循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:4

FXI阻害薬は有効かつ安全か?(解説:後藤信哉氏)

血液凝固第X因子の阻害薬FXa阻害薬はNOACs、DOACsなどと総称され、心房細動の脳卒中予防などに広く使用された。長らく続いた特許による独占も一部の薬剤については終了し、安価なジェネリック薬も使用可能となった。FXa阻害薬が十分に有効かつ安全であれば、特許切れにより安価となるところであった。しかし、実際はFXa阻害薬開発試験などを見直せば重篤な出血イベントリスクは年率2~3%あり、十分に安全とは言い難い。より出血イベントリスクの低い薬剤としてFXの、内因系の上流であるFXI阻害薬が開発された。

中等度リスク肺塞栓症、超音波補助カテーテル血栓溶解療法が有望/NEJM

 中等度リスクの肺塞栓症において、抗凝固療法への超音波補助カテーテル血栓溶解療法の併用により、抗凝固療法単独と比較して、7日以内の肺塞栓症関連死、心肺の非代償状態または虚脱、肺塞栓症の症候性再発の複合のリスクが有意に低下し、大出血のリスクには差がないことが、米国・マサチューセッツ総合病院のKenneth Rosenfield氏らHI-PEITHO Investigatorsが行った「HI-PEITHO試験」の結果で示された。中等度リスクの急性期肺塞栓症の治療では、静脈内血栓溶解療法は循環虚脱を予防するが、大出血や脳卒中のリスクを増加させることが、大規模無作為化試験で示されている。高周波・低出力の超音波エネルギーは血栓溶解作用を増強する可能性があり、tPA(アルテプラーゼ)によるカテーテル血栓溶解療法の補助として超音波を用いるデバイスは、有効性を保持しつつアルテプラーゼの投与量を減らし、注入時間を短縮する可能性が示されていた。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年3月28日号で報告された。

1型糖尿病合併CKDに対するフィネレノンの可能性と限界―FINE-ONE試験が示したもの(解説:石上友章氏)

1型糖尿病合併CKDに対する腎保護は、2型糖尿病合併CKDとは景色が異なる。2型ではSGLT2阻害薬が腎・心血管保護の中核に位置付けられ、そこにフィネレノンをどう上乗せするかが論点になりやすい。一方、1型では今なおインスリンを基盤とした良好な血糖管理が治療の根幹であり、KDIGOも1型では血糖管理の基盤をインスリンと整理している。さらにDCCT/EDICは、早期からの強化血糖管理が腎症を含む合併症の発症・進展抑制につながることを示しており、1型糖尿病合併CKDではまず血糖管理の質そのものが腎保護の出発点である。近年はCGM活用の重要性も一段と高まっている。

冠動脈中等度狭窄への血行再建、vFFRガイドは有用か/NEJM

 欧米の現行の血行再建ガイドラインでは、中等度の狭窄を呈する冠動脈病変に対する血行再建の必要性を判断するための指針として生理学的評価を推奨しているが、プレッシャーワイヤーや血流増加薬を必要とせずに3次元定量的冠動脈造影から得られる冠血流予備量比(vFFR)に基づく血行再建と、従来のプレッシャーワイヤーを用いた血流予備量比(FFR)に基づく血行再建を比較したデータは十分でないという。オランダ・エラスムス大学医療センターのJoost Daemen氏らは、FAST III試験において、1年後の死亡、心筋梗塞、再血行再建術の複合エンドポイントに関して、vFFRに基づく血行再建はFFRに基づく血行再建に対して非劣性であることを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年3月29日号に掲載された。

6割超が年収2,000万円以上を適正と回答したのは◯◯科/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2026年3月に会員医師1,000人を対象として「年収に関するアンケート」を実施した。そのなかで、自身の年収額を妥当と感じるか尋ねたところ、60.2%(そう思う、ややそう思うの合計)が妥当と考えていた。また、自身の業務内容・仕事量に見合った適正年収を尋ねたところ、2,000万円以上と回答した割合は36.3%であった(実年収2,000万円以上は24.0%)。  年収額の妥当性について、自身の年収額が妥当だと思うかという問いに対し「そう思う」が25.8%、「ややそう思う」が34.4%であり、合計すると60.2%となった。2016年もそれぞれ25.2%、36.4%で合計61.6%となり、大きな変化はみられなかった。

PCIガイド、血管造影によるFFRangio vs.プレッシャーワイヤー/NEJM

 心臓カテーテル検査で生理学的評価を受ける中等度の冠動脈病変を有する患者において、血管造影による冠血流予備量比(FFRangio)を用いる評価戦略は、プレッシャーワイヤーベースの冠血流予備量比(FFR)を用いる評価戦略に対して、1年時点の複合エンドポイント(死亡、心筋梗塞、予定外の臨床的に必要な冠動脈血行再建術)に関して非劣性であることが、米国・スタンフォード大学のWilliam F. Fearon氏らALL-RISE Investigatorsが行った国際共同無作為化非劣性試験(ALL-RISE試験)の結果で示された。プレッシャーワイヤーを用いた中等度の冠動脈病変の評価は、心臓カテーテル検査およびPCIを受ける患者の臨床アウトカムを改善するが、プレッシャーワイヤーベースの生理学的評価の臨床使用は低いままである。

マバカムテン、青年期の閉塞性肥大型心筋症には?/NEJM

 青年期(12歳以上18歳未満)の閉塞性肥大型心筋症(HOCM)患者において、マバカムテンの投与はプラセボ投与と比較して、28週の試験期間にわたり、左室流出路閉塞を有意に大きく改善した。米国・フィラデルフィア小児病院のJoseph W. Rossano氏らSCOUT-HCM Investigatorsが、第III相の二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果を報告した。肥大型心筋症の小児に対する承認薬はなく、左室流出路閉塞を認める患者では外科的介入が選択肢になる。マバカムテンは成人HOCMに対して承認されている選択的心筋ミオシン阻害薬で、有効性と良好な安全性プロファイルが確認されているが、小児患者に対する臨床的評価は行われていなかった。NEJM誌オンライン版2026年3月29日号掲載の報告。

高リスクPCIにおける軸流ポンプ、アウトカムを改善せず/NEJM

 複雑な経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受ける重度の左室機能障害を有する患者において、微小軸流ポンプを用いた左室負荷軽減は、少なくとも12ヵ月時点で主要有害臨床アウトカムのリスクを減少させなかった。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのDivaka Perera氏らCHIP-BCIS3 Investigatorsが、同国の21施設で実施した前向き無作為化非盲検試験「Controlled Trial of High-Risk Coronary Intervention with Percutaneous Left Ventricular Unloading:CHIP-BCIS3試験」の結果を報告した。

複雑病変への高リスクPCI、IVUSガイドvs.血管造影ガイド/NEJM

 複雑病変に対する高リスク経皮的冠動脈インターベンション(PCI)において、血管内超音波(IVUS)ガイド下PCI(事前に規定されたステント最適化基準に基づく)は血管造影ガイド下PCIと比較し、標的血管不全リスクを低下させなかった。オランダ・Erasmus University Medical CenterのRoberto Diletti氏らIVUS-CHIP Investigatorsが、欧州7ヵ国の37施設で実施した無作為化非盲検比較試験「Intravascular Ultrasound Guidance for Complex High-Risk Indicated Procedures trial:IVUS-CHIP試験」の結果を報告した。IVUSガイド下PCIは、複雑な冠動脈病変を有する患者においてステント最適化の向上および有害事象の減少と関連しているが、欧米諸国における導入率は依然として低い。

マンモグラフィは心血管疾患の早期発見にも有効?

 マンモグラフィによる乳がんの定期検診で明らかにできるのは、乳がんの兆候だけではない可能性があるようだ。新たな研究で、マンモグラフィは、女性の最大の死因である心血管疾患(CVD)の兆候を早期段階で検出するのにも役立つ可能性が示唆された。人工知能(AI)を用いてマンモグラフィ画像から測定した、乳房組織の中を通る動脈に蓄積したカルシウム(乳房動脈石灰化〔BAC〕)は、主要心血管イベント(MACE)および死亡の独立した予測因子であることが示唆された。米エモリー大学放射線医学部門教授のHari Trivedi氏らによる研究で、詳細は「European Heart Journal」に3月9日掲載された。