循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:3

乾癬は皮膚だけの病気ではない? 重症度と心血管リスクが関連

 乾癬は皮膚に症状が現れる慢性炎症性疾患だが、近年では全身性炎症を背景に心血管疾患リスクの上昇との関連も指摘されている。今回、日本人乾癬患者を対象に、心血管リスク評価に用いられる久山町スコアで解析した結果、乾癬の重症度が高いほど心血管リスクが高いことが示された。研究は、東北大学大学院医学系研究科皮膚科学分野の小林愛里氏、照井仁氏(現:米カリフォルニア大学サンフランシスコ校)らによるもので、詳細は「Immunological Medicine」に3月17日付で掲載された。

マバカムテンは青年期の閉塞性肥大型心筋症にも有効である(解説:原田和昌氏)

成人では閉塞性肥大型心筋症(HOCM)に対して心筋の収縮力を抑制する薬が承認されたが、小児の薬はなかった。わが国のガイドラインでは、HOCMの左室流出路閉塞軽減のためマバカムテンがClass 1で推奨されている。米国・フィラデルフィア小児病院のRossano氏らは、第III相二重盲検無作為化比較試験であるSCOUT-HCM試験にて、青年期(12歳以上18歳未満)のHOCM患者において、マバカムテンがプラセボと比較して、28週間にわたり左室流出路閉塞を有意に改善することを報告した。

高齢者の心不全リスク、無症状の心房細動で約3倍に上昇の可能性

 高頻度に見られるタイプの不整脈である心房細動(AF)がある人では、たとえ無症状であっても心不全(HF)リスクが有意に上昇することが、新たな研究で示された。スクリーニングで無症候性AFが検出された患者では、AFがない人と比べてHFの発症リスクが約3倍高かったという。この研究結果は、欧州不整脈学会年次集会(EHRA 2026、4月12~14日、フランス・パリ)で発表された。  この新たな知見は、AF患者におけるHFの早期発見と治療に役立つ可能性がある。本研究を主導したダンデリード病院(スウェーデン)の循環器専門医であるGina Sado氏は、「HFとAFは双方向の関係にあり、互いに進行を加速させる。

Ca拮抗薬、ARBで降圧不十分な場合には低用量のサイアザイド系利尿薬がきわめて有効であるが、合剤は高齢者では慎重に(解説:桑島巖氏)

TRIDENT研究は、脳出血発症後、収縮期血圧が130~160mmHgに安定した状態の1,670例(平均年齢58歳)を、テルミサルタン20mg、アムロジピン2.5mg、インダパミド1.25mgの1つの合剤治療(ピル)群とプラセボ群に1:1にランダム化して追跡した国際試験である。結果としては、2.5年間の追跡期間中に、主要エンドポイントである脳卒中の再発は合剤(ピル)群は38例(4.6%)であり、プラセボ群の62例(7.4%)に比して有意に少なかったというものである。追跡中の血圧値はピル群127mmHg、プラセボ群138mmHgであった。重大な有害事象には両群で差がなかったが、試験の中止の理由は合剤群で血清クレアチニンレベルが有意に上昇したためであると報じている。

睡眠時無呼吸症候群、日ごとの重症度変動も心血管リスクに影響

 睡眠時無呼吸症候群(OSA)は心疾患、高血圧、脳卒中のリスクを高めることが知られているが、その重症度が日ごとに大きく異なることも、リスクに影響する可能性がある。新たな研究で、OSAの重症度の日ごとの変動が大きい人では、小さい人に比べて、非致死的な主要心血管・脳血管イベント(MACCE)のオッズが34%高いことが示された。フリンダース大学(オーストラリア)のBastien Lechat氏らによるこの研究の詳細は、「Sleep」に3月26日掲載された。  OSAでは、睡眠中の呼吸停止とそれに伴う覚醒が一晩中繰り返され、睡眠の質に悪影響を及ぼすことが知られている。Lechat氏は、「多くの人は、OSAの症状は一定していると考えがちであるが、実際は、ある夜は他の夜よりも著しく悪化するなど日ごとに大きく異なる。

持続性心房細動の1次治療、PFAが抗不整脈薬を上回る/NEJM

 持続性心房細動の初期治療として、非熱性アブレーション技術を用いたパルスフィールドアブレーション(PFA)を受けた患者は、抗不整脈薬療法を受けた患者と比較して、心房性不整脈の再発リスクが有意に低く、重篤な有害事象のリスクは同程度であることが示された。米国・クリーブランドクリニックのOussama M. Wazni氏らAVANT GUARD Study Investigatorsが「AVANT GUARD試験」の結果を報告した。持続性心房細動患者では、著しい電気的、構造的なリモデリングが高頻度に発生するため、発作性心房細動患者に比べて従来の熱性アブレーションの治療成績が劣る傾向にあった。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年4月25日号に掲載された。

コントロール不良の高血圧、チームベースの介入は有効か

 チームによる集中的な治療によって、コントロール不良の高血圧患者の血圧が大幅に低下する可能性があることが、米テュレーン大学疫学教授のKatherine Mills氏らによる新たな臨床試験で示された。高血圧患者のうち、チームベースの多角的な治療を1年半にわたって受けた患者では、収縮期血圧が平均で約16mmHg低下したという。この臨床試験の結果は、「The New England Journal of Medicine(NEJM)」に4月8日掲載された。  研究グループによると、米国では成人の半数以上が130/80mmHg超で定義される高血圧に該当する。

中性脂肪、がんリスクマーカーに?~日本の全身がん検査プログラム

 京都府立医科大学の手良向 聡氏らが行った後ろ向き観察研究から、ベースラインの血清トリグリセライド(TG)が、将来のがん発症リスクを予測する高感度なバイオマーカーとなる可能性が示唆された。Health Science Reports誌2026年3月29日号掲載の報告。  日本において、メタボリックシンドローム(Mets)併存患者のがん死亡率は年々増加しており、これらの患者のがんの早期発見が喫緊の課題となっている。近年、Metsの構成要素が活性酸素種(ROS)の生成、ホルモン産生の変化などを通じて、がん発生を促進する可能性が指摘されている。

重症CKDでも降圧療法で心血管イベント抑制/Lancet

 英国・オックスフォード大学のGuyu Zeng氏らBlood Pressure Lowering Treatment Trialists' Collaboration(BPLTTC)はメタ解析を実施し、心血管リスク低減の観点からは、慢性腎臓病(CKD)患者における降圧治療の相対的効果は、非CKD患者における効果と同等であり、CKDの病期、血圧閾値、蛋白尿の有無にかかわらず一貫した有効性が認められることを示した。ただし、糖尿病合併CKD患者ではこの相対的効果が弱まるため、これらの高リスクサブグループに適合する治療戦略が必要であるという。また、CKDにおける主要な降圧薬のクラス特異的な効果は、CKDの病期や蛋白尿の有無にかかわらず、一般集団で観察される効果と同様であることも示された。CKD患者、とくに進行期の患者について、心血管リスク管理に関するエビデンスは依然として不足していた。Lancet誌2026年4月25日号掲載の報告。

ハイリスクPCIへの予防的Impella使用は推奨されない(CHIP-BCIS3試験から)(解説:加藤貴雄氏)

CHIP-BCIS3試験は、ハイリスクPCI(左室駆出率[LVEF]35%以下、またはLVEF 45%以下で重度僧帽弁逆流を伴う複雑冠動脈疾患に対するPCI)に対して、微小軸流ポンプ(Impella CP)を予防的に使用した左室の負荷除去が予後を改善するかを検証した無作為化割付試験である。主要評価項目は、最低12ヵ月の時点での、あらゆる原因による死亡、障害のある脳卒中、自然発症の心筋梗塞、心血管系の原因による入院、または手技周囲の心筋損傷を含む階層的複合エンドポイントであり、148例がImpella群に、152例が標準治療を受ける群に割り付けられた。