循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

弁疾患と冠動脈疾患の併存、FFRに基づくCABGでアウトカム改善/Lancet

 待機的弁手術が予定されている冠動脈疾患を有する患者において、血管造影によるFFR(冠血流予備量比)に基づく冠動脈バイパス術(CABG)は、冠動脈造影による解剖学的指針に基づくCABGと比較し、周術期複合アウトカムの発生を低下させたことが示された。中国・上海交通大学医学院附属瑞金医院のYunpeng Zhu氏らが、中国の3次医療施設12施設で実施した研究者主導の無作為化三重盲検試験「FAVOR IV-QVAS試験」の結果を報告した。冠動脈疾患を併発している弁手術予定患者に対し、現行ガイドラインでは、冠動脈造影で評価された狭窄の重症度に基づき、解剖学的指針に基づくCABGを行うことが推奨されているが、FFRに基づく戦略がこの患者集団において臨床アウトカムを改善しうるかどうかは検討されていなかった。Lancet誌2026年3月21日号掲載の報告。

心房細動/心房粗動の発症リスク、低亜鉛が影響

 亜鉛欠乏症は心房細動(AF)/心房粗動(AFL)発症の重要な独立した危険因子となる可能性が、台湾・Chi Mei Medical CenterのI-Wen Chen氏らの研究から明らかになった。近年、AF/AFLの有病率が世界的に増加しており、修正可能なリスク因子の特定が喫緊の課題である。また、心血管疾患との関連が示唆されている亜鉛欠乏症について、AF/AFLの発症を関連付けるような大規模なエビデンスは依然として限られていた。Frontiers in Nutrition誌2026年2月20日号掲載の報告。

「心疾患患者の妊娠・出産の適応、管理に関するガイドライン」をフォーカスアップデート/日本循環器学会

 『2026年JCS/JSOGガイドラインフォーカスアップデート版 心血管疾患患者の妊娠・出産の適応と診療』1)が第90回日本循環器学会学術集会(2026年3月20~22日)会期中の3月20日に発刊された。本ガイドラインの研究班長を務めた神谷 千津子氏(国立循環器病研究センター循環器病周産期センター)と桂木 真司氏(宮崎大学産科・婦人科 主任教授)が本学術集会プログラム「ガイドラインを学ぶ2」において、妊娠を避けることを強く望まれる心疾患、妊産婦に注意が必要な循環器用薬を中心に解説した。

脳卒中・出血リスクの高い心房細動患者、LAAC vs.最善薬物療法/NEJM

 脳卒中および出血リスクの高い心房細動患者において、左心耳閉鎖術(LAAC)は医師主導の最善薬物療法(physician-directed best medical care)に対して、複合エンドポイント(脳卒中、全身性塞栓症、大出血、心血管死または原因不明の死亡)に関して非劣性は示されなかった。ドイツ・Charite University Medicine BerlinのUlf Landmesser氏らCLOSURE-AF Trial Investigatorsが、同国で行ったプラグマティックな多施設共同前向き非盲検無作為化試験の結果で報告した。LAACは、心房細動患者の脳卒中予防において経口抗凝固薬に代わる選択肢であるが、脳卒中および出血リスクの高い患者において、医師主導の最善薬物療法と比較した有効性は明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2026年3月18日号掲載の報告。

冠動脈プラーク、女性は男性より少なくても高リスク

 女性は男性よりも動脈硬化の原因となるプラークの形成が少ない傾向にあるが、それは、必ずしも心臓の健康を守ることにつながるとは限らないようだ。冠動脈にプラークが認められる女性の割合は男性より少なく、量も少ない傾向があるにもかかわらず、心筋梗塞や胸痛による入院などの主要心血管イベント(MACE)のリスクは男性とほぼ同程度であることが明らかになった。米ハーバード大学医学大学院放射線医学分野のBorek Foldyna氏らによるこの研究の詳細は、「Circulation: Cardiovascular Imaging」に2月23日掲載された。

AI搭載聴診器は英国プライマリケア医による心不全検出率を改善せず(解説:佐田政隆氏)

 高齢化社会を迎え心不全患者は激増すると予測され、心不全パンデミック時代に向けて早期診断、早期介入の必要性が各国で強調されている。  心疾患の検出においては聴診などのphysical examinationが重要であるが、すべての医師が日常診療で十分な理学的所見をとるスキルがあるとは必ずしも言えない。最近は、AIがX線や内視鏡、心電図、超音波診断などの大きな助けになりつつあるが、聴診においてもAI搭載聴診器が開発され、その有用性が報告されている。  本TRICORDER試験では、「AI搭載聴診器を使用することがプライマリケア医の実臨床における心不全検出率を向上するか」が、RCTで検討された。

PCI後早期のLDL-C値55mg/dL未満達成でMACEリスク激減/日本循環器学会

 欧州心臓病学会(ESC)および欧州動脈硬化学会(EAS)のガイドラインでは、アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の二次予防において、非常に高リスクな患者にはLDLコレステロール(LDL-C)55mg/dL未満、きわめて高リスクな場合には40mg/dL未満という目標値を推奨している1)。しかし、日本人患者においてこれほど厳格な管理が実際に予後を改善するかは十分に検証されていなかった。現在、日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」では、二次予防の目標値は、原則100mg/dL未満、ハイリスク者で70mg/dL未満と設定されている2)。

高血圧の修正可能なリスク因子、日本人で最も影響が大きいのは?

 高血圧の1次予防において、修正可能なリスク因子の特定と優先順位付けが重要であるが、日本人における高血圧症の発症に関する修正可能なリスク因子の人口寄与割合(PAF)に関するデータが不足している。そこで、大規模データベースを用いた検討が実施され、日本人集団における高血圧症の発症で、人口寄与が最も大きい修正可能なリスク因子は、肥満であることが示された。本研究結果は、Hypertension Research誌オンライン版2026年3月4日号で、責任著者の金子 英弘氏(東京大学循環器内科)らによって報告された。

がん関連VTE発症予測に包括的ゲノムプロファイリングは有用か/日本循環器学会

がん患者における重要な心血管合併症の1つに静脈血栓塞栓症(VTE)があり、2023年に公開されたASCO Guidelineにおいても、このようなVTEの高リスク患者への1次予防が推奨されている。しかし、がん関連VTEの発症を正確に予測できるモデルは現段階では確立されていない。そこで今回、中村 栞奈氏(京都大学医学部附属病院 循環器内科)がVTE発症の予測として包括的ゲノムプロファイリングを用いた最新知見について、3月20~22日に開催された第90回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Cohort Studies 1において報告した。なお、本結果はJournal of thrombosis and haemostasis誌オンライン版2026年3月20日号に同時掲載された。

夜食を控えると心臓にメリットがもたらされる

 1日の終わりの習慣を少し変えるだけで、心臓の健康上のメリットを得られることが、新たな研究で明らかになった。就寝前の数時間、食事を控えるだけでよく、摂取カロリーは減らさなくても良いという。  この研究は、米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部睡眠医学科神経学研究室のDaniela Grimaldi氏らの研究によるもので、詳細は「Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology」に2月12日掲載された。論文の筆頭著者である同氏は、「体の自然な覚醒・睡眠リズムに合わせて絶食時間を調整することで、心臓、代謝、睡眠の状態を改善できる。これらは全て、心血管の健康を守るために協調して働いている」と解説している。