循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:3

短時間睡眠の睡眠薬服用者はメタボが多い

 睡眠薬の使用とメタボリックシンドローム(MetS)の関連が明らかになった。睡眠薬を使用している短時間睡眠の人でMetSの頻度が有意に高いという。自治医科大学が地域住民対象に動脈硬化危険因子の検証目的で行っている「JMS-IIコホート研究」のベースラインデータを解析した結果だ。同大学地域医療学センター公衆衛生学の石川鎮清氏らの論文が、「Journal of Epidemiology」に11月7日掲載された。  疫学研究からは、睡眠時間がMetSや心血管疾患の有病率と相関することが示されている。一方、睡眠障害に対し睡眠薬を使用することが、心血管転帰にどのような影響を及ぼすのかは結論が得られていない。睡眠薬の使用によって睡眠時間が増えたり睡眠の質が改善することで、血圧や血糖に好ましい影響を与えるとする報告があるのとは反対に、睡眠薬の使用と心血管イベントの増加の関連を指摘する報告もある。そこで石川氏らは、JMS-IIコホート研究のデータを用いて、睡眠薬の使用とMetS有病率との関連を検討した。

肥満リスクを相加的に高める3つの食習慣―久山町研究

 不健康な食習慣の該当数と、肥満リスクとの有意な正の関連が報告された。間食、早食い、就寝間近の食事という3つの習慣のうち、あてはまる数が多い人ほど肥満や腹部肥満の人が多いという。久山町研究のデータを、九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野の吉田大悟氏らが解析した結果であり、詳細は「Nutrients」に10月16日掲載された。  不健康な食習慣が肥満を招きやすいことは、一般的な情報として社会に定着している。しかし、そのような食習慣が積み重なった場合に、肥満のリスクがより高くなるのかどうかは明確でない。そこで吉田氏らは、数々の重要なエビデンスを発信し続けている疫学研究「久山町研究」のデータを用いて、その関連を明らかにすることを試みた。

有害事象にも目をやり、もう一歩進めたPCI適応に関する考察(解説:野間重孝氏)-1332

評者自身がそうであったのだが、察するに多くの方々が果たしてこの論文のどこが新しくてJAMA誌に掲載されるに至ったのだろうかと、当初いぶかしく思われたのではないだろうか。FFRによって患者を選別することにより、虚血が証明された虚血例と虚血が証明されない非虚血例では血管インターベンション(PCI)の成績が異なり、虚血例では予後改善効果が期待できるのに対して、非虚血例ではそのような結果が期待できない。だから医学的側面からも、対費用効果の側面からもFFRを用いた患者の選別は有効であるということは、すでに結論の出た問題として扱われるべきだと考えられているからだ。この論文の新しい点は、こういう観点から一歩進んで、非虚血例に対してPCIを行うことは効果がないばかりではなく、有害であることを示唆したことにある。

睡眠時無呼吸の治療が糖尿病前症の人の心臓を救う?

 糖尿病前症(糖尿病予備群)では心臓病のリスクが高く、睡眠時無呼吸を併発していることも多いが、持続的気道陽圧法「CPAP」と呼ばれる方法で睡眠時無呼吸を治療すると、心臓病のリスクを下げられるかもしれない。その可能性を示唆する研究結果が、「Journal of the American Heart Association」に10月1日掲載された。米シカゴ大学のEsra Tasali氏らが報告した。  糖尿病前症は、血糖値が正常より高いものの糖尿病と見なされるほどではなく、糖尿病に特異的な合併症はほぼ起こらない。しかし、糖尿病に非特異的な合併症(糖尿病で起こりやすいが糖尿病でなくても起こる病気)、具体的には主に心血管疾患は、血糖値が正常な人よりもリスクが高い。また、糖尿病前症の人には肥満が多く、肥満は睡眠時無呼吸のリスク因子である。

機械学習による疾病予測モデルはあまり当たらない(解説:折笠秀樹氏)-1333

フラミンガムスタディデータを使って、心臓病の10年予測モデルが出たのが1998年のことです。私も脳梗塞の再発予測モデルの開発に携わったことがありますが、2012年のことでした。今や予測モデルの研究は枚挙にいとまがないほどです。TRIPOD声明というガイドラインまで出ています。モデル開発にはCoxモデルを用いるのが一般的でしたが、最近では機械学習モデルを使うことも多くなりました。ニューラルネットワークやランダムフォレストなどという手法です。

女性では退職後すぐに座っている時間が急増

 女性では退職後、1日当たりの総座位時間が平均20分以上増加し、それが少なくとも2年間は続く可能性のあることが、新たな研究により示された。トゥルク大学(フィンランド)公衆衛生学分野のKristin Suorsa氏らによるこの研究の詳細は、「Occupational & Environmental Medicine」に11月17日掲載された。  この研究は、2013年に開始され、現在も進行中のフィンランドの地方自治体の退職者に関する調査(Finnish Retirement and Aging Study;FIREA)の参加者のうち、689人(平均年齢63.2歳、女性85%)を対象にしたもの。対象者には、退職前と退職後のそれぞれ数年間ずつ、1年に一度、活動量計を7日間連続で装着してもらい、座位時間を測定した。座位時間は、1日当たりの総座位時間、長時間(30分以上)の座位時間、極めて長時間(60分以上)の座位時間の3つを基準とした。

音声カードの退院時指導で心不全の予後改善

 心不全患者の退院時に、セルフケアの内容を音声カードで手渡すと、再入院や死亡リスクなどが有意に低下するという研究結果が、米国心臓協会学術集会(AHA Scientific Sessions 2020、11月13~17日、バーチャル開催)で報告された。  心不全では、心臓のポンプ機能が低下して息切れやむくみが現われる。急性期には入院治療が行われ、退院後も服薬順守や塩分・水分の摂取制限などの注意すべきことが多く、それらを守らないと再入院を繰り返し予後も悪化する。研究発表者の1人、米クリーブランド・クリニックのカウフマン心不全センターの看護師であるNancy Albert氏は、「患者は退院時に渡す説明書に従わないことがある。命を守るための情報を提供する、新たなツールが必要とされていた」と、今回の研究の背景を述べている。

食事時間の乱れは心疾患のリスクを高める

 健康維持のためには、何を食べるかだけではなく、いつ食べるかに気を付けるべきだとする研究結果が、米コロンビア大学アービングメディカルセンターのNour Makarem氏らにより報告された。平日と週末の食事を取る時刻(以下、食事時間)の変動が、腹囲、体脂肪、血圧、血糖値などの重要な健康リスク因子に関連することが明らかになったという。この知見は、米国心臓協会学術集会(AHA Scientific Sessions 2020、11月13~17日、バーチャル開催)で報告された。  Makarem氏らの研究は、AHAのGo Red for Women Strategically Focused Research Network(SFRN)に参加している、多様な人種・民族から成る女性116人(20~64歳)を対象にしたもの。参加者は1週間にわたり食事時間と食事内容を電子食事日記に記録した。116人中99人は1年後に再度、同様の食事日記を記録して提出した。同氏らは、この記録を基に、対象者の日ごとの食事時間、食事にかける時間、夜間の食事、および「食事の時差ボケ」(平日と週末の食事を取る時間の差)について調査した。また、参加者の1日のうちでの最初と最後の食事の時刻、毎夜の絶食時間(nightly fasting duration;NFD)、午後5~8時の間に摂取したカロリーが占める割合についても調べた。

高用量インフルワクチン、高リスクCVDの死亡改善せず/JAMA

 高リスク心血管疾患患者では、高用量3価不活化インフルエンザワクチンは標準用量4価不活化インフルエンザワクチンと比較して、全死因死亡率や心肺疾患による入院率を低下させないことが、米国・ミネソタ大学のOrly Vardeny氏らが行ったINVESTED試験で示された。研究の詳細は、JAMA誌オンライン版2020年12月4日号で報告された。インフルエンザは、ワクチン接種への免疫応答が強くない心血管疾患患者の心肺合併症や死亡の割合を一時的に高めるという。高用量のインフルエンザワクチンは、インフルエンザによる疾患のリスクを低減する可能性が示唆されている。

COVID-19による静脈血栓塞栓症のアンケート結果/肺塞栓症研究会

 肺塞栓症研究会と日本静脈学会は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による静脈血栓塞栓症の発症有無に関する緊急アンケートを合同で実施し、総計77施設(1,243例)より回答を得た。その結果、肺塞栓症は5例(0.4%)、静脈血栓塞栓症は7 例(0.6%)に発症していたことが明らかになった。今回のアンケート調査では、COVID-19 症例の中で肺塞栓症を含む静脈血栓塞栓症と診断された症例は欧米に比してかなり少数だった。これを踏まえ、横浜南共済病院の孟 真氏率いる調査事務局の研究者らは、「“発症自体が本当に日本人で少ない”のか、“診断されていないだけ”なのかを判断する事は困難である。