循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:3

AHA/ACC脂質異常症GL改訂、スタチンによる1次予防の対象が大幅に拡大/JAMA

 米国心臓協会(AHA)/米国心臓病学会(ACC)による2026年版の脂質異常症ガイドラインでは、アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の推定リスクおよび1次予防においてスタチンが適応となる集団について新たな推奨事項が提示された。米国・ピッツバーグ大学のTimothy S. Anderson氏らは、2018年版から2026年版への変更により、ASCVDの1次予防を目的とするスタチン療法の対象となる米国の人口が推定2,150万人拡大し、結果として30~79歳の非妊娠成人の半数以上が現在、1次予防におけるスタチンの適応となっており、新たな適応集団の多くは、ASCVDの推定10年リスクが3%未満(平均値3.1%)であることを示した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年7月20日号に掲載された。

高齢者では認知機能低下が心血管疾患イベントに先行か

 高齢者では、認知機能低下が心血管疾患(CVD)イベントに先立って認められるという研究結果が、「JAMA Network Open」に4月20日掲載された。  モナシュ大学(オーストラリア)のSwarna Vishwanath氏らは、ネステッドケースコントロール研究において、CVDイベント発生前の高齢者における認知機能の推移を、CVDイベントがない対照群と比較した。データは、Aspirin in Reducing Events in the Elderly(ASPREE)ランダム化比較試験およびその延長観察研究(ASPREE-XT)から抽出した。対象は、CVDの病歴がない、オーストラリアおよび米国の地域在住高齢者(65歳以上)から成る前向きコホートであった。

がん患者の肺塞栓症診断、YEARSアルゴリズムは有効か?/JAMA

 がん患者における肺塞栓症(PE)の診断戦略について、YEARSアルゴリズムの使用はCT肺動脈造影(CTPA)のみ使用の場合と安全性は同等であることが、オランダ・ライデン大学医療センターのBram Akerboom氏らHydra Study Investigatorsが実施した研究者主導の無作為化非盲検非劣性試験「Hydra試験」の結果で示された。同試験において22%の患者がYEARSアルゴリズムの使用でCTPAの実施を回避できたことも示された。YEARSアルゴリズムは、急性PEを除外する安全かつ効率的な方法とされているが、がん患者における精度に関する確固たるエビデンスは不足しており、現行のガイドラインでは直接CTPAを行うことが推奨されている。JAMA誌オンライン版2026年7月12日号掲載の報告。

適量のコーヒーで心不全や脳卒中リスクが低下~AHAステートメント

 カフェインは世界で最も広く消費されている嗜好薬物の1つであるものの、心血管系に対する詳細なリスクや有効性については、摂取形態や個人差による影響を含めて整理が必要とされてきた。米国心臓協会(AHA)専門委員会のGregory M. Marcus氏(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)らは、カフェインおよびコーヒー摂取が心血管系に及ぼす影響に関する最新の科学的ステートメントを発表した。習慣的な適量摂取(カフェイン最大400mg/日、8オンスカップ[約240mL]でコーヒー3~5杯/日)は多くの成人において安全であり、冠動脈疾患、心不全、脳卒中、心房細動、2型糖尿病などのリスク低下と関連していることが示された。Circulation誌オンライン版2026年7月20日号に掲載。

子どものジュース摂取、多いと将来の高血圧リスク上昇と関連

 子どもがおやつの時間に飲むジュースは、将来の心血管の健康に悪影響を及ぼす可能性があるようだ。子どもの頃から果汁100%のジュースや砂糖入り飲料(sugar-sweetened beverage;SSB)を日常的に飲んでいると、成人期に高血圧を発症するリスクが高まる可能性が、新たな研究で示された。トロント大学(カナダ)栄養学・慢性疾患予防分野のカナダ・リサーチ・チェアであるVasanti Malik氏らによるこの研究結果は、「Circulation」に6月22日掲載された。Malik氏はニュースリリースで、「幼少期の食習慣は、その後の健康に長期的な影響を及ぼす可能性がある。高血圧は若年成人だけでなく、小児や思春期の若者でも増加しており、早期発見と予防の重要性が一層高まっている」と述べている。

多枝冠動脈疾患、ステント留置後のDAPT延長は有効か/NEJM

 多枝病変を伴う冠動脈疾患で、薬剤溶出性ステント留置後に抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を12ヵ月間受けた時点で安定状態にある患者において、アスピリン単独療法をさらに12ヵ月間受ける場合と比較して、クロピドグレルとアスピリンによるDAPTの12ヵ月間の延長は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合のリスクを低下させ、かつ出血リスクの増加を認めないことが、中国・ハルビン医科大学のJinwei Tian氏らが実施した「DAPT-MVD試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2026年7月16日号で報告された。

BMI高値者の肥満症診断は十分か?

 肥満症診断の有無は、BMI高値の人の疾患リスクと関連しているのだろうか。このテーマについて、米国・テキサス大学マクガバン医科大学内科・外科学部肥満医学・代謝機能センターのDeborah B.Horn氏らの研究グループは、CALOR研究において民間のデータベースを使い、BMI基準で肥満に該当する人を診断記録の有無で層別化し、解析した。その結果、日米ともにBMI高値の人では、肥満症診断が十分ではなく、関連疾患の有病率が高いことがわかった。この結果はObesity誌オンライン版2026年7月18日号に掲載された。

GPIIb/IIIa阻害薬は、脳出血は心配ない?(解説:後藤信哉氏)

血小板の凝集はGPIIb/IIIaとフィブリノーゲン、VWFの結合による。心筋梗塞、脳梗塞の発症における血小板の役割は完全に理解されているわけではないが、血小板凝集が一定の役割を演じていると考えられた。循環器内科の領域では血小板凝集を完全に阻害するGPIIb/IIIa阻害薬が3種臨床開発され、国によってはabciximab、tirofiban、eptifibatideの3種、あるいは3種のうちの1種が認可されている。循環器内科の再灌流療法の大半はカテーテルを用いた局所的なPCIであるため、静脈投与可能かつ強力な抗血小板薬であるGPIIb/IIIa阻害薬は、再灌流療法後の急性期再閉塞などの症例に限局して使用されている。血小板凝集を完全に阻害するため、重篤な出血イベントリスクも不可避である。

心筋梗塞を経験した人は認知機能の低下が速い

 心筋梗塞の既往がある人は認知機能の低下が速く、認知機能障害へ進行するリスクも高いことを示すデータが報告された。心筋梗塞を経験していない人と比較して、認知機能障害に進行するリスクが、1年当たり約5%高いという。米オハイオ州立大学のMohamed Ridha氏らの研究によるもので、詳細は「Stroke」に5月14日掲載された。  この研究は、脳卒中リスクの地理的・人種的差異を検討する疫学研究(REGARDS)のデータを用いて行われた。追跡開始時点(ベースライン)で認知機能障害が記録されていた人や、解析に必要なデータのない人などを除外し、2万923人(年齢中央値63歳〔四分位範囲57~70〕、女性57.2%)を、中央値10.1年(四分位範囲7.0~12.1)追跡して、認知機能の低下速度と認知機能障害の発生リスクを心筋梗塞の既往の有無で比較した。

AF合併PCI患者の2剤抗血栓療法、1ヵ月vs.12ヵ月(OPTIMA-AF試験)/Lancet

 心房細動を合併した主に慢性冠症候群を有する患者において、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後に2剤併用抗血栓療法を1ヵ月行い、その後に直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)単剤療法を行った群は、2剤併用抗血栓療法を12ヵ月行った群と比較し、12ヵ月時の死亡または血栓塞栓性イベントに関して非劣性であることが示され、大出血または臨床的に問題となる非大出血(CRNM)は有意に減少した。大阪大学の外海 洋平氏らOPTIMA-AF Investigatorsが、国内75施設で実施した無作為化非盲検実薬対照並行群間試験「OPTIMA-AF試験」の結果を報告した。心房細動患者におけるPCI後の2剤併用抗血栓療法の至適期間は、依然として不明であった。