循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

心房細動患者、断酒の効果は有りか無しか/NEJM

 習慣的に飲酒をしている心房細動患者が断酒をすることで、不整脈の再発が減少したことが、オーストラリア・アルフレッド病院のAleksandr Voskoboinik氏らが、140例を対象とした多施設共同前向き非盲検無作為化比較試験の結果、示された。これまで、過剰な飲酒が心房細動の新規発症や有害な心房リモデリングと関連することは知られていたが、断酒による心房細動2次予防への効果は明らかにされていなかったという。NEJM誌2020年1月2日号掲載の報告。

不健康な食生活による医療コストが米国で年5.5兆円

 米国の国民が健康的な食生活を送っていれば2型糖尿病や心疾患、脳卒中などの心血管代謝性疾患が減少し、医療コストを年間500億ドル(約5.5兆円)以上削減できるとする報告が 「PLOS Medicine」12月17日オンライン版に掲載された。これまでの研究でも不健康な食生活は健康障害のリスク因子の1つであり、心血管代謝性疾患による死亡の45%に関連すると推計されていたが、不健康な食生活によって生じる疾患の経済的コストは明らかでなかった。

中年期の健康的な生活様式は平均余命にどう影響?/BMJ

 中年期の健康的な生活様式の順守は、主要慢性疾患(がん、心血管疾患、2型糖尿病)のない平均余命を延長することが、米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のYanping Li氏らによる検討の結果、示された。これまで、修正可能な生活様式因子(喫煙、身体活動、アルコール摂取、体重、食事の質)が、平均余命および慢性疾患発症の両者に影響することは知られていた。しかし、複数の生活様式因子の組み合わせと、主要な疾患(糖尿病、心血管疾患、がんなど)のない平均余命との関わりについて、包括的に検討した研究はほとんどなかったという。BMJ誌2020年1月8日号掲載の報告。

short DAPT vs.standard DAPTの新展開:黄昏るのはアスピリン?クロピドグレル?(解説:中野明彦氏)-1170

本邦でBMSが使えるようになったのは平成6年、ステント血栓症予防には抗凝固療法(ワルファリン)より抗血小板剤:DAPT(アスピリン+チクロピジン)が優れるとわかったのはさらに数年後だった。その後アスピリンの相方が第2世代のADP受容体P2Y12拮抗薬:クロピドグレルに代わり、最近ではDAPT期間短縮の議論が尽くされているが、DAPT後の単剤抗血小板薬(SAPT)の主役はずっとアスピリンだった。そして時代は令和、そのアスピリンの牙城が崩れようとしている。

ミケランジェロの医学知識を示すダビデ像の特徴とは?

 ルネサンスの巨匠ミケランジェロの代表作であるダビデ像には、彼が解剖学的知識を持っていたことを示す「しるし」が刻まれているとする報告が米マリアン大学の医師Daniel Gelfman氏により発表された。たいていの彫刻作品はもちろん、生きている人間においても、通常は表面に現れない頸静脈が、ダビデ像では鎖骨の上部で明確に怒張しているのだという。この報告書は、「JAMA Cardiology」12月26日オンライン版に掲載された。

バイスタンダーによる応急手当が心停止者の命を救う

 病院外で心停止を起こした米国人の生存率はわずか8%である。しかし、心停止の発生を察知して心肺蘇生(CPR)を行うことができるバイスタンダー(救急現場に居合わせた人)の数が増えれば、この数字は大いに改善する可能性があることが、バージニア大学の救急医William Brady氏らの研究で示された。研究の詳細は、「New England Journal of Medicine」12月5日オンライン版に掲載された。

PM2.5短期曝露、心血管疾患の入院増加と関連/BMJ

 中国において、微小粒子状物質(PM2.5)への曝露は、短期間で現在の規制濃度内であっても、出血性脳卒中を除くすべての主要心血管疾患による入院の増加と関連していることが明らかにされた。中国・華中科技大学のYaohua Tian氏らが、中国の主要184都市で実施した研究結果を報告した。疫学研究では、PM2.5による大気汚染と心血管疾患との正の関連性が報告されてきたが、ほとんどが先進国で実施されたもので、大気汚染レベル、構成、資源が大きく異なる発展途上国でのPM2.5汚染と心血管疾患との関連性は明確にはなっていなかった。BMJ誌2019年12月30日号掲載の報告。

尿酸値を本気で下げるには?

 高尿酸血症の治療には食生活を中心とした生活習慣改善が欠かせないが、無症状の場合も多く、継続的に取り組むことは容易ではない。患者を“本気にさせる”方法や、乳酸菌による尿酸値の上昇抑制効果とは? 2019年11月29日、「疾病リスクマーカーとして注目すべき尿酸値に関する新知見」と題したメディアセミナー(主催:明治)が開催された。久留 一郎氏(鳥取大学大学院医学系研究科)、野口 緑氏(大阪大学大学院医学系研究科)、藏城 雅文氏(大阪市立大学大学院医学研究科)が登壇し、高尿酸値と疾病リスクの関係や患者指導のポイント、生活習慣改善にまつわる新旧のエビデンスについて講演した。

春と夏に生まれた人は心疾患による死亡リスクが高い?

 生まれた季節や月がのちの心疾患による死亡リスクに影響を及ぼす可能性があることが、米ハーバード大学医学部ブリガム・アンド・ウイメンズ病院の疫学教授Eva Schernhammer氏らの実施した研究で明らかになった。春と夏に生まれた人は、心血管疾患による死亡率がわずかではあるが有意に高いことが示されたという。研究の詳細は「BMJ」12月18日オンライン版に掲載された。  誕生時の季節や月が全死亡率や心血管疾患による死亡率と関連することを示した研究結果はこれまでに幾例も報告されており、北半球においては春と夏に生まれた人で死亡リスクが最も高くなることが一貫して示されている。しかし、それらの研究では、家族歴や社会・経済的地位といった要因を十分に調整できていなかった。

CVD患者へのAKCEA-APO(a)、用量依存的にLp(a)値低下/NEJM

 リポ蛋白(a)値が高く心血管疾患を有する患者に対して、肝細胞直接作用型アンチセンスオリゴヌクレオチドAKCEA-APO(a)-LRx(APO(a)-LRx)の投与は、用量依存的にリポ蛋白(a)値を低下することが示された。米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のSotirios Tsimikas氏らが、286例を対象に行った第II相の無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、明らかにされた。リポ蛋白(a)値は遺伝的に規定されており、上昇が認められる場合は心血管疾患および大動脈弁狭窄症のリスク因子となることが報告されている。しかしリポ蛋白(a)値を降下させる承認治療薬はないのが現状である。NEJM誌オンライン版2020年1月1日号掲載の報告。