外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:14

経口SERDのimlunestrant、ER+/HER2-進行乳がんのPFSを改善(EMBER-3)/NEJM

 エストロゲン受容体(ER)陽性HER2陰性(ER+/HER2-)進行乳がん患者において、ESR1(ERαをコードする遺伝子)変異陽性の患者では、imlunestrant単剤療法が標準内分泌療法よりも無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことが示され、被験者全集団では、imlunestrant+アベマシクリブ併用療法がimlunestrant単剤療法よりもPFSを有意に延長したことが示された。米国・メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターのKomal L. Jhaveri氏らEMBER-3 Study Groupが、第III相非盲検無作為化試験「EMBER-3試験」の結果を報告した。imlunestrantは次世代の脳内移行性の高い経口選択的ER分解薬(SERD)で、ESR1変異陽性乳がんにおいても持続的にERを阻害する。NEJM誌オンライン版2024年12月11日号掲載の報告。

高齢低リスク早期乳がんの温存手術後、放射線療法vs.内分泌療法(EUROPA)/SABCS2024

 70歳以上の低リスク早期乳がん患者の乳房温存手術後の治療を、放射線療法(RT)と内分泌療法(ET)で比較した第III相無作為化比較試験(EUROPA試験)の中間解析において、RTがETより2年健康関連QOLが良好で治療関連有害事象の発現率が低かったことを、イタリア・フィレンツェ大学のIcro Meattini氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2024、12月10~13日)で発表した。

日本人の便失禁の現状が明らかに~約1万例のインターネット調査結果

 便失禁(FI)は、Rome IV基準では「4歳以上で繰り返す自制のきかない便の漏れ」と定義され、患者の健康関連の生活の質(HRQOL)に大きな影響を与える。ところが、日本の一般集団におけるFIの有病率に関する研究はほとんど行われていない。そこで、大阪公立大学の久木 優季氏らが日本人のFIの疫学についてRome IV基準を用いた調査を行ったところ、FI有病率は1.2%であることが明らかになった。Journal of Gastroenterology and Hepatology誌オンライン版2024年12月2日号掲載の報告。

MSI-H/dMMRの進行大腸がん、ニボルマブ+イピリムマブが有効/NEJM

 全身療法による前治療歴のない、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)を示す転移を有する大腸がん患者の治療において、化学療法と比較してニボルマブ+イピリムマブ療法は、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長し、Grade3以上の治療関連有害事象が少ないことが、フランス・ソルボンヌ大学のThierry Andre氏らCheckMate 8HW Investigatorsが実施した「CheckMate 8HW試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2024年11月28日号に掲載された。  CheckMate 8HW試験は、日本を含む23ヵ国121施設で実施した非盲検無作為化第III相試験であり、2019年8月~2023年4月に患者の無作為化を行った(Bristol Myers SquibbとOno Pharmaceuticalの助成を受けた)。

高リスク早期TN乳がんの術前・術後ペムブロリズマブ、バイオマーカー解析結果(KEYNOTE-522)/SABCS2024

 高リスクの早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対し、術前および術後補助療法としてペムブロリズマブの追加を検討したKEYNOTE-522試験では、ペムブロリズマブ追加により病理学的完全奏効率(pCR)、無イベント生存期間(EFS)、全生存期間(OS)が有意に改善したことが報告されている。今回、本試験の探索的バイオマーカー解析で、T細胞浸潤18遺伝子発現プロファイル(TcellinfGEP)、腫瘍遺伝子変異量(TMB)、TcellinfGEP以外のコンセンサスシグネチャーなどのバイオマーカーとpCRおよびEFSとの関連を調べた結果について、米国・Baylor-Sammons Cancer CenterのJoyce O’Shaughnessy氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2024、12月10~13日)で報告した。

手術可能な高齢乳がん患者の予後、即時手術vs.局所再発まで延期/SABCS2024

 70歳以上の手術可能な乳がん患者における、即時手術または局所再発まで手術を延期した場合の長期的リスクを調査したメタ解析によって、即時手術は5年以内の局所再発率を大幅に低下させ、長期的な遠隔再発率と乳がん死亡率も低下させたことを、英国・オックスフォード大学のRobert K. Hills氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2024、12月10~13日)で発表した。  これまでの研究により、年齢が上がるほど、とくに80歳以上になると手術の実施率が下がることが報告されている。そのため、手術可能な早期乳がんであっても、高齢患者に対しては内分泌療法のみを実施して手術は局所再発時まで行わないことがあるが、手術を延期することの長期的リスクは不明である。そこで研究グループは、即時手術と手術延期の転帰を比較するために、1980年代に開始された3つの無作為化試験を用いて個々の患者データのメタ解析を実施した。対象は、70歳以上の手術可能な乳がんの女性1,082例(全例がタモキシフェンを少なくとも5年間投与)であった。これらの試験では、放射線療法や化学療法は予定されていなかった。

専門医資格を有する集中治療医が関与する遠隔医療にてICU患者の臨床アウトカムは改善しなかった(解説:原田和昌氏)

集中治療医が関与する多職種医療チームによる治療にて、集中治療室(ICU)患者のアウトカムが改善することが示されているが、残念ながら都市部を除いて十分な数の集中治療医は確保できない。そこで、ICUにおける遠隔医療が導入されたが、遠隔医療の方法の違いや不十分な試験デザインなどによりその有効性はまだ明らかでない。ブラジルのPereira氏らはブラジル保健省などと提携し、ICUにおける遠隔医療が重症患者の臨床アウトカムを改善するかを評価する目的で、非盲検クラスターランダム化試験であるTELESCOPE試験を行った。

切除不能肝細胞がん1次治療としてのニボルマブ+イピリムマブvs.レンバチニブまたはソラフェニブ、アジア人解析結果(CheckMate 9DW)/ESMO Asia2024

 切除不能肝細胞がん(HCC)に対する1次治療として、抗PD-1抗体ニボルマブと抗CTLA-4抗体イピリムマブの併用療法は、レンバチニブまたはソラフェニブ単剤療法と比較して全生存期間(OS)を有意に改善したことが、国際共同無作為化非盲検第III相CheckMate-9DW試験の結果示されている。今回、同試験のアジア人サブグループ解析結果を、香港・Queen Mary HospitalのThomas Yau氏が欧州臨床腫瘍学会アジア大会(ESMO Asia2024)で報告した。  全体集団において、追跡期間中央値35.2ヵ月におけるOS中央値は、ニボルマブ+イピリムマブ群23.7ヵ月vs.対照群20.6ヵ月で、ニボルマブ+イピリムマブ群における統計学的に有意な改善が認められた(ハザード比[HR]:0.79、95%信頼区間[CI]:0.65~0.96、p=0.018)。

高リスクHR+/HER2-乳がんの1次治療、パルボシクリブ+内分泌療法vs.化学療法単独(PADMA)/SABCS2024

 高リスクHR+/HER2-転移乳がんの1次治療として、CDK4/6阻害薬と内分泌療法の併用が国際的ガイドラインで推奨されているが、化学療法単独との比較を前向きに実施した試験は報告されていない。今回、ドイツ・German Breast Groupが実施したPADMA試験で、パルボシクリブ+内分泌療法の併用が化学療法単独に比べて、治療成功期間(TTF)と無増悪生存期間(PFS)の統計学的有意かつ臨床的に意義のある改善を示したことを、Sibylle Loibl氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2024、12月10~13日)で発表した。

高リスクHR+/HER2-早期乳がんの術前療法、HER3-DXd単独vs.内分泌療法併用(SOLTI VALENTINE)/SABCS2024

 高リスクのHR+/HER2-早期乳がん患者の術前療法として、HER3-DXd単独、HER3-DXdとレトロゾール併用、化学療法を比較した第II相SOLTI VALENTINE試験の結果、HER3-DXdによる治療はレトロゾールの有無にかかわらず化学療法と同程度の病理学的完全奏効(pCR)を示し、Grade3以上の有害事象の発現は少なかったことを、スペイン・Vall d’Hebron University HospitalのMafalda Oliveira氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2024、12月10~13日)で発表した。  高リスクのHR+/HER2-早期乳がんでは、化学療法と内分泌療法の両方が有効であるにもかかわらず、再発リスクが長期にわたって持続するため、転帰を改善するための新たな戦略が必要とされている。HER3-DXdは、HER3を標的とするファーストインクラスの抗体薬物複合体で、複数の乳がんサブタイプに活性を示す可能性がある。そこで研究グループは、術前療法としてのHER3-DXd(±レトロゾール)の有効性と安全性を評価することを目的として研究を実施した。