循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

毎日のアスピリン服用で妊娠高血圧腎症の発症リスクが低下

 妊娠中の危険な高血圧症の発症率を、ある簡単な対応を取ることで減らせる可能性があるようだ。米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのElaine Duryea氏らの研究で、初回妊婦健診時に全ての妊婦にアスピリンを処方することが、重症所見を伴う妊娠高血圧腎症(以下、重症妊娠高血圧腎症)のリスク低下と関連することが明らかになった。この研究は、母体胎児医学会議(SMFM 2026、2月8〜13日、米ラスベガス)で発表された。Duryea氏は、「高リスク妊婦に対して直接アスピリンを提供する手法は、重症妊娠高血圧腎症の発症を遅らせ、場合によっては発症を完全に防ぐこともできるようだ」と述べている。

1型糖尿病とCKD併存、フィネレノンがUACRを改善/NEJM

 1型糖尿病患者における慢性腎臓病(CKD)の治療では、30年以上前の研究に基づき、生活習慣、血糖値、血圧の最適化に重点が置かれ、レニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬が推奨されてきたが、これらの介入はCKDの進行を抑制する効果はあるものの、完全に阻止することはできないとされる。オーストラリア・University of New South WalesのHiddo J.L. Heerspink氏らは「FINE-ONE試験」において、非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬フィネレノンはプラセボと比較して、有効性と安全性の代替指標としての尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)を有意に低下させ、高カリウム血症が多くみられるものの重篤な有害事象の頻度に大きな差はないことを示した。研究の成果は、NEJM誌2026年3月5日号で報告された。

心臓画像診断の放射線量比較が示したもの(解説:野間重孝氏)

心臓画像診断に伴う放射線被曝は臨床上しばしば議論される問題であるが、その実態を世界規模で比較した研究は多くない。JAMA誌オンライン版2026年2月25日号に掲載された本研究は、101ヵ国742施設における約2万例の検査を対象として、SPECT、PET、冠動脈CT angiography(CCTA)、冠動脈石灰化スコア(CACS)などの心臓画像検査に伴う患者被曝量を比較した国際調査である。著者らは検査法間および地域間の放射線量の差を示し、とくにCCTAで地域差が顕著であることを報告している。これらの結果から、放射線量低減のための教育や撮影プロトコルの標準化の重要性が強調されている。

末梢動脈疾患(PAD)の症状改善にメトホルミンは無効(解説:小川大輔氏)

末梢動脈疾患(Peripheral Artery Disease;PAD)は、動脈に脂肪やコレステロールが蓄積する動脈硬化によって、腹部大動脈から下肢の動脈が狭くなり血流が制限される疾患である。これにより、歩行時の足の痛み(間欠性跛行)などの症状が生じる。症状はゆっくりと現れることが多いが、急激に悪化する場合もある。主な原因は動脈壁への脂肪、コレステロールなどの蓄積、いわゆるアテローム性動脈硬化と考えられている。PADの患者は動脈硬化を原因とする狭心症や脳梗塞を合併することが多いため、下肢だけでなく全身の動脈硬化症の評価も必要となる。

エクソーム解析で家族性高コレステロール血症の遺伝子変異保有者を特定可能

 エクソーム解析により、家族性高コレステロール血症(familial hypercholesterolemia;FH)の遺伝子変異保有者を特定できるという研究結果が、「Circulation: Genomic and Precision Medicine」に11月12日掲載された。  米メイヨー・クリニックのN. Jewel Samadder氏らは、地理的にも人種的にも多様な米国内の3地域から参加者を募集し、エクソーム解析を用いた生殖細胞系列遺伝子検査によってFH遺伝子変異保有者を特定できるかを検討した。研究には、計8万4,413人が参加した。

介護施設心停止の救急搬送で救命できる条件は/新潟医療福祉大

 介護施設における院外心停止では、「心停止前通報(pre-arrest call)」と「心停止後通報(post-arrest call)」の違いが、その場に居合わせた人(バイスタンダー)による心肺蘇生や生存率が、生存にどのように影響するのか不明なことが多い。このテーマについて、新潟医療福祉大学大学院救急救命学分野の外山 元氏らの研究グループは、介護施設で発生した院外心停止約2万例を解析した。その結果、介護施設では通報の「タイミング」や「夜間帯」が救命に影響する可能性が示された。この結果はScientific Reports誌2026年2月9日に掲載された。

HFpEF診療で期待のフィネレノン、適格患者と注意点とは/バイエル

 非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)フィネレノン(商品名:ケレンディア)は、これまで2型糖尿病かつ慢性腎臓病患者の心不全発生予防に対し有効性が示されていたが、2025年12月22日、新たに「慢性心不全」の適応を取得した。  これを受け、バイエル薬品は2月19日にプレセミナーを開催。昨年の第89回日本循環器学会学術集会で本剤の研究結果や日本人サブ解析データを発表した絹川 弘一郎氏(富山大学第二内科 教授/日本心不全学会理事長)と佐藤 直樹氏(かわぐち心臓呼吸器病院 副院長/循環器内科)が登壇し、心不全治療の課題やフィネレノン処方時の注意点などについて解説した。

アミバンタマブ・ラゼルチニブ併用時のアピキサバン、使用上の注意改訂/厚労省

 厚生労働省は2026年3月6日、アミバンタマブ、アミバンタマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ、ラゼルチニブメシル酸塩水和物、アピキサバンの添付文書について、改訂を指示した。改訂内容は、アミバンタマブとラゼルチニブの併用投与時において、静脈血栓塞栓症の発症抑制を目的としてアピキサバンを投与する場合の腎機能障害患者に対する注意喚起の追加である。アピキサバンは、腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)の患者には禁忌であることから、使用上の注意の改訂が適切と判断された。

AI搭載聴診器で心臓弁膜症の検出率が2倍に

 人工知能(AI)搭載聴診器は、医師が心臓弁膜症(VHD)の兆候を検出する能力を約2倍に高めることが、新たな研究で示された。米カリフォルニア州の医療テクノロジー企業であるEko Health社で医療業務シニアマネージャーを務めるRosalie McDonough氏らによるこの研究結果は、「European Heart Journal-Digital Health」に2月5日掲載された。  McDonough氏は、「AI搭載聴診器は、実臨床において、従来の聴診器よりも中等度から重度のVHDを持つ患者を見つける能力が格段に高いことを示した。この技術により、患者に対する心エコー検査がより早く実施され、VHDが確認された場合には迅速に治療が開始されることが期待されている。集団レベルで見ると、この技術は入院を減らし、医療費全体の削減につながる可能性がある」とニュースリリースで述べている。

80歳以上の夜間高血圧、心血管リスクが2倍~日本の前向き研究

 夜間血圧は、診療室血圧や昼間の血圧よりも健康アウトカムの予測因子として優れているが、超高齢患者における夜間高血圧の臨床的意義はわかっていない。今回、自治医科大学の藤原 健史氏らが実施した80歳以上を対象とした前向き観察研究の結果、夜間高血圧群は夜間正常血圧群に比べて複合心血管アウトカムのリスクが2.15倍と高いことが示された。Hypertension誌2026年3月号に掲載。  本研究は80歳以上の日本人高齢外来患者を対象とした前向き観察研究で、全患者にベースライン時に24時間自由行動下血圧測定を実施した。