急性心筋梗塞に対するPCI後1ヵ月でアスピリンを中止してDAPTからSAPTへ変更することは問題なし(解説:上田恭敬氏)
急性心筋梗塞に対して7日以内にPCIによる完全血行再建に成功し、1ヵ月の時点までイベントがなかった1,942症例を、アスピリン中止によってDAPTからSAPTへ変更する群(P2Y12阻害薬単剤群961症例)とDAPTを継続する群(DAPT群981症例)に無作為化し、12ヵ月までのイベントを比較した欧州40施設での多施設無作為化試験(TARGET-FIRST試験)の結果が報告された。主要評価項目である全死亡・心筋梗塞・ステント血栓症・脳卒中・BARK type3/5出血の複合エンドポイントは、P2Y12阻害薬単剤群で2.1%、DAPT群で2.2%と差がなく、非劣性が証明された(p=0.02)。さらに、BARK type2/3/5出血はDAPT群で5.6%であったのに対して、P2Y12阻害薬単剤群で2.6%と有意に少なかった(p=0.002)。ただし、PCIは全例でDESを留置しており、造影上の有意狭窄をすべて治療することを完全血行再建としている。