循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

中性脂肪、がんリスクマーカーに?~日本の全身がん検査プログラム

 京都府立医科大学の手良向 聡氏らが行った後ろ向き観察研究から、ベースラインの血清トリグリセライド(TG)が、将来のがん発症リスクを予測する高感度なバイオマーカーとなる可能性が示唆された。Health Science Reports誌2026年3月29日号掲載の報告。  日本において、メタボリックシンドローム(Mets)併存患者のがん死亡率は年々増加しており、これらの患者のがんの早期発見が喫緊の課題となっている。近年、Metsの構成要素が活性酸素種(ROS)の生成、ホルモン産生の変化などを通じて、がん発生を促進する可能性が指摘されている。

重症CKDでも降圧療法で心血管イベント抑制/Lancet

 英国・オックスフォード大学のGuyu Zeng氏らBlood Pressure Lowering Treatment Trialists' Collaboration(BPLTTC)はメタ解析を実施し、心血管リスク低減の観点からは、慢性腎臓病(CKD)患者における降圧治療の相対的効果は、非CKD患者における効果と同等であり、CKDの病期、血圧閾値、蛋白尿の有無にかかわらず一貫した有効性が認められることを示した。ただし、糖尿病合併CKD患者ではこの相対的効果が弱まるため、これらの高リスクサブグループに適合する治療戦略が必要であるという。また、CKDにおける主要な降圧薬のクラス特異的な効果は、CKDの病期や蛋白尿の有無にかかわらず、一般集団で観察される効果と同様であることも示された。CKD患者、とくに進行期の患者について、心血管リスク管理に関するエビデンスは依然として不足していた。Lancet誌2026年4月25日号掲載の報告。

ハイリスクPCIへの予防的Impella使用は推奨されない(CHIP-BCIS3試験から)(解説:加藤貴雄氏)

CHIP-BCIS3試験は、ハイリスクPCI(左室駆出率[LVEF]35%以下、またはLVEF 45%以下で重度僧帽弁逆流を伴う複雑冠動脈疾患に対するPCI)に対して、微小軸流ポンプ(Impella CP)を予防的に使用した左室の負荷除去が予後を改善するかを検証した無作為化割付試験である。主要評価項目は、最低12ヵ月の時点での、あらゆる原因による死亡、障害のある脳卒中、自然発症の心筋梗塞、心血管系の原因による入院、または手技周囲の心筋損傷を含む階層的複合エンドポイントであり、148例がImpella群に、152例が標準治療を受ける群に割り付けられた。

特定健診の「2cm2kg減」は適切? 3万人の代謝指標との関連を検討

 日本の特定健診・特定保健指導では、生活習慣改善の目安として「腹囲2cm・体重2kgの減少(2cm2kg)」が推奨されている。しかし、この目標達成が実際に代謝指標の改善と結びついているか検討した研究は乏しい。そこで、笠原 健矢氏(京都府立医科大学)らの研究グループは、健診コホートデータを用いて2cm2kg目標の妥当性を検討した。その結果、2cm2kg達成は、血糖、血圧、脂質、肝機能といった代謝指標の改善と有意に関連し、実務上の目安としておおむね妥当であることが示唆された。本研究結果は、Obesity誌オンライン版2026年4月4日に掲載された。

糖尿病患者の心血管リスク軽減のための先手必勝手段:PCSK9阻害薬による早期介入?(解説:島田俊夫氏)

本研究の最大のセールスポイントは、これまで主に「心筋梗塞や脳卒中の既往がある患者(2次予防)」に限定されていたPCSK9阻害薬の有効性を、「イベント未発症でリスクが高い糖尿病患者(1次予防)」において初めて証明した点にある。劇的な脂質改善:エボロクマブ投与により、LDLコレステロール(LDL-C)値をプラセボ群の111mg/dLに対し、エボロクマブ投与群では52mg/dLまで大幅に低下させた。確かなイベント抑制効果:主要心血管イベント(心血管死、心筋梗塞、虚血性脳卒中)のリスクを31%減少(ハザード比:0.69)させた。

医療者向けChatGPT登場!米国在住の医師が特別レポート

多くのAIツールを医療者が使うようになり、医療者の情報検索に特化したOpenEvidenceなどの専門AIツールも急速に普及するなか、4月末に汎用型AIツール・ChatGPTが医療者向けのChatGPT for Cliniciansをリリース。現時点では使用は米国在住の医師に限られるものの、医療AIの「本命」となるのかが注目される。CareNet.comで「タイパ時代のAI英語革命」「医療者のためのAI活用術」などを連載する原田 洸氏(米国・マウントサイナイ医科大学病院)が使用感を特別レポート。

塩分の多い食事で心不全リスクが上昇

 塩分の過剰摂取が高血圧につながり得ることは周知の事実だが、実はそれ以上に危険かもしれない。新たな研究で、心不全(HF)高リスク群におけるナトリウムの過剰摂取は、HFの新規発症と関連することが示された。米ヴァンダービルト大学トランスレーショナル・臨床心血管研究センター(VTRACC)のDeepak Gupta氏らによるこの研究結果は、「Journal of the American College of Cardiology: Advances(JACC:Advances)」に3月18日掲載された。

1次予防の脂質低下療法強化の指標、apoBが費用対効果優れる/JAMA

 スタチンの適応があり、かつアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)のない成人の1次予防において、脂質低下療法の強化のマーカーとして、アポリポ蛋白B(apoB)値はLDLコレステロール(LDL-C)値や非HDLコレステロール(non-HDL-C)値と比較して、質調整生存年(QALY)が増加し、増分費用効果比(ICER)が基準値を満たし、費用効果に優れることが、米国・ Northwestern University Feinberg School of MedicineのSamuel Luebbe氏らによる検討で示された。リスクの予測や脂質低下療法の強度決定の指針として、apoB値の優位性は十分に確立されているが、検査費用などの問題のため、主要な脂質マーカーとして採用することには懸念もあるという。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年4月8日号に掲載された。

心血管疾患の再発予防には、LDLコレステロール値もthe lower, the better(解説:桑島巖氏)

LDLコレステロールが心筋梗塞や脳梗塞などの重大なリスク因子であることは議論の余地はないが、その治療目標値においては、各国のガイドラインに差異がみられる。1次予防に関しては、リスクの有無により<120~140mg/dLとされ、各国ガイドラインに差がみられるが、2次予防に関しては、より厳格な管理が有効であるとするエビデンスが相次いで発表されている。日本では標準的2次予防目標値として100mg/dL未満、急性冠症候群、糖尿病、非心原性脳梗塞合併例などの非常に高リスクな場合には、70mg/dL未満が目標値として掲げられている。

心血管リスクが高い女性は骨折リスクも高い

 女性では心臓の健康状態が骨折のリスクと関連していることを示すデータが報告された。米テュレーン大学のRafeka Hossain氏らの研究によるもので、詳細は「The Lancet Regional Health-Americas」に3月27日掲載された。心血管イベントリスクが高い女性は、大腿骨近位部骨折のリスクもほぼ2倍に上るという。  論文の筆頭著者であるHossain氏は、「これまでの研究でも心血管疾患と骨折リスクの関連性が示唆されていたが、大腿骨近位部骨折のリスクとの関連の強さに驚いた」と述べている。また、「心血管イベントと骨折はいずれも非常に発生頻度が高く、治療費も高額となる」とし、「両者のリスクを抑制することで高齢者の生活の質(QOL)を向上させられるのではないか」と語っている。