コントロール不良の高血圧、zilebesiran単回投与の上乗せが有効/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2025/06/06

 

 インダパミド、アムロジピンまたはオルメサルタンによる治療下でコントロール不良の高血圧患者において、RNA干渉薬zilebesiran単回投与の追加により、プラセボと比較して3ヵ月時の収縮期血圧(SBP)の有意な低下が認められ、重篤な有害事象の発生は少なかったことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のAkshay S. Desai氏らが北米、英国など8ヵ国の150施設で実施した第II相無作為化二重盲検比較試験「KARDIA-2試験」で示された。高血圧患者を対象とした先行の単剤投与試験では、zilebesiranの単回皮下投与により3ヵ月時および6ヵ月時の血清アンジオテンシノーゲン値およびSBPの低下が認められていた。JAMA誌オンライン版2025年5月28日号掲載の報告。

インダパミド、アムロジピン、オルメサルタンへのzilebesiran追加の有効性と安全性をプラセボ追加と比較

 研究グループは、2022年1月~2023年6月に、未治療の高血圧(診察室座位SBP:155~180mmHg)、または1~2種類の降圧薬を使用してもコントロール不良の高血圧(診察室座位SBP:145~180mmHg)で、18~75歳の患者を登録した。

 二次性高血圧、症候性起立性低血圧、血清カリウム値>5.0mmol/L、eGFR<30mL/分/1.73m2(MDRD法)、症候性心不全、1型糖尿病、コントロール不良の2型糖尿病、または新たに診断された糖尿病の患者は除外された。

 まず非盲検導入期として、適格患者をインダパミド2.5mg、アムロジピン5mgまたはオルメサルタン40mgの3つのコホートに4対7対10の割合で無作為に割り付け、それぞれ1日1回少なくとも4週間投与した。

 導入期後に24時間自由行動下SBPが130~160mmHg、かつアドヒアランスが80%以上の患者を、二重盲検期として各コホートでzilebesiran 600mg群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ追加で単回皮下投与した。

 主要エンドポイントは、3ヵ月時の24時間自由行動下SBPのベースラインからの変化におけるzilebesiran群とプラセボ群との差とした。

 最終追跡調査日は2023年12月11日で、解析は2024年3月1日に実施した。

24時間自由行動下SBPの変化、プラセボとの差は-4.5~-12.1mmHg

 導入期に無作為化された1,491例のうち、663例(各コホート:インダパミド130例、アムロジピン240例、オルメサルタン293例)が二重盲検期にzilebesiran群(332例)またはプラセボ群(331例)に無作為に割り付けられた。

 3ヵ月時の24時間自由行動下SBPのベースラインからの変化のzilebesiran群とプラセボ群の差(最小二乗平均値)は、インダパミドコホートで-12.1mmHg(95%信頼区間:-16.5~-7.6、p<0.001)、アムロジピンコホートで-9.7mmHg(-12.9~-6.6、p<0.001)、オルメサルタンコホートで-4.5mmHg(-8.2~-0.8、p=0.02)であった。

 有害事象については、コホート全体においてzilebesiran群はプラセボ群と比較し、高カリウム血症(18例[5.5%]vs.6例[1.8%])、低血圧(14例[4.3%]vs.7例[2.1%])、急性腎不全(16例[4.9%]vs.5例[1.5%])の発現割合が高かったが、ほとんどの事象は軽度であり治療なしで回復した。

(医学ライター 吉尾 幸恵)