循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

マンモグラフィは心血管疾患の早期発見にも有効?

 マンモグラフィによる乳がんの定期検診で明らかにできるのは、乳がんの兆候だけではない可能性があるようだ。新たな研究で、マンモグラフィは、女性の最大の死因である心血管疾患(CVD)の兆候を早期段階で検出するのにも役立つ可能性が示唆された。人工知能(AI)を用いてマンモグラフィ画像から測定した、乳房組織の中を通る動脈に蓄積したカルシウム(乳房動脈石灰化〔BAC〕)は、主要心血管イベント(MACE)および死亡の独立した予測因子であることが示唆された。米エモリー大学放射線医学部門教授のHari Trivedi氏らによる研究で、詳細は「European Heart Journal」に3月9日掲載された。

心血管疾患2次予防、目標LDL-C値55mg/dL未満でリスク低下/NEJM

 動脈硬化性心血管疾患患者において、目標LDL-C値は55mg/dL未満が70mg/dL未満よりも、3年時点の心血管イベントリスクの低下に結び付いたことを、韓国・延世大学校医科大学のYong-Joon Lee氏らEz-PAVE Investigatorsが行った非盲検無作為化優越性試験の結果で報告した。ガイドラインでは動脈硬化性心血管疾患患者におけるLDL-C値低下を推奨しているが、これらの患者の2次予防のための適切な目標LDL-C値について評価した無作為化試験からのエビデンスは限定的なままであった。NEJM誌2026年4月9日号掲載の報告。

TAVI患者へのPCI遅延戦略、 ルーチンPCIに非劣性(PRO-TAVI)/Lancet

 経カテーテル大動脈弁植込み術(TAVI)を受ける患者に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行の遅延戦略は、TAVI前PCI施行に対して、1年時点の複合エンドポイント(全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中、および大出血)に関して非劣性であることが示された。オランダ・アムステルダム大学医療センターのRonak Delewi氏らPRO-TAVI trial investigatorsが同国の12病院で実施した研究者主導非盲検無作為化試験の結果を報告した。著者は、「示された結果は、患者個別の治療方針決定が重要であることは変わらないが、適切に選択された患者では初期の保存戦略が妥当な選択肢となる可能性を示唆するものであった」とまとめている。Lancet誌2026年4月11日号掲載の報告。

2025年の医療事故発生報告、手術で多いのは/日本医療安全調査機構

 医療事故調査制度(医療法)における医療事故調査・支援センターの業務を行う日本医療安全調査機構は、2026年3月18日に2025年の年報を公表した。この調査は医療法第6条の16に基づき医療事故調査の相談・支援、院内調査結果の整理・分析を行い、医療事故の再発防止の普及・啓発などの取り組みのために行っている。

エボロクマブ追加、動脈硬化のない糖尿病患者の1次予防に有効/JAMA

 既知の重度動脈硬化がなく糖尿病を有する患者において、エボロクマブによる早期の強化LDLコレステロール(LDL-C)低下療法は有益であることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のNicholas A. Marston氏らVESALIUS-CV Investigatorsによる「VESALIUS-CV試験」の事前に規定されたサブグループ解析で示された。同試験は、心筋梗塞や脳卒中の既往歴がなく心血管イベントのリスクは高いという、比較的リスクが低い集団の1次予防において、PCSK9阻害薬の追加投与が主要心血管イベント(MACE)のリスクを低減することを実証した初めての臨床試験であるが、患者の多くが既知の重度の動脈硬化を有していた。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年3月28日号で報告された。

非保護左冠動脈主幹部病変のPCI、超音波ガイドvs.造影ガイド/NEJM

 非保護の左冠動脈主幹部病変を有する患者に対する冠動脈血行再建術では、近年、解剖学的な複雑性が軽度~中等度の場合は経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が、冠動脈バイパス術(CABG)の許容可能な代替法として確立しているが、ステントの適切な拡張、血管壁への圧着、病変の被覆など長期的な転帰に影響を及ぼす可能性のある技術的な課題が残されているという。イタリア・IRCCS Policlinico San DonatoのLuca Testa氏らは「OPTIMAL試験」において、血管内超音波(IVUS)ガイド下PCIは従来の血管造影ガイド下PCIと比較して、良好な臨床アウトカムをもたらすかについて評価した。NEJM誌オンライン版2026年3月30日号掲載の報告。

HOST-EXAM 10年フォローアップの再考―長期抗血小板療法におけるクロピドグレルの位置付け(解説:野間重孝氏)

PCI後抗血小板療法の基本は、長い間、2剤併用療法(DAPT)の後にアスピリン単剤を継続するというものであった。とくにベアメタルステントから初期の薬剤溶出性ステントの時代においては、ステント血栓症への警戒が強く、アスピリンは事実上「長期継続が前提」の薬剤として扱われていた。このため、DAPT終了後にどの薬剤を残すかという問題自体が臨床上の大きな議論となることは少なく、アスピリン継続は半ば慣習的に受け入れられていた側面もあった。しかし2010年代後半に入り、新世代薬剤溶出性ステントの普及によりステント血栓症のリスクが低下すると、抗血小板療法における出血リスクが改めて問題となるようになった。

PCI後DAPT終了後のクロピドグレルvs.アスピリン、10年追跡結果(HOST-EXAM)/Lancet

 韓国・ソウル大学病院のJeehoon Kang氏らは、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)終了後の抗血小板薬単剤による長期維持療法を評価した「HOST-EXAM試験」の10年追跡調査の解析結果を報告し、クロピドグレルはアスピリンと比較して主要複合エンドポイント、血栓性エンドポイントおよび出血のリスクが低いことを示した。ただし、全死因死亡の有意差は認められなかった。著者は、「今回の結果は、PCI後の慢性維持期における長期抗血小板薬単剤療法において、アスピリンの代替としてクロピドグレルを検討することを支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年3月29日号掲載の報告。

『大型血管炎診療ガイドライン』改訂、治療のCQ推奨が新設/日本循環器学会

 大血管炎の高安動脈炎(TAK)や巨細胞性動脈炎(GCA)、そしてバージャー病に関する治療エビデンスや診断基準などをまとめた『2026年改訂版 大型血管炎診療ガイドライン』1,2)が8年ぶりに改訂された。第90回日本循環器学会学術集会(3月20~23日)会期中の3月20日に発刊され、本ガイドラインの研究班長を務めた中岡 良和氏(国立循環器病研究センター研究所副所長/血管生理学部長)が本学術集会プログラム「ガイドラインに学ぶ2」において、改訂点などを解説した。

AFアブレーション後のDOAC、Apple Watchで服用日数を95%削減/日本循環器学会

 心房細動(AF)に対するカテーテルアブレーション術後において、ガイドラインでは脳梗塞・全身塞栓症リスク(CHA2DS2-VAScスコア)に基づいて長期的な抗凝固療法の継続が推奨されている。しかし、術後にAFが抑制されている患者においても一律に直接経口抗凝固薬(DOAC)を継続することは、出血リスクの増加や医療コストの増大を招く懸念がある。そこで、アブレーション術後の患者において、Apple Watchを用いてAFをリアルタイムで検出することで、必要な時だけDOACを服用する「イベント駆動型」戦略について、安全性と有効性を検証する多施設共同研究「Up to AF Trial」が実施された。その結果、DOACの服用日数を約95%削減しつつ、追跡期間中に脳梗塞や重大な出血イベントは発生しなかったことが示された。