経口SERDとCDK4/6阻害薬併用の有用性(解説:下村昭彦氏)
ホルモン受容体陽性(HR+)HER2陰性(HER2-)乳がんに対する選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)は注射剤であるフルベストラントが唯一の薬剤であったが、投与経路の問題から多くの経口SERDが開発されている。単剤療法としてはelacestrantがESR1変異を有するHR+HER2-進行乳がんにおいてフルベストラントを含む主治医選択ホルモン療法に対する優越性を示し、海外では承認されている(Shah M, et al. J Clin Oncol. 2024;42:1193-1201.)。一方、現在のホルモン療法はCDK4/6阻害薬、AKT阻害薬、PI3K阻害薬などの分子標的薬との併用が主となっており、経口SERDにおける有効性の結果が待たれていた。