循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

日本人Lp(a)の実態解明、2つのカットオフ値を提案(LEAP研究)

 日本人のLp(a)濃度分布やLp(a)の心血管疾患(CVD)との関連を明らかにするために国内で実施されている多施設共同後ろ向き観察研究(LEAP研究)。2025年の第57回日本動脈硬化学会総会・学術集会での発表時には、日本人におけるLp(a)濃度分布と冠動脈疾患(CAD)をはじめとする併存疾患の関連性について、具体的に示されていなかった。今回、本研究の筆頭著者である山田 知明氏(東京科学大学病院 医療情報部)らはそれらを明らかにし、Journal of Atherosclerosis and Thrombosis誌2026年8月1日号で報告した。

LDL-C上昇の成人が世界で46億人に増加、高齢化で疾病負担増/JAMA

 心血管疾患は、早期死亡の主要な原因であり、LDL-C値の上昇は介入可能なリスク因子とされる。LDL-Cに関連する疾病負担を評価することは、心血管疾患の予防および治療戦略を策定するうえできわめて重要と考えられる。米国・ワシントン大学のChristian Razo氏らGBD 2023 LDL Cholesterol Collaboratorsは、世界疾病負担(GBD)研究の一環として、1990~2023年におけるLDL-C値上昇(35~54mg/dLとの比較)に起因する虚血性心疾患および虚血性脳卒中の疾病負担を、世界、地域、国ごとに推定し、人口増加、高齢化、曝露量の変化などが疾病負担の傾向に及ぼす影響を定量化した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年7月29日号で報告された。

心・脳血管疾患の既往やNSAIDs使用はパーキンソン病リスクを高めるか?

 心・脳血管疾患の既往はパーキンソン病(PD)のリスク増加と関連することが示されているが、逆の因果関係による可能性が疑われていた。一方、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)はPDリスクを低減させると考えられてきたが、過去のエビデンスは一貫しておらず、背景にある血管疾患による交絡の可能性も懸念されていた。英国・University of OxfordのClare Wotton氏らは、女性約82万例を対象とした大規模前向きコホート研究「Million Women Study」のデータを用いて解析を行った。その結果、虚血性心疾患および脳血管疾患の既往はPD発症リスクの有意な上昇と関連しており、逆の因果関係だけでは説明できないことが示された。

抗凝固療法が必要な症例に、PCIを行った後の至適な抗血栓療法とは(解説:山地杏平氏)

抗凝固療法が必要な症例に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行した際の抗血栓療法では、虚血イベントを抑制しながら、いかに出血リスクを低減するかが重要な課題となっています。これまでWOEST、PIONEER AF-PCI、RE-DUAL PCI、AUGUSTUS、ENTRUST-AF PCIなどの試験により、経口抗凝固薬にP2Y12阻害薬を加えた2剤併用療法は、3剤併用療法と比較して出血リスクを低減できることが示され、その安全性が確立されてきました。一方で、この2剤併用療法をどの程度の期間継続すべきかについては、依然として明確なエビデンスが不足していました。

マイクロプラスチックは心筋梗塞と関連?

 心筋梗塞を起こした人では、血液中からマイクロプラスチックおよびナノプラスチック(MNP)が高い割合で検出され、その濃度も高いことを示すデータが報告された。サピエンツァ大学サンタンドレア病院(イタリア)のPasquale Paolisso氏らの研究によるもので、詳細は7月14日付で「European Heart Journal」に掲載された。喫煙や大気汚染も、MNPの検出と関連があるという。  この論文では、「先行研究により、ヒトの臓器や組織にMNPが存在していることが既に示されている」と、研究背景が記されている。しかし、筆頭著者であるPaolisso氏によると、冠動脈(心臓の筋肉に血液を供給する動脈)の血液中にもMNPが存在するのか、また、喫煙や大気汚染などの環境要因がその存在に影響を与えるのかどうかという点については、「ほとんど知られていなかった」という。

卵円孔開存を伴う片頭痛、抗血栓療法が有効か/BMJ

 卵円孔開存(PFO)は片頭痛、とくに前兆を伴う片頭痛と関連し、微小塞栓メカニズムの関与の可能性が示されている。小規模な研究で抗血小板療法(アスピリン、P2Y12阻害薬)の有効性が示唆されているが、これらのエビデンスには一貫性がなく、多くは非比較研究だという。中国医学科学院・北京協和医学院のZiping Li氏らは「COMPETE試験」において、PFOおよび片頭痛を有する患者のレスポンダー率に関して、アスピリン、クロピドグレル、リバーロキサバンはメトプロロールに対し非劣性であり、このうちリバーロキサバンは大出血イベントを増加させずに、レスポンダー率が有意に優れることを示した。研究の成果は、BMJ誌2026年7月29日号で報告された。

SNAP試験:MSSA菌血症に対するセファゾリンの位置付けを変えるエビデンス(解説:小金丸博氏)

MSSA(methicillin-susceptible Staphylococcus aureus)菌血症に対する治療では、長年、欧米を中心にflucloxacillin、クロキサシリン、nafcillinなどの抗ブドウ球菌用ペニシリン(antistaphylococcal penicillin:ASP)が標準治療として位置付けられてきた。一方、セファゾリンは広く使用されているものの、とくに重症感染症における有効性については、ASPと比較した質の高いエビデンスが十分ではなかった。この長年の臨床的疑問に対して、大規模ランダム化比較試験で答えを示したのがNEJM誌2026年6月18日号に報告された「SNAP試験」である。 本試験はMSSA菌血症患者を対象とした国際共同ランダム化比較試験であり、セファゾリン群671例とflucloxacillinまたはクロキサシリン群670例を比較した。

閉塞性睡眠時無呼吸へのCPAP、不眠症併存例でより血圧低下

 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と不眠症の併存(comorbid insomnia and obstructive sleep apnea:COMISA)は血圧コントロール悪化と関連している。今回、中国・Capital Medical UniversityのShuang Li氏らは、4週間の持続陽圧呼吸療法(CPAP)による降圧効果をCOMISA患者とOSA単独患者で比較したところ、COMISA患者で収縮期血圧が有意に低下したことがわかった。Chest誌オンライン版2026年7月31日号に掲載。

肺動脈性肺高血圧症、ralinepagが臨床的悪化リスクを半減/Lancet

 現在の標準治療を受けている肺動脈性肺高血圧症(PAH)患者において、ralinepagはプラセボと比較し、臨床的悪化の初回イベントリスクを有意に低下させたが、有害事象による治療中止の発現割合は高かった。米国・ミシガン大学のVallerie V. McLaughlin氏らADVANCE OUTCOMES Investigatorsが、30ヵ国の169施設で実施した無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「ADVANCE OUTCOMES」の結果を報告した。PAHは肺血管抵抗の上昇を特徴とする希少かつ進行性の疾患であり、右心不全や早期死亡に至る可能性がある。ralinepagは選択的プロスタサイクリン(IP)受容体作動薬で、1日1回経口投与のPAH治療薬として開発された。Lancet誌オンライン版2026年7月28日号掲載の報告。

高血圧の日本人、大腸がん発症率が高い

 高血圧と大腸がん発症率の関連については依然として議論されている。今回、静岡社会健康医学大学院大学の水野 仁美氏らが、日本の大規模コホートデータを用いて、高血圧と大腸がん発症率の関連を検討したところ、降圧薬非服用者では男性において高血圧と大腸がん発症率が関連し、降圧薬服用者では女性において高血圧と大腸がん発症率が関連していた。一方、血圧に関する多遺伝子リスクスコアと大腸がん発症率には関連はみられなかった。Hypertension Research誌オンライン版2026年7月28日号に掲載。