外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:11

敗血症、thymosinα1は死亡率を改善するか/BMJ

 敗血症の成人患者の治療において、プラセボと比較して免疫調整薬thymosinα1は、28日以内の全死因死亡率を低下させず、90日全死因死亡率や集中治療室(ICU)内死亡率も改善しないが、60歳以上や糖尿病を有する患者では有益な効果をもたらす可能性があり、重篤な有害事象の発生率には両群間に差を認めないことが、中国・中山大学のJianfeng Wu氏らTESTS study collaborator groupが実施した「TESTS試験」で示された。研究の詳細は、BMJ誌2025年1月15日号で報告された。  TESTS試験は、thymosinα1は敗血症患者の死亡率を低減するかの検証を目的とする二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2016年9月~2020年12月に中国の22施設で患者を登録した(Sun Yat-Sen University Clinical Research 5010 Programなどの助成を受けた)。

「別れた後が地獄」職場内恋愛経験者は約半数!/医師1,000人アンケート

 医師は、結婚したい職業ランキングで上位の常連となっている。では、医師の結婚・恋愛事情は、どのようになっているのだろうか。CareNet.comでは、20~40代の医師1,003人を対象に、結婚・恋愛事情に関するアンケートを実施した(2024年12月25~31日実施)。本アンケートでは、パートナーの有無や出会いのきっかけ・取り組み、パートナーの方の職業、職場内恋愛の経験について聞いた。また、職場内恋愛のエピソードも募集した。

T1cN0M0のHER2+乳がんへの術前vs.術後補助療法、OSに差は?

 T1cN0M0のHER2+乳がん患者において、術前補助療法は術後補助療法と同等の全生存期間(OS)および乳がん特異的生存期間(BCSS)を示したことを、中国・ハルビン医科大学のXuelian Wang氏らが明らかにした。これまで、腫瘍径が小さく、リンパ節転移のないHER2+乳がん患者おける術前補助療法の術後補助療法に対する優位性については議論が続いていた。Cancer誌2025年1月1日号掲載の報告。  研究グループは、米国・Surveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)データベースから、2010~20年に化学療法と手術を受けたT1cN0M0のHER2+乳がん患者のデータを抽出した。傾向スコアマッチングにより、術前補助療法群と術後補助療法群の背景因子が一致するコホートを作成した。術前補助療法群と術後補助療法群のOSとBCSSを、カプランマイヤー法とCox比例ハザードモデルによって解析した。さらに、ロジスティック回帰モデルを使用して、術前補助療法に対する病理学的完全奏効(pCR)の予測因子を探索した。

HER2+早期乳がんへの術後T-DM1、iDFS改善を長期維持しOS有意に延長/NEJM

 トラスツズマブを含む術前化学療法後に浸潤がんの残存が認められたHER2陽性(HER2+)早期乳がん患者において、トラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)はトラスツズマブと比較して、全生存期間(OS)を延長し、無浸潤疾患生存期間(iDFS)の改善が維持されていた。米国・National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project (NSABP) FoundationのCharles E. Geyer Jr氏らが、第III相無作為化非盲検比較試験「KATHERINE試験」のiDFSの最終解析およびOSの2回目の中間解析の結果を報告した。術前化学療法後に浸潤がんが残存するHER2+早期乳がん患者は、再発および死亡のリスクが高い。KATHERINE試験では、iDFSの1回目の中間解析においてT-DM1のトラスツズマブに対する優越性が検証され(非層別ハザード比[HR]:0.50、95%信頼区間[CI]:0.39~0.64、p<0.001)、この結果に基づき「HER2+の乳がんにおける術後療法」の適応追加が承認されていた。NEJM誌2025年1月16日号掲載の報告。

乳がん診断後の手術遅延、サブタイプ別の死亡リスクへの影響

 乳がん診断後の手術遅延による乳がん特異的死亡率(BCSM)への影響はサブタイプにより異なり、ホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)患者でBCSMリスクの最も顕著な増加がみられたことが明らかになった。これまで、手術の遅れが死亡リスク増加と関連することが報告されていたが、サブタイプによる違いがあるかどうかは明らかになっていなかった。米国・Stephenson Cancer CenterのMacall Leslie Salewon氏らが実施した後ろ向きコホート研究の結果が、Breast Cancer Research誌2024年12月30日号に掲載された。

新素材PICC、デバイス不具合を改善するか/NEJM

 末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)留置のために紹介された患者では、標準的なポリウレタンPICCと比較して新素材の疎水性PICCおよびクロルヘキシジンPICCはいずれも、非感染性または感染性合併症によるデバイス不具合のリスクが低減しなかったことが、オーストラリア・クイーンズランド大学のAmanda J. Ullman氏らが実施した「PICNIC試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌2025年1月9日号で報告された。  PICNIC試験は、標準的なポリウレタンPICCと比較して、2つの技術革新(疎水性PICC、クロルヘキシジンPICC)を用いると合併症によるデバイスの不具合のリスクが低減するとの仮説の検証を目的とする、実践的な無作為化対照比較優越性試験であり、2019年9月~2022年12月にオーストラリア・ブリスベンの3つの病院(成人施設2、小児施設1)で参加者の適格性の評価を行った(オーストラリア国立保健医療研究評議会[NHMRC]の助成を受けた)。

乳腺密度の経時的な上昇や高濃度の持続、乳がんリスクと関連/BMJ

 韓国・漢陽大学のBoyoung Park氏らは、40歳以上の女性において乳腺密度の経時的変化が異なる5つのグループを特定し、各グループの乳がんリスクが異なること、乳腺密度の上昇や、高濃度状態の持続が乳がんリスクの上昇と関連することを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「乳腺密度の経時的な変化を、乳がんのリスク分類において慎重に検討すべきであり、今後リスクモデルに組み込むべきである」と述べている。先行研究により、乳腺密度は乳がんリスクの増加と関連することが知られており、また定期的にマンモグラフィスクリーニングを受けている大規模集団における、乳腺密度の縦断的変化についての研究報告は限られている。BMJ誌2024年12月30日号掲載の報告。

切除不能HCC、TACEにレンバチニブ+ペムブロリズマブ併用でPFS改善(LEAP-012)/Lancet

 切除不能な転移のない肝細胞がん(HCC)患者において、肝動脈化学塞栓療法(TACE)とレンバチニブ+ペムブロリズマブの併用療法は、TACE単独療法と比較し無増悪生存期間(PFS)を有意に延長した。全生存期間(OS)については、OS率の数値的な改善は示されたが、より長期の追跡調査が必要だとしている。近畿大学医学部の工藤 正俊氏らLEAP-012 investigatorsが、33の国または地域から137施設が参加した第III相無作為化二重盲検試験「LEAP-012試験」の初回中間解析の結果を報告した。TACEは切除不能な転移のないHCCの標準治療であるが、TACEとマルチキナーゼ阻害薬の併用を評価した以前の研究では、臨床結果に有意な改善は示されなかった。Lancet誌オンライン版2025年1月8日号掲載の報告。

切除不能HCC、TACEにデュルバルマブ+ベバシズマブ併用でPFS改善(EMERALD-1)/Lancet

 肝動脈化学塞栓療法(TACE)対象の切除不能な肝細胞がん(HCC)患者において、TACE+デュルバルマブ+ベバシズマブの併用療法が新たな標準治療となりうることが、スペイン・Clinica Universidad de Navarra and CIBEREHDのBruno Sangro氏らEMERALD-1 Investigatorsによる国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「EMERALD-1試験」の結果で示された。TACEは20年以上前に標準治療として確立されたが、TACEに関するガイドラインの記載は世界各地域で異なり、病期や腫瘍の大きさ、肝機能、合併症などが異なる多様な患者がTACEを受けている。無増悪生存期間(PFS)中央値は依然として約7ヵ月であり、研究グループは、ベバシズマブ併用の有無を問わずデュルバルマブの併用によりPFSを改善可能か評価した。著者は「最終的な全生存期間(OS)の解析および患者報告のアウトカムなども含むさらなる解析は、塞栓術が可能なHCCにおける、デュルバルマブ+ベバシズマブ+TACEの潜在的な臨床ベネフィットを、さらに特徴付けるのに役立つだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2025年1月8日号掲載の報告。

HR+乳がん、dose-dense術後補助化学療法が有益な患者の同定/JCO

 リンパ節転移陽性のエストロゲン受容体陽性(ER+)乳がん患者の一部は化学療法による効果が小さいことを示すエビデンスが増えてきている。米国・ダナファーバーがん研究所のOtto Metzger Filho氏らは、術後補助化学療法におけるdose-dense化学療法の有用性を検討したCALGB 9741試験において、12年間のアウトカムおよび内分泌療法への感受性を示すSET2,3スコアによりdose-dense化学療法が最も有益と考えられる患者を同定した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2025年1月2日号に掲載。