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早期乳がんの術後AIの服薬アドヒアランス/JCO

 早期乳がんの術後補助療法におけるアロマターゼ阻害薬(AI)の服薬アドヒアランスは一般に低く、再発リスクにつながる。今回、大規模な長期無作為化試験(SWOG S1105)の結果、AIのアドヒアランス失敗率が高いこと、週2回のテキストメッセージ受信ではアドヒアランスが改善しなかったことを米国・コロンビア大学のDawn L. Hershman氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2020年5月5日号に掲載。 本試験は、米国の40施設においてテキストメッセージ(TM)群とテキストメッセージなし(No-TM)群を比較した無作為化試験。対象は、AI投与が36ヵ月以上計画され、30日以上服薬している早期乳がんの閉経後女性で、メッセージは週2回、36ヵ月送信した。メッセージの内容は服薬アドヒアランスの障壁の克服にフォーカスし、行動のきっかけ、薬物治療の効果に関するステートメント、AI服用の推奨などで、3ヵ月ごとに評価した。主要アウトカムは、アドヒアランス失敗(AF)までの期間(time to adherence failure)で、AFは、尿中AI代謝物の検査で、<10ng/mL、検出不能、検体提出なしのいずれかの場合と定義した。層別log-rank検定、複数の感度分析により評価した。 主な結果は以下のとおり。・2012年5月~2013年9月に計724例の患者が登録され、そのうち702例(TM群348例、No-TM群354例)がベースラインで対象となった。・1次解析ではAFまでの期間に差は見られなかった(3年AF率:TM群81.9% vs. No-TM群85.6%、HR:0.89、95%CI:0.76~1.05、p=0.18)。複数の感度分析でも同様に有意差は見られなかった。・自己報告によるAFまでの期間(3年AF率:TM群10.4% vs.No-TM群10.3%、HR:1.16、95%CI:0.69~1.98、p=0.57)、施設報告によるAFまでの期間(21.9% vs.18.9%、HR:1.31、95%CI:0.86~2.01、p=0.21)も差はなかった。

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日本のCOVID-19症例を症状で検索可、新サイトオープン/日医有識者会議

 5月7日、日本医師会は緊急記者会見を開き、「COVID-19有識者会議」のホームページ開設を発表した。4月30日に日本医師会が発行した「新型コロナウイルス感染症 外来診療ガイド」のほか、約70症例について所見から検索できる症例データベース、WHO発の情報を日本語で提供するWHOアップデート、治療薬開発の現状などが掲載されている。 COVID-19有識者会議は、COVID-19に関するできるだけ良質な情報を収集し、現場に提供することを目的として、日本医師会内に設置される形で4月18日に発足。座長を永井 良三氏(自治医科大学学長)、副座長を笠貫 宏氏(早稲田大学特命教授)が務める。発足時開催された記者会見で横倉 義武会長は政府の専門家会議との関係について、「本有識者会議は主に、臨床の観点からエビデンスのある提言を行い、現場の支援を行うものであり、専門家会議とは“車の両輪"と言うべきものである」とし、連携を図りながらCOVID-19対策を推進していく考えを示した。 今回開設されたホームページは、下記11項目からなる:1.ご挨拶2.外来診療ガイド3.COVID-19症例データベース4.COVID-19の概要5.医療現場における現状認識6.WHOアップデート7.検査の俯瞰(PCR検査の現状と課題)8.抗体検査の現状と課題9.治療薬開発の現状10.頂いた意見 医療提供体制に関する提案 在宅・介護から提案 大学病院から問題提起11.有用なサイト紹介 「2.外来診療ガイド」では、日本医師会による4月30日発行の「新型コロナウイルス感染症 外来診療ガイド」の内容を掲載。症状のある患者を診察する際の留意点や、COVID-19の患者が直接来院したときのトリアージ、無症候感染者を視野に入れた外来や医療従事者の感染対策についてまとめられている。 「3.COVID-19症例データベース」では、日本感染症学会ホームページに掲載されている症例報告の中から約70症例がTree状に整理されている。発熱、咳嗽、リンパ球低値、すりガラス影など所見を示す用語で検索すると(AND検索も可能)、該当の症例が提示され、患者背景や臨床経過をみることができる。また、約70症例について症状・身体所見、検査・画像所見、合併症の傾向などについても整理されている。たとえば検査所見では、CRP高値、リンパ球低値、白血球低値、LDH高値の頻度が高い、といった傾向がみられている。 同データベースについて、笠貫氏は、今後症例数を増やしていく見通しであることを明らかにした。「学会の垣根を越えて、全国の先生方から症例報告をいただき、このデータベースに登録していきたい」と話し、「先生方から症例報告をあげていただくための方法について検討中で、近々にその方法をホームページ上で掲載する予定」とした。 そのほか、「6.WHOアップデート」では、WHO本部科学ブリーフィングの内容(例:COVID-19患者への非ステロイド系抗炎症薬使用)が簡潔に日本語でまとめられているほか、7~9.では、各種検査や治療薬開発の現状がまとめられている。

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去勢抵抗性前立腺がん、オラパリブが有効/NEJM

 新規のホルモン療法薬投与中に病勢が進行し、BRCA1、BRCA2遺伝子などに変異が認められた、転移がある去勢抵抗性前立腺がんの患者に対して、PARP阻害薬オラパリブの投与はホルモン療法薬投与と比べて、無増悪生存(PFS)期間を延長し、奏効率や、患者評価のエンドポイント(疼痛増悪までの期間など)も有意に良好であることが示された。英国・Institute of Cancer ResearchのJohann de Bono氏らが第III相無作為化非盲検試験の結果を報告した。相同組み換え修復などDNA修復に関与する遺伝子における複数の機能喪失の変化は、前立腺がんやその他のがん患者においてPARP阻害に対する反応との関連が示唆されている。これを踏まえて研究グループは、遺伝子変異が認められ転移がある去勢抵抗性前立腺がん患者に対する、PARP阻害薬を評価する試験を行った。NEJM誌オンライン版2020年4月28日号掲載の報告。画像判定による無増悪生存を比較 試験は、相同組み換え修復に直接的・間接的な役割を持つ規定遺伝子に、修飾的な変異が認められた患者を対象に行われた。 コホートA(245例)の被験者は、BRCA1、BRCA2またはATM遺伝子に1つ以上の変異がある患者で、コホートB(142例)は、事前に規定したその他12種の遺伝子に変異がある患者で、いずれも腫瘍組織の前向き・中央検査にて確認された。 研究グループは被験者を無作為に2対1の割合で2群に分け、オラパリブか、医師の選択に基づきエンザルタミドまたはアビラテロンを(対照群)、それぞれ投与した。 主要評価項目は、コホートAにおける画像診断に基づくPFSで、盲検化された独立中央検査により確認された。オラパリブ群の奏効率オッズ比は20超 コホートAのPFS期間中央値は、対照群3.6ヵ月に対し、オラパリブ群は7.4ヵ月と有意に延長した(病勢進行または死亡に関するハザード比[HR]:0.34、95%信頼区間[CI]:0.25~0.47、p<0.001)。確認された客観的奏効率と疼痛増悪までの期間についても、オラパリブ群の有意な有益性が確認された(奏効率に関するオッズ比:20.86、疼痛増悪に関するHR:0.44)。 コホートAの全生存(OS)期間中央値は、対照群15.1ヵ月に対し、オラパリブ群は18.5ヵ月だった。なお、対照群では病勢進行が認められた患者の81%がクロスオーバーを受けてオラパリブの投与を受けていた。 コホートA・Bを併せた被験者全集団でも、画像診断に基づくPFSについて、オラパリブの有意な有益性が認められた。 オラパリブを受けた患者の主な毒性効果は、貧血、吐き気だった。

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COVID-19にレムデシビルが有意な効果示せず、早期なら有効か/Lancet

 中国で行われた無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者へのレムデシビル投与は、臨床的改善までの期間を統計学的に有意に短縮しなかったことが報告された。しかし、発症後10日以内の患者に限定した解析で、有意差は示されなかったものの、臨床的改善までの期間はレムデシビル群で短縮する傾向が認められた。中国・中日友好医院のYeming Wang氏らによる試験の結果で、著者は「早期投与については大規模な研究で確認する必要がある」とまとめている。Lancet誌オンライン版2020年4月29日号掲載の報告。症状発症12日以内の肺炎確認例にレムデシビルを10日間静脈投与 研究グループは、中国・湖北省の10病院を通じて、検査でSARS-CoV-2ウイルスへの感染が確認された入院患者を対象に試験を行った。被験者は18歳以上で、症状発症から試験登録までの経過日数が12日以内であり、室内空気中の酸素飽和度(SpO2)が94%以下または動脈血酸素分圧(PaO2)が300mmHg以下で、放射線学的画像診断により肺炎が確認された患者だった。 被験者は無作為に2対1の割合で2群に分けられ、一方の群にはレムデシビル(1日目200mg、2~10日目は100mgを1日1回静脈投与)を、もう一方の群にはプラセボを10日間投与した。試験期間中も、ロピナビル・リトナビル配合剤、インターフェロン、副腎皮質ステロイドの併用は可能とした。 主要エンドポイントは、無作為化後28日目までの、臨床的改善までの時間とした。臨床的改善の定義は、生存退院を1、死亡を6とした6段階スケールで評価し、2段階以上の改善か生存退院の、いずれか早期に達成した場合とした。 主要解析(有効性)についてはITT解析で、また安全性解析は割り付け治療を開始した全患者を対象とした。発症10日以内の患者、症状改善までレムデシビル群は18日、プラセボ群は23日 2020年2月6日~3月12日に237例が登録され、レムデシビル群に158例、プラセボ群に79例が無作為に割り付けられた。無作為化後に試験参加を取り下げたプラセボ群の患者1例は、ITT集団に含まれなかった。 臨床的改善までの期間中央値は、プラセボ群23.0日に対しレムデシビル群は21.0日で、レムデシビルと臨床的改善までの期間に関連性は認められなかった(ハザード比[HR]:1.23、95%信頼区間[CI]:0.87~1.75)。 一方で統計学的に有意ではなかったが、レムデシビル投与患者は、症状の持続期間が10日以下の患者に限定すると、プラセボ投与患者と比べて臨床的改善までの期間中央値が短く、プラセボ群23.0日に対し、レムデシビル群は18.0日だった(HR:1.52、95%CI:0.95~2.43)。 有害事象の報告は、レムデシビル群155例中102例(66%)、プラセボ群78例中50例(64%)だった。 研究グループは今回の試験について、「中国ではCOVID-19の流行が収束したため、当初目標としていた被験者数を達成できず、統計的検出力が不十分だった」としている。また、「今後、レムデシビルの有効性を検証するための試験としては、COVID-19重症患者への早期投与やより高用量の投与、また他の抗ウイルス薬やSARS-CoV-2中和抗体との併用投与なども必要だ」と述べている。

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第6回 新型コロナ感染者、全国で一元管理へ 厚労省の新システム

<先週の動き>1.新型コロナ感染者、全国で一元管理へ 厚労省の新システム2.COVID-19治療薬「レムデシビル」が7日に特例承認3.新型コロナ相談・受診の目安改訂 「37.5度」が削除4.「アビガン」に注がれる期待と安全性 民間機関が意見書を提出5.やまない医療従事者への誹謗中傷・風評被害に苦悩6.医療従事者の新型コロナ感染、世界で9万人超も1.新型コロナ感染者、全国で一元管理へ 厚労省の新システム先月、厚生労働省より「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム」についての事務連絡が出されており、今週にも一部保健所などで先行利用開始、5月中旬以降には全国で利用されるようになる見通し。新型コロナ感染者の情報を全国で一元管理し、国・都道府県だけでなく、医療機関や医師会なども即時に情報共有できる仕組み。新型コロナの動向を迅速に把握・対応できる体制を築く。稼働後は、感染症法に基づく保健所への発生届などが、本システムに入力する形式に変更される見込み(具体的な運用方法に関しては、別途通知が発出される予定)。また、各医療機関からの報告に基づいて、行政が医療物資の優先配布や重症患者の受け入れ先の調整などに活用する。(参考)新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(仮称)の導入について(厚労省 事務連絡 令和2年4月30日)厚労省が新型コロナ感染者情報を一元管理する新システム、開発費用は10億円(日経クロステック)2.COVID-19治療薬「レムデシビル」が7日に特例承認ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬「レムデシビル(商品名:ベクルリー点滴静注液・同点滴静注用)」が、申請からわずか3日後の7日に特例承認された。翌8日には中央社会保険医療協議会が開催され、レムデシビルの医療保険上の取り扱いについて議論が行われた。現時点では供給量がきわめて限定的であるため、公的な管理の下で無償提供され、時限的・特例的な対応として、公的医療保険との併用が可能とされる。この間、薬価収載はされない予定。レムデシビルは、エボラ出血熱などの治療薬として開発されていた薬剤であり、ウイルスのRNAポリメラーゼを阻害する作用を有する。適応患者の選定においては、7日に発出された留意事項に、適格基準と除外基準が示されている。(参考)COVID-19に特例承認のレムデシビル、添付文書と留意事項が公開レムデシビル製剤の使用に当たっての留意事項について(厚労省)新型コロナウイルス感染症に係る医薬品(レムデシビル)の医療保険上の取扱いについて(同)3.新型コロナ相談・受診の目安改訂 「37.5度」が削除以前から、相談・受診の目安を参考にPCR検査を希望しても、帰国者・接触者相談センターには受け入れてもらえないなどの意見が聞かれたが、8日、専門家会議の議論を踏まえ、相談・受診の目安についての改訂が行われた。従来との違いは、「37.5度以上の発熱が4日以上続く」としていた記載が、個人差があるなどの理由で削除された。改訂版では、「息苦しさ(呼吸困難)・強いだるさ(倦怠感)・高熱などの強い症状のいずれかがある」、「重症化しやすい方で、発熱や咳などの比較的軽い風邪症状がある」、「これら以外で、発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が4日以上続く」場合には、すぐに相談するよう促している。各自治体は、地域の医師会と連携するなどしてPCR検査の実施施設を増やしており、今後の検査件数は増えていくと考えられる。(参考)【改訂版】新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安(厚労省)新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安について(事務連絡 令和2年5月8日)4.「アビガン」に注がれる期待と安全性 民間機関が意見書を提出中国でいち早く臨床試験が行われた新型インフルエンザ治療薬「ファビピラビル(商品名:アビガン)」は、新型コロナ患者への有効性について大きく期待されている。本剤は富山化学工業が開発したRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害薬であり、厚労省は、治療薬候補として5月中の承認を目指している。その一方で、動物実験で観察された催奇形性などの副作用が懸念されている。民間の医薬品監視機関である「薬害オンブズパースン会議」が、厚労省に「アビガンに関する意見書(新型コロナウイルス感染症に関して)」を5月1日付けで提出している。COVID-19治療薬として、科学的根拠の乏しい過剰な期待に対する厳しい警告を含んでおり、メディアの過熱報道とは裏腹に十分なエビデンスと安全性の確立が求められる。(参考)「アビガンに関する意見書(新型コロナウイルス感染症に関して)」を提出(薬害オンブズパースン会議)5.やまない医療従事者への誹謗中傷・風評被害に苦悩現場で奮闘する多くの医療従事者に感謝の気持ちを示すため、ライトアップや拍手などの報道がされる一方で、近隣の住民などから医療従事者やその家族に対して嫌がらせや誹謗中傷を受けたという話が報道されている。感染者の受け入れによって、医療機関が院内外の感染対策に追われ、一般人に十分に説明する機会がないまま、メディアを通して恐怖心が増幅された結果かもしれない。医療従事者は患者さんの治療と安全を最優先に働いているが、最前線で尽力している医療機関や医療者に対してそのような事例があるのは残念でならない。メディアには医療・介護従事者を支援する輪を積極的に広げていただきたい。(参考)医療従事者への風評被害に対する国民へのメッセージ動画を制作(日本医師会)「会社辞めるか、奥さんが辞めるか」看護師と家族に誹謗中傷(神戸新聞)6.医療従事者の新型コロナ感染、世界で9万人超も世界的に広がる新型コロナウイルスにより、医療従事者の感染が問題となっている。先日、国際看護師協会(International Council of Nurses)が30ヵ国の看護協会のデータを元に推計した結果によると、世界全体で新型コロナウイルスに感染した医療従事者は9万人以上、その内死亡した看護師は260人を超えると推測されている。全感染者のうちの平均6%が医療従事者であるとされる。同協会は、医療従事者の感染について正確なデータがないため、「より大きなリスクにさらされている」と指摘している。各国の政府が医療従事者の感染と死亡に関するデータを体系的に収集し、それを世界保健機関(WHO)が保管することを求めている。(参考)ICN calls for data on healthcare worker infection rates and deaths(ICN)

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第25回 仮説検定における検出力とは?【統計のそこが知りたい!】

第25回 仮説検定における検出力とは?臨床試験を行う研究者は、治療が有効であって欲しいと考えていますから、前回解説した「第二種の誤り(過誤)[βエラー]」は極力避けたいものです。検出力は「1-β」で定義され、「本当は効果がある治療が正しく効果がある」と判断される確率のことです(図1)。図1 有意水準α(両側)の検定今回は、母平均の検定を例に検出力について解説します。■検出力は何を表すのか検出力は、「効果がある(差がある)のに、きちんと効果があると判定できる力」、つまりその検定がいかに優れているかを表します。第二種の誤り(過誤)を起こさない確率となりますので、βの補数(1-β)となります。一般に統計学者は「0.8(80%)は欲しい」と言っています。これは、100回検定をしたら80回は本来の差を検出できる力ということになります(図2)。図2 統計学的有意差検定における2種類の誤りと検定力検定統計量の値は、n数と検出力に大きく影響を受けます。一般的に、n数や検出力が大きくなれば、検定統計量の値は大きくなる傾向にあり、反対に小さくなれば値は小さくなります。帰無仮説で意味のある差が見られても、n数や検出力が小さければ、検定統計量の値は大きくならず、「有意差なし」となります。逆に帰無仮説での差が小さくても、n数や検出力が大きければ「有意差あり」となります。ただ、このような検定結果を鵜呑みにするのは危険です。したがって、サンプルサイズと検出力の設計を行った後に、そのサンプルサイズのもとで再度検定をやり直す必要が出てきます。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第3回 理解しておきたい検定セクション4 仮説検定の意味と検定手順セクション8 信頼区間による仮説検定

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「家だと飲み過ぎてしまう」という患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第32回

■外来NGワード「外で飲むのをやめなさい」(すでにやめている)「お酒の量を減らしなさい」(あいまいな節酒指導)「お酒をやめなさい!」(無理な禁酒指導)■解説 徒然草には、「百薬の長とはいへど、万(よろづ)の病は酒よりこそ起れ」(酒は百薬の長というが、さまざまな病気は酒から起こる)という一節があります。まったくお酒を飲まない人に比べて、“節度ある適度な飲酒”(1日平均純アルコール:20g程度)をする人のほうが死亡率が低いとの報告もありますが、飲み過ぎはさまざまな病気を引き起こすことが昔から知られています。では、なぜ人は飲み過ぎてしまうのでしょうか。原因の一つに「ストレス」が挙げられます。お酒を飲むことでストレスが緩和されるため、ストレスがあるとお酒を飲みたくなる。つまり、ストレスが多いと、アルコール多飲の悪循環に陥りやすくなるのです。そのメカニズムとして、不快感をつかさどる神経ペプチドの関与などが次第に明らかとなってきています。抗ストレス作用のある神経ペプチドY(NPY)の働きに対し、ストレスによる不快感を増大させるコルチコトロピン放出因子(CRF)の働きが上回ることで、アルコール摂取が促進されると考えられています。新型コロナ感染拡大防止の観点から、「3密」を避けるために、居酒屋やバーなどで飲む機会が減り、一人暮らしの人は孤立しやすい状況です。テレビで朝から晩まで新型コロナ情報を見ていると、ストレスが溜まり、その結果として飲酒量が増えている人がいるかもしれません。外に比べて家で飲むお酒の量が増える人の特徴として、ストレス解消の手段として飲酒をしている、安いお酒を買い込む癖がある、昼夜問わず酒を飲んでいるなどが挙げられます。この機会に飲酒習慣を見直して、楽しく節酒できるといいですね。 ■患者さんとの会話でロールプレイ医師最近、お酒は飲んでいますか?患者はい。外で飲めないので、家で飲んでいます。医師飲む量は、外で飲んでいたときと比べてどうですか?患者うーん、どちらかというと増えたかもしれません。医師えっ、家で飲むのに、どうしてですか?患者家だと、かなり酔っぱらうまで飲んでしまって…。医師なるほど。外で酔っぱらうと、家まで帰るのが大変ですからね。患者あとは最近、発泡酒が安かったので箱買いしてしまったんです。医師安いと、ついつい飲み過ぎてしまいますよね。患者そうなんです。血糖値も上がってきているし、何とかしないと。医師それなら、いい方法がありますよ!患者ほう、どんな方法ですか?(興味津々)医師家でも、外で飲んでいる雰囲気にするんです。健康的なおつまみを手作りしたり、水をおしゃれな容器に入れてチェイサーを準備したり。患者なるほど。医師あと、お酒は少し贅沢をして高価な物がいいですね。患者確かに、それだと勢いよくは飲めないですね。医師そして大事なのは、飲み終わる時間を決めること。もちろん、外食だと行かない日もあるので、休肝日もお願いしますね。患者ハハハ。家でも、いろいろ工夫すれば楽しくなりますね。やってみます。(うれしそうな顔)■医師へのお勧めの言葉「お酒を飲む量は、外で飲んでいたときと比べてどうですか?」「家でも外で飲むときのように、いろいろ工夫してみてはいかがですか?」1)Pleil KE, et al. Nat Neurosci. 2015 Apr;18:545-52. [Epub 2015 Mar 9].2)Clay JM, et al. Lancet Public Health. 2020 Apr 8. [Epub ahead of print]

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心臓再同期療法後、神経体液性因子抑制薬の中止は可能か?【Dr.河田pick up】

 左脚ブロックを伴う心不全患者において、神経体液性因子抑制薬による左室駆出率(LVEF)の改善は2%程度にとどまる。一方、心室再同期療法(CRT)は、心室同期不全を伴う心筋症において、進行したケースにおいても劇的に左室駆出率を改善することがある。これは、左脚ブロックなどの伝導障害が、一部の心筋症において大きな要因となっていることを意味する。一方で、CRTの植込み後に心機能が正常化した心不全患者に対し、神経体液性因子抑制薬を継続する必要性ついてはいまだに不明である。本研究では、CRT植込み後に左室駆出率が正常化した患者において、神経体液因子抑制薬を中止することが安全かつ可能かどうかが評価されている。ベルギー・Ziekenhuis Oost-Limburg病院のPetra Nijst氏らによる報告で、Journal of the American College of Cardiology誌3月号に掲載。左脚ブロックを有する非虚血性心筋症が対象、RAA系およびβ遮断薬を中止もしくは継続で4群に無作為化 本研究は、プロスペクティブランダム化オープンラベルの2X2クロスオーバー試験で行われた。レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系阻害剤(RAA阻害剤)を中断した群、RAA阻害剤に加えてβ遮断薬も中断した群、RAA阻害剤の代わりにβ遮断薬を中断した群、そして双方を継続する群の4つに分け、連続した患者80例を各々20例ずつ無作為に割り付けた。 一次エンドポイントは、「24ヵ月後における左室収縮末期容積係数の15%以上の増加」と定義されたネガティブリモデリングの再発。二次エンドポイントでは、24ヵ月における全死亡および心不全に関連した入院、そして持続性心室性不整脈を組み合わせ、複合した安全性の評価を行った。3分の2の症例では神経体液性因子抑制薬を中止しても、心不全は悪化せず 全症例中62%で、RAA阻害剤とβ遮断薬もしくはその両方を2年間中止しても、臨床症状、エコーでの心室のサイズ、NT-Pro BNPのレベルに変化は認められなかった。しかしながら、17例(2割)において高血圧や上室性不整脈のために神経体液性因子抑制薬の再開が必要となった。一次エンドポイントの発生は少ないが、それらの患者では神経体液性因子抑制薬の再開で左室駆出率と径は正常化した 2年のフォローアップ期間中、80例のうち6例(7.5%)が一次エンドポイントに達し、4例(5%)が二次エンドポイントに達した。一次エンドポイントに達した6例の患者では、神経体液性因子抑制薬がすぐに再開され、左室駆出率と左室径は6ヵ月以内に正常化した。 本研究は、あくまでも左脚ブロックを有する非虚血性心筋症で、CRT後に左室駆出率が大幅に改善した患者(試験開始時の平均LVEF:55%)が対象である。つまり、左脚ブロックが心室駆出率の低下の原因と考えられる患者群と言える。それらの患者でも、一部では神経体液性因子抑制薬の中止が、心機能の増悪と関連していることをこの研究は示唆している。また、その他の多くの心不全患者においては、たとえLVEFが改善したとしても、神経体液性因子抑制薬は継続すべきである。■関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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進行NSCLC、PS不良患者へのICI投与/Cancer

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の投与について、全身状態(PS)が重要な指標となるようだ。米国・マサチューセッツ総合病院のLaura A. Petrillo氏らによる検討で、PSが低下した患者は良好な患者と比べて、投与後の生存期間が有意に短いこと、終末期での投与が多いことが判明したという。また、終末期の投与は、ホスピス利用の低さおよび院内死亡リスクの増大とも関連していた。Cancer誌2020年3月15日号掲載の報告。 検討は後ろ向きの単施設試験で、2015~17年にICI治療を開始していた進行NSCLC患者237例を対象に行われた。 Cox比例法を用いて、ICI治療開始時にPS不良(≧2)の患者と、良好(0または1)の患者の全生存(OS)を比較した。また、ロジスティック回帰法を用いて、死亡前30日間のICI使用と、末期医療(エンドライフケア)の関連を分析した。 主な結果は以下のとおり。・ICI開始時の患者の平均年齢は67歳、PS≧2の患者は35.4%であった。・2次治療またはそれ以降の治療としてICIを受けた患者が最も多く、80.8%を占めた。・OS中央値は、PS≧2の患者では4.5ヵ月、PS 0/1の患者では14.3ヵ月であった(ハザード比:2.5、p<0.0001)。・死亡前30日間にICI投与を受けた患者は、 PS≧2では28.8%であったのに対して、PS 0/1では10.8%であった(p=0.002)。・死亡前30日間のICI投与は、PSにかかわらず、ホスピスへの紹介率の低さと関連しており(オッズ比:0.29、p=0.008)、また院内死亡の増大と関連していた(6.8、p=0.001)。

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夜間の光曝露と双極性障害患者の躁症状との関連

 これまでの研究において、夜間に寝室を暗く保つことは、双極性障害(BD)患者の躁症状減少と関連することがわかっている。しかし、実際の夜間での光曝露の状況と躁症状との関連は明らかとなっていない。藤田医科大学の江崎 悠一氏らは、夜間の寝室での光曝露とBD患者の躁症状との関連について調査を行った。Chronobiology International誌オンライン版2020年4月2日号の報告。 本研究は、BD外来患者184例を対象とした横断的研究である。夜間の睡眠中の平均光強度は、ポータブル光度計を用いて、7夜連続で測定した。躁症状は、ヤング躁病評価尺度(YMRS)を用いて評価し、スコア5以上を「軽躁状態」と定義した。 主な結果は以下のとおり。・YMRSスコアの中央値は2.0(四分位範囲:0~5.0)、軽躁状態が認められた患者は52例(28.2%)であった。・夜間の平均光強度が3ルクス以上の患者は、3ルクス未満の患者と比較し、軽躁状態の有病率が有意に高かった(36.7% vs.21.9%、p=0.02)。・BDタイプ、抑うつ症状、睡眠時間、日中の身体活動で調整した多変量ロジスティック回帰分析では、夜間の平均光強度が3ルクス以上の患者は、3ルクス未満の患者と比較し、軽躁状態のオッズ比(OR)が有意に高かった(OR:2.15、95%信頼区間[CI]:1.09~4.22、p=0.02)。・この関連性は、YMRSスコア6以上のカットオフ値においても有意なままであった(OR:2.51、95%CI:1.15~5.46、p=0.02)。 著者らは「夜間の寝室での光曝露とBD患者の躁症状との有意な関連が示唆された。本結果は、必ずしも因果関係を示唆するものではないが、BD患者への有益な非薬理学的介入および個別化された治療を行ううえで役立つであろう」としている。

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CLL1次治療、acalabrutinibの第III相試験成績/Lancet

 未治療の症候性慢性リンパ性白血病(CLL)患者の治療において、acalabrutinib±オビヌツズマブは、標準治療であるオビヌツズマブ+chlorambucilによる化学免疫療法と比較して、無増悪生存(PFS)を有意に改善し、安全性プロファイルも良好であることが、米国・Willamette Valley Cancer Institute/US OncologyのJeff P. Sharman氏らの検討「ELEVATE TN試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2020年4月18日号に掲載された。acalabrutinibは、選択的な共有結合性ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬。未治療CLL患者を対象とした第I/II相試験では、単剤またはオビヌツズマブとの併用で、高い有効性(全奏効割合95~97%)とともに、持続性の寛解、良好な長期忍容性、低い治療中止率が報告されている。オビヌツズマブは抗CD20モノクローナル抗体、chlorambucilは化学療法薬(アルキル化薬)である。3群を比較する国際的な無作為化第III相試験 本研究は、18ヵ国142施設が参加した非盲検無作為化第III相試験であり、2015年9月14日~2017年2月8日に患者登録が行われた(Acerta Pharmaの助成による)。 対象は、年齢65歳以上、およびクレアチニンクリアランス30~69mL/分(Cockcroft-Gault式)またはCumulative Illness Rating Scale for Geriatrics(CIRS-G)スコア>6点の18~<65歳の未治療CLLで、全身状態(ECOG PS)≦2の患者であった。重度の心血管疾患を有する患者は除外された。 被験者は、acalabrutinib(経口投与)+オビヌツズマブ(静脈内投与)(併用群)、acalabrutinib単剤(単剤群)、オビヌツズマブ+chlorambucil(経口投与)(標準治療群)の3群に、1対1対1の割合で無作為に割り付けられ、28日を1サイクルとする治療が行われた。 主要エンドポイントは、独立の判定委員会(IRC)の評価によるPFSとした。標準治療群の増悪例は、acalabrutinibへのクロスオーバーが可能とされた。増悪/死亡リスクが併用群で90%、単剤群は80%低減 適格基準を満たした535例が登録され、併用群に179例、単剤群に179例、標準治療群に177例が割り付けられた。ベースラインの年齢中央値は70歳(IQR:66~75)で、448例(84%)が65歳以上であった。CLL国際予後指標(CLL-IPI)スコアで、高リスクが368例(69%)、超高リスクが66例(12%)含まれた。また、標準治療群の55例(31%)が追加治療を要し、このうち45例(82%)でacalabrutinib単剤へのクロスオーバーが行われた。 フォローアップ期間中央値28.3ヵ月(IQR:25.6~33.1)の時点におけるPFS期間中央値は、併用群は未到達(95%信頼区間[CI]:評価不能~評価不能)であり、標準治療群の22.6ヵ月(95%CI:20.2~27.6)に比べ有意に延長し、増悪または死亡のリスクが90%低下した(ハザード比[HR]:0.10、95%CI:0.06~0.17、p<0.0001)。また、単剤群もPFS期間中央値には未到達(34.2~評価不能)で、標準治療群の22.6ヵ月(95%CI:20.2~27.6)に比し有意に延長し、増悪または死亡のリスクが80%低下した(HR:0.20、95%CI:0.13~0.30、p<0.0001)。 24ヵ月PFS率は、併用群が93%、単剤群が87%、標準治療群は47%であった。また、全奏効率(完全奏効+骨髄機能の回復を伴わない完全奏効+結節性病変の部分奏効+部分奏効の割合)は、併用群が94%と、標準治療群の79%に比べ有意に優れ(p<0.0001)、単剤群は85%であり、標準治療群との間に有意な差はなかった(p=0.08)。 全生存(OS)期間中央値には、3群とも未到達であった。併用群と標準治療群のHRは0.47(95%CI:0.21~1.06、p=0.06)、単剤群と標準治療群のHRは0.60(0.28~1.27、p=0.16)であった。 最も頻度の高いGrade3以上の有害事象は、3群とも好中球減少であった(併用群29.8%、単剤群9.5%、標準治療群41.4%)。全Gradeの輸注反応の頻度は、併用群が13.5%と、標準治療群の39.6%よりも低かった。Grade3以上の感染症は併用群で頻度が高かった(併用群20.8%、単剤群14.0%、標準治療群8.3%)。また、全死因死亡は、併用群が8例(4%)、単剤群が12例(7%)、標準治療群は15例(9%)だった。 著者は、「これらのデータは、未治療の症候性CLL患者の新たな治療選択肢として、acalabrutinib単独またはacalabrutinib+オビヌツズマブの使用を支持し、化学療法薬を含まない選択肢をもたらすものである」としている。

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膝OA、ゾレドロン酸の年1回投与は有効か/JAMA

 骨髄病変を有する症候性の変形性膝関節症者の治療では、ゾレドロン酸の年1回投与はプラセボと比較して、2年後の軟骨量減少の改善効果に差はないことが、オーストラリア・タスマニア大学のGuoqi Cai氏らの検討「ZAP2試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌2020年4月21日号に掲載された。変形性膝関節症患者では、ゾレドロン酸の静脈内投与により膝の痛みや骨髄病変の大きさが低減することが、原理証明研究で示唆されているが、大規模臨床試験のデータはないという。年1回で2回投与の効果を比較するプラセボ対照無作為化試験 本研究は、オーストラリアの4施設が参加した二重盲検プラセボ対照無作為化試験であり、2013年11月~2015年9月の期間に患者登録が行われた(オーストラリア国立保健医療研究評議会[NHMRC]の助成による)。 対象は、年齢50歳以上、直近の1ヵ月間のほとんどの日に膝関節痛(100mm視覚アナログ尺度[VAS]疼痛スコア≧40mm)がみられ、リウマチ専門医の判定で米国リウマチ学会の症候性変形性膝関節症の基準を満たし、MRIで軟骨下の骨髄病変が認められた患者であった。 被験者は、ベースラインと12ヵ月後に、ゾレドロン酸(100mL生理食塩水に5mg含有)を静脈内注入する群またはプラセボ(100mL生理食塩水)群に無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、24ヵ月後のMRIによる脛骨大腿骨の軟骨量の絶対変化とした(臨床的に意義のある最小変化量[MCID]は確立されていない)。 また、事前に規定された副次アウトカムは、24ヵ月後のVAS疼痛スコア(0[痛みがない]~100[耐え難い痛み]点)による膝関節痛の変化(MCID:15点)、およびWestern Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)の疼痛スコア(0[痛みがない]~500[耐え難い痛み]点)による膝関節痛の変化(MCID:75点)と、24ヵ月後の骨髄病変の量の変化(MCIDは未確立)であった。3つの副次アウトカムにも差はない 223例(平均年齢62.0[SD 8.0]歳、女性117例[52%])が登録され、190例(85%)が試験を完遂した。予算の制限により、予定のサンプルサイズ(264例)には達しなかった。 ゾレドロン酸群に比べプラセボ群は、ベースラインの平均膝関節痛スコア(VAS:47.7点vs.54.5点、WOMAC:180.8点vs.219.9点)が高く、脛骨大腿骨の軟骨量(1万6,994mm3 vs.1万6,039mm3)が少ない傾向がみられた。 ベースラインから24ヵ月後までに、脛骨大腿骨の軟骨量は平均で、ゾレドロン酸群が878mm3、プラセボ群は919mm3、それぞれ減少した。群間差は41mm3(95%信頼区間[CI]:-79~161)で、有意な差は認められなかった(p=0.50)。 また、3つの副次アウトカムにも有意差はみられなかった。24ヵ月後のVAS疼痛スコアの変化は、ゾレドロン酸群-11.5点vs.プラセボ群-16.8点(群間差:5.2点、95%CI:-2.3~12.8、p=0.17)、WOMAC疼痛スコアの変化は、-37.5点vs.-58.0点(20.5点、-11.2~52.2、p=0.21)、骨髄病変の量の変化は-33mm2 vs.-6mm2(-27mm2、-127~73、p=0.60)であった。 1つ以上の有害事象は、ゾレドロン酸群が96%、プラセボ群は83%で発現した。急性期反応(発熱、筋骨格系・消化器・眼などの症状で、投与後3日以内に消散)は、ゾレドロン酸群が87%、プラセボ群は56%にみられ、このうちゾレドロン酸群で最も頻度が高かったのは筋骨格系の痛みやこわばり(70% vs.30%)で、次いで発熱(52% vs.8%)、頭痛/めまい(42% vs.26%)の順であった。これらの症状は、両群とも、2回目の投与後には発現が低下した。 著者は、「これらの知見は、変形性膝関節症患者の治療において、軟骨量減少の緩徐化を目的としたゾレドロン酸の使用を支持しない」としている。

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COVID-19に特例承認のレムデシビル、添付文書と留意事項が公開

 2020年5月8日、ギリアド・サイエンシズ社(以下、ギリアド社、本社:米カリフォルニア州)は、特例承認制度の下、レムデシビル(商品名:ベクルリー)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として承認されたことを発表した。現時点では供給量が限られているため、ギリアド社より無償提供され、公的医療保険との併用が可能である。 本治療薬は5月1日に米国食品医薬品局(FDA)よりCOVID-19治療薬としての緊急時使用許可を受け、日本では5月4日にギリアド社の日本法人から厚生労働省へ承認申請が出されていた。レムデシビル投与、対象者の選定に注意 レムデシビルはエボラウイルス、マールブルグウイルス、MERSウイルス、SARSウイルスなど、複数種類の新興感染症病原体に対し、in vitroと動物モデルを用いた試験の両方で広範な抗ウイルス活性が認められている核酸アナログである。 添付文書に記載されている主なポイントは以下のとおり。・投与対象者は、酸素飽和度(SpO2)が94%(室内気)以下、酸素吸入を要する、体外式膜型人工肺(ECMO)導入または侵襲的人工呼吸器管理を要する重症患者。・警告には急性腎障害、肝機能障害の出現について記載されており、投与前及び投与中は毎日腎機能・肝機能検査を行い、患者状態を十分に観察する。・臨床検査値(白血球数、白血球分画、ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板数、クレアチニン、グルコース、総ビリルビン、AST、ALT、ALP、プロトロンビン時間など)について、適切なモニタリングを行う。・Infusion Reaction(低血圧、嘔気、嘔吐、発汗、振戦など)が現れることがある。・用法・用量は、通常、成人及び体重40kg以上の小児にはレムデシビルとして、投与初日に200mgを、投与2日目以降は100mgを1日1回点滴静注する。通常、体重3.5kg以上40kg未満の小児にはレムデシビルとして、投与初日に5mg/kgを、投与2日目以降は2.5mg/kgを1日1回点滴静注する。なお、総投与期間は10日までとする。ただし、これに関連する注意として、「本剤の最適な投与期間は確立していないが、目安としてECMO又は侵襲的人工呼吸器管理が導入されている患者では総投与期間は10日間までとし、ECMO又は侵襲的人工呼吸器管理が導入されていない患者では5日目まで、症状の改善が認められない場合には10日目まで投与する」「体重3.5kg以上40kg未満の小児には、点滴静注液は推奨されない」との記載があり、投与期間や体重制限などに注意が必要である。・小児や妊婦への投与は治療上の有益性などを考慮する。・主な有害事象は、呼吸不全(10例、6%)、急性呼吸窮迫症候群(3例、1.8%)、呼吸窮迫(2例、1.2%)、敗血症性ショック(3例、1.8%)、肺炎(2例、1.2%)、敗血症(2例、1.2%)、急性腎障害(6例、3.7%)、腎不全(4例、2.5%)、低血圧(6例、3.7%)など。 このほか、厚生労働省が発出した留意事項には、適応患者の選定について、以下を参考にするよう記載されている。■■■<適格基準> ・PCR検査においてSARS-CoV-2が陽性 ・酸素飽和度が94%以下、酸素吸入又はNEWS2スコア4以上・入院中 <除外基準>・多臓器不全の症状を呈する患者 ・継続的に昇圧剤が必要な患者 ・ALTが基準値上限の5倍超 ・クレアチニンクリアランス30mL/min未満又は透析患者 ・妊婦■■■ また、本剤を投与する医療機関において迅速なデータ提供を求めており、「本剤には承認条件として可能な限り全症例を対象とした調査が課せられているが、本剤については安全性及び有効性に関するデータをとくに速やかに収集する必要がある」としている。2つの臨床試験と人道的見地に基づき承認へ 今回の承認は、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が主導するプラセボ対象第III相臨床試験(ACTT:Adaptive COVID-19 Treatment Trial、COVID-19による中等度から重度の症状を呈する患者[極めて重症の患者を含む]を対象)、ならびにギリアド社が実施中のCOVID-19重症患者を対象とするグローバル第III相試験(SIMPLE Study:重症例を対象にレムデシビルの5日間投与と10日間投与を評価)の臨床データ、そして、日本で治療された患者を含むギリアド社の人道的見地から行われた投与経験データに基づくもの。 ギリアド社によると、2020年10月までに50万人分、12月までに100万人分、必要であれば2021年には数百万人分の生産量を目標としている(各患者が10日間投与を受けると想定して計算)。

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Dr.皿谷の肺音聴取道場

第1回 胸部の解剖第2回 呼吸音伝達の仕組み第3回 正常呼吸音を聴く第4回 肺炎と胸膜炎を理解する第5回 頸部で聴こえる音第6回 中葉・舌区で聴こえる音第7回 肺底部で聴こえる音第8回 肺炎へのアプローチ第9回 気管支喘息、肺がんへのアプローチ第10回 多彩な疾患へのアプローチ 肺音に苦手意識がある先生、ぜひこの番組を見てください!Dr.皿谷が、胸部の解剖から肺音が聞こえる原理、雑音が生じる理由まで、肺音聴取に必要な知識を丁寧に解説します。胸部だけでなく頸部や口腔での聴診のコツも伝授。さまざまな部位での聴診スキルと異常音を知ることで、肺音から疾患を特定できるようになります。実症例で録音した肺音を数多く聞いて、コモンな疾患を聴き分けられる耳を養いましょう。※学習効果を高める1冊 皿谷氏の最新著作 「まるわかり!肺音聴診」は、聴診のポイントから診断アプローチまで丁寧に解説。DVDで学んだスキルを深く理解できるおすすめの1冊です。Amazon購入リンクはこちら↓「まるわかり!肺音聴診」(南江堂)第1回 胸部の解剖効果的に肺音を聞くには、解剖の理解が不可欠。なぜなら、体表から肺の位置を把握できることが適切な音を聞くための土台だからです。第1回では、モデルの体表に骨や肺の位置をマーキングし、体表から肺の位置がわかるように解説します。第2回 呼吸音伝達の仕組み肺音は、正常呼吸音と副雑音に分かれます。それぞれの異常に気付くために押えておきたい基本は呼吸音がどこで発生しているのか、そしてその音がどうやって体の中で伝達されているか。これを理解するために最も重要なポイント「肺はlow pass filterである」をわかりやすく解説します。第3回 正常呼吸音を聴く呼吸音は、気管呼吸音、気管支呼吸音、肺胞呼吸音の3つに分類されます。これらの正常音の聴取部位や音の性質をしっかりと把握していれば、異常を見つけるのも簡単。それぞれの呼吸音の正常な状態と、異常が生じる場合を実際に録音した症例音源で解説します。第4回 肺炎と胸膜炎を理解する臨床で頻繁に遭遇する肺炎と胸膜炎。これらの疾患で肺音はどう変化するのか?病変の種類と聴取部位による音の違いを、実際の症例で見ていきます。患者に発語してもらい音の変化から病変を捉える「声音聴診」や打診を組み合わせたテクニックも実技で解説します。第5回 頸部で聴こえる音患部を聴いても見つけられない状態変化を見つける方法を知りたくないですか?それは頸部聴診。頸部で聴こえる異常音がどんな音かを知ってさえいれば、気管狭窄や喘息発作、COPDの急性増悪などをすぐに見つけられます。症例写真と聴診音で勉強していきましょう!第6回 中葉・舌区で聴こえる音中葉・舌区は、鼻症状を呈する患者では必ず聴診を行うべき部位。なぜなら鼻に症状が出る場合、気管支にも何らかの異常があることが多いから。今回は副鼻腔気管支症候群や気管支炎などの疾患で聴こえる音の性質を見ていきます。さらにこれを理解するとより一層、聴診から疾患を予測できるようになる「呼吸相」を解説します。第7回 肺底部で聴こえる音間質性肺炎を疑うとき、最も注意して聴診すべき箇所が肺底部。ここで音をキャッチできるとより早期に間質性肺炎を発見し、治療に結び付けられます。肺底部での聴診のコツ、そして実際の症例で録音した肺音から、音の性質、聴こえるフェーズなどを理解しておきましょう。第8回 肺炎へのアプローチ肺音は、さまざまな肺炎を発見し病期を見分けるのに有用なツールです。今回はインフルエンザ感染後の肺炎、マイコプラズマ肺炎、そしてレジオネラそれぞれの肺音を症例写真とともに聴いていきます。呼気、吸気どちらでよく聴こえるか?高音か低音か?さまざまな角度から音を聴き分ける練習をしていきましょう。第9回 気管支喘息、肺がんへのアプローチ高音と低音と入り混じった喘鳴を聴いたとき、どんな疾患を想像しますか?答えを出すポイントは、気道の構造を考慮すること。気道の太さと細さで音の性質が変わることを念頭に置いて画像や診察情報と照らし合わせることで答えにたどり着くことができます。肺音と解剖、そして画像や診察情報などを総合して、疾患を見つける訓練をしていきましょう。第10回 多彩な疾患へのアプローチ最終回は肺音で聴き取れる特殊な症例をみていきます。画像診断やその他の検査で診断がついてから肺音を聴取してみると、その異常が肺音でも聴き取れることがわかります。こうした症例を知っておくと、侵襲的な検査をする前に異常を発見することにもつながります。これはまさに上級者のテクニック。基本的な肺音を聴けるだけでなく、高度なテクニックも身に付けて診断の精度を上げていきましょう!

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急性上部消化管出血に対する緊急内視鏡の適切な施行時期は(解説:上村直実氏)-1225

 吐血や下血を主訴とする急性上部消化管出血の死亡率および外科的手術を減少するために、発症から24時間以内の緊急内視鏡検査が推奨されている。日本の臨床現場でも緊急内視鏡の施行が早ければ早いほど救命率が増加すると考えられているものの、緊急内視鏡検査をいつでも施行できる診療体制を有する施設は限られていることも事実である。 最近、重篤な急性上部消化管出血症例を対象として緊急内視鏡検査の適正な時期を検証する目的で、消化器科へ紹介された後6時間以内に検査する緊急施行群と6時間から24時間以内の早期施行群に分けたRCTが行われた結果、検査施行時期が生命予後や再出血率に影響しないことがNEJM誌に発表された。緊急群に比べて早期施行群では薬剤による酸分泌抑制の時間が長いため、検査施行時には露出血管を伴い内視鏡治療を必要とする重篤な潰瘍病変が減少して、技術的にも内視鏡治療が奏効する割合が上昇したために緊急群と早期群が同等の結果となったことが推察されている。 なお、薬剤の有用性を比較する場合と違って、内視鏡診療に関する最適な方法を検討した結果を日本の臨床に適用しようとすると、内視鏡技術の格差が問題となることが多い。今回の臨床研究が実施された中文大学は香港で最も内視鏡診療のレベルが高く、十分なマンパワーを有し、高度な医療機器が整備された施設であり、内視鏡治療法も日本と同様の止血クリップまたは接触熱凝固のいずれかを用いており、出血性の食道静脈瘤と胃静脈瘤にはそれぞれバンド結紮とシアノアクリレート注入を行っていることから、わが国の内視鏡診療にとっても重要な知見である。 『非静脈瘤性上部消化管出血における内視鏡診療ガイドライン2015』(日本消化器内視鏡学会)に緊急内視鏡の適正な施行時期に関する記載がなく、今回の研究結果から緊急内視鏡検査を急ぐより、患者の全身状態を把握するとともに、当該施設における体制を十分に考慮した対応を事前に考えておくことが肝要であり、さらには消化器内科への紹介前の酸分泌抑制薬投与が重要であることが示唆された。

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第5回 新型コロナ治療薬、レムデシビルは武器か凶器か

これまで治療薬もワクチンもなかった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して、ようやく新たな「武器」が登場する。厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は2020年5月7日、ギリアド・サイエンシズがCOVID-19の中等度~重症入院患者向けに開発中の抗ウイルス薬・レムデシビル(商品名:ベクルリー)をCOVID-19の治療薬として「特例承認」した。緊急対応を要する際に他国で販売されている薬剤など国内臨床試験を省いて承認する「特例承認制度」の適用は、2010年の新型インフルエンザワクチン以来。しかも、日本に先だって米国食品医薬品局(FDA)は緊急時の使用許可を認めたものの、これは正式承認までの暫定措置なため、レムデシビルの正式な製造販売承認は日本が世界初だ。国の焦りや危機感が垣間見える決定とも言える。しかし、この特例承認は歓迎すべき決定である反面、医療現場では新たな「火種」になるかもしれない。4月29日にアメリカ国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が主導した世界68施設での重症COVID-19患者に対する臨床試験の予備的解析結果が発表された。臨床試験は1,063例を登録したプラセボ対照二重盲検無作為化比較試験であり、一定の信頼度はおける試験デザインである。その結果は、主要評価項目である回復までの期間はレムデシビル群:11日、プラセボ群:15日、副次評価項目の患者死亡率はレムデシビル群:8.0%、プラセボ群:11.6%。この発表以降、報道が一気に過熱した。4月30日以降、一般紙では「肯定的な結果」「新型コロナ有望薬」などの見出しが躍った。これに加え、「特例承認」「緊急承認」などの見出しも次々に登場する。もちろん報道側にいる私もこうした報道になるのは、ある意味やむを得ないとは思う。ところが、一般読者は各紙の報道を繰り返し聞かされることで生じる「リフレイン効果」によって、脳内には「有望」「肯定」「特例」「緊急」といった断片的なキーワードが残る。結果として一般読者は「新型コロナに良く効く薬が(or だから)緊急承認される」と脳内で変換してしまう可能性がある。そして、今後は検査で陽性となった患者が重症度にかかわらず医療機関に「私にあのレムデシビルとかいう薬を投与してください」という問い合わせをする現象が起きる可能性がある。実際、免疫チェックポイント阻害薬であるオプジーボの原理を発見した本庶 佑氏のノーベル医学生理学賞の受賞決定時、医療機関ではオプジーボの投与を求める各種がんの患者から問い合わせが殺到しているからだ。医療機関がこうした患者の問い合わせで疲弊するという現象は想像に難くない。しかも今回の試験結果は非常に微妙な内容、突き詰めればCOVID-19による死を恐れる一般人の期待に応えきれるものでないことは医療従事者ならば先刻ご承知だろう。前述の臨床成績のうち統計学的有意差が認められたのは回復までの期間のみで、死亡率では有意差は認められていない。しかも、主要評価項目である回復までの期間ですらハードエンドポイントではなく、ソフトエンドポイントと言ってよい。加えてNIAIDの発表同日に中国の国立呼吸器疾患臨床研究センターのグループが237人の重症新型コロナ患者を対象に同じ手法でプラセボ対照比較試験の結果を「Lancet誌」に報告したが、こちらはレムデシビル群とプラセボ群で症状改善効果に有意差はないという結果になった。レムデシビルは現在も症例規模を拡大したフェーズIII試験が進行中であるため、このように書くと「やや辛口すぎる評価では?」という意見もあるだろう。だが、2群間の比較試験では症例規模を拡大すればするほど統計学的有意差が生じやすいのは周知のこと。今後、より症例規模の大きい試験で死亡率に統計学的有意差が認められたとしても、それは一般人が期待するような死亡率急低下につながるような差にはならないだろうと推定できる。現状、レムデシビルで見込める可能性のある効果とは、回復期間の短縮、すなわち患者の入院期間短縮を通じた病床不足への歯止めという点くらいである。これはその通りならば一定の意義はあるが、なかなか患者・一般生活者には伝わりにくい。レムデシビル登場が逆に現実と一般人の期待の板挟みになる医療従事者を増やすことになるかもしれない。「それは報道のせいだろう」とも言われてしまいそうだが、実は医療を担当する一般向けメディアの記者もその点は悩みなのだ。本連載の第3回でも書いたように記事内にアルファベットが出てくるだけで目を逸らすほど一般読者・視聴者は浮気な存在である。その彼らに「統計学的有意差」「ハードエンドポイント」「ソフトエンドポイント」という言葉は、かみ砕いても伝わりにくい。そんなことを伝えようとしようもなら新聞ならスポーツ面に、テレビならお笑い番組に飛ばされてしまう。しかも、紙面や放送時間には常に限りがあるので、かみ砕けばかみ砕くほどリソース不足となる。よく、一般では代表的な医療批判として「3時間待ち5分診療」が挙げられる。しかし、限られたリソースの中で患者を診察するうえではやむを得ないことは理解できる。そして実は報道する側も似たようなジレンマを常に抱えている。もっとも個人的にはその不可能をどこまで可能にするかの取り組みはやってみるつもりだが…。

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高齢者における難聴とうつ病との関係~メタ解析

 高齢者における難聴とうつ病との関連を報告した研究では、結果に矛盾がみられている。このことから、西オーストラリア大学のBlake J. Lawrence氏らは、関連エビデンスのシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。The Gerontologist誌2020年4月2日号の報告。 MEDLINEなどの学術データベースの検索およびOpenGreyなどでの灰色文献の検索を行い、2018年7月17日までの関連記事を抽出した。横断的研究またはコホート研究を含めた。アウトカムの効果は、オッズ比(OR)として算出し、ランダム効果メタ解析を用いてプールした。 主な結果は以下のとおり。・選択基準を満たした研究は35件(14万7,148例)であった。・横断的研究が24件、コホート研究が11件であった。・難聴は、高齢者におけるうつ病オッズの大きさと有意な関連が認められた(OR:1.47、95%信頼区間[CI]:1.31~1.65)。・研究デザインで層別化した場合、横断的研究(OR:1.54、95%CI:1.31~1.80)およびコホート研究(OR:1.39、95%CI:1.16~1.67)のいずれにおいても、難聴はうつ病オッズの大きさと関連していた。また、研究デザイン間で、効果の推定値に差は認められなかった(Q=0.64、p=0.42)。・難聴とうつ病の関連に対する補聴器の使用などのモデレーター変数の影響は認められなかったが、これらの調査結果は注意して解釈する必要がある。・出版バイアスは認められなかったが、全体的な効果の推定値の確実性は「低」に分類された。 著者らは「高齢者では、難聴に関連するうつ病のオッズ増大がみられる可能性があり、この関連は、研究や研究参加者の特性による影響を受けないと考えられる」としている。

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COVID-19、糞便でのウイルス検出期間中央値が22日/BMJ

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、呼吸器や血清検体と比較して糞便検体で持続期間が有意に長く、流行の予防と管理という点で糞便検体の管理を強化する必要性があることが明らかとなった。さらに、このウイルスは、重症患者の呼吸器組織ではウイルス量が高い状態が長期的に持続しピークが遅いことも確認された。中国・浙江大学のShufa Zheng氏らが、中国・浙江省の病院に入院した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の後ろ向きコホート研究の結果を報告した。2020年4月9日現在、世界中で150万人以上のCOVID-19患者がおり、その数は急増を続けている。これまで、SARS-CoV-2は呼吸器、糞便、血清および尿から検出されることは少数例の検討で報告されてきたが、重症度が異なる疾患進行中のウイルス量の変化はわかっていなかった。BMJ誌2020年4月21日号掲載の報告。COVID-19患者96例の糞便など約3,400検体について解析 研究グループは、中国・浙江省におけるCOVID-19流行の最初の4ヵ月での、疾患進行の段階が異なるCOVID-19患者におけるウイルス量を評価する目的で、指定病院に入院しSARS-CoV-2感染が確認された連続症例96例(軽症22例、重症74例)について、2020年1月19日~2020年3月20日のデータを解析した。 患者が入院後、可能な限り呼吸器(喀痰や唾液)、糞便、血清および尿の検体を毎日採取し、MagNA Pure 96を用いてウイルスを抽出し定量的RT-PCRを行った。Cycle threshold(Ct)値が38以下をSARS-CoV-2陽性とし、SARS-CoV-2 RNAウイルス量は、ウイルス量既知のスタンダードを用いて検量線を作成しCt値から算出した。電子カルテから疫学、臨床所見、臨床検査値、治療および転帰に関するデータを収集し、疾患重症度は中国新型コロナウイルス診療ガイドライン第6版に基づいて評価した。 96例から合計で3,497検体が採取され、SARS-CoV-2 RNAウイルス量が評価された。全例、喀痰および唾液の検体にて感染が確認された。約6割のCOVID-19患者で糞便からSARS-CoV-2検出 SARS-CoV-2 RNAは、COVID-19患者55例(59%)で糞便から、39例(41%)で血清から検出され、尿から検出されたのは1例であった。 COVID-19患者からSARS-CoV-2が検出された期間(ウイルス持続期間)の中央値は、糞便が22日[四分位範囲:17~31]で、呼吸器の18日[13~29]および血清の16日[11~21]と比較して有意に延長した(それぞれp=0.02およびp<0.001)。また、重症度別では、重症患者が21日[14~30]で、軽症患者の14日[10~21]と比較して有意に延長した(p=0.04)。 呼吸器検体の場合、軽症患者では発症後2週目にウイルス量がピークとなったが、重症患者では3週目もウイルス量高値が持続した。また、重症患者では、女性より男性で、60歳未満より60歳以上でウイルス持続期間が有意に長かった(いずれもp=0.01)。 なお著者は研究の限界として、単一施設でのコホート研究であること、ウイルス検出には多くの因子の影響を受けること、COVID-19流行の初期段階で適切な診断ができず糞便や尿検体が2月初旬まで収集されていないことなどを挙げている。

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カリウム代用塩の使用で心血管死が9割減?/BMJ

 中国において全国的に、食事で摂取する塩をカリウム代用塩にすることで、心血管疾患死の約9分の1を予防できるとの推定結果が示された。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のMatti Marklund氏らが、任意の塩(卓上または料理で使用する塩)をカリウムが豊富な塩(カリウム代用塩)へ全国的に置き換えることが、中国における死亡率および心血管疾患死にどのような影響を及ぼすかを推定した研究結果を報告した。ナトリウムの摂取が多く、カリウムの摂取が少ない中国や他の国において、カリウム代用塩の使用は血圧を低下させ心血管疾患を予防する有望な戦略と考えられている。しかし、相対的な有益性や有害性について、とくに慢性腎臓病(CKD)患者における高カリウム血症や心臓死のリスクにおいては明らかになっておらず、カリウム代用塩の普及は限定的となっている。結果を踏まえて著者は、「高カリウム血症のリスクを考慮にいれても、相当の有益性がCKD患者にとってもあると推定された」と述べている。BMJ誌2020年4月22日号掲載の報告。カリウム代用塩への置き換えによる心血管疾患死への影響を、モデルを用いて解析 研究グループは、comparative risk assessment modelを用い、中国における成人集団、とくにCKD患者(約1,700万人)を対象に、カリウム代用塩(塩化カリウム20~30%)への置き換えの全国的な介入の影響を推定するモデル解析を行った。モデルは、無作為化試験、China National Survey of Chronic Kidney Disease、Global Burden of Disease StudyおよびChronic Kidney Disease Prognosis Consortiumから得たこれまでのデータと、対応する不確実性を組み合わせたものであった。 主要評価項目は、カリウム代用塩への置き換え後の、避けられた心血管疾患死、非致死的イベントおよび血圧低下による障害調整生命年の推定値で、CKD患者におけるカリウム摂取量増加による高カリウム血症関連心血管疾患死も算出した。心血管疾患死への正味の影響は、心血管疾患死の避けられた死と追加の死の差および比として推定した。心血管死が実質年間約45万例減少 全国的なカリウム代用塩の使用は、年間約46万1,000例(95%不確定区間[UI]:19万6,339~70万4,438)の心血管疾患死を防ぐことができると推定された。これは中国における、年間心血管疾患死の11.0%(95%UI:4.7~16.8%)、年間非致死的心血管イベント74万3,000例(95%UI:30万5,803~127万3,098)、心血管疾患に関連する障害調整生命年790万(95%UI:330万~1,290万)に相当した。CKD患者では、高カリウム血症関連死が推定1万1,000例(95%UI:6,422~1万6,562)増加すると推定された。 したがって、正味の影響として、心血管疾患死が全体集団で年間約45万例(95%UI:18万3,699~69万7,084)、CKD患者でも2万1,000例(95%UI:1,928~4万2,926)減少する可能性が示された。 感度分析においても正味の有益性は全体集団とCKD患者において一貫しており、避けられる死が追加の死を上回った。

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