循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

ECMO中の抗凝固療法、未分画/低分子ヘパリンでも出血低減/Lancet

 体外式膜型人工肺(ECMO)施行中の患者における抗凝固療法として、低用量のUFH(未分画ヘパリン)および治療用量のLMWH(低分子ヘパリン)は、重度出血・重度血栓塞栓性合併症・全死亡の複合エンドポイントに関して、標準用量のUFHに対し非劣性であることが認められた。オランダ・フローニンゲン大学医療センターのOlivier van Minnen氏らDutch ECLS Study Groupが、同国7施設の集中治療室(ICU)で実施した無作為化非盲検非劣性試験「RATE試験」の結果を報告した。ECMO中の血栓症リスク低減に対しては、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)をベースライン値の2.0~2.5倍に維持することを目標としたUFH静脈内投与が標準治療であるが、このアプローチは出血リスクを高める可能性が懸念されていた。

「がんサバイバーの心臓をまもる」市民公開講座を開催/日本腫瘍循環器学会【ご案内】

 日本腫瘍循環器学会は、同学術集会(JOCS2026)開催期間中の2026年9月6日(日)、市民公開講座「がんサバイバーの心臓をまもる―がん罹患後の循環器疾患に対応するプライマリケア医を探せ―」を開催する。  近年、がん治療の進歩により多くのがんサバイバーの長期生存が可能になった一方で、治療後には心不全、不整脈、高血圧、血栓症といった循環器疾患に直面するケースも少なくない。本講座では、乳がんや血液がんなどの小児・AYA世代のがん経験者やその家族にとって関心の高いテーマである、「がん治療後に起こりうる心臓・血管の問題」「体調変化を感じたときの相談先」「かかりつけ医や地域医療との連携」などについて、医師、薬剤師、患者アドボケイトが共に考える内容となっている。

PPI、P-CABなどに「低マグネシウム血症」の重大な副作用追加/厚労省

 2026年7月14日、厚生労働省より添付文書の改訂指示が発出され、PPIやP-CABなどの消化性潰瘍治療薬の「重大な副作用」および「重要な基本的注意」の項に、「低マグネシウム血症」に関する注意が追加された。  各製剤における低マグネシウム血症関連事象を評価した結果、PPI含有製剤と低マグネシウム血症との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断された。ただし、PPI単剤で因果関係の否定できない症例が複数確認できるため、一部のパック剤および配合剤についての集積状況は確認されていない。

複数の降圧薬とGLP-1RA併用で低血圧関連イベント増加の可能性

 複数の降圧薬を服用している人がGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)を併用した場合、めまいや失神、転倒などの低血圧関連イベントのリスクが高まることを示唆するデータが報告された。高齢者や2型糖尿病(T2DM)患者はそのリスクがより高い可能性があるという。米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部およびノースウェスタン・メディシンのMicah Eimer氏らが、米国内分泌学会年次集会(ENDO 2026、6月13~16日、シカゴ)で発表した。  GLP-1RAは、代謝・心血管・腎疾患の治療薬として広く処方されている。その副作用の多くは消化器症状であるが、低血圧が生じたとの症例報告も存在する。

HFrEFへの経口グレリン受容体作動薬AC01、安全性と忍容性を確認/Lancet

 AC01は、新規の経口カルシウム感受性強心薬で、グレリン受容体作動薬でもある。本薬は、心筋トロポニンIのリン酸化を低下させるとともに、Ca2+感受性を高めることで心筋の収縮性の向上をもたらすとされる。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のLars H. Lund氏らは「GOAL-HF1試験」で、左室駆出率(LVEF)の低下した心不全(HFrEF)患者の治療において、AC01の28日間の投与は安全で良好な忍容性を示し、重篤な有害事象や明らかな心電図上の異常所見は認められなかったと報告した。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2026年6月24日号に掲載された。

精神科入院患者のVTEリスク、機械的拘束vs.化学的拘束/BMJ

 精神科病院の入院患者では、機械的な身体的拘束(機械的拘束)を受けた患者は化学的な身体的拘束(化学的拘束)を受けた患者と比較して、拘束後30日時の静脈血栓塞栓症(VTE)リスクが約2倍に増加した。また、個別の患者内の解析では、VTE発生率が機械的拘束後14日間で4倍超に上昇することが、デンマーク・Aarhus UniversityのJakob Hansen Viuff氏らによる検討で示された。重度の精神疾患を有する患者は、VTEのリスクが高いとされるが、身体的拘束後のVTEリスクに関するエビデンスは十分でなかった。研究の成果は、BMJ誌2026年7月1日号で報告された。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群、女性は男性より症状負担が大きい

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の女性では、OSAの重症度の指標である無呼吸低呼吸指数(AHI)は男性よりも低いものの、頭痛、悪夢、夜間頻尿などの症状負担は男性よりも大きい傾向があることが、新たな研究で示された。米ピッツバーグ大学の睡眠医学研究者であるStuti Vaidya氏らによるこの研究は、米国睡眠関連学会連合(APSS)の年次総会(SLEEP 2026、7月14〜17日、米ボルチモア)で発表予定であり、要旨は「Sleep」5月増刊号1に掲載された。APSSは、米国睡眠医学会(AASM)および睡眠研究学会(Sleep Research Society)が共同で設立した組織である。

大気汚染物質への長期曝露は冠動脈疾患の進行と関連

 大気汚染への長期曝露は、たとえ曝露レベルが中等度であっても冠動脈疾患(CAD)の進行と関連することが、新たな研究で示された。大気汚染物質であるPM2.5および二酸化窒素(NO2)への曝露レベルが高い人ほど、心臓のCT画像で評価した冠動脈石灰化スコア(CACS)とプラーク負荷が高かったという。トロント大学(カナダ)医療画像学分野のKate Hanneman氏らによるこの研究結果は、「Radiology」に6月9日掲載された。  Hanneman氏によると、本研究の対象者における大気汚染物質への10年間の曝露量中央値は、カナダの現行の空気質基準を大きく下回っていたという。

一般的な降圧薬、2型糖尿病患者の腎障害リスク上昇と関連

 高血圧に対して広く処方されている降圧薬が、2型糖尿病患者の腎障害リスクを高める可能性を示唆するデータが報告された。ジヒドロピリジン系カルシウムチャネル拮抗薬(DCCB)が処方されている患者では、腎障害の発生リスクが、同薬が処方されていない患者に比べて33%高いという。ラビン医療センター(イスラエル)のTimna Agur氏らが、第63回欧州腎臓学会学術集会(63rd ERA Congress、6月3~6日、英・グラスゴー)で発表した。  DCCBに該当する具体的な薬剤名としては、アムロジピンやニフェジピンなどが挙げられる。研究者らによると、これらの薬剤は血管を弛緩させることで血圧を低下させるように作用し、糖尿病性腎臓病(DKD)患者に対する追加の降圧治療薬として広く処方されている。

家庭血圧測定値の遠隔モニタリングで心血管イベントリスクが低下

 動脈硬化性疾患(ASCVD)と診断された50歳以上の成人において、帯状疱疹(HZ)ワクチンの接種は、主要心血管イベント(MACE)およびその他の心血管アウトカムのリスク低下と関連するという研究結果が、米国心臓病学会年次総会(ACC.26、3月28~30日、米ニューオーリンズ)で発表予定である。  米カリフォルニア大学リバーサイド校のRobert Nguyen氏とAditya Desai氏は、米国のTriNetXデータベースを用い、2018年1月1日~2024年1月1日にASCVDと診断された50歳以上の成人を対象とした後ろ向きコホート研究を実施し、この集団において帯状疱疹ワクチン接種が心血管リスクを低減するかどうかを検討した。傾向スコアマッチング後、HZワクチン接種群27万5,304人と非接種群27万5,304人が解析対象となった。