循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

脂肪肝は心血管イベントリスクの上昇と関連

 脂肪性肝疾患(脂肪肝)は、肝臓だけでなく心臓にも悪影響を及ぼす可能性があるようだ。新たな研究で、脂肪肝を有する人では有していない人に比べて、非石灰化冠動脈プラークの量が多く、全死因死亡や心筋梗塞などを含む主要イベントの発生率が約2倍に上昇していることが明らかになった。非石灰化プラークは、石灰化していないため破裂しやすく、血栓形成を通じて心血管イベントを引き起こすリスクが高いとされている。米マス・ジェネラル・ブリガム心臓血管研究所のJan Brendel氏らによるこの研究の詳細は、「Clinical Gastroenterology and Hepatology」に5月20日掲載された。

高い心肺フィットネス、心房細動リスク上回る健康効果

 若い男性では、心肺フィットネスレベルが高いほど心房細動(AF)リスクが上昇するとされてきたが、そのリスクは従来考えられていたほど大きくない可能性があるようだ。112万人超のスウェーデン人男性を対象とした新たな研究で、心肺フィットネスレベルが高い男性ではAFリスクの上昇が認められたものの、AF以外の心血管疾患(CVD)リスクの低下はAFリスクの上昇を上回ることが示された。研究グループは、「今回の研究は、高い心肺フィットネスレベルやレースへの参加が心血管の健康に大きなリスクをもたらすとする見方について、より慎重な解釈が必要であることを示している」と述べている。ウプサラ大学(スウェーデン)のMarcel Ballin氏らによるこの研究の詳細は、「Circulation」に5月21日掲載された。

iPS細胞の心不全へのカテーテル投与、治験1例目を完了/Heartseed

 Heartseedは2026年6月12日、虚血性心疾患または拡張型心筋症による重症心不全を対象とした、他家iPS細胞由来心筋球のカテーテル投与治療(HS-005)の国内第I/II相治験(EMERALD試験)において、1例目への投与に成功したことを発表した。iPS細胞由来の心筋球をカテーテルで投与する臨床試験としては世界初となる。  2026年3月下旬に信州大学医学部附属病院にて、拡張型心筋症による心不全患者1例目への投与が実施された。患者の術後経過はおおむね順調で、すでに退院している。また、独立安全性評価委員会が4週間のデータを評価し、拡張型心筋症群における本治験の継続を承認している。

心臓MRI遅延造影とNT-proBNP値が肥大型心筋症の予後予測に有用(解説:佐田政隆氏)

現在の肥大型心筋症のガイドラインは必ずしも完全ではなく(著者のコメント)、避けられたはずの突然死や不必要なICD(植込み型除細動器)植込みにつながっていると言われている。本研究では、北米ならびに欧州の44施設から2,750例の肥大型心筋症が前向きに登録され、平均6.9年追跡された。注目すべきことには、全例で、造影剤を用いた心臓MRI(CMR)、遺伝子検査、各種バイオマーカー測定が行われた。主要評価項目は、肥大型心筋症関連死、持続性心室頻拍、左室補助装置植込みもしくは心移植であった。CMRで検出された遅延造影(心筋線維化)の割合、左室重量指数、左室収縮末期容量係数およびNT-proBNP値が予後規定因子であった。

糖代謝異常者における循環器病の診断・予防・治療に関するコンセンサスステートメント改訂版の概要/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会の第69回年次学術集会(会長:下村 伊一郎氏[大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科学 教授])が、5月21~23日の日程で、大阪国際会議場、リーガロイヤルホテル大阪をメイン会場に開催された。  今回の学術集会は「IMAGINE いのち輝く 糖尿病の医療・医学を共に目指して」をテーマに、41のシンポジウム、143の口演、ポスターセッション、会長特別企画による講演、特別企画「糖尿病とともに生活する人々の声をきく」などが開催された。

インフルワクチン、感染後も心血管イベントリスクを抑制

 ワクチンを接種していてもインフルエンザに感染してしまうことがある。しかし、たとえ感染したとしても、感染に伴う心筋梗塞や脳卒中といった心血管イベントのリスク上昇が抑制されることを示すデータが報告された。欧州疾病対策センター(ECDC)のRoberto Croci氏らの研究によるもので、詳細は「Eurosurveillance」4月号に掲載された。  研究者らによると、インフルエンザ感染によって引き起こされる全身性の炎症が、短期的に心血管イベントのリスクを高める。それに対してワクチン接種は、感染リスクを抑制することを介して心血管イベントのリスクも抑制することが既に知られていた。

不眠症と心房細動の関連、全国178万人データで検証

 不眠症は多くの人が経験する身近な症状であり、生活の質の低下に加え、さまざまな健康リスクとの関連も指摘されている。今回、日本の全国規模データを用いた解析から、不眠症は心房細動の発症リスク上昇と有意に関連することが示され、特に若年層や女性でその傾向が強いことが明らかになった。睡眠の状態が心臓のリズム異常と関連する可能性を示した研究として注目される。研究は、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科循環器内科学分野の増田拓郎氏、江尻健太郎氏、東京大学医学部附属病院循環器内科先進循環器病学講座の金子英弘氏らによるもので、詳細は4月20日付の「Journal of the American Heart Association(JAHA)」に掲載された。

冠微小循環障害と予後―CFR・IMRによる評価の妥当性を巡って(解説:野間重孝氏)

本論文は、虚血性心疾患が疑われ侵襲的冠動脈造影を受けた患者を対象に、冠微小循環障害(coronary microvascular dysfunction:CMD)の有病率と予後的意義を検討した韓国7施設による前向き多施設コホート研究である。著者らは、冠動脈造影に加えて冠血流予備量比(fractional flow reserve:FFR)、冠血流予備能(coronary flow reserve:CFR)、微小循環抵抗指数(index of microcirculatory resistance:IMR)を系統的に評価し、CFR<2.0かつIMR≧25をCMDと定義した。その結果、CMDは非閉塞性冠動脈疾患のみならず、閉塞性心外膜冠動脈疾患を有する患者にも認められ、さらに全死因死亡、心筋梗塞、臨床的再血行再建術、または心不全入院から成る主要複合エンドポイントの増加と関連したと報告している。

DOACに併用するNSAIDs、出血リスクが低いのは?

 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に関連する消化管出血について、関節リウマチや変形性関節症などでは、COX-2選択的NSAIDsを用いたほうがリスクが低いと報告されている。しかし、直接経口抗凝固薬(DOAC)による治療を受けている非弁膜症性心房細動(NVAF)など、出血リスクが高い集団におけるCOX-2選択的NSAIDsの有益性は明らかになっていない。そこで、ドイツ・シャリテー-ベルリン医科大学のFabian Maximilian Meinert氏らの研究グループは、NVAF患者におけるDOACとNSAIDsの併用について、NSAIDsをCOX-2選択性で分類し、出血リスクを比較した。

抗凝固療法適応の心房細動患者、左心耳閉鎖術の非劣性を確認/NEJM

 抗凝固療法適応の心房細動患者において、Watchman Flx(米国・Boston Scientific製)デバイスを用いた左心耳閉鎖術は非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)療法と比較し、3年時の心血管死、脳卒中または全身性塞栓症の複合エンドポイントに関して非劣性、かつ3年時の手技に関連しない出血に関して優越性が示された。米国・Cedars-Sinai Smidt Heart InstituteのShephal K. Doshi氏らCHAMPION-AF Investigatorsが、16ヵ国の141施設で実施中の無作為化試験「CHAMPION-AF試験」の、3年追跡解析結果を報告した。心房細動患者では、脳卒中予防のための経口抗凝固療法は出血リスクによって制限される。