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循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

PCI後のACS患者、プラスグレルvs.チカグレロル/NEJM

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた急性冠症候群患者において、標準的に使用するP2Y12阻害薬としてプラスグレルを用いても、チカグレロルと比較し主要心血管イベントのリスクは改善しなかった。スウェーデン・ヨーテボリ大学のElmir Omerovic氏らが、研究者主導のステップウェッジ法を用いた非盲検クラスター無作為化比較試験「SWITCH-SWEDEHEART試験」の結果を報告した。急性冠症候群患者において、P2Y12阻害薬としてプラスグレルとチカグレロルのどちらを優先すべきかは明らかになっていない。NEJM誌オンライン版2026年8月29日号掲載の報告。なお、本研究は2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表された。

CRTの左室リード、最遅延部位への標的留置は予後を改善せず/Lancet

 心臓再同期療法(CRT)の両室ペーシングでは、電気的興奮が最も遅い部位(最遅延部位)への左室リードの留置が、左室収縮機能の大幅な改善と生存率の向上をもたらすことが、観察研究によって報告されている。デンマーク・オーフス大学病院のJens Cosedis Nielsen氏らDANISH-CRT Trial Investigatorsは「DANISH-CRT試験」において、QRS時間の延長を伴う心不全患者に対するCRTの左室リードの位置について、最遅延部位への標的留置は従来の冠静脈洞分枝の後壁・側壁の非心尖部への留置と比較して、死亡または心不全による予定外の入院の複合評価項目を改善せず、左室リード関連の合併症が数値上は増加することを示した。Lancet誌2026年9月26日号掲載の報告。なお、本研究は2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表された。

原因不明の失神、14日間携帯型ECGモニタリングで再発率は改善するか/NEJM

 欧米では、失神を主訴に救急診療科を受診した患者の約50%が原因不明で、1ヵ月以内に約7%が臨床的に重篤な病態を呈するため、血管迷走神経性および起立性低血圧などによる良性の失神と、不整脈などによる心原性失神の鑑別が課題である。また、失神患者の約50%が1年以内に再発するが、不整脈が特定されて治療を受けると再発率は約10%に低下することが知られ、早期診断が重要である。英国・エジンバラ大学のMatthew J. Reed氏らASPIRED Investigatorsは「ASPIRED試験」で、救急外来受診時に原因が特定されなかった失神患者において、携帯型心電図(ECG)による14日間のモニタリングを実施しても、標準治療と比較して1年後の患者報告による失神発作回数が低減しなかったことを示した。研究の詳細は、NEJM誌オンライン版2026年8月31日号に掲載された。

今さらシャム試験が必要か?(解説:高月誠司氏)

本研究は、カテーテルアブレーションによるQOL改善効果をプラセボ効果から分離するという点で、シャム対照試験の科学的意義を有している。しかし、すでに一定の有効性が確立された侵襲的治療に対し、患者に直接的な治療利益をもたらさない鎮静や静脈穿刺を実施し、アブレーションを延期することの倫理的妥当性には慎重な検討が必要である。実際にシャム群でも血管合併症や脳卒中が発生している。また、シャム群においてもAFEQTおよびNT-proBNPの改善を認めたが、これには薬物治療の調整、レートコントロール、電気的除細動などの治療効果が寄与した可能性がある。したがって、これらの改善をプラセボ効果と単純に解釈することはできない。

短期的な禁煙で24時間血圧を改善できるか~メタ解析

 喫煙と診察室外血圧の関連についての研究は限られている。また、研究の多くは喫煙者と非喫煙者を比較しており残存交絡を完全に排除できない可能性がある。今回、大阪大学の赤木 優也氏らは、日本高血圧学会の「血圧朝活(早朝高血圧徹底制圧プロジェクト)アクションプラン」の一環として、喫煙者において喫煙期間と禁煙期間で診察室外血圧に差があるかどうかを評価するため、24時間自由行動下血圧(ABP)および心拍数の違いを系統的レビューとメタ解析により検討した。その結果、喫煙期間では禁煙期間に比べて、24時間・日中の拡張期血圧が高く、また心拍数は24時間・日中・夜間とも有意に高かった。Hypertension Research誌オンライン版2026年9月8日号に掲載。

約230万例のコホート研究が特定した不適切処方カスケードのパターン/BMJ

 カナダ・Sinai Health SystemのPaula A. Rochon氏らは、同国オンタリオ州に在住の66歳以上の高齢者を対象とした後ろ向きコホート研究により、潜在的に不適切な処方カスケード(potentially inappropriate prescribing cascade:PIPC)65種類のうち、24種類がとくに介入優先度が高いPIPCとして特定されたことを報告した。高齢者においてPIPCは頻繁にみられるものの、その多くは見過ごされており、患者や医療システムに多大な負担を強いる不適切な多剤併用の一因と指摘されている。今回示された24種類のリストは、個々の高齢患者および高齢者集団レベルにおける、薬剤安全性を向上させる処方および脱処方(deprescribing)の取り組みや政策策定に役立つ可能性があるという。BMJ誌2026年9月10日号掲載の報告。

高感度心筋トロポニン測定、0/1時間アルゴリズムは安全かつ有効か?/Lancet

 心筋梗塞が疑われる患者において、高感度心筋トロポニン(hs-cTn)測定の0/1時間アルゴリズムは0/3時間アルゴリズムと比較し、安全性の主要複合評価項目である30日以内の全死因死亡または新規1型心筋梗塞に関して事前に設定された非劣性基準を満たしたことが示された。有効性の主要評価項目である救急外来滞在時間は短縮しなかった。スイス・バーゼル大学のJasper Boeddinghaus氏らPRESC1SE-MI investigatorsが、10ヵ国(オーストラリア、オーストリア、フィンランド、イタリア、ルーマニア、韓国、スペイン、スイス、英国、米国)の19の病院で実施した無作為化比較試験「PRESC1SE-MI試験」の結果を報告した。結果を踏まえて著者は、「0/1時間アルゴリズムの導入のみでは、救急外来の処理能力(スループット)向上は期待できないと考えられる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年8月29日号掲載の報告。なお、本研究は2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表された。

TAVI後の抗血栓療法は抗凝固薬がよい?それとも抗血小板薬?(解説:後藤信哉氏)

社会の高齢化と共に大動脈狭窄症は増加し、TAVIを受ける患者数も増えている。TAVIの弁置換後の抗血栓療法のベストは確立されていない。本研究では、参加症例数は360例と多くはなく、primary efficacy endpointも臨床症状を惹起しないsubclinical leaflet thrombosisと間接的ではあるが、抗凝固薬にて抗血小板薬より血栓が少ないことを示した。重篤な出血イベントは両者で差はなかった。人工弁における血栓弁の予防には、ワルファリンが標準治療であった。TAVIでは生体弁を利用するため、機械弁より血栓リスクは少ないとされた。

ATTR型心アミロイドーシスへのeplontersen、心血管イベントを低減せず/NEJM

 トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)は、不完全な折りたたみ(misfolding)が発生したトランスサイレチン(TTR)タンパクによって形成されるアミロイド線維が、細胞外に沈着することで引き起こされる、生命を脅かす進行性疾患である。eplontersenは、アンチセンスオリゴヌクレオチドであり、TTRサイレンサーとして、肝臓でのTTRの産生を顕著に減少させることが知られている。英国・Royal Free HospitalのMarianna Fontana氏らCARDIO-TTRansform Investigatorsは、ATTR-CMの治療においてeplontersenはプラセボと比較して、140週の時点での心血管死および心血管系の臨床イベント再発の複合リスクを低減しないことを、「CARDIO-TTRansform試験」の結果で示した。なお、本研究は2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表された。

脳卒中リスク中等度の心房細動患者、DOACは推奨できるか/NEJM

 脳卒中のリスクが中等度の心房細動患者において、直接経口抗凝固薬(DOAC)療法は抗凝固療法を行わない場合と比較して、24ヵ月の時点での脳卒中、全身性塞栓症、大出血、心血管死の複合リスクを有意に低下させることが示された。韓国・延世大学校医科大学のDaehoon Kim氏らSINGLE-AF Investigatorsが韓国の18施設で実施した「SINGLE-AF試験」の結果を報告した。現行の欧米のガイドラインは、これらの患者に対して経口抗凝固薬の投与を検討すべき(推奨クラスIIa)としているが、この治療法を支持する無作為化試験のエビデンスは十分でないという。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年8月28日号に掲載された。なお、本研究は2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表された。