定されたサブグループ(年齢、性別、重複剥奪指標、せん妄の発現日数、STAI-6で評価した不安、手術の種類など)のいずれにおいても、有意差のある結果は認めなかった。 著者は、有効性が示せなかった原因として、(1)ストレス支援セッション開始のタイミングが早すぎた、(2)3セッションすべてを受けたのは全例ではなかった、(3)ICU看護師は専門家ではないため目的どおりにセッションを行うのが困難だったなどの可能性を挙げている。

19965.

第14回 “若さ”って心電図に表れる?【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第14回:“若さ”って心電図に表れる?本来は、基線にほぼ一致した水平な波形のST部分。ですが、虚血性心疾患をはじめ、さまざまな病態で偏位をきたし、時には健常者でも変化します。このST部分の基本的な見方から正常亜型と見なせるST偏位まで、Dr.ヒロが解説します。症例提示25歳、男性。雇入時の健康診断のため来院。特別な既往や自他覚所見はなし。心電図を以下に示す(図1)。(図1)健康診断時の心電図画像を拡大する【問題1】ST偏位の有無を確認する際、どこを計測するか?また、基準はどこか?解答はこちら[計測点]J点:QRS波の“おわり”(終末部)[基準線]T-Pライン(またはT-QRSライン、Q-Qラインでも可)解説はこちら今回はST部分にフォーカスを当てますよ。スパイク状のQRS波となだらかなT波の“架け橋”に相当するST部分に関して、多くの皆さんが虚血性心疾患との関係を頭に思い浮かべるでしょう。“上がり”も“下がり”も問題となる「ST偏位」ですが、ST変化のイロハの“イ”を理解しておきましょう(図2)。(図2)STレベルの計測法画像を拡大するこの図は、ST部分の「高さ」や「低さ」をどう測るかを示しています。基準はT-Pラインです。これはT波の“おわり”と次心拍のP波の“はじまり”を結ぶ線で、基線と呼ばれます。普通はフラット、横一文字で、心電図界での“海抜0m地点”と考えて下さい。この基線から、QRS波の“おわり”の部分の「高さ」「低さ」を調べます。QRS波の“おわり”はJ点(ST部分がはじまる部分。“Junction”または“Joint”の「J」で、“つなぎ目”みたいな意味)と呼ばれています。このJ点が基線から1mm以上ズレている場合、それは「ST偏位」です。上がっていたら「ST上昇」、下がっていたら「ST低下」というのが基本です。このJ点の「高さ」「低さ」を示す英語表記は“ST amplitude”ですが、これに対応する適切な日本語がないように思います(早く決まるといいな…)。時々「STレベル」という表現がなされるので、ボクもおおむねコレを使用しています。ちなみに、J点はともかく、『P波がなかったり、T波とP波の並び順がおかしい不整脈での基準はどうなの?』という方、いませんか?ナイスですねぇ、その質問。実に鋭い! そういう状況もあるので、T-Pラインではなく、P波のかわりに直後のQRS波の“はじまり”を結ぶT-QRSラインという、より一般的な言い方もあります。このほか「Q-Qライン」という表現も見たことがありますね。これはT波をすっ飛ばして、連続するQRS波の“はじまり”同士を結びます。ST偏位のチェックとして、QRS波の“はじまり”を基準に比べる作法はここに由来するのでしょう。多くの例では基線は「T-P」でも「T-QRS」でも「Q-Q」でも変わりませんが、いろいろな要素で変動があるため、当該QRS波の“はじまり”をベースラインとするやり方で良いと思います。なんだか“はじまり”とか“おわり”がややこしいですが、定義ですので、典型例を頭に思い浮かべて理解しておきましょう。【問題2】心電図(図1)のST部分は正常か議論せよ。解答はこちら「ST上昇」あり(V1~V4[5]誘導)解説はこちらST部分は、ボクの語呂合わせ(第1回)では、“スタ(ート)”の部分でチェックします。Dr.ヒロは、目を“ジグザグ運動”させてST部分を確認しているんです。その様子を別症例の心電図で示しましょう(図3)。(図3)“ジグザグ運動”でSTチェック!(別症例)画像を拡大する左手前の基線(T-Pライン)をにらみながら、肢誘導のJ点を上から下へ、続いて胸部誘導も順にチェックします(赤い網掛けの部分に着目!)。上昇も低下も漏れなく「ST偏位」を指摘するクセをつけるべしです(この場合、II、III、aVF、V4~V6誘導で「ST低下」、V1~V3誘導で「ST上昇」があるように見えますね)。今回の若年男性の健診心電図(図1)も同じく“ジグザグ運動”でチェックしてみると、V1~V4誘導でとても「ST上昇」しているように見えませんか? 次に図1のV1~V3誘導までを抜き出してみました(図4)。(図4)V1~V3誘導を抜粋画像を拡大するV1誘導でも2mm、V2・V3誘導にいたっては、実に2.5~3mmくらいJ点が基線より高位にあります。自動診断では“無視”されていますが、Dr.ヒロ的には、これは指摘すべき所見と考えます。一般的に心電図で「ST上昇」をきたす病態として、「心筋梗塞」や「心膜炎」などが知られています。ただ、さすがに健診で、なーんの自覚症状もない人で想定すべき疾患ではないように思いますよね(まれにそういうケースもいますが)。では、どう考えるべきでしょうか? 実は、右前胸部誘導(V1~V3)では、若年男性のJ点は基線より1mm以上高位に位置するほうが自然なのです。これは耳にしたことがある人も少なくないでしょう。次に、男性における年齢ごとのSTレベルを示した図を見て下さい。縦軸が見慣れない数値になっていますが、100=0.1mV。つまり、われわれの「1mm」に該当します。(図5)健常男性のSTレベル(Glasgowデータベース)画像を拡大するこのグラフより、健常な若年男性では、V1~V4誘導では、“J点・1mm以上”の「ST上昇」があるのが普通で、とくにV2、V3誘導で顕著(2.5~3mm上昇)であることがわかります。これに関係し、「ST上昇」で臨床的に最も重要な病態としては心筋梗塞でしょう。昨年改訂された「心筋梗塞の定義(第4版)1)」においても、V2・V3誘導だけ“特別視”されており、以下を有意なST上昇と見なす(「左室肥大」と「脚ブロック」は除く)と銘記されています。〔男性〕40歳未満:2.5mm 40歳以上:2.0mm〔女性〕年齢を問わず1.5mm*上記はカットオフ値ボクは「V2・V3誘導」に“兄さん”、「2.5mm」には“ニッコリ”の意味を込めて“ニッコリ兄さんは特別”と覚えています。そして“女性はイチゴ”。部位的には、前壁(中隔)のST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)を診断する時に問題となるんです。もちろん、急性冠症候群(ACS)、STEMIの診断の場合は、心電図だけで安易に否定せず、過去心電図との比較や胸部症状、心筋バイオマーカー(心筋トロポニンなど)や心エコーなど、ほかの所見も総合して考えて下さいね。この男性の場合、“ニッコリ兄さん”の厳しめ基準でも引っかかるわけですから、V1~V4、エイッ、もう一声でV5誘導までの「ST上昇」は所見として指摘したほうが良いでしょう。ただ、若年で何の症状もなく、V2~V4誘導のツンッととがったT波と一緒に見られる「ST上昇」の大半は非特異的変化で病的意義は少ないことが多いです。ST部分がピーンとT波に“引っ張られて”上昇した心電図を眺めると、『若いなぁ~』と愚痴にも似て叫んでしまいます(笑)。ただし、何度も繰り返しますが、皆さんには、“異常”と感じたらとにかく所見として“指摘”して、その“意義”は後から議論するというスタンスをとって欲しいと思います。さすればホンモノ(STEMI)を見逃すこともないでしょう。今回は、猛々しい“若さ”をそのまま波形にしたような、若年男性のST上昇について扱いました。基本的な確認法と共に、よく復習しましょう。少々年をとり、日々の疲れもたまった自分のSTレベルは、今どんなもんだろう…と、つい考えてしまうDr.ヒロなのでした。Take-home Message計測点と基準線を意識して漏れなくST偏位(上昇・低下)を指摘しよう中年までの男性で多く見られる“猛々しい”ST上昇(とくにV2・3誘導)は正常亜型なことも多いが、常にSTEMI(前壁)の可能性は否定するな!1):Thygesen K, et al. Circulation. 2018;138:e618-651.【古都のこと~吉田神社の節分祭~】京都で節分といえば吉田神社。2月2日の夜(前日祭)、京都大学にほど近い吉田山に足を運びました。本宮は859年(貞観元年)建立で、節分祭も室町時代からの伝統行事。そして、所狭しと軒を連ねる屋台のお酒でほろ酔い気分になりながら、厄除けのくちなし色*の御札(期間限定)と豆をいただけたら縁起良しかな。ただし、驚くほどの人に紛れて、けがをしないように気を配ることも大事でしょう。

19966.

第28回 “かんぽう薬はりょうじ君”で誤投薬を防ごう【週刊・川添ラヂオ】

動画解説施設での配薬ミス防止のため、薬の確認は3回行うべきとされています。最初は配薬BOXから薬を出すとき、次に患者さんの近くに行ったとき、そして口に入れるときです。高齢者が多い施設では、名前のついた車いすが入れ替わっていたり、他人の靴を履いてしまっていたり、隣の席の薬を奪ったりとさまざまなシーンで注意が必要です。”かんぽう薬はりょうじ君”を合言葉にチェックを徹底しましょう!

19967.

“医療者ではできない”がん患者支援…がん経験者コミュニティ「5years」【Oncologyインタビュー】第3回

従来の患者会とは異なるがん患者とサバイバーのコミュニティサイト「5years」が医療者の間で話題だ。5yearsはどのようなコンセプトでどのような活動をしているのか。代表の大久保 淳一氏に聞いた。精巣腫瘍最終ステージからの復帰、5yearsの設立大久保氏は42歳で精巣腫瘍と診断された。診断時はすでに最終ステージのStageIIIで、首、腹、肺まで転移していた。2回目の手術*で後腹膜リンパ節郭清を受けたが、抗がん剤治療中に合併した間質性肺炎が急性増悪し、呼吸機能の3分の1が消失。医師からは、がんと合わせ5年生存率2割以下、助かっても酸素ボンベの生活と言われていた。しかし、10ヵ月の入院で奇跡的に一命を取り留める。8ヵ月後に復職、6年後には100キロマラソンにも復帰。さらにその2年後、闘病前の記録を更新して完走。社会を勇気づける話題として新聞、TVなどのメディアに取り上げられる。5yearsトップページメディアで取り上げられたこともあり、医師からがん患者への面会を要望される。定期診療の際、病棟を訪問してみると、以前の自分と同じ状況の方がたくさんいた。励ましの言葉をかけるものの、それ以上何もできない。復職していた大久保氏は会社で仕事している間も、命と向き合っている人がたくさんいることに葛藤を感じた。「生かされた意味があるのではないか」と真剣に考えた。そして、事業として社会に貢献したいという思いから、2014年に50歳で退職し5yearsを立ち上げた。*非セミノーマ精巣腫瘍では、化学療法後に腫瘍マーカーが正常な範囲に戻った段階において、大動脈周囲の後腹膜リンパ節を切除する手術を追加する。病気を乗り越えた先人の有益な情報を提供し、患者・家族が抱える問題を解決5yearsは現在webサイトを主体に活動。設立時から順調に登録者を増やし、2019年1月現在6,500人に達している。5yearsの取り組みは2つ、どちらも大久保氏が闘病時に欲しかったものだ。1つは“元気になった患者の情報”、もう1つは“(先にがんになった人たちに)相談に乗ってもらえる仕組み”である。まざまな治療修了者、治療中の患者の情報が掲載される“元気になった患者の情報”はわが国ではほとんど入手できない。大久保氏自身「闘病時は本当に欲しかった情報」だと言う。5yearsのトップページから「全登録者」のリンクをクリックすると、1,200人を超える(2019年2月時点)治療終了者や治療中の患者の一覧が見られる。そこには、それぞれの患者が、どんながんで、どういう治療やリハビリを受け、現在どのように過ごしているのか、といった詳細なプロフィール情報が紹介されている。自分と同じ病気をした人が、その後どのように生活しているのか、どこまで社会復帰しているのか。読んでいるだけでも、患者は勇気づけられるという。また、姉妹サイト「ミリオンズライフ」では、5yearsに登録されているがん経験者を大久保氏自身が取材し、がん闘病記を配信している。もう一つの“相談に乗ってもらえる仕組み”として、SNS「みんなの広場」とTV電話を使ったサポートサービス「経験つなぎ隊」を行っている。SNS「みんなの広場」がん患者・家族はさまざまな悩みや不安を抱えている。それを物語るように「みんなの広場」の相談・質問回数は2,600件を超える。患者や家族からの質問が掲載されると、経験者が一斉に教えてくれる。たとえば、主治医から胃全摘を勧められるものの、その後の生活が不安な患者に対しては、「全摘後も食事がおいしく取れている」「割合早く食べられるようになった」など相談者が聞きたい情報が即座に集まる。「経験つなぎ隊」は、相談を希望する患者と、全国の体験者をTV電話でつなぐ座談会だ。不安や悩みを抱える患者と同じ状況を経験した会員の双方をTV電話でつなぐ。治療選択は患者の時代といわれるが、そう簡単に決め切れるものではない。経験者たちの話を聞くことで勇気づけられ、社会復帰の後押しになることも多いという。また、最近はネットだけなくリアルな活動も実施している。登録者の要望で2年前からオフ会を都内と大阪で実施している。5yearsはプロフィール情報から共感する人やロールモデルを見つけられることもあり、「この人に会いたい」と全国から会場に集まってくる。コミュニケーションによる癒しとともに、「ロールモデルに会うことで社会復帰にもプラスになる可能性もある」と大久保氏は言う。「治療の話」は慎重に扱うみんなの広場には、さまざまな質問が来るが、すべてが掲載されるわけではない。投稿はすべて5years事務局が定款に照らして審査し、問題ないもののみ掲載される。病気と治療に関する質問は一切受け付けない。「素人が治療の話を出すのは罪深い。それは資格のある医療者のやること」と大久保氏。寄せられる投稿は生活情報が主だ。医療者が伝えられないことを伝える仕組み「われわれは患者に寄り添っているつもりだが、まだ患者は孤独なのか」と大久保氏は医療者から言われることがあるという。確かに医療者の丁寧な説明は重要である。しかし、それだけでなく、患者は、自分の身体に抗がん剤を入れた人、胃を切った人、同じ状況を経験している人たちの話を聞きたいと大久保氏は述べる。どんなに問題ないと思っていても医療者は、「大丈夫」という言葉は使いにくい。5yearsのSNSには「大丈夫」という言葉がたくさん出てくる。患者あるいは経験者だから言える言葉であろう。5yearsを知った医療者は「自分たちが伝えられないことを伝えてくれている」と言う。目指すは社会変革5years代表 大久保淳一氏寄付にだけ頼るのは継続性・発展性がない。大久保氏は5yearsを、社会貢献活動から事業収益を得て、その事業収益からまた活動を続けていく、日本最大の患者支援団体にしたいという。たとえば、臨床試験事業への参入だ。わが国の臨床試験の患者リクルーティングはとても厳しい状況で、50名の患者を集めるのに大変な苦労をする。患者は臨床試験情報が欲しいし、製薬会社や医師は適合患者が欲しいが、フィルターがあってマッチングできない。膨大かつ詳細な患者データがあり、かつ連絡が取れる団体なら、もっと効率的に臨床試験ができる可能性がある。大久保氏は10万人規模で患者を集めたいという。それ以降は他の疾患に広げようと思っているという。がん以外の疾患でも自分と同じ病気をしている人とつながりたいという要望は非常に強いそうだ。患者は常に不安を抱えている。わらにもすがる思いで、不適切な情報を入手し、不幸な方向に進むこともまれではない。5yearsは、適切な情報配信と患者が本当に求める癒しと希望を提供している場だ。医療者から患者・家族に紹介するには最高のコミュニティサイトだといえよう。1)日本最大級のがん経験者コミュニティ「5years」2)5yearsファンドレイジング3)がん患者100万人のための生活情報メディア「ミリオンズライフ」

19968.

人生を支配するホルモンとは

 『できる男』と言われて何を思い浮かべるだろうか?年収、地位や名誉、そして女性にモテること…。これらをすべてクリアするには何がカギなのだろうか。2019年2月18日、日本抗加齢医学会が主催するメディアセミナーに、井手 久満氏(獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科准教授)が登壇し、「男性のための理想的なライフスタイル」について講演した。テストステロン値の高い男はなぜ成功するのか 井手氏によると、『できる男』の象徴は、冒頭でも述べた事柄のほか、「スポーツ万能」、「性機能が強い」、「健康寿命が長い」などであり、これらに共通するのがテストステロン値の高さだという。証券会社に勤務するイギリス人男性の年収を比較した研究によると、テストステロンが高い男性の年収は、低い男性と比較して3~5倍も多いことが明らかになった。また、テストステロン量は骨格でも判定が可能で、人指し指より薬指の長い男性で高値ということが、さまざまな人種のデータによって確証を得ている。 テストステロンは、造血作用や男性ホルモンを合成しているとされる海馬での認知機能制御など、多くの作用が報告されている。しかし、個人差や日内変動がとても大きく、ストレスや飲酒などにも左右される物質である。たとえば、恋愛過程でも、デートから真剣交際、婚約から結婚に至る過程で徐々に分泌が減少し、子供が生まれ、添い寝をするなどでも低下することが立証されている。メタボリックシンドロームとテストステロンの低下 近年、男性の更年期が取り沙汰されるようになり、うつとの関連が理解されるようになった。さらには、糖尿病をはじめとするメタボリックシンドロームや心筋梗塞にも影響を及ぼすことが徐々に明らかになってきている。 そこで、同氏は健康な中年男性のメタボリック因子と心血管疾患・心不全との関連について解説。メタボリック因子が多く、テストステロンが低下している症例にテストステロン補充療法を行った症例の体重、HbA1c、収縮期血圧などのデータを示した。「テストステロンの補充によって、それぞれが体重や腹囲の減少、血圧やHbA1cが有意に改善した。さらに骨密度や排尿状態の改善にも効果がある」とする一方で、「補充による有害事象として、多血症、睡眠時無呼吸症候群、肝障害、不妊症などが挙げられるので注意が必要」と、コメントした。アプリを活用した対策 テストステロンの管理にはメタボリックシンドローム予防が重要であることから、医療機関を介した食管理システム(ヘルスログ)の開発が進められている。患者には、活動量をチェックするためのUP2(ブレスレット型装置)を身に付けてもらい、日々の食事記録をスマートフォンで記録。写真から摂取カロリーが計算される。将来的にはLINEを活用することで、共有した情報を基に管理栄養士から食事アドバイスも受けられるようになるという。 このような背景を踏まえ、まずは、「自身によってテストステロンを低下させるリスク因子(喫煙や肥満)を理解し、リスク因子を排除することが大切である」と、同氏は締めくくった。(ケアネット 土井 舞子)■参考日本抗加齢医学会■関連記事うつ病や身体活動と精液の質との関連テストステロンの補充は動脈硬化を進展させるか/JAMA

19969.

NSCLCの4ドライバー遺伝子を同時診断、オンコマインに追加承認

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)の一次治療の選択において、これまで多くの検査時間と検体量を用いながら1つずつ診断してきた複数のドライバー遺伝子を、一度の解析で同時診断することが可能になる。サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ(グループ本社:東京都港区、代表:室田 博夫)は2月26日、次世代シーケンシング(NGS)技術を用いた遺伝子診断システム「オンコマイン Dx Target Test CDxシステム」の対象を、NSCLCの4ドライバー遺伝子に拡大し、8種類の分子標的薬治療の適応判定を可能とする一部変更承認を厚生労働省より取得したことを発表した。 同システムはBRAF遺伝子変異を有するNSCLCに対する、ダブラフェニブ・トラメチニブ併用療法のコンパニオン診断薬として承認(2018年4月)・保険償還(同12月)されている。今回の一部変更承認の取得で、BRAF遺伝子変異(V600E)に加え、EGFRエクソン19欠失変異およびEGFRエクソン21 L858R変異、ALK融合遺伝子、ROS1融合遺伝子の検出が可能となり、コンパニオン診断システムとして下記の分子標的薬における治療適応の判定ができるようになる。EGFR遺伝子変異:ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブALK融合遺伝子:アレクチニブ、クリゾチニブROS1融合遺伝子:クリゾチニブBRAF遺伝子変異:ダブラフェニブ+トラメチニブ併用(2018年承認済) 今回、同システムの臨床性能評価はLC-SCRUM-Japanに蓄積された検体、遺伝子解析データを活用して行われ、これまでの1遺伝子1検査の検査法と同等の検出性能を有することが確認されている。今後はマルチ遺伝子診断法として、保険償還が検討される予定。 なお、今回の承認に伴い、「オンコマイン Dx Target Test CDxシステム」に製品名が一部変更されている。■参考サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループプレスリリース国立がん研究センタープレスリリース■関連記事ダブラフェニブ・トラメチニブ併用、BRAF変異肺がんに国内承認分子標的治療薬の新たな薬剤耐性メカニズム発見/LC-SCRUM-Japan

19970.

燃え尽き症候群と妄想的観念との関連

 これまで、燃え尽き症候群と妄想的観念との関連が疑われていた。しかし、この関連についてのシステマティックな研究は、ほとんど行われていなかった。スイス・ヌーシャテル大学のR. Bianchi氏らは、燃え尽き症候群およびそれに伴ううつ病と妄想的観念との関連を調査した。Occupational Medicine誌2019年2月7日号の報告。 スイス人教師218人(女性の割合:58%、平均年齢:47歳)が本研究に参加した。燃え尽き症候群の評価には、Maslach Burnout Inventory-Educators Surveyの情緒的消耗感(emotional exhaustion:EE)および脱人格化(depersonalization:DP)サブスケールを用い、うつ症状はPHQ-9、妄想的観念はGreen et al. Paranoid Thought Scaleを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・燃え尽き症候群、うつ病、それらの属性は、妄想的観念と正の相関が認められた(0.42~0.55)。・燃え尽き症候群、うつ病、妄想的観念が密接に関連していることが明らかとなった。・低レベルの燃え尽き症候群、うつ病では、妄想的観念は低く、高レベルの燃え尽き症候群、うつ病は、妄想的観念が高かった。・測定誤差を補正した場合、EEとうつ病およびDPとの相関係数は、それぞれ0.96、0.57であった。・主成分分析より、EEとうつ病は分類不能であることが確認された。 著者らは「燃え尽き症候群は、妄想的観念と関連していることが示唆された。興味深いことに、EEには、DPとの相関と同じぐらい強い妄想的観念との関連が認められた。さらに、燃え尽き症候群が、うつ病ではなくEEおよびDP症候群である場合には、EEとうつ病との相関係数は1に近くなるべきではなく、EEとうつ病との相関は、DPより強くなるべきではない。構成概念の独自性および症候群の統一性に関するこれらの基本的な要件は、満たされていなかった」としている。■関連記事仕事のストレスとベンゾジアゼピン長期使用リスクとの関連職業レベルの高さとうつ病治療への反応率との関係職場ストレイン、うつ病発症と本当に関連しているのか

19971.

新規抗体薬物複合体、難治性の転移TNBCに有効/NEJM

 開発中のsacituzumab govitecan-hziyは、2レジメン以上の前治療歴のある転移性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者の3分の1に客観的奏効をもたらし、奏効期間中央値は7ヵ月以上に及ぶことが、米国・マサチューセッツ総合病院のAditya Bardia氏らが実施した第I/II相試験(IMMU-132-01試験)で示された。研究の詳細は、NEJM誌2019年2月21日号に掲載された。前治療歴のあるTNBC患者では、標準化学療法は奏効率が低く、無増悪生存(PFS)期間が短いことが知られている。本薬は、ヒト栄養膜細胞表面抗原2(Trop-2)を標的とするヒト化モノクローナル抗体に、トポイソメラーゼI阻害薬イリノテカンの活性代謝産物であるSN-38を、切断可能なリンカーで結合させた抗体薬物複合体であり、腫瘍に高濃度のSN-38を送達できるという。複数治療歴のある患者のバスケットデザインによる単群試験 研究グループは、TNBCを含む、転移病変を有する既治療の種々の固形がん患者を対象としたバスケットデザインのもとで、sacituzumab govitecan-hziyの多施設共同非盲検単群試験を進めている(Immunomedics社の助成による)。転移性TNBCについては、すでに69例の結果が報告されている。また、2016年、本薬は、米国食品医薬品局(FDA)により、2レジメン以上の前治療を受けた転移性TNBC患者の「画期的治療」に指定された。 本研究では、2レジメン以上の前治療歴のある進行性上皮がん患者が、21日を1サイクルとして1日目と8日目に、sacituzumab govitecan-hziy(10mg/kg体重)の静脈内投与を受けた。治療は、病勢進行または忍容できない毒性が発現するまで継続された。 エンドポイントは安全性、RECIST ver. 1.1に準拠して各施設で評価した客観的奏効率(完全奏効[CR]+部分奏効[PR])、奏効期間、臨床的有用率(CR+PR+6ヵ月以上持続する安定[SD]の割合)、PFS期間、全生存(OS)期間などとした。事後解析として、奏効率と奏効期間について、盲検下に独立中央判定での評価を行った。主な有害事象は骨髄・消化器毒性、PFS期間5.5、OS期間13.0ヵ月 2013年6月~2017年2月の期間に108例が登録された。ベースラインの年齢中央値は55歳(範囲:31~80)、男性が1例含まれた。全身状態(PS)は0が28.7%、1が71.3%で、前治療レジメン数中央値は3(2~10)だった。98.1%にタキサン系薬剤、86.1%にアンスラサイクリン系薬剤の投与歴があった。フォローアップ期間中央値は9.7ヵ月。 治療期間中央値5.1ヵ月(範囲:0.03~36.1)の間に、平均18.7回(1~102)、平均9.6サイクル(1~51)の治療が行われた。頻度の高い有害事象として、悪心(67%)、好中球減少(64%)、下痢(62%)、疲労/無力症(55%)、貧血(50%)、嘔吐(49%)などが認められた。 Grade3、4の有害事象は、好中球減少がそれぞれ26%、16%、貧血が11%、0%、白血球数の減少が8%、3%にみられた。発熱性好中球減少は10例(9.3%)に発現し、このうちGrade3が7例(6%)、Grade4は2例(2%)であった。重篤な有害事象は35例(32%)で報告され、発熱性好中球減少、嘔吐、悪心、下痢、呼吸困難の頻度が高かった。 治療期間中に4例が死亡した。3例(2.8%)が有害事象により治療を中止し、このうち2例は治療薬関連イベントによる中止であった。 奏効率は33.3%(36/108例、CR:3例、PR:33例)であり、臨床的有用率は45.4%(49/108例)であった。奏効例36例の奏効までの期間中央値は2.0ヵ月(範囲:1.6~13.5)、奏効期間中央値は7.7ヵ月(95%信頼区間[CI]:4.9~10.8)であった。独立中央判定では、奏効率が34.3%、奏効期間は9.1ヵ月と、各施設判定とほぼ同様であった。 PFS期間中央値は5.5ヵ月、6および12ヵ月時のPFS率はそれぞれ41.9%、15.1%であった。また、OS期間中央値は13.0ヵ月、6および12ヵ月時のOS率はそれぞれ78.5%、51.3%だった。 著者は、「タキサン系、アンスラサイクリン系薬剤の治療歴のある患者にも有効であったことから、前治療の細胞傷害性化学療法薬との交差耐性はないと示唆される」とし、「治療期間中央値(5.1ヵ月)は直前の抗がん剤治療(2.5ヵ月)よりも長く、これは治療困難な転移性TNBC患者における臨床活性に関して、さらなるエビデンスをもたらすものである」と指摘している。

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C型肝炎へのDAA、実臨床での有効性を前向き調査/Lancet

 直接作用型抗ウイルス薬(DAA)は、慢性C型肝炎ウイルス(HCV)感染患者の治療に広範に使用されてきたが、その実臨床における有効性の報告は十分でなく、投与例と非投与例を比較した調査はほとんどないという。今回、フランス・ソルボンヌ大学のFabrice Carrat氏らの前向き調査(French ANRS CO22 Hepather cohort研究)により、DAAは慢性C型肝炎による死亡および肝細胞がんのリスクを低減することが確認された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2019年2月11日号に掲載された。ウイルス蛋白を標的とするDAA(NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬、NS5Bポリメラーゼ阻害薬、NS5A複製複合体阻害薬)の2剤または3剤併用療法は、HCV感染に対し汎遺伝子型の有効性を示し、95%を超える持続的ウイルス陰性化(SVR)を達成している。DAAの有無でアウトカムを比較するフランスの前向きコホート研究 研究グループは、DAA治療を受けた患者と受けていない患者で、死亡、肝細胞がん、非代償性肝硬変の発生率を比較するコホート研究を実施した(INSERM-ANRS[France Recherche Nord & Sud Sida-HIV Hepatites]などの助成による)。 フランスの32の肝臓病専門施設で、HCV感染成人患者を前向きに登録した。慢性B型肝炎患者、非代償性肝硬変・肝細胞がん・肝移植の既往歴のある患者、第1世代プロテアーゼ阻害薬の有無にかかわらずインターフェロン-リバビリン治療を受けた患者は除外された。 試験の主要アウトカムは、全死因死亡、肝細胞がん、非代償性肝硬変の発生の複合とした。時間依存型Cox比例ハザードモデルを用いて、DAAとこれらアウトカムの関連を定量化した。 2012年8月~2015年12月の期間に、1万166例が登録された。このうちフォローアップ情報が得られた9,895例(97%)が解析に含まれた。全体の年齢中央値は56.0歳(IQR:50.0~64.0)で、53%が男性であった。補正前は高リスク、多変量で補正後は有意にリスク低下 フォローアップ期間中に7,344例がDAA治療を開始し、これらの患者のフォローアップ期間中央値(未治療+治療期間)は33.4ヵ月(IQR:24.0~40.7)であった。2,551例は、最終受診時にもDAA治療を受けておらず、フォローアップ期間中央値は31.2ヵ月(IQR:21.5~41.0)だった。 DAA治療群は非治療群に比べ、年齢が高く、男性が多く、BMIが高値で、過量アルコール摂取歴のある患者が多かった。また、DAA治療群は、肝疾患や他の併存疾患の重症度が高かった。さらに、DAA治療群は、HCV感染の診断後の期間が長く、肝硬変への罹患、HCV治療中、ゲノタイプ3型の患者が多かった。 試験期間中に218例(DAA治療群:129例、DAA非治療群:89例)が死亡し、このうち73例(48例、25例)が肝臓関連死、114例(61例、53例)は非肝臓関連死で、31例(20例、11例)は分類不能であった。258例(187例、71例)が肝細胞がん、106例(74例、32例)が非代償性肝硬変を発症した。25例が肝移植を受けた。 未補正では、DAA治療群のほうが非治療群に比べ、肝細胞がん(未補正ハザード比[HR]:2.77、95%信頼区間[CI]:2.07~3.71、p<0.0001)および非代償性肝硬変(3.83、2.29~6.42、p<0.0001)のリスクが有意に高かった。 これに対し、年齢、性別、BMI、地理的発生源、感染経路、肝線維化スコア(fibrosis score)、HCV未治療、HCVゲノタイプ、アルコール摂取、糖尿病、動脈性高血圧、生物学的変量(アルブミン、AST、ALT、ヘモグロビン、プロトロンビン時間、血小板数、α-フェトプロテイン)、肝硬変患者の末期肝疾患モデル(MELD)スコアで補正したところ、DAA治療群では非治療群と比較して、全死因死亡(補正後HR:0.48、95%CI:0.33~0.70、p=0.0001)および肝細胞がん(0.66、0.46~0.93、p=0.018)のリスクが有意に低下し、未補正での非代償性肝硬変のリスクの有意差は消失した(1.14、0.57~2.27、p=0.72)。 また、全死因死亡のうち、肝臓関連死(0.39、0.21~0.71、p=0.0020)と非肝臓関連死(0.60、0.36~1.00、p=0.048)のリスクは、いずれもDAA治療群で有意に低かった。 著者は、「DAA治療は、あらゆるC型肝炎患者において考慮すべきである」と結論し、「今回の結果は、重症度の低い患者へフォローアップの対象を拡大し、DAAの長期的な臨床効果の評価を行うことを支持するものである」としている。

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パルクール外傷の臨床的特徴【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第134回

パルクール外傷の臨床的特徴 いらすとやより使用 パルクールというスポーツをご存じでしょうか。特別な道具を用いずに、街中を走り回ったり障害物を乗り越えたりするスポーツです。海外では一部社会問題になっている地域もあるようです。いきなり街中でやられたら迷惑極まりないですよね。 Rossheim ME, et al.Parkour injuries presenting to United States emergency departments, 2009-2015.Am J Emerg Med. 2017;35:1503-1505.この研究は、パルクールによる外傷で救急部を受診した米国の患者を、あるサーベイランスシステムを用いて検索した結果を記したものです。ほとんどのパルクール外傷は、着地あるいは衝突による外傷でした。骨折、捻挫、挫創、裂創などさまざまな外傷がみられました。受診した患者の半数以上(57.7%)は四肢に外傷を起こしていたことがわかりました。このサーベイランスシステムでは過去7年間のデータが検証されたのですが、年を経るごとに患者数は増えていったそうです。最近テレビでもパルクールを取り上げることが増えていますし、世界的にブームになっています。この論文では、わずか8歳の少年がパルクール外傷で受診したことを例に挙げ、このスポーツの危険性について警鐘を鳴らしています。ルールがあって、誰にも迷惑が掛からなければいいと思うのですが、いきなり街中に飛び出してケガをするようなことはあってほしくないですね。なお、パルクール中に脊髄損傷を起こして一生を棒に振りかねない傷害を負った24歳の男性の症例報告もあります1)。ビルの屋上を行き来しているパルクールプレイヤーもいるので、ホントにやめてほしいところ。1)Drakhshan N, et al. Chin J Traumatol. 2014;17:178-179.

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Z薬の濫用や依存~欧州医薬品庁データ調査

 元来、zaleplon、ゾルピデム、ゾピクロンなどのZ薬は、依存性薬物であるベンゾジアゼピンの安全な代替薬として市販されいていたが、Z薬の濫用、依存、離脱などの可能性に関する臨床的懸念の報告が増加している。英国・ハートフォードシャー大学のFabrizio Schifano氏らは、EudraVigilance(EV)システムを用いて欧州医薬品庁(EMA)より提供された薬物有害反応(ADR)のデータセットを分析し、これらの問題点について評価を行った。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2019年2月5日号の報告。 各Z薬のADRデータを分析し、症例の記述統計分析を行い、Proportional Reporting Ratio(PRR)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・Z薬を使用した患者6,246例に対応する、誤用、濫用、依存、離脱に関連するADRは全体で3万3,240件(ゾルピデム:2万3,420件、ゾピクロン:9,283件、zaleplon:537件)だった。・人口統計学的特徴および併用薬、用量、投与経路、治療転帰などの臨床データ、死亡者数の記録を含む症例データを記録した。・PRR値を考慮した際、ゾルピデムは、ゾピクロンと比較し、誤用または濫用と離脱との関連が認められた。・ゾルピデムとゾピクロンの依存リスクは同程度であったが、ゾピクロンは、過剰摂取のADRに対する関連が最も高かった。・ゾピクロンは、zaleplonと比較し、高い依存リスクと過剰摂取による問題が認められたが、誤用もしくは濫用と離脱のPRR値については、わずかに低かった。 著者らは「現在のデータは、Z薬誤用の発生率を実際よりも過小評価している可能性がある。Z薬を処方する場合には、とくに精神疾患患者や楽物乱用歴を有する患者では注意が必要である。処方薬の誤用に関して、高精度かつ速やかに検出し、理解、予防を促すために、積極的なファーマコビジランス活動が求められる」としている。■関連記事ベンゾジアゼピンの使用と濫用~米国調査ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は高齢者へのZ薬と転倒・骨折リスクに関するメタ解析

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がんマネジメントに有用な栄養療法とは?

 2019年2月14、15日の2日間にわたり、第34回日本静脈経腸栄養学会学術集会が開催された。1日目のシンポジウム3「がんと栄養療法の実際-エビデンス?日常診療?」(司会:比企 直樹氏、鍋谷 圭宏氏)では、岡本 浩一氏(金沢大学消化器・腫瘍・再生外科)が「食道がん化学療法におけるCAWLと有害事象対策としての栄養支持療法」について講演。自施設での食道がん化学療法におけるがん関連体重減少(CAWL)・治療関連サルコペニア対策としての栄養支持療法について報告した。がん患者、体重減少の2つの理由 がん患者における体重減少の原因は主に2つに分類することができる。まず、がん誘発性体重減少(CIWL)。これは、がん細胞から分泌される炎症性サイトカイン(IL-1、IL-6、TNF-α)やホルモンによる代謝異常、タンパク質分解誘導因子(PIF)の増加が影響しているため、従来管理での改善や維持は、現段階でエビデンスが乏しい。一方、もう1つのCAWLは、消化管の狭窄や閉塞による通過障害、がん治療の有害事象(AE)に起因する体重減少のため、「タンパク質やエネルギーの補給、AE対策によって改善が可能」と岡本氏は述べた。化学療法前にサルコペニアを意識する 抗がん剤の投与量決定に重要となる体表面積を求めるには、体重が必要となる。「この時に筋肉量まで考慮しないと、AE発現率に影響が生じる恐れがある」と同氏はコメント。実際、筋肉量が少ない患者における化学療法では、AEが高率に発現するとの報告*もあり、この事象が原因でサルコペニアの増悪にまで発展してしまうのである。これは、抗がん剤治療によって小腸などの消化管でグルタミン消費量が増加すると、骨格筋分解によってグルタミンが消費され、筋タンパク分解・筋萎縮亢進に至るためである。よって、筋肉量の少ない患者では、「AE発現リスクが高くなるため、治療開始前に患者のサルコペニア有無を認識しておく必要がある」と、同氏は語った。 同氏らの施設では、食道がん患者の化学療法マネジメントとして、栄養バンドル療法(Oral cryotherapy、予防的G-CSF投与、Pharmaconutritionの概念に基づいた栄養補助)を実施し、対策に取り組んでいる。サルコペニアへの対応が長期予後に影響 同氏の施設では食道がん術前・導入化学療法として、2008年よりcStage II以上のSCCに対してFP療法(Day1:CDDP 80mg/m2、Day1~5:5-FU 800mg/m2)を、2012年よりcStage III以上のSCCに対してDCF療法(Day1:DTX 60mg/m2、CDDP 60mg/m2、Day1~5:5-FU 800mg/m2)を実施している。 これらの治療を施行した食道がん患者176例を対象とし、栄養バンドル療法に含まれる栄養剤の有用性を検討するために、2011年3月~2018年7月の期間、HMB・アルギニン・グルタミン配合飲料(以下、配合飲料)非投与群(76例)と配合飲料投与群(100例)に割り付け、後ろ向き研究を実施。方法は2012年5月以降、化学療法開始7日以上前より1日2包を経口もしくは経管投与とし、評価項目はAE発生率、重症度、腸腰筋面積、栄養学的指標の変化とした。その結果、DCF療法を行った配合飲料非投与群(15例)vs.配合飲料投与群(81例)で、総合効果判定PR以上:20% vs.54.3%(p=0.023)、腫瘍縮小割合:-11% vs.29.4%(p=0.065)と改善。同氏は「有意差はつかなかったものの、AEの軽減と奏効率の向上が望める」とし、腸腰筋面積の減少を有意に抑制(-5.2% vs.2.8%、p<0.001)したことを踏まえ、「サルコペニアの予防・治療の介入に有用であった」とコメントした。 また、3年生存率は26.7% vs.46.7%(p=0.098)と、サルコペニア対策が長期予後にも密接に関連していることが裏付けられる結果となった。 化学療法時の栄養バンドル療法導入を振り返り、同氏は「サルコペニアと体重減少の改善を図りながら、化学療法をより安全に行うことが可能となった。この方法によりCAWLやサルコペニアのみならず、QOL、さらなる奏効率向上も期待できる」と締めくくった。

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糖尿病・脂肪性肝炎の新たな発症機序の解明~国立国際医療研究センター

 肝臓での代謝は絶食時と摂食時で大きく変化するが、その生理的意義や調節機構、またその破綻がどのように種々の疾患の病態形成に寄与するのか、これまで十分解明されていなかった。今回、東京大学大学院医学系研究科分子糖尿病科学講座 特任助教 笹子 敬洋氏、同糖尿病・生活習慣病予防講座 特任教授 門脇 孝氏、国立国際医療研究センター研究所糖尿病研究センター センター長 植木 浩二郎氏らのグループは、絶食・摂食で大きく変化する肝臓での小胞体ストレスとそれに対する応答に注目し、食事で発現誘導されるSdf2l1(stromal cell-derived factor 2 like 1)の発現低下が、糖尿病や脂肪性肝炎の発症や進行に関わることを明らかにした。2月27日、国立国際医療研究センターが発表した。Nature Communications誌に掲載予定。 同グループはまず、マウスの実験で、摂食によって肝臓で小胞体ストレスが一時的に惹起されることを見いだした。また、複数の小胞体ストレス関連遺伝子の中でも、とくにSdf2l1遺伝子の発現が大きく上昇していた。Sdf2l1は小胞体ストレスに応答して転写レベルで誘導を受けるが、その発現を低下させると小胞体ストレスが過剰となり、インスリン抵抗性や脂肪肝が生じた。また、肥満・糖尿病のモデルマウスでは Sdf2l1の発現誘導が低下していたが、発現を補充するとインスリン抵抗性や脂肪肝が改善した。加えてヒトの糖尿病症例の肝臓において、Sdf2l1の発現誘導の低下がインスリン抵抗性や脂肪性肝炎の病期の進行と相関することが示された。 これらの結果から、摂食に伴う小胞体ストレスに対する適切な応答が重要であるとともに、その応答不全が糖尿病・脂肪性肝炎の原因となることが示された。今後は、Sdf2l1が糖尿病・脂肪性肝炎の治療標的となること、その発現量が良いバイオマーカーとなることが期待されるという。■参考国立国際医療研究センター プレスリリース

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食道内圧ガイド下PPEPは中等~重症ARDSに推奨しない/JAMA

 中等症~重症の急性呼吸促迫症候群(ARDS)患者において、食道内圧ガイド下の呼気終末陽圧(PEEP)は経験的な高PEEPと比較し、死亡および人工呼吸器不要日数に有意差はないことが認められた。米国・コロンビア大学のJeremy R. Beitler氏らが、胸腔内圧の推定値である食道内圧(PES)を指標としたPEEP調整法(PESガイド下PEEP)が、経験的な高PEEP-吸入気酸素濃度(FiO2)法よりも有効であるかを検証する目的で、北米14ヵ所の病院で実施された多施設共同無作為化臨床試験(EPVent-2試験)の結果を報告した。胸腔内圧を相殺するためのPEEP調整は、ARDS患者の肺損傷を軽減し予後を改善する可能性があった。JAMA誌2019年2月18日号掲載の報告。食道内圧ガイド下PEEPと経験的高PEEP/FiO2を中等症~重症ARDS患者200例で比較 研究グループは、2012年10月31日~2017年9月14日に、人工呼吸器を装着している16歳以上の中等症~重症ARDS患者200例(PaO2:FiO2≦200mmHg)を登録し、食道内圧ガイド下PEEP群(102例)と、経験的高PEEP/FiO2群(98例)に無作為化し、2018年7月30日まで追跡した。患者は全例、低1回換気を受けた。 主要評価項目は、死亡と28日間生存人工呼吸器不要日数の複合エンドポイント(ランク化複合スコア)とした。また、事前に定義した副次評価項目として、28日死亡、生存人工呼吸器不要日数、レスキュー治療の必要性などを組み込んだ。食道内圧ガイド下PEEPと経験的高PEEP/FiO2両群で28日時における死亡に有意差なし 登録された200例(平均[±SD]年齢56±16歳、女性46%)が、28日間の追跡調査を完遂した。 主要評価項目である複合エンドポイントは、食道内圧ガイド下PEEPと経験的高PEEP/FiO2両群間で有意差が確認されなかった(食堂内圧ガイド下PEEPでより良好なアウトカムが得られる確率:49.6%、95%信頼区間[CI]:41.7~57.5%、p=0.92)。28日時における死亡は、食道内圧ガイド下PEEP群102例中33例(32.4%)、経験的高PEEP/FiO2群98例中30例(30.6%)で確認された(リスク差:1.7%、95%CI:-11.1~14.6%、p=0.88)。生存者の人工呼吸器不要日数にも有意差はなかった(中央値:22日[四分位範囲:15~24]vs.21日[16.5~24]、中央値の差:0日[95%CI:-1~2]、p=0.85)。食道内圧ガイド下PEEP群で、レスキュー治療を受ける割合が有意に少なかった(3.9%[4/102例]vs.12.2%[12/98例]、リスク差:-8.3%[95%CI:-15.8~-0.8]、p=0.04)。 他の事前に定義した7つの副次評価項目で有意差が確認されたものはなかった。圧外傷を含む有害事象は、食道内圧ガイド下PEEP群6例、経験的高PEEP/FiO2群5例に認められた。 著者は、これらの結果を踏まえ、「ARDSにおいてPESガイド下PEEPは支持されない」とまとめている。

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VTE予防、薬物療法と間欠的空気圧迫法併用のメリットは?/NEJM

 静脈血栓塞栓症(VTE)の薬物予防法を受けている重症患者において、付加的な間欠的空気圧迫法を薬物予防法のみと比較したが、近位下肢深部静脈血栓症の発生は減少しなかった。サウジアラビアのキング・サウド・ビン・アブドゥルアジーズ健康科学大学のYaseen M. Arabi氏らが、重症患者のVTE予防における薬物予防法と間欠的空気圧迫法併用の有効性を検証した、国際多施設共同無作為化比較試験「Pneumatic Compression for Preventing Venous Thromboembolism trial:PREVENT試験)の結果を報告した。VTE予防において、間欠的空気圧迫法と薬物予防法の併用により深部静脈血栓症の発生が減少するかについてはエビデンスが不足していた。NEJM誌オンライン版2019年2月18日号掲載の報告。ICU入室後48時間以内に薬物予防法のみと間欠的空気圧迫法併用を無作為化 PREVENT試験は2014年7月~2018年8月に、サウジアラビア、カナダ、オーストラリアおよびインドの20施設で行われた。 対象は、参加施設の国内基準に基づく成人(14歳以上、16歳以上または18歳以上)の内科的、外科的または外傷性の重症患者計2,003例で、集中治療室(ICU)入室後48時間以内に、未分画/低分子ヘパリンによるVTEの薬物予防法に加えて毎日18時間以上の間欠的空気圧迫法を受ける間欠的空気圧迫法併用群(991例)と、薬物予防法のみの対照群(1,012例)に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、週2回の下肢エコーにより検出された新たな近位下肢深部静脈血栓症の発生で、無作為化後の暦日3日後からICU退室・死亡・完全離床・試験28日目までのいずれか最初に生じるまででとした。薬物予防法のみと間欠的空気圧迫法併用とで、深部静脈血栓症の発生に有意差なし 間欠的空気圧迫法の使用時間中央値は22時間/日(四分位範囲:21~23時間/日)、使用期間中央値は7日間(同:4~13日)であった。 主要評価項目の発生は、間欠的空気圧迫群957例中37例(3.9%)、対照群985例中41例(4.2%)であった(相対リスク:0.93、95%信頼区間[CI]:0.60~1.44、p=0.74)。 VTE(肺血栓塞栓症または下肢深部静脈血栓症)は、間欠的空気圧迫法併用群991例中103例(10.4%)、対照群1,012例中95例(9.4%)に生じ(相対リスク:1.11、95%CI:0.85~1.44)、90日後の全死因による死亡はそれぞれ990例中258例(26.1%)および1,011例中270例(26.7%)で確認された(相対リスク:0.98、95%CI:0.84~1.13)。 なお、本研究結果について著者は、検出力が低かったこと、盲検法を実施できなかったこと、各施設が使用した間欠的空気圧迫装置が異なったことなどを挙げて限定的であると述べている。

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インフルエンザ診療で不要なこと:医師会の見解

 2019年2月27日、日本医師会の釜萢 敏氏(常任理事)が、今季における季節性インフルエンザについて、診断方法や治療薬の選択、“隠れインフルエンザ”への対応など、世間の話題も踏まえた見解を記者会見で発表した。 昨季に続き、今季もインフルエンザは大規模な流行となったが、患者数は2019年第4週(1月21~27日)をピークに収束をみせている。ピーク時の患者数は昨年を上回ったものの、累積の推計受診者数は、昨季の推計全罹患者数を下回る見通しだ。 ワクチンの供給がより円滑に行われた結果とも考えられるが、最も需要が高かった11月の供給量は必ずしも十分でなかったという。ワクチンについては、引き続き対策を講じていく必要があるだろう。診断に、必ずしも迅速診断キットは必要でない 釜萢氏は、インフルエンザの診断に関して、「迅速診断検査は、必ずしも全例に実施する必要はない」と世間における認識の是正を求めた。「検査はあくまでも補助なので、一番大事なのは患者さんの症状をしっかり把握すること。周辺の流行状況や罹患者との接触の有無などを踏まえて、総合的に判断すべき」とコメントした。 迅速診断キットの判定について、最近の傾向としては、急激な発熱などの発症から約6時間以降で検出される場合が多いという。しかし、確実な判定が出るまでの時間については一概に言えないため、最終的には医師の判断となる。 「処方薬は、患者さんの希望にかかわらず、医師がきちんと判断し、同意を得たうえで処方するもの。新たな作用機序を持つバロキサビル(商品名:ゾフルーザ)については、まだ十分な知見が揃っていない。耐性ウイルスの出現など考慮すべき点もあるので、従来の薬の使用も併せて検討すべき」と、新規抗インフルエンザウイルス薬については慎重な姿勢を示した。治癒証明書は医師が書かなくてもよい 児童生徒などの出席停止期間については、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」と学校保健安全法施行規則によって定められている。医師は、その基準を踏まえたうえで診断し、出席可能となる条件と日数を患者に伝えなければならない。インフルエンザに関しては、治癒証明書のために再度受診させる必要はなく、自治体や学校が作成した証明書に保護者または本人が記入して、学校に提出すれば問題ない。 インフルエンザに罹患した場合の対応は職場においても同様で、周りに感染を拡大させないことが重要である。抗インフルエンザ薬の内服によって、症状が出る時間を短縮できるが、症状がなくてもウイルスは排出されるため、感染拡大を防止するには、基準日数を厳守したほうが確実だ。“隠れインフルエンザ”から感染が拡大する可能性は低い 世間の話題として、特徴的な症状がみられないにもかかわらず、抗原検査をすると陽性判定の“隠れインフルエンザ”に対する不安が強まっている。しかし、こういった症状は流行地域でみられる場合が多く、流行していない地域では少ないという。原因としては、ウイルスと接触することで抗体が作られ、通常より症状が抑えられることなどが考えられる。しかし、患者本人は元気でも、他人にうつしてしまう危険性を理解し、通常のインフルエンザと同様の対策が求められる。

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