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2月10日 フットケアの日【今日は何の日?】

【2月10日 フットケアの日】〔由来〕糖尿病や末梢動脈疾患による足病変の患者が増加していることから、足病変の予防・早期発見・早期治療の啓発を目的に、「フ(2)ット(10)=足」と読む日付の語呂合わせから日本フットケア学会、日本下肢救済・足病学会、日本メドトロニックが共同で制定した。関連コンテンツ新規開業の落とし穴(後編) ドクター・ショッピングのあげく、足専門の重装備クリニックで不正請求を体験して実感した開業のダークサイド【ざわつく水曜日】患者さんの自己流運動へのチェックも大事【患者説明用スライド】人工股関節置換術前の検査【日常診療アップグレード】バスケットボールでよくある傷害は足首の捻挫歩行を守るために気付いてほしい脚の異常/日本フットケア・足病医学会

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事例017 注射時のリドカインテープの査定【斬らレセプト シーズン4】

解説右上肢拘縮に対して、A型ボツリヌス毒素製剤(ボトックス注用)を使用した神経ブロック注射を行いました。患者から痛みを軽減してほしいとの申し出があったため、その前処置として注射予定部位にリドカインテープ(以下「同テープ」)を使用したところ、D事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)が適用されて査定となりました。同テープは穿刺・刺入部位の疼痛軽減に有効であるため、痛みに過敏な患者に対して時々使用していました。小さく切ったものを使用していたために、薬材料にて請求するまでもないとされていました。今回は、刺入点が複数にわたるために1枚を切り分けて複数個所に使用したものでした。しかしながら、添付文書をみると神経ブロックへの適用はありません。また、神経ブロックの項には前処置などは神経ブロック料に含まれると記載されています。したがって、レセプト内容からみて使用目的はわかるが、算定要件には合致していないとD事由が適用されたものと推測ができます。疼痛緩和を強く求める患者に対して、査定になることを理由に自費を請求すると混合診療に該当してしまいます。医師にはこれらに留意しての使用をお願いしました。

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英語で「膝蓋骨」、医療者or患者向けの2つの表現を解説【患者と医療者で!使い分け★英単語】第4回

画像を拡大する医学用語紹介:膝蓋骨 patella「膝蓋骨(しつがいこつ)」はpatellaといいますが、膝蓋骨について説明する際、患者さんにpatellaと言って通じなかった場合、何と言い換えればいいでしょうか?講師紹介

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免疫チェックポイント阻害薬関連の1型糖尿病、生存率との関連~日本人2万例を解析

 免疫チェックポイント阻害薬に関連した1型糖尿病(ICI-T1DM)の発現割合、危険因子、生存率への影響について、奈良県立医科大学の紙谷 史夏氏らが後ろ向き大規模コホートで調査した結果、ICI-T1DMは0.48%に発現し、他の免疫関連有害事象(irAE)と同様、ICI-T1DM発現が高い生存率に関連していることが示唆された。Journal of Diabetes Investigation誌2025年2月号に掲載。 本研究は、わが国の診療報酬請求データベースの1つであるDeSCデータベースを用いた後ろ向き大規模コホート研究で、2014~22年にICIを投与された2万1,121例が登録された。ICI-T1DM発現の危険因子とその特徴をロジスティック回帰分析で評価し、ICI初回投与の翌日以降の新たなirAEの発現をアウトカムとした。  主な結果は以下のとおり。・ICI投与開始後、2万1,121例中102例(0.48%)にICI-T1DMが認められた。・PD-(L)1阻害薬とCTLA-4阻害薬の併用は、PD-1阻害薬単独と比較してICI-T1DMのリスクが高かった(オッズ比[OR]:2.36、95%信頼区間[CI]:1.21~4.58、p=0.01)。・過去に糖尿病(OR:1.59、95%CI:1.03~2.46、p=0.04)または甲状腺機能低下症(OR:2.48、95%CI:1.39~4.43、p<0.01)と診断された患者はICI-T1DMリスクが高かった。・Kaplan-Meier解析では、ICI-T1DM患者はそうでない患者よりも生存率が高かった(log-lank検定p<0.01)。・多変量Cox回帰分析では、ICI-T1DM発現は低い死亡率と関連していた(ハザード比:0.60、95%CI:0.37~0.99、p=0.04)。

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CKDを伴う関節リウマチにおけるJAK阻害薬の安全性・有効性

 虎の門病院腎センター内科・リウマチ膠原病科の吉村 祐輔氏らが慢性腎臓病(CKD)を伴う関節リウマチ(RA)患者におけるJAK阻害薬の有効性・安全性を評価し、腎機能が低下した患者における薬剤継続率を明らかにした。また、推算糸球体濾過量(eGFR)が30mL/分/1.73m2未満の患者については、帯状疱疹や深部静脈血栓症(DVT)の可能性を考慮する必要があることも示唆した。Rheumatology誌2025年1月25日号掲載の報告。 研究者らは、2013~22年にJAK阻害薬を新規処方されたRA患者216例について、多施設共同観察研究を実施。腎機能に応じたJAK阻害薬の減量ならびに禁忌については添付文書に従い、患者を腎機能とJAK阻害薬の各薬剤で分類した。主要評価項目は24ヵ月間の薬剤継続率で、副次評価項目は関節リウマチの疾患活動性評価の指標の1つであるDAS28-CRPの変化、プレドニゾロン投与量、およびJAK阻害薬の中止理由だった。 主な結果は以下のとおり。・eGFR(mL/分/1.73m2)を60以上、30~60、30未満に分類した。・eGFR分類ごとの24ヵ月薬剤継続率は、全JAK阻害薬では46.0%、44.1%、47.1%で、トファシチニブは55.9%、53.3%、66.7%だった。また、バリシチニブ*は64.2%、42.0%で、ペフィシチニブは36.4%、44.1%、40.0%であった。・腎機能が低下したグループでも、薬剤継続率は維持された(調整ハザード比:1.14、95%信頼区間:0.81~1.62、p=0.45)。・JAK阻害薬開始後6ヵ月で、患者のDAS28-CRPは低下し、プレドニゾロンの投与量も減少した。・帯状疱疹とDVTの発生率はeGFR30未満のグループで高かったものの、統計学的に有意ではなかった。・eGFR30未満は、JAK阻害薬の無効または感染による中止の危険因子ではなかった。*バリシチニブはeGFR30未満への投与は禁忌 同グループは2024年に生物学的製剤についてもCKD合併RA患者に対する安全性・有効性を報告している1)。今回のJAK阻害薬の報告とあわせて、メトトレキサートや非ステロイド性抗炎症薬の使用が制限されるCKD合併RA患者に対して、生物学的製剤、JAK阻害薬いずれもの安全性・有効性を示したことになる。

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スタチンと認知症リスクに関するメタ分析、最も顕著な予防作用が示された薬剤は

 世界の認知症患者数は、5,500万例に達するといわれており、2050年までに3倍に増加すると推定されている。心血管系への効果を期待し広く用いられているスタチンには、神経保護作用があるとされているが、認知症リスクに対する影響については、相反する結果が報告されている。ブラジル・アマゾナス連邦大学のFernando Luiz Westphal Filho氏らは、スタチンと認知症リスクとの関連を明らかにするため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Alzheimer's & Dementia誌2025年1月16日号の報告。 PRISMAガイドラインに基づきシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。関連する研究を、PubMed、Embase、Cochraneより検索した。性別、スタチンの種類、糖尿病の有無によるサブグループ解析を実施し、認知症、アルツハイマー病、脳血管認知症リスクを評価した。 主な内容は以下のとおり。・55件の研究、700万例超の観察研究をメタ解析に含めた。・スタチン使用は、非使用と比較し、認知症リスクが有意に低かった(ハザード比[HR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.82〜0.91、p<0.001)。・アルツハイマー病(HR:0.82、95%CI:0.74〜0.90、p<0.001)および脳血管認知症(HR:0.89、95%CI:0.77〜1.02、p=0.093)のリスク低下も認められた。・サブグループ解析では、2型糖尿病患者、3年以上スタチンを使用している患者、最大の保護作用が認められたアジア人集団において、認知症リスクが有意に低下していることが明らかとなった。【2型糖尿病患者】HR:0.87、95%CI:0.85〜0.89、p<0.001【3年以上スタチンを使用している患者】HR:0.37、95%CI:0.30〜0.46、p<0.001【最大の保護作用が認められたアジア人集団】HR:0.84、95%CI:0.80〜0.88・すべての原因による認知症に対し最も顕著な予防作用を示したスタチンは、ロスバスタチン(HR:0.72、95%CI:0.60〜0.88)であった。 著者らは「認知症予防に対するスタチンの神経保護作用の可能性が示唆された。観察研究の限界はあるものの、大規模データセットおよび詳細なサブグループ解析により、結果の信頼性は高まった。これらの結果を確認し、臨床ガイドラインを啓発するためにも、今後のランダム化臨床試験が求められる」としている。

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MSI-H/dMMR進行大腸がん、ニボルマブ+イピリムマブvs.ニボルマブ単剤の中間解析/Lancet

 高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機能欠損(dMMR)の転移を有する大腸がん患者において、ニボルマブ単剤療法と比較してニボルマブ+イピリムマブ併用療法は、治療ラインを問わず無増悪生存期間が有意に優れ、安全性プロファイルは管理可能で新たな安全性シグナルの発現はないことが、フランス・ソルボンヌ大学のThierry Andre氏らが実施した「CheckMate 8HW試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2025年2月1日号で報告された。23ヵ国の無作為化第III相試験 CheckMate 8HW試験は、(1)1次治療におけるニボルマブ+イピリムマブ併用療法と化学療法との比較、および(2)すべての治療ラインにおけるニボルマブ+イピリムマブ併用療法とニボルマブ単剤療法との比較を目的とする非盲検無作為化第III相試験であり、2019年8月~2023年4月に日本を含む23ヵ国128病院で患者を登録した(Bristol Myers SquibbとOno Pharmaceuticalの助成を受けた)。(1)の結果はすでに発表済みで、本論では(2)の中間解析の結果が報告されている。 年齢18歳以上、切除不能または転移を有する大腸がんと診断され、各施設の検査でMSI-HまたはdMMR(あるいはこれら両方)の患者を対象とした。これらの患者を、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法、ニボルマブ単剤療法、化学療法(±標的治療)を受ける群に、2対2対1の割合で無作為に割り付けた。 (2)の主要評価項目は、中央判定でもMSI-H/dMMRであった患者におけるすべての治療ラインの無増悪生存とし、盲検下独立中央判定によって評価した。奏効率も良好 (2)の2つの治療群に707例を登録し、ニボルマブ+イピリムマブ群に354例(年齢中央値62歳[四分位範囲[IQR]:52~70]、女性192例[54%]、未治療例202例[57%])、ニボルマブ群に353例(63歳[51~70]、163例[46%]、201例[57%])を割り付けた。それぞれ296例(84%)および286例(81%)が、中央判定でもMSI-H/dMMRであり、主要評価項目の評価の対象となった。データカットオフ日(2024年8月28日)の時点における追跡期間中央値は47.0ヵ月(IQR:38.4~53.2)だった。 中央判定でMSI-H/dMMRであった集団では、ニボルマブ群と比較してニボルマブ+イピリムマブ群は、無増悪生存期間が有意かつ臨床的に意義のある改善を示した(ハザード比:0.62、95%信頼区間[CI]:0.48~0.81、p=0.0003)。無増悪生存期間中央値は、ニボルマブ+イピリムマブ群が未到達(95%CI:53.8~推定不能)、ニボルマブ群は39.3ヵ月(22.1~推定不能)であった。また、12ヵ月、24ヵ月、36ヵ月時の推定無増悪生存率は、ニボルマブ+イピリムマブ群がそれぞれ76%、71%、68%、ニボルマブ群は63%、56%、51%だった。 盲検下独立中央判定による奏効率(完全奏効+部分奏効)は、ニボルマブ群が58%であったのに対しニボルマブ+イピリムマブ群は71%と有意に優れた(p=0.0011)。奏効期間中央値は両群とも未到達で、奏効までの期間中央値は両群とも2.8ヵ月だった。Grade3/4の治療関連有害事象は22%で 併用療法の安全性プロファイルは管理可能で、新たな安全性シグナルの発現は認めなかった。全Gradeの治療関連有害事象は、ニボルマブ+イピリムマブ群で352例中285例(81%)、ニボルマブ群で351例中249例(71%)に、Grade3または4の治療関連有害事象はそれぞれ78例(22%)および50例(14%)に発現した。最も頻度の高い治療関連有害事象はそう痒(ニボルマブ+イピリムマブ群26%、ニボルマブ群18%)で、投与中止に至った治療関連有害事象の頻度(14%、6%)も併用群で高かった。 最も頻度の高いGrade3または4の免疫介在性有害事象は、下痢または大腸炎(ニボルマブ+イピリムマブ群3%、ニボルマブ群2%)、下垂体炎(3%、1%)、副腎機能不全(3%、<1%)であった。治療関連死は3例に認め、ニボルマブ+イピリムマブ群で2例(それぞれ心筋炎および肺臓炎による死亡)、ニボルマブ群で1例(肺臓炎)であった。 著者は、「これらの結果は、1次治療において化学療法と比較してニボルマブ+イピリムマブ併用療法で優れた無増悪生存期間を示した結果と併せて、この免疫療法薬の2剤併用療法が転移を有するMSI-H/dMMR大腸がん患者に対する新たな標準治療となる可能性を示唆する」としている。

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リファンピシン耐性/キノロン感受性結核に有効な経口レジメンは?/NEJM

 リファンピシン耐性でフルオロキノロン感受性の結核患者の治療において、3つの経口レジメン(BCLLfxZ、BLMZ、BDLLfxZ)の短期投与が標準治療に対し非劣性で、Grade3以上の有害事象の頻度はレジメン間で同程度であることが、フランス・ソルボンヌ大学のLorenzo Guglielmetti氏らが実施した「endTB試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2025年1月30日号に掲載された。7ヵ国の第III相対照比較非劣性試験 endTB試験は、7ヵ国(ジョージア、インド、カザフスタン、レソト、パキスタン、ペルー、南アフリカ共和国)の12施設で実施した第III相非盲検対照比較非劣性試験であり、2017年2月~2021年10月の期間に参加者のスクリーニングと無作為化を行った(Unitaidの助成を受けた)。 年齢15歳以上のリファンピシン耐性でフルオロキノロン感受性の結核患者を、ベダキリン(B)、デラマニド(D)、リネゾリド(L)、レボフロキサシン(Lfx)またはモキシフロキサシン(M)、クロファジミン(C)、ピラジナミド(Z)から成る5つの併用レジメン(BLMZ、BCLLfxZ、BDLLfxZ、DCLLfxZ、DCMZ)または標準治療レジメン(WHOガイドラインに準拠)の6つの治療群に無作為に割り付けた。5つの併用レジメンは9ヵ月間投与した。 主要エンドポイントは73週目の良好なアウトカムとし、不良なアウトカムがなく、65~73週における連続2回の喀痰培養陰性または良好な細菌学的、臨床的、X線画像上の変化と定義した。不良なアウトカムには、死亡(死因は問わない)、5つの併用レジメンのうち1剤または標準治療レジメンのうち2剤の置き換えまたは追加、リファンピシン耐性結核に対する新たな治療の開始などが含まれた。非劣性マージンは-12%ポイントとした。per-protocol集団ではDCMZ群の非劣性確認できず 754例を無作為化し、このうち699例が修正ITT解析、562例がper-protocol解析の対象となった。修正ITT集団の内訳は、BLMZ群118例(年齢中央値31歳、女性34.7%)、BCLLfxZ群115例(38歳、32.2%)、BDLLfxZ群122例(32歳、45.1%)、DCLLfxZ群118例(30歳、32.2%)、DCMZ群107例(32歳、42.1%)、標準治療群119例(31歳、40.3%)であった。 修正ITT解析では、良好なアウトカムの全体の達成率は84.5%(591/699例)で、標準治療群では80.7%(96/119例)であった。修正ITT集団で非劣性が確認された新規レジメンは次の4つで、標準治療群とのリスク差はBCLLfxZ群で9.8%ポイント(95%信頼区間[CI]:0.9~18.7)、BLMZ群で8.3%ポイント(-0.8~17.4)、BDLLfxZ群で4.6%ポイント(-4.9~14.1)、DCMZ群で2.5%ポイント(-7.5~12.5)であった。DCLLfxZ群では非劣性が示されなかった。 per-protocol集団における良好なアウトカムの全体の達成率は95.9%であった。標準治療群とのリスク差はDCMZ群を除いて同程度で、DCMZ群では非劣性を確認できなかった。重篤な有害事象の頻度も同程度 Grade3以上の有害事象は全体の59.2%(441/745例)で発現し、6つのレジメンで54.8~62.7%の範囲であった。重篤な有害事象は、全体の15.2%(113例)に認め、6つのレジメンで13.1~16.7%の範囲と同程度だった。また、とくに注目すべき有害事象のうちGrade3以上の肝毒性イベント(ALTまたはAST上昇)は、全体で11.7%(87例)、標準治療群では7.1%(9例)にみられた。 著者は、「これらの結果は、リファンピシン耐性結核の成人および小児患者の治療における効果的で簡便な経口薬治療に関して、明るい展望をもたらすものである」としている。

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腰痛の軽減方法、最も効果的なのは生活習慣の是正かも

 腰痛を改善するには、従来の治療法を試すよりも不健康な生活習慣を見直す方が大きな改善効果を見込める可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。腰痛持ちの患者のうち、生活習慣指導を受けた患者は標準的なケアを受けた患者に比べて、腰痛により日常生活が障害される程度が軽減し、生活の質(QOL)が向上したという。シドニー大学(オーストラリア)のChristopher Williams氏らによるこの研究結果は、「JAMA Network Open」に1月10日掲載された。 Williams氏は、「腰痛を治すには、腰以外の部分にも焦点を当てる必要がある。われわれの体は機械ではなく、複雑な生態系(エコシステム)のようなもので、多くの要因が相互に影響し合うことで、どのように機能し感じるかが決まる。腰痛もそれと同じだ」と話す。 この研究では、活動制限を伴う慢性腰痛を持ち、1つ以上の生活習慣リスク(過体重、不適切な食生活、身体活動不足、喫煙)を有する346人(平均年齢50.2歳、女性55%)を対象に、研究グループが考案した健康的な生活習慣プログラム(Healthy Lifestyle Program;HeLP)の腰痛軽減効果が、ガイドラインに則った標準的なケアとの比較で検討された。HeLPは、ガイドラインに基づくケアに加え、健康的な生活習慣についての教育(冊子やウェブポータルへのアクセス)やサポート(理学療法士や栄養士とのセッション、電話での健康指導)などを提供する包括的なプログラムである。 試験参加者は、HeLPを受ける群(介入群、174人)と、ガイドラインに基づく理学療法ケアを受ける群(対照群、172人)にランダムに割り付けられた。主要評価項目は、介入開始から26週間後の腰痛による生活機能障害の程度とし、Roland-Morris Disability Questionnaire(RMDQ)を用いて評価した。RMDQスコアは0〜24点で算出され、高スコアほど障害が大きいことを意味する。また、副次評価項目は、体重、痛みの強度、QOL、喫煙状況とした。 ベースライン時のRMDQスコアは、介入群で14.7点、対照群で14.0点であった。しかし26週間後の評価では、介入群のスコアが対照群に比べて有意に改善し、両群のスコアの平均差は−1.3点(95%信頼区間〔CI〕−2.5〜−0.2、P=0.03)であった。HeLPの効果は、プログラムを忠実に守った参加者においてより顕著に現れた。また、介入群では対照群に比べて、体重減少が大きく(平均差−1.6kg、95%CI −3.2~−0.0、P=0.049)、QOL(SF Health Surveyの下位尺度である身体機能の評価スコア)の改善がより大きかった(同1.8点、0.1~3.4、P=0.04)。 こうした結果を受けてWilliams氏は、「腰痛がなかなか治らない人は、脊椎に何が起こっているかのみに焦点を当てるのではなく、さまざまな健康要因を考慮した総合的なケアを受けるべきだ」と述べ、「われわれはこのメッセージを積極的に広めるべきだ」と付言している。 研究グループは、この研究が腰痛に関する将来の診療ガイドラインに影響を与えることを期待していると述べている。また、Williams氏は、「腰痛を治療する臨床医は、患者の日常生活に対するサポートを日々の診療の中にどのように取り入れるかを考えるべきだ。その方法に『正しい』や『間違っている』はないが、最も大切にすべきことは、患者が、『自分の意見が尊重されている』、『意思決定に参加している』と感じることだ」と話している。

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あなたのプロテインは安全? 重金属汚染の可能性

 米国のプロテイン・サプリメント市場規模は、2023年に97億ドル(1ドル155円換算で約1兆5000億円)を突破した。しかし、広く消費される市販のプロテインパウダーは、あなたが思っているほど健康的ではないかもしれない。 米国の非営利組織Clean Label Project(CLP)は最新の調査結果の中で、「ポピュラーなプロテインパウダー(特に植物性の製品、オーガニック製品、チョコレート風味の製品)には、高レベルの鉛とカドミウムが含まれている可能性がある」と報告した。鉛には人体に安全な濃度はなく、カドミウムは発がん性物質であることが知られている。 今回の調査では、市場シェアの83%を占めるトップブランド70社の160製品を検査した(ブランド名は非公開)。これらの製品について、重金属やビスフェノールA(BPA)のような内分泌かく乱物質を含む汚染物質258項目、3万5,862件の検査を行った。 その結果、製品全体の47%がカリフォルニア州の厳格な化学物質規制法であるプロポジション65(CA Prop 65)を含む、連邦または州の安全性規制値のいずれか一つを超えていた。さらに対象製品の21%に、CA Prop 65での規制値の2倍以上の鉛が含まれていた。 製品のカテゴリー別の検査結果を比較すると、次のことが明らかになった。・大豆などを原料とする植物性プロテインパウダーは、チーズ製造の副産物である乳清(ホエイ)を原料とする製品と比べ、鉛が約3倍、カドミウムが約5倍多く含まれていた。・オーガニックのプロテインパウダーには、非オーガニック製品に比べて、鉛が3倍、カドミウムが2倍多く含まれていた。・チョコレート味のプロテインパウダーには、バニラ味の製品に比べて、鉛が4倍、カドミウムが110倍も多く含まれていた。 植物は本来、土壌や水から重金属を吸収するが、産業廃棄物や鉱業、特定の農薬や肥料によって汚染された土壌で栽培された場合、重金属含有量がさらに増加する可能性がある。豊富なフラボノイドと抗酸化物質で知られるダークチョコレートも、鉛やカドミウムを含む重金属の濃度が高くなりやすい。 一方で、今回の調査では良いニュースも報告された。2018年に行われた調査では、調査対象製品の5%からBPAとその類似物質のビスフェノールS(BPS)が検出されたが、今回検査された160製品では、これらの物質が検出されたのは、わずか3製品(約1.9%)のみにとどまった。これは、消費者の要望とこの化学物質をめぐる論争に対する業界の対応が反映された結果といえる。 今回の調査では、内分泌かく乱物質で汚染されている製品は少なかったものの、重金属については、植物由来のプロテインパウダーでの汚染レベルが最も高く、乳清ベースの製品の汚染レベルは植物由来のプロテインパウダーよりも一貫して低いことが明らかになった。CLPのエグゼクティブディレクターJaclyn Bowen氏は、今回の調査結果について、「消費者が有害な汚染物質を避けながらプロテインパウダーを選択する際の参考になるかもしれない」と述べた。 また、Bowen氏は、「消費者は健康とパフォーマンスのためにプロテインやサプリメント製品を購入しており、その製品が安全であることを期待している。食品業界はその原材料の安全性について、透明性のある情報を消費者に示す義務がある」とも述べている。

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認知症ケアの方法間の比較:カウンターフレンチと、無農薬の農家レストランと、町の定食屋(解説:岡村毅氏)

 認知症と診断された人をどうやってケアするのがよいか、という実際的な研究である。1番目の群は「医療」で働いている専門家が、本人に合ったケアをコーディネートしてくれる。2番目の群は「地域」で働いている専門家が、いろいろとつないだりアドバイスしてくれる。3番目の群は、通常のケアである。これらを、認知症の行動心理症状(もの忘れ等の中核的な症状ではなく、たとえば、興奮とか妄想とか、介護者が最も困るもの)をメインアウトカムとして比較している。 説明の前に、認知症の医療のことを少し説明しよう。がんなどの古典的な医療提供体制としては、<調子が悪くてかかりつけ医に行く⇒異常があり大病院に紹介⇒大病院で精密検査しがんが見つかる⇒先端的チームによる素晴らしい手術を受ける⇒術後のケアを受ける⇒安定したらかかりつけ医に戻る>といった経過を取る。では認知症ではどうだろうか。かつては大学病院の認知症外来でも、がんなどと同じことが行われていた。<遠方から患者さんがやって来る⇒大学病院で平凡なアルツハイマー型認知症と診断される⇒大学病院に来続ける⇒ゆっくりと進行する⇒ある日通院できなくなり地域の資源を探し始めるがよくわからない>といった経過である。患者さんや家族にとって、大学病院にかかっている安心感がある以外にメリットのない構図である。 珍しい疾患や、診断が難しいもの(たとえば若年性認知症や、さまざまな希少な神経変性疾患)は大学病院等にかかる意味はあるだろう。しかし普通の認知症は、地域の医療機関や、地域の介護専門家と早期から関係をつくって、本人に合ったケアをコーディネートしたり、さまざまな地域資源のつながりの中でケアしたほうがうまくいく。そもそも大学病院等は、地域とは隔絶していることが多く、認知症ケアに関しては無力であることが多い(もちろん例外もあるだろうが)。 本研究は、「医療」に重きを置く、あるいは「地域」に重きを置くケアが、通常のケアよりも優れているのではないか、そしてどちらがより優れているのか、というのを検証している。 結果は、認知症の行動心理症状に関しては残念ながら3群に有意差はなかった。米国の「通常ケア」の実態を知っているわけではないが、ケアシステム間の比較は難しい。先端的なケア(1、2群のこと)のほうが優れていることは専門家なら誰でもわかっている。とはいえ、患者さんが大変な状況になったら、ケアシステムの中の人は、たぶん必死で助けようとするだろう。どのケアシステムにも、とても優れた専門家もいれば、そうでもない人もいる。なので行動心理症状のような「大変な事態」で比較してしまうと、ケアシステム間の差はうまく出なかったのだろう。例えて言うなれば、カウンターフレンチや無農薬の農家レストランは、町の定食屋に比べたら特別な体験を提供できるし、高いお金を取れる。ただし、空腹の人が飛び込んだ場合には、おいしさには3群に差はないだろう。 なお、メインアウトカムではないが、介護者の自己効力感(自分ならできるという感覚、ケアを安全に続けるためには必須の力であり、これがないと、自分がうつになったり、介護対象者を虐待するリスクが上がる)は1、2群が高かった。これは、当たり前ともいえる。介入群では意識の高い専門家が寄り添ってくれたのだから、自己効力感は上がるだろう。 私たちの研究チームでも、認知症の社会医学研究では、認知機能や行動心理症状などでは有意差を得ることが難しい。それは認知症が複雑な状態であり、認知機能や行動心理症状はその一部にすぎず、そして世界との絶え間ない交流という動的状態の中にあるからだ。そして世界もまたきわめて複雑だからである。私たちのチームでは本人・家族のウェルビーイングや自己効力感を使っている。私たちならメインアウトカムを行動心理症状にはしなかっただろう。

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ゴキブリのせいで多剤耐性菌が院内アウトブレイク【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第275回

ゴキブリのせいで多剤耐性菌が院内アウトブレイク院内感染対策において、私たちは常に新たな課題に直面しています。コロナ禍で注目されたテーマなので、いろいろな研究やエビデンスが出てきました。今回ご紹介する事例は、都市部の病院のICUで発生した、20ヵ月に及ぶ奇妙な多剤耐性エンテロバクターのアウトブレイクです。この事例がとくに注目に値するのは、標準対策では制御できなかった感染拡大が、まさかのアイツによって引き起こされていたことです。タイトルに書いちゃってますが…。っていうか、この連載、ゴキブリ論文多くない?Hanrahan J, et al. Invasion of superbugs: Cockroach-driven outbreak of multidrug-resistant Enterobacter in an ICU.Antimicrob Steward Healthc Epidemiol. 2024 Oct 1;4(1):e155.アウトブレイクは、隣接する病室の2人の患者から多剤耐性エンテロバクターが検出されたことから始まりました。医療スタッフはただちに接触予防策、手指衛生の強化、個々の医療機器の使用徹底など、標準的な感染対策プロトコールを適用しました。しかし、これらの対策にもかかわらず、新たな感染例が次々と確認されていきました。環境調査では、ベッドサイドキャビネット、マットレス、ベッド柵、ゴミ箱の蓋、人工呼吸器、吸引装置など、多くの環境表面から多剤耐性エンテロバクターが検出されました。徹底的な消毒清掃を実施しましたが、一部の病室では繰り返し清掃が必要な状況が続きました。このアウトブレイクの謎を解く重要な手がかりとなったのは、現場の看護師の観察眼! 看護師の1人が病室でゴキブリを目撃していたという報告を受け、捕獲したゴキブリを用いた培養検査を実施しました。その結果、多剤耐性エンテロバクターに加えて、多剤耐性緑膿菌、MRSA、MSSA、アスペルギルス、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌など、複数の院内感染の原因となる微生物が検出されたのです。耐性菌ゴキブリや!最終的に、このアウトブレイクでは入院患者131名中25名(19.5%)が多剤耐性エンテロバクターに感染または保菌していました。感染までの平均期間は14.5日(±10.7日)で、最短でわずか3日というありさまでした。害虫駆除の専門家による対策強化後、一時的に新規感染例は抑制されましたが、13ヵ月後に再びゴキブリが発見され、その1週間後に新たな感染例が確認されました。いや、この害虫ほんまに何やねん…。この論文が声高に書いているのは、病院環境における害虫の存在を決して軽視してはならないということです。とくにゴキブリはさまざまな病原体の媒介者となる可能性があり、比較的清潔な病院が多い日本の医療機関でも注意が必要です。

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第248回 逆転無罪!“見返りなしで逮捕”されたあの事件

倫理的には問題だが、現在の法律では裁くことができない。そんな“理不尽”な司法判断に直面したのは、私のこれまでの記者生活の中で2度目だ。「現判決を破棄する。被告人両名は無罪」以前、本連載も取り上げたKKR札幌医療センターの敷地内薬局選定に関連し、同センター事務部長と保険薬局チェーン・アイン薬局を展開するアインファーマシーズ(以下、アイン)の元社長と元取締役の3人が公契約関係競売等妨害罪に問われた裁判。一審判決では3被告いずれも有罪となったが、ともに懲役6ヵ月、執行猶予2年の判決を言い渡されたアインの元社長と元取締役は判決を不服として控訴していた。昨年11月に控訴審初公判が開かれた際、青沼 潔裁判長は被告弁護人側が求めた証人尋問、被告人質問などを即座に却下し、10分足らずで結審させる“塩対応”をした。ここでおそらく私たち記者だけでなく、検察、被告人、弁護人のいずれも控訴棄却で一審判決支持を予想していたはずだ。しかし、1月28日に開かれた控訴審判決では、冒頭のように逆転無罪という予想に反した結論となった。「被告人、弁護人のいずれも…予想していたはずだ」と前述したのは、この瞬間の法廷の様子でも明らかだった。青沼 潔裁判長の無罪言い渡しの瞬間、被告人席にいた弁護人の1人は、まるで鞭で打たれたかのようにビクッと体を動かし、隣にいたマスク姿の被告人の元取締役は驚いたように大きく目も見開いて裁判長を見つめていたからだ。事件の概要は本連載(第211回、第237回)を参考にしてもらいたいが、今回逆転無罪となった判決の理由を端的に説明するならば、KKR側が敷地内薬局選定のために採用した公募型プロポーザルの中身を詳細に検討すると、これが競争入札に当たらないとの判断からだ。そもそも一審判決が根拠としたのは、「随意契約であっても競争入札の実質を有するものは入札に当る」という昭和33年最高裁判例である。ちなみに公募型プロポーザルは、随意契約の1種に分類されている。一審判決では(1)KKRの公募型プロポーザルは審査項目と一定の客観性・公平性を担保した審査基準を設定、(2)審査項目内では敷地内薬局事業者がセンターに支払う賃料という一般競争入札の落札価格にも似た経済的・客観的項目を相当程度重視、(3)非公表の予定価格の設定、不特定多数の参加者の公募、参加事業者は互いに他の事業者の提示内容を知らずに企画を提案、(4)あらかじめ定めた基準で提案順位を付けるなど手続の競争性を担保、の観点からKKRの公募型プロポーザルは「競争入札の実質を有する」と判断していた。これに対し、高裁判決は、各審査項目の優劣基準・配点の公募参加者への明示、そしてKKR側選定委員の採点基準がないため、採点は選定委員の裁量に大きく依存し、採点実態も合理性に欠くことなどから競争入札に求められる客観性・公平性が担保されていたとは言えず、「競争入札の実質を具備すると認めることには合理的な疑いが残る」との判断を示した。さらに優先交渉権者を決める今回の公募型プロポーザルは、最終交渉で契約締結に至らないことや提出した企画提案書とは異なる内容の契約締結の可能性も残され、手続き面でも公契約関係競売入札妨害罪を定めた刑法第96条の6で定める「契約を締結するためのもの」には当たらないとも判断した。結果、少なくとも今回のKKRが行った公募型プロポーザルに限定して言えば、競争入札ではないので、刑罰には問えないとなった。ただ、そもそも今回の事件の要点とも言える、KKR事務部長がアイン側のみに他の参加者の提案内容を漏らして企画提案書の再提出を求め、それにアイン側が応じたことは高裁判決内でも「公正を害する行為」で、KKR札幌医療センターが「公」の立場であるとの一審の判断を維持した。しかも、一審で同じ罪に問われたKKR事務部長は控訴しなかったため、すでに懲役1年・執行猶予3年の有罪が確定している。もし、今回の高裁判決が確定すれば、そもそも問題となったKKRによる公募型プロポーザルは競争入札ではないので、事務部長を有罪とした判断も事実上誤りとなる。なんともバランスが悪く、モヤる判決である。思い出す、あの事件さて、冒頭で私がこのような経験は2度目であると書いたが、1度目は通称・ディオバン事件である。この事件は、ノバルティスが販売する降圧薬でアンジオテンシンII受容体拮抗薬のバルサルタン(商品名:ディオバン)に関し、発売後に実施したカルシウム拮抗薬のアムロジピンを主とするバルサルタン以外の降圧治療と比較した複数の臨床研究で、バルサルタン群が有意に心血管イベントを抑制したとの論文が公表されたものの、この論文の統計解析がノバルティス社員によって操作されていたというもの。東京地検は論文を用いたノバルティスによるプロモーションが薬機法で禁じる誇大広告に当たるとして統計解析担当者であるノバルティス社員と法人としてのノバルティスを起訴。しかし、一審の東京地裁は、査読付き論文は広告に当たらないとして無罪を言い渡した。この件は検察が控訴、上告したがいずれも棄却され一審の無罪判決が確定した。ただ、臨床研究に関係した5大学の調査委員会は、いずれも関連論文を不適性と断じてそのすべてが撤回され、さらに一審判決ではノバルティス社員本人が否定し続けたにもかかわらず、この社員によるデータ操作を認定している(社員本人は否定)。これも不正はあるが、現行法の適用外という結論だったのだ。刑事裁判で、このような社会一般感情から見ると疑問符がつく判決言い渡しが時々起こるのは、より平たく言うと刑事事件は判決次第で懲役や禁錮といった人の自由を奪う深刻な罰則を伴うため、事実認定や法律解釈を厳格に行わねばならないからである。同時に法律とは、社会変化に対応しながら新規立法・条文の追加、解釈が変化するものであり、その結果、「倫理的に問題だが罪にはならない」が起こり得ることは想定できることだ。これらは頭でわかっていても、やはり今でも「…」となってしまう。さてこのアイン裁判、2月12日が上告期限である。札幌高検はどうするのか? とりあえず私は判決翌日から札幌高裁広報課に上告有無の確認の電話をしている。

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ハッチンソン・ギルフォード早老症候群〔HGPS:Hutchinson-Gilford progeria syndrome〕

1 疾患概要■ 概念・定義ハッチンソン・ギルフォード早老症候群(Hutchinson-Gilford progeria syndrome:HGPS)は、1886年にJonathan Hutchinsonと1897年にHasting Gilfordが報告したことから命名された疾患である。遺伝性早老症の中でも、とくに症状が重篤な疾患であり、出生後半年頃より著しい成長障害、皮膚の強皮症様変化、禿頭、脱毛、小顎、老化顔貌、皮下脂肪の減少、四肢関節の拘縮を呈する。精神運動機能や知能は正常である。脂質代謝異常、動脈硬化性疾患、心血管系合併症により平均寿命は14.6歳と報告されている。■ 疫学全世界で350~400例の典型HGPS患者が報告されており、米国NPO法人のProgeria Research Foundationには、2024年12月末の時点で151例の典型HGPS患者が登録されている。また、2024年9月30日時点でアメリカのHGPS有病率は約2,000万人に1人と報告されている。中国からの論文では調査した17省の有病率(中央値)は5,300万人に1人で、最も頻度の高い海南省は約2,300万に1人と報告されている。筆者らが2023年に全国調査した結果ではわが国のHGPS有病率は約1,667万人に1人であった。■ 病因ラミンAは核膜を物理的に支える枠組みを構成する。ラミン分子が核構造を物理的に安定化させることでクロマチン構造を維持し、また、安定的な転写因子との共役が機能的にも重要である。変異ラミンAタンパクであるプロジェリン(またはファルネシル化プレラミンA)が蓄積すると核膜構造に異常を来し、物理的影響による損傷を受けやすくなる。また、ヘテロクロマチンの分布や量に変化が生じ、異常なテロメアが形成されることで染色体の機能が変化する。このエピジェネティックな変化はすべての遺伝子発現に大きな影響を与える。ラミンAは発生過程のさまざまな転写調節因子に結合し、種々の遺伝子発現に関与するため、プロジェリンは組織構築の過程に重要なNotchシグナル伝達経路の下流で機能する複数の因子の発現量を変化させ、胎児期から成人期まで細胞と臓器の機能分化に大きな影響を与える。また、HGPS患者において臨床的に最も重篤な合併症は小児期早期からの脳心血管障害である。これはプロジェリンの発現が血管平滑筋細胞に小胞体ストレスや炎症を引き起こし、その結果、アテローム性動脈硬化が進行すると報告されている。■ 病態:プロジェリン産生のメカニズムLMNA遺伝子の典型的変異c.1824C>Tは潜在的なスプライス部位ドナーを活性化することにより異常スプライシングを引き起こし、ラミンAタンパク質の中間部分に50アミノ酸が欠失した変異型プレラミンAが産生される。この変異はC末端CAAXモチーフに影響を与えないため、ZMPSTE24によりカルボキシル末端の3アミノ酸は切断され、末端のシステインはカルボキシメチル化される。ZMPSTE24が認識し切断する配列(RSYLLG)は、異常スプライシングにより欠失した50アミノ酸内に含まれるためエンドペプチダーゼZMPSTE24で切断されない。その結果、恒久的にファルネシル化とカルボキシメチル化された変異型プレラミンA、すなわちプロジェリンが産生される。同様にZMPSTE24が認識するプレラミンA内の配列(RSYLLG)内のミスセンスバリアントによりZMPSTE24で切断を受けない分子病態が報告されている。また、ZMPSTE24遺伝子異常により正常なZMPSTE24が産生されないため、プレラミンAの内部切断が起こらずプロジェリンが産生され、その結果、下顎末端異形成症を発症する。■ 症状正常新生児として出生するが、乳児期から著明な成長障害と皮膚の萎縮・硬化を呈する。乳幼児期から脱毛、前額突出、小顎などの早老様顔貌、皮膚の萎縮・硬化、関節拘縮が観察される。動脈硬化性疾患による重篤な脳血管障害や心血管疾患は加齢とともに顕在化し、生命予後を左右する重要な合併症である。悪性腫瘍は10歳以上の長期生存例に認められる重要な合併症である。■ 分類1)プロジェリンを産生する典型遺伝型を保有するHGPS(典型HGPS)LMNA遺伝子のエクソン11内の点突然変異c.1824C>T(p.Gly608Gly)が原因である。特徴的な臨床表現型のHGPS患者の約9割がこの病的バリアントを保有する。この変異によりスプライシング異常が生じ、変異ラミンAタンパク(プロジェリン)が合成される。2)プロジェリンを産生する非典型遺伝型を保有するHGPS(非典型HGPS)非典型HGPSの臨床的な特徴は典型HGPに類似する。LMNA遺伝子の典型病的バリアント(c.1824C>T)以外でプロジェリンを産生するエクソン11またはイントロン11の病的バリアントが原因である。c.1821G>A(p.Val607Val)、c.1822G>A(p.Gly608Ser)、c.1968+5G>C、c.1968+1G>A、c.1968+2T>A、c.1968+1G>Aなどが報告されている。3)プロセシング不全性のプロジェライド・ラミノパチー(PDPL)LMNA遺伝子内の特定の位置の病的ミスセンスバリアントによりZMPSTE24の認識部位を喪失するため、プレラミンAが内部切断されない。c.1940T>G(p.L647R)が報告されている。また、ZMPSTE24遺伝子のホモ接合性または複合ヘテロ接合性機能喪失型病的バリアント(ZMPSTE24欠損)によりプレラミンAが内部切断されない。いずれもプロジェリンが産生される。■ 予後典型HGPSは10歳代でほぼ全例が死亡し、生命予後は極めて不良である。一方で、非典型HGPSでは40歳以上の長期生存例も報告されているが、動脈硬化性疾患に加え、がんの発生(とくに多重がん)に留意する必要がある。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)特徴的な臨床症状とLMNA遺伝子検査による。c.1824C>T(p.Gly608Gly)がヘテロ接合性に確認されれば、典型HGPSと診断される。過去にプロジェリン産生が証明されている病的バリアントがヘテロ接合性に確認されれば、非典型HGPSと診断される。ホモ接合性または複合ヘテロ接合性ZMPSTE24の機能喪失型バリアントによりZMPSTE24遺伝子異常と診断する。わが国の指定難病「ハッチンソン・ギルフォード症候群(告示番号333)」では、臨床症状と遺伝学的検査の組み合わせにより「Definite」と「Probable」を分けて診断する(令和7年に改訂が予定されている)。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)プロジェリンが原因であるHGPSに対して、ファルネシル転移酵素阻害薬ロナファルニブ(商品名:ゾキンヴィ)の臨床的効果が証明され、米国食品医薬品局(FDA)は2020年11月に世界で初めてロナファルニブを医薬品として承認した。以降、欧州やオーストラリア、中国でも承認され、わが国においても2024年1月に厚生労働省に薬事承認され同年5月より販売が開始されている。なお、本剤は、典型HGPS、非典型HGPSに加え、プロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチーも適応症となる。Gordonらは、本剤の内服治療により有意な死亡率の低下を認めたと報告している。4 今後の展望■ 診断法プロジェリンに対する特異的モノクロナル抗体を用いた血漿中プロジェリンの免疫測定法がGordon らの研究グループから報告されている。国内でもLC-MS/MSを用いたラミンAタンパク質バリアントの測定系の確立とその実用化に向けた準備が進められている。■ 治験プロジェリンとラミンAの結合阻害作用を有する低分子化合物Progerininの国際共同治験(Phase I)が2020年より進められている。ほかの国際治験の進捗については、Progeria Research Foundationのホームページで随時公開されている。5 主たる診療科小児科、皮膚科、整形外科、循環器内科、遺伝科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報令和6年度 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業「早老症のエビデンス集積を通じて診療の質と患者QOLを向上する全国研究」研究班(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)NPO法人 Progeria Research Foundation(英語のホームページで詳細な情報・資料を公開/一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)Progeria Clinical Care Handbook(プロジェリアの子どもたちの家族と医療従事者のためのガイド第2版)(日本語版のガイドが無料ダウンロードできる/医療従事者向けのまとまった情報)1)Hutchinson J. Med Chir Trans. 1886;69:473-477.2)Gilford H. Med Chir Trans. 1897;80:17-46:25.3)Gordon LB, et al. GeneReviews [Internet]; 1993-2024.4)Wang J, et al. Pediatr Res. 2024;95:1356-1362.5)Gordon LB, et al. Circulation. 2023;147:1734-1744.公開履歴初回2025年2月7日

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体重減少には週何分くらいの有酸素運動が必要か

 ダイエットではどのくらいの時間、有酸素運動をすれば痩せることができるだろうか。この疑問について、英国のインペリアル・カレッジ・ロンドンの公衆衛生学部疫学・生物統計学科のAhmad Jayedi氏らの研究グループは有酸素運動と脂肪率の指標との用量反応関係を明らかにするために文献の系統的レビューと用量反応のメタ解析を行った。その結果、週30分の有酸素運動は、成人の体重または肥満者の体重、ウエスト周囲径および体脂肪値の緩やかな減少と関連していることが明らかになった。この結果はJAMA Network Open誌2024年12月26日号に掲載された。痩せるには週30分の有酸素運動でも効果あり 研究グループは、2024年4月30日までのPubMed、Scopus、Cochrane Central Register of Controlled Trialsなどの文献から介入期間が8週間以上の無作為化臨床試験で、成人の過体重または肥満者に対する観察の下での有酸素運動の効果を評価したものについて検討し、PRISMAのガイドラインに従った。データ抽出は2人のレビュアーからなる2つのチームが、それぞれ独立して重複して実施。ランダム効果メタ解析を行い、週30分の有酸素運動ごとの平均差と95%信頼区間(CI)を推定し、曲線的な関連性の形状を明らかにした。 主要アウトカムは体重、ウエスト周囲径、体脂肪などであり、エビデンスの確実性は、GRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation)ツールを用いて、非常に低いものから高い確実性までの範囲で評価した。 主な結果は以下のとおり。・成人の過体重または肥満者の合計6,880例(女性4,199例[61%]、平均年齢±SD:46±13歳)について、116の無作為化臨床試験を検討。・有酸素運動を週30分行うごとに、体重は0.52kg(95%CI:-0.61~-0.44、109試験、GRADE中)、ウエスト周囲径は0.56cm減少(95%CI:-0.67~-0.45、62試験、GRADE高)、体脂肪率は0.37%減少(95%CI:-0.43~-0.31、65試験、GRADE中)していたほか、内臓脂肪組織(平均差:-1.60cm2、95%CI:-2.12~-1.07、26試験、GRADE高)と皮下脂肪組織(平均差:-1.37cm2、95%CI:-1.82~-0.92、27試験、GRADE中)も同様の結果だった。・有酸素運動は、生活の質(QOL)の身体的側面(標準化平均差[SMD]:1.69SD、95%CI:1.18~2.20)および精神的側面(SMD:0.74SD、95%CI:0.29~1.19)の緩やかな増加と関連した(参加者80例の試験1件、GRADE低)。・軽度~中等度の有害事象のほとんどは筋骨格系の症状で、わずかながら事象の増加と関連していた(リスク差は参加者100例当たり2件増加、95%CI:1~2、GRADE低)。・用量反応メタ解析により、体重、ウエスト周囲径および体脂肪の測定値は、有酸素運動の継続時間が週300分まで増加することで、直線的または単調に減少することが示された。・中等度~強度の有酸素運動を週150分継続することで、ウエスト周囲径および体脂肪について臨床的に著明な減少がもたらされた。 これらの結果から研究グループは、「週30分の有酸素運動への取り組みは、成人の過体重または肥満者における体重、ウエスト周囲径および体脂肪測定の緩やかな減少と関連していた。その一方で、臨床的に著明な減少を達成するためには、中等度以上の強度で週150分を超える有酸素運動が必要かもしれない」と結論付けている。

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アルツハイマー病患者に対する有酸素運動のベネフィット/BMJ Open

 アルツハイマー病患者の認知機能や実行機能に対する身体活動の影響は、数多くの研究で調査されているものの、その結果は完全に一致しているとはいえない。また、特定のトレーニングや使用する評価ツールに関する研究も、不十分である。中国・湖南渉外経済学院のLinlin Yang氏らは、有酸素運動がアルツハイマー病患者のQOL、認知機能、抑うつ症状に及ぼす影響を調査するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。BMJ Open誌2025年1月11日号の報告。 対象研究には、アルツハイマー病患者に対する介入として有酸素運動を用いたすべてのランダム化比較試験(RCT)を含めた。2024年3月12日までに公表された研究を、PubMed、Web of Science、Cochrane Library、EMBASE、Scopus、CINAHL、CNKIより、システマティックに検索した。2人の独立した著者により、定義された手法を用いてデータ選択、検索を行った。バイアスリスク、システマティックレビューおよびメタ解析、エビデンスの確実性の評価には、それぞれCochrane risk of bias tool、ランダム効果モデル、GRADE(Grading of Recommendations Assessment Development and Evaluation)ツールを用いた。研究間の異質性を評価するため、Stata MP V.18.0およびV.14.0を用いてメタ回帰を実施した。標準化平均差(SMD)および95%信頼区間(CI)を算出した。データは、Cochrane CollaborationのReview Manager V.5.4を用いてレビューした。結果の安定性および信頼性を確認するため感度分析を実施し、出版バイアスを確認するためファンネルプロットおよびEgger's testを用いた。出版バイアスの修正および評価には、Duval and Tweedie clipping methodを用いた。 主な結果は以下のとおり。・有酸素運度は、アルツハイマー病患者の認知機能を向上させることが示唆された。・ミニメンタルステート検査(MMSE)スコア、アルツハイマー病評価尺度の認知サブスケール(ADAS-cog)スコア、QOLの有意な改善が認められた。一方、抑うつ症状については、有意な差が認められなかった。【MMSEスコア】SMD:0.95、95%CI:0.58〜1.32、z=5.06、p<0.00001【ADAS-cogスコア】SMD:−0.67、95%CI:−1.15〜−0.20、z=2.77、p=0.006【QOL】SMD:0.36、95%CI:0.08〜0.64、z=2.51、p=0.01【抑うつ症状】SMD:−0.25、95%CI:−0.63〜0.13、z=1.27、p=0.21・サブグループ解析では、介入期間が16週超、介入1回当たり50分未満の場合、MMSEスコアの改善が認められた。・介入期間が16週超、介入1回当たり30分超の場合、ADAS-cogスコアの改善が認められた。・有酸素運動を週3回以上、介入1回当たり30〜50分以上を16週間継続した場合、QOLの向上が認められた。 著者らは「アルツハイマー病に対する有酸素運動は、認知機能およびQOLの改善に寄与するが、抑うつ症状には有意な影響を及ぼさないことが明らかとなった。ただし、含まれた研究の異質性の高さや質のばらつきを考慮すると、より科学的かつ客観的なRCTにより本結果を検証する必要がある」と結論付けている。

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日本人乾癬患者へのデュークラバシチニブ、年齢やBMIごとの有効性

 TYK2阻害薬デュークラバシチニブの乾癬に対する有効性は確認され、本邦においても2022年に承認・発売されているが、年齢およびBMIによる層別解析を含む長期的な実臨床での有効性の検討は十分ではない。日本医科大学千葉北総病院の萩野 哲平氏らは、日本人乾癬患者におけるデュークラバシチニブの実臨床における52週時での有効性を、年齢およびBMIにより層別化して評価する前向き研究を実施。結果をThe Journal of Dermatology誌オンライン版1月28日号に報告した。 本研究は、2022年12月~2024年8月に実施された。中等症~重症の乾癬を有する15歳以上の日本人患者107例を対象とし、デュークラバシチニブ6mgを1日1回、52週間投与した。治療効果は、Psoriasis Area and Severity Index(PASI)75、PASI 90、PASI 100の達成率およびその他の主要な臨床指標により評価。データは年齢(<65歳 vs.≧65歳)およびBMI(<25 vs.≧25)により層別化された。 主な結果は以下のとおり。・PASIスコアの平均値は、年齢およびBMIにより層別化されたいずれのグループにおいても、52週までに同様の減少がみられた。・52週時点でのPASI 75、PASI 90、PASI 100の達成率は、65歳未満の患者ではそれぞれ86.36%、65.22%、39.13%であった。65歳以上の患者ではそれぞれ86.36%、59.09%、13.64%であり、65歳以上の患者ではPASI 100の達成率がやや低い傾向がみられた。・52週時点でのPASI 75、PASI 90、PASI 100の達成率は、BMI<25の患者ではそれぞれ88.24%、82.86%、29.41%であった。BMI≧25の患者では81.82%、73.33%、18.18%であり、4週、16週、24週、40週時点においてもこれらの達成率がやや低い傾向がみられた。 著者らは、デュークラバシチニブが年齢およびBMIにより層別化された全患者群において、52週時の乾癬の臨床指標を改善したとまとめている。そのうえで本研究結果は、デュークラバシチニブが高齢の乾癬患者に対しても若年〜中高年患者と同様に有効である可能性を示唆した一方で、BMI≧25の患者では、BMI<25の患者と比較して効果がやや低い可能性を示唆したと考察している。

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安定胸痛への冠動脈CTA管理、10年後アウトカムを改善/Lancet

 安定胸痛患者に対する冠動脈CT血管造影(CCTA)による管理は、10年後も冠動脈疾患死または非致死的心筋梗塞の持続的な減少と関連していた。英国・エディンバラ大学のMichelle C. Williams氏らSCOT-HEART Investigatorsが、スコットランドの循環器胸痛クリニック12施設で実施した無作為化非盲検並行群間比較試験「Scottish Computed Tomography of the Heart trial:SCOT-HEART試験」の10年追跡の結果を報告した。SCOT-HEART試験についてはこれまでに、CCTA管理により5年間の冠動脈疾患死または非致死的心筋梗塞のリスクが約4割低下することが示されていた。著者は、「CCTAによる冠動脈アテローム性動脈硬化症の同定は、安定胸痛患者の長期的な心血管疾患予防を改善する」とまとめている。Lancet誌2025年1月25日号掲載の報告。SCOT-HEART試験10年間の解析 研究グループは、冠動脈心疾患による症候性の安定狭心症の疑いのある18~75歳の患者を、標準治療+CCTA併用群または標準治療単独群に1対1の割合で無作為に割り付けた。 今回の10年間の解析は事前に規定されたもので、eDRIS(electronic Data Research and Innovation Service)を介してスコットランド公衆衛生局(Public Health Scotland)より臨床アウトカムに関する情報を入手し、必要に応じて医療記録を確認するとともに、薬剤の使用に関する情報はPrescribing Information Systemから得た。 主要アウトカムは、冠動脈心疾患死または非致死的心筋梗塞の発生、副次アウトカムは全死因死亡、心血管死、冠動脈心疾患死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中などで、ITT解析を行った。10年後も冠動脈疾患死または非致死的心筋梗塞が減少 2010年11月18日~2014年9月24日に、4,146例が登録され(平均年齢57[SD 10]歳、男性2,325例[56.1%]、女性1,821例[43.9%])、2,073例が標準治療+CCTA併用群に、2,073例が標準治療単独群に割り付けられた。 追跡期間中央値10.0年(四分位範囲:9.3~11.0)において、冠動脈疾患死または非致死的心筋梗塞の発生は、CCTA併用群137例(6.6%)、標準治療単独群171例(8.2%)であり、CCTA併用群における減少が維持されていた(ハザード比[HR]:0.79、95%信頼区間[CI]:0.63~0.99、p=0.044)。 全死因死亡、心血管死、冠動脈心疾患死および非致死的脳卒中の発生は両群間で差はなかったが(すべてp>0.05)、非致死的心筋梗塞(90例[4.3%]vs.124例[6.0%]、HR:0.72[95%CI:0.55~0.94]、p=0.017)および主要有害心血管イベント(172例[8.3%]vs.214例[10.3%]、0.80[0.65~0.97]、p=0.026)はCCTA併用群のほうが少なかった。 また、冠動脈血行再建術の施行は同程度であったが(315例[15.2%]vs.318例[15.3%]、HR:1.00[95%CI:0.86~1.17]、p=0.99)、予防的治療薬の処方はCCTA群のほうが多かった(有効なデータのある患者1,486例中831例[55.9%]vs.1485例中728例[49.0%]、オッズ比:1.17[95%CI:1.01~1.36]、p=0.034)。

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直腸がん3年無病生存率、経肛門的TME vs.腹腔鏡下TME/JAMA

 中下部直腸がん患者において、経肛門的直腸間膜全切除術(total mesorectal excision:TME)は腹腔鏡下TMEに対し3年無病生存率について非劣性であることが認められた。中国・中山大学のZiwei Zeng氏らが、中国の16施設で実施した第III相無作為化非盲検非劣性試験「TaLaR試験」の結果を報告した。これまでの研究では、経肛門的TMEは腹腔鏡下TMEと比較し、短期的な組織病理学的アウトカムと合併症に関して有用であることが示されているが、長期的な腫瘍学的アウトカムは明らかになっていなかった。JAMA誌オンライン版2025年1月23日号掲載の報告。中下部直腸がん患者1,115例を無作為化 研究グループは、18~75歳で臨床病期I~IIIの中下部直腸がんと診断され、TMEの原則に従い括約筋温存手技を用いた根治的治療の対象となりうる患者を登録し、経肛門的TME群または腹腔鏡下TME群に1対1の割合で無作為に割り付け、最初の1年間は3ヵ月ごと、2年目は6ヵ月ごと、その後は年1回、追跡評価を行った。 主要評価項目は3年無病生存率で、経肛門的TMEの腹腔鏡下TMEに対する非劣性マージンは群間差の97.5%信頼区間(CI)の下限が-10%とした。副次評価項目は、3年全生存率および3年局所再発率であった。 2016年4月~2021年6月に計1,115例が無作為化され、経肛門的TME群544例、腹腔鏡下TME群545例が主要評価項目解析対象集団となった。年齢中央値は60歳で、男性が692例、女性が397例であった。3年無病生存率は経肛門的TME群82.1%、腹腔鏡下TME群79.4% 3年無病生存率は、経肛門的TME群82.1%(97.5%CI:78.4~85.8)、腹腔鏡下TME群79.4%(75.6~83.4)であった。両群間差は2.7%(97.5%CI:-3.0~8.1)で、97.5%CIの下限が規定した非劣性マージンを上回っており、非劣性が検証された。 3年局所再発率は、経肛門的TME群3.6%(95%CI:2.0~5.1)、腹腔鏡下TME群4.4%(2.6~6.1)であり(ハザード比:0.81、95%CI:0.44~1.49)、3年全生存率はそれぞれ92.6%(90.4~94.8)、90.7%(88.3~93.2)であった(0.78、0.52~1.19)。

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