HR+/HER2-乳がんの局所領域再発、術後化学療法でiDFS改善/ESMO Open

提供元:ケアネット

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公開日:2025/11/26

 

 ホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)乳がんの局所領域再発(LRR)に対して、根治的手術後の術後化学療法が無浸潤疾患生存期間(iDFS)を改善することが、JCOGの多施設共同後ろ向きコホート研究で示唆された。とくに、非温存乳房内再発(非IBTR)例、原発腫瘍に対する術後内分泌療法中の再発例や周術期化学療法未施行例において、iDFS改善と関連していた。がん研究会有明病院の尾崎 由記範氏らがESMO Open誌2025年11月7日号に報告。

 本研究の対象は初発乳がん手術後にLRRと診断されたHR+/HER2-乳がん患者で、2014~18年にLRRに対する根治的手術を受けた患者を、LRRに対する術後化学療法(CTx)実施の有無に基づいて2群に分けた。主要評価項目はiDFS、副次評価項目は全生存期間(OS)とした。主要解析は逆確率治療重み付けを組み込んだ二重ロバストCox比例ハザードモデルを用いて実施し、傾向スコアマッチングを用いた感度分析も実施した。

 主な結果は以下のとおり。

・解析対象は計958例(平均年齢:55歳、男性:5例)で、初回手術からLRR診断までの中央値は9.5年(四分位範囲:3.1~10.1)であった。CTx群は235例(25%)、非CTx群は722例(75%)であった。
・全症例における5年iDFS率は75.4%(95%信頼区間[CI]:72.4~78.2)であり、多変量解析ではCTx群で良好なiDFSが認められた(ハザード比:0.70、95%CI:0.49~0.99、p=0.045)。これらの結果は感度解析でも支持された。
・サブグループ解析では、非IBTR例、初発乳がんへの術後内分泌療法中の再発例、初発乳がんへの周術期化学療法未施行例において、CTx群でiDFSが良好であった。
・OSについては多変量Cox比例ハザードモデルにおいて、有意差はみられなかったがCTx群で悪化傾向が認められた。

 著者らは本研究の限界として、本研究は後ろ向き研究デザインであり、残余交絡因子の存在の可能性があることや、IBTR症例において真の再発と新規の原発腫瘍を区別できなかったことなどを挙げ、「慎重な解釈が必要」としている。

(ケアネット 金沢 浩子)