循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:3

子どものジュース摂取、多いと将来の高血圧リスク上昇と関連

 子どもがおやつの時間に飲むジュースは、将来の心血管の健康に悪影響を及ぼす可能性があるようだ。子どもの頃から果汁100%のジュースや砂糖入り飲料(sugar-sweetened beverage;SSB)を日常的に飲んでいると、成人期に高血圧を発症するリスクが高まる可能性が、新たな研究で示された。トロント大学(カナダ)栄養学・慢性疾患予防分野のカナダ・リサーチ・チェアであるVasanti Malik氏らによるこの研究結果は、「Circulation」に6月22日掲載された。Malik氏はニュースリリースで、「幼少期の食習慣は、その後の健康に長期的な影響を及ぼす可能性がある。高血圧は若年成人だけでなく、小児や思春期の若者でも増加しており、早期発見と予防の重要性が一層高まっている」と述べている。

多枝冠動脈疾患、ステント留置後のDAPT延長は有効か/NEJM

 多枝病変を伴う冠動脈疾患で、薬剤溶出性ステント留置後に抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を12ヵ月間受けた時点で安定状態にある患者において、アスピリン単独療法をさらに12ヵ月間受ける場合と比較して、クロピドグレルとアスピリンによるDAPTの12ヵ月間の延長は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の複合のリスクを低下させ、かつ出血リスクの増加を認めないことが、中国・ハルビン医科大学のJinwei Tian氏らが実施した「DAPT-MVD試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2026年7月16日号で報告された。

BMI高値者の肥満症診断は十分か?

 肥満症診断の有無は、BMI高値の人の疾患リスクと関連しているのだろうか。このテーマについて、米国・テキサス大学マクガバン医科大学内科・外科学部肥満医学・代謝機能センターのDeborah B.Horn氏らの研究グループは、CALOR研究において民間のデータベースを使い、BMI基準で肥満に該当する人を診断記録の有無で層別化し、解析した。その結果、日米ともにBMI高値の人では、肥満症診断が十分ではなく、関連疾患の有病率が高いことがわかった。この結果はObesity誌オンライン版2026年7月18日号に掲載された。

GPIIb/IIIa阻害薬は、脳出血は心配ない?(解説:後藤信哉氏)

血小板の凝集はGPIIb/IIIaとフィブリノーゲン、VWFの結合による。心筋梗塞、脳梗塞の発症における血小板の役割は完全に理解されているわけではないが、血小板凝集が一定の役割を演じていると考えられた。循環器内科の領域では血小板凝集を完全に阻害するGPIIb/IIIa阻害薬が3種臨床開発され、国によってはabciximab、tirofiban、eptifibatideの3種、あるいは3種のうちの1種が認可されている。循環器内科の再灌流療法の大半はカテーテルを用いた局所的なPCIであるため、静脈投与可能かつ強力な抗血小板薬であるGPIIb/IIIa阻害薬は、再灌流療法後の急性期再閉塞などの症例に限局して使用されている。血小板凝集を完全に阻害するため、重篤な出血イベントリスクも不可避である。

心筋梗塞を経験した人は認知機能の低下が速い

 心筋梗塞の既往がある人は認知機能の低下が速く、認知機能障害へ進行するリスクも高いことを示すデータが報告された。心筋梗塞を経験していない人と比較して、認知機能障害に進行するリスクが、1年当たり約5%高いという。米オハイオ州立大学のMohamed Ridha氏らの研究によるもので、詳細は「Stroke」に5月14日掲載された。  この研究は、脳卒中リスクの地理的・人種的差異を検討する疫学研究(REGARDS)のデータを用いて行われた。追跡開始時点(ベースライン)で認知機能障害が記録されていた人や、解析に必要なデータのない人などを除外し、2万923人(年齢中央値63歳〔四分位範囲57~70〕、女性57.2%)を、中央値10.1年(四分位範囲7.0~12.1)追跡して、認知機能の低下速度と認知機能障害の発生リスクを心筋梗塞の既往の有無で比較した。

AF合併PCI患者の2剤抗血栓療法、1ヵ月vs.12ヵ月(OPTIMA-AF試験)/Lancet

 心房細動を合併した主に慢性冠症候群を有する患者において、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後に2剤併用抗血栓療法を1ヵ月行い、その後に直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)単剤療法を行った群は、2剤併用抗血栓療法を12ヵ月行った群と比較し、12ヵ月時の死亡または血栓塞栓性イベントに関して非劣性であることが示され、大出血または臨床的に問題となる非大出血(CRNM)は有意に減少した。大阪大学の外海 洋平氏らOPTIMA-AF Investigatorsが、国内75施設で実施した無作為化非盲検実薬対照並行群間試験「OPTIMA-AF試験」の結果を報告した。心房細動患者におけるPCI後の2剤併用抗血栓療法の至適期間は、依然として不明であった。

人工関節置換術後のVTE予防、アスピリン単独は有用か?/NEJM

 股関節および膝関節の人工関節全置換術(THA/TKA)後の症候性静脈血栓塞栓症(VTE)の予防効果は、リバーロキサバン短期投与後のアスピリン切り替えと比較し、アスピリン単独投与でも非劣性であることが示された。出血イベントも臨床的に意味のある差はなかった。カナダ・ダルハウジー大学のSudeep Shivakumar氏らEPCAT III Trial Investigatorsが、同国の15施設で実施した無作為化二重盲検比較試験「EPCAT III試験」の結果を報告した。THA/TKA後のVTE予防において、リバーロキサバン短期投与後のアスピリンへの切り替えは安全かつ有効であることがEPCAT II試験で認められたが、アスピリン単独投与の有用性については依然として不明であった。NEJM誌オンライン版2026年7月12日号掲載の報告。

PCI実施の急性冠症候群患者、LDL-C40未満でMACEリスク最小化/CVIT

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した急性冠症候群(ACS)患者において、PCI後早期におけるLDL-C40 mg/dL未満の達成は、長期的な主要心血管イベント(MACE)リスクの最小化に直結し、慢性冠症候群(CCS)患者と比較してもはるかに大きな臨床的恩恵をもたらすことが明らかになった。本結果は片岡 有氏(国立循環器病研究センター 循環器内科)が2026年7月16~18日に開催された第34回日本心血管インターベンション治療学会のLate Breaking Clinical Trials 1にて発表し、JACC Asia誌オンライン版2026年7月17日号に同時掲載された。

熱中症による入院患者、多い服用薬は?/MDV

 高温環境により体温調節機能が破綻して発症する熱中症。今年もこの対策が必要な季節が到来した。昨年までの天気予報では「猛暑日」(35℃以上)の表現が多用されていたが、2026年4月17日に気象庁が最高気温40℃以上の名称を「酷暑日」と正式決定し、これまで以上に熱中症対策の重要性が高まっている。  熱中症の重症例では中枢神経障害や循環不全、急性腎障害(AKI)などの多臓器障害を引き起こし、とくにAKIでは脱水や循環血液量減少、横紋筋融解症などを要因とし、集中治療や腎代替療法を要する場合もある。発症予防はもちろんのこと、重症化予防を行うためには患者背景や併存疾患、服用薬剤から重症化リスクをあらかじめ把握しておくことが鍵になるだろう。

少量の飲酒は死亡率を下げるのか~19万人を21年追跡

 少量のアルコール摂取が健康に良い影響を与えるのかどうか、報告は一貫していない。今回、ノルウェー公衆衛生研究所のAage Tverdal氏らは、約19万人という大規模なコホートを対象にアルコールの種類(ビール、ワイン、蒸留酒)と死亡率(全死亡、心血管疾患・虚血性心疾患・がん・アルコール関連疾患による死亡)との関連を約21年間調査し、とくに「少量のワイン摂取」が死亡率に与える影響について詳細な分析を行った。その結果、アルコール摂取量と全死亡リスクにはJ字型の関連がみられ、とくにワイン摂取量との関連が顕著であった。また、少量のワイン摂取は、ビールや蒸留酒の摂取にかかわらず非飲酒者より死亡率が低いことが示された。Scandinavian Journal of Public Health誌オンライン版2026年7月3日号に掲載。