術後せん妄のリスク因子としての高脂血症の潜在的役割について、中国・Zigong Fourth People's HospitalのLi-Quan Qiu氏らがメタ解析で検討した。その結果、高脂血症患者は術後せん妄リスクが有意に高く、術後せん妄患者では総コレステロール、トリグリセライド、LDLコレステロールが有意に高いことが示され、術後せん妄リスク因子としての高脂血症の潜在的役割が示唆された。Frontiers in Aging Neuroscience誌2025年3月18日号に掲載。
本研究では、PubMed、Embase、Web of Science、Cochrane Library、ClinicalTrials.govを用いて、選択基準を満たす研究を系統的に検索し、術後せん妄患者と非術後せん妄患者の血中脂質レベル、高脂血症と術後せん妄リスクの関連などを調べた。
主な結果は以下のとおり。
・4,686例を含む9件の研究がメタ解析に含まれた。
・プール解析の結果、高脂血症患者は非高脂血症患者と比較して高い術後せん妄リスクと有意に関連していた(オッズ比:1.47、95%信頼区間[CI]:1.13~1.91、p=0.004)。
・術後せん妄患者は非術後せん妄患者と比較して、総コレステロール(加重平均差[WMD]:0.31、95%CI:0.03~0.59、p=0.030)、トリグリセライド(WMD:0.37、95%CI:0.03~0.71、p=0.033)、LDLコレステロール(WMD:0.09、95%CI:0.01~0.17、p=0.023)が有意に高かった。
・HDLコレステロールは術後せん妄患者で有意に低かった(WMD:-0.07、95%CI:-0.12~-0.01、p=0.026)。
(ケアネット 金沢 浩子)