循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:3

がん既往CKM症候群でもフィネレノンの効果は一貫(FINE-HEART)/Eur Heart J

心血管・腎・代謝(CKM)症候群では、共通のリスク因子や病態機序を背景にがんを併存する患者が少なくない。しかし、がん既往を有するCKM症候群患者において、非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬フィネレノンの有効性・安全性が同様に得られるかは明らかではない。そこで、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のMihaly Ruppert氏らは、FINE-HEART統合解析を用いて、がん既往の有無別の臨床像、転帰、フィネレノンの治療反応を検討した。その結果、がん既往は全死亡および全入院リスクの上昇と関連したが、フィネレノンの治療効果はがん既往の有無にかかわらず一貫していた。本研究結果は、European Heart Journal誌オンライン版2026年8月18日号に掲載された。

PREVENT-ASCVD式に石灰化スコア追加、予測能への影響/JAMA

 45~79歳の米国成人において、アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の10年リスク推定式であるPredicting Risk of cardiovascular disease EVENTs(PREVENT)-ASCVDに、冠動脈石灰化(CAC)スコアを追加しても、すべてのリスク群全体でモデルの識別能および再分類能の改善はわずかであり、一部の群では変化がみられなかった。米国・ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部のXiaoning Huang氏らが、同国6施設で実施された縦断的コホート研究「Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis:MESA試験」の解析結果を報告した。

キシリトールが心血管イベント増加と関連/ESC2026

 人工甘味料のキシリトールは食品や口腔ケア製品などに広く使用されているが、一般集団における長期的な心血管安全性に関するエビデンスは限定的である。今回、カナダ・マギル大学のThomas M. Zheng氏らの研究グループが、北米と欧州の2つの大規模前向き観察コホートのデータを用いて解析した。その結果、血中キシリトール濃度が高い一般集団において、主要心血管イベント(MACE)リスクが有意に上昇することが示された。本研究結果は、ドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)において8月29日に発表された。

低用量リバーロキサバン、LAAO後の無症候性脳塞栓の減少や認知機能維持に効果/ESC2026

心房細動(AF)患者に対する左心耳閉鎖術(LAAO)後の抗血栓療法において、長期維持療法の最適なレジメンは確立されていない。今回、LAAO成功後のAF患者を対象に、低用量リバーロキサバン(10mg/日)が抗血小板療法と比較して無症候性脳塞栓(SCE)を減少させ、認知機能を維持しうるかを検討する「HALO-SCE試験」を実施。その結果、低用量リバーロキサバンは抗血小板療法と比較し、新規SCEの発生率を有意に低下させ、認知機能低下の抑制効果が認められることが明らかになった。本研究結果は、中国・南京医科大学第一附属病院のKexin Wang氏が8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表し、European Heart Journal誌オンライン版2026年8月31日号に同時掲載された。

降圧薬による認知症リスクの低下、ARB vs.Ca拮抗薬~日本人大規模データ

 降圧薬の「種類」の違いが、血圧低下とは独立して認知症リスクに影響するかについては、十分に明らかになっていなかった。今回、統計数理研究所/総合研究大学院大学の野間 久史氏らが実施した65歳以上を対象とした標的試験エミュレーションの結果、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の新規開始はカルシウム拮抗薬(CCB)の新規開始に比べて、認知症、とくに血管性認知症のリスクが低いことが示された。Alzheimer’s & Dementia誌2026年8月号に掲載。  本研究では、19自治体の医療・健診情報を統合した約505万人の大規模医療データベースであるLIFE Studyの2014年4月~2024年9月のデータから、新規にARBまたはCCBによる高血圧治療を開始した65歳以上の認知症ではない成人を対象に、標的試験エミュレーションによりARB開始群とCCB開始群の認知症リスクを比較した。

心臓手術前の貧血患者への鉄剤補充、術後在宅日数を延長/BMJ

 待機的心臓手術を受ける予定で貧血がみられる患者において、術前鉄剤投与はプラセボと比較して、術後90日間における自宅での生存日数のわずかな改善をもたらし、赤血球輸血の機会が減少することを、オーストラリア・アルフレッド病院のPaul S. Myles氏らAustralian and New Zealand College of Anaesthetists Clinical Trials Network and the ITACS investigatorsが「ITACS試験」において示した。貧血や輸血は、心臓手術後の合併症リスクの増加や入院期間の長期化と関連しており、術前の静脈内鉄剤補充投与はヘモグロビン濃度を上昇させ、赤血球輸血の必要性を減らす可能性が指摘されている。研究の成果は、BMJ誌2026年8月19日号で報告された。

マラソン中の心停止、スタート時の気温が低いほどリスク上昇か

 マラソン中の心停止はまれではあるものの、生命を脅かす重大なアクシデントだ。今回、日本全国のフルマラソン約453万人の参加データを解析した研究で、スタート時の気温が低いほど心停止リスクが高い可能性が示された。一方、大気汚染物質との有意な関連は認められなかった。研究は、霞ヶ浦医療センター循環器内科の加藤穣氏らによるもので、詳細は6月30日付の「JACC:Advances」に掲載された。  マラソン中の心停止は、冠動脈疾患などランナー側の心血管疾患が主な原因と考えられている。一方、これまでの研究はランナー個人の特徴や基礎疾患に焦点を当てたものが中心で、レース当日の気象条件や大気汚染などの環境要因が心停止リスクに与える影響については十分に明らかになっていなかった。

LDL-C<55mg/dLでもMACE再発、リスク因子は?/ESC2026

動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の2次予防では、超高リスク患者においてLDL-C<1.4mmol/L(55mg/dL)の達成が推奨されている。一方で、LDL-Cを良好に管理しても動脈硬化の進展や心血管イベントの再発は起こりうる。今回、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後にLDL-C<1.4mmol/Lを達成した冠動脈疾患(CAD)患者におけるASCVD再発の臨床的特徴を検討した結果、主要心血管イベント(MACE)は6.2%に発生し、動脈硬化性疾患(polyvascular disease:PVD)がMACEと強く関連する一方、PCI後2ヵ月時点の治療中LDL-C<1.0mmol/L(40mg/dL)の達成はMACEリスク低下と関連していたことが明らかになった。本研究結果は、国立循環器病研究センター 循環器内科の片岡 有氏が8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)の2次予防のセッションで発表、Journal of Clinical Lipidology誌2026年8月号にも掲載された。

心臓手術時の血小板輸血、長期冷蔵保存血液でも止血効果/JAMA

人工心肺装置(CPB)の使用を伴う心臓手術を受ける患者は、出血に対する血小板輸血を要することが多いという。血小板は通常、室温(20~24℃)で最長5~7日間保存されるが、冷蔵保存(1~6℃)により、止血機能を損なわずに保存期間を延長できる可能性が示唆されている。米国・ピッツバーグ大学のPhilip C. Spinella氏らCHIPS Investigator Groupは「CHIPS試験」において、心臓手術を受ける患者では、手術中の活動性出血の制御に関して、最長21日間保存された冷蔵保存血小板(CSP)は、室温保存血小板(RTP)と同程度の止血効果が期待できることを示した。研究の成果はJAMA誌オンライン版2026年8月17日号で報告された。

同種iPS細胞由来の心筋細胞と間質細胞から成るパッチ型心筋移植片BioVATは心不全治療に有望かも(解説:原田和昌氏)

BioVATは同種iPS細胞由来の心筋細胞と間質細胞から成るパッチ型心筋移植片で、LVEFが低下した心不全患者における心筋再筋肉化を目的とする。ドイツ・ゲッチンゲン大学のZimmermann氏らはBioVAT-HF研究において、ドイツの2施設で非盲検第I/II相研究を実施し、外科的なBioVAT移植が3ヵ月の時点で有意な標的壁厚の増加とLVEFの上昇、健康状態の改善をもたらしたと報告した。対象はLVEF 35%以下の症候性の重症心不全で、少なくとも1つの左室セグメントに壁運動の低下または異常を認め、ガイドラインに基づく薬物療法に抵抗性である年齢18~80歳の患者であった。