外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

抗TROP-2 ADCはTROP-2発現レベルで効果が変わるか

 抗TROP-2抗体薬物複合体(ADC)は、転移乳がんの治療薬として有効性を示しているが、患者のTROP-2の発現レベルによって効果がどの程度異なるかは明らかではなかった。今回、イタリア・Istituto Nazionale Tumori, IRCCS Fondazione G. PascaleのRoberto Buonaiuto氏らのシステマティックレビューおよびメタ解析により、抗TROP-2 ADCは転移乳がんの無増悪生存期間(PFS)を有意に改善するが、その治療効果はTROP-2発現レベルが高い患者でより顕著であることが示された。Journal of the National Cancer Institute誌オンライン版2026年7月10日号掲載の報告。

プレハビリテーションが高齢患者の脊椎固定術後の合併症を抑制

 プレハビリテーションは、術後の回復を促進する目的で術前に体力や健康状態を向上させる介入で、近年、外科医を中心とする医師の注目を集めている。こうした中、新たな研究で、脊椎固定術の前に4週間のプレハビリテーションプログラムを受けた75歳以上の患者では、術後90日以内の合併症リスクが18%低かったことが示された。首都医科大学(中国)附属宣武医院整形外科部長のShibao Lu氏らによるこの研究結果は、「Annals of Internal Medicine」に6月16日掲載された。Lu氏は、「本研究は、構造化された多面的プレハビリテーションが、高齢者における脊椎固定術後の合併症を減少させる上で有効な方法となり得ることを示した」と述べている。

患者説明に使う資料や情報源は?~がん専門医500人に聞く

 情報過多の現代、医療情報も多種多様なレベルのものが世の中にあふれている。数十年前と比べ医師と患者の立場がフラットになりつつある昨今、患者自身の学習意欲もあいまって、診療時間中のコミュニケーションに費やす時間は増加傾向にある。診療の効率化が求められる中でも、医師にとっては患者に対し、患者自身の疾患に関する正しい知識を端的に提供したいというニーズは根強いのではないだろうか。  患者の視点に立った情報発信については、若尾 文彦氏(国立がん研究センター がん対策情報センター副センター長)率いる研究班や「がん情報の均てん化を目指す会」をはじめとする多くの団体が検証を重ねている。

高齢患者の術後せん妄スクリーニング、病院間で実施率に大きな差

 高齢患者では、手術後に混乱や見当識障害などを特徴とするせん妄が生じることが少なくないが、術後せん妄のスクリーニング実施率には病院ごとに差があることが、新たな研究で明らかにされた。米国外科学会(ACS)が開発したGeriatric Surgery Verification(GSV)プログラムの認証を取得した病院(GSV認証病院)では、ほぼ全ての術後患者にせん妄スクリーニングが実施されていたのに対し、非認証病院での実施率は50%程度にとどまったという。GSVプログラムは、せん妄、転倒、肺炎などの一般的な術後合併症の予防に重点を置いた医療品質向上プログラムである。

「がんサバイバーの心臓をまもる」市民公開講座を開催/日本腫瘍循環器学会【ご案内】

 日本腫瘍循環器学会は、同学術集会(JOCS2026)開催期間中の2026年9月6日(日)、市民公開講座「がんサバイバーの心臓をまもる―がん罹患後の循環器疾患に対応するプライマリケア医を探せ―」を開催する。  近年、がん治療の進歩により多くのがんサバイバーの長期生存が可能になった一方で、治療後には心不全、不整脈、高血圧、血栓症といった循環器疾患に直面するケースも少なくない。本講座では、乳がんや血液がんなどの小児・AYA世代のがん経験者やその家族にとって関心の高いテーマである、「がん治療後に起こりうる心臓・血管の問題」「体調変化を感じたときの相談先」「かかりつけ医や地域医療との連携」などについて、医師、薬剤師、患者アドボケイトが共に考える内容となっている。

便秘や下痢は大腸がんの危険因子なのか

 大腸がんの危険因子として慢性便秘や下痢などの排便習慣の異常が提唱されているが、大規模な前向き研究やメタアナリシスでは便秘・下痢と大腸がんの明確な因果関係は確認されていない。今回、ドイツ・University Hospital of the Ruhr University BochumのErnst W. Kolbe氏らがリアルワールドのプライマリケアデータを用いた大規模傾向スコアマッチング症例対照研究を実施した結果、大腸がんの診断直前の数ヵ月間においてのみ、便秘と下痢がその後の大腸がん診断と関連しており、因果関係というより逆因果関係が示唆された。BMJ Open Gastroenterology誌2026年7月6日号に掲載。

転移TN乳がんに対するSG、大規模リアルワールドでの成績/ESMO Open

 転移を有するトリプルネガティブ乳がん(mTNBC)に対するサシツズマブ ゴビテカン(SG)のリアルワールドにおける有効性および安全性に関するエビデンスは限られている。今回、イタリア・Istituto Nazionale Tumori, IRCCS Fondazione G. PascaleのRoberta Caputo氏らは、mTNBC患者を対象としたSG治療のリアルワールドコホートとしては欧州では最大規模、世界でも2番目に大きい規模の多施設共同研究を実施した。その結果、SGはmTNBC患者において持続的な臨床的効果と管理可能な毒性を示し、有害事象の最適な管理の重要性が示唆された。ESMO Open誌2026年7月号に掲載。

乳がん・子宮頸がん検診、働く女性の受診行動と性格特性に関連か

 乳がんや子宮頸がんの早期発見には定期的な検診が重要だが、働く女性の受診率向上は課題となっている。今回、日本の就業女性を対象とした研究で、一般に健康管理と結びつきやすいとされる誠実性や不安と関連する神経症傾向が高い女性ほど、乳がんおよび子宮頸がん検診の受診率が低い傾向にあることが示された。研究は横浜市立大学医学部看護学科の佐藤みほ氏と、福島県立医科大学看護学部の佐藤菜保子氏によるもので、詳細は4月28日付の「JMIR Cancer」に掲載された。  日本では乳がん・子宮頸がんの罹患率および死亡率が高い一方、検診受診率は他のOECD加盟国と比べて低い。女性の就業率上昇に伴い働く女性の受診率向上が課題となる中、時間的制約に加え、心理社会的要因も健康行動に影響する可能性が指摘されている。

早期HR+/HER2-乳がん、術後アベマシクリブ初回用量漸増後24週時点での忍容性(TRADE)/ESMO Open

 高リスクの早期ホルモン受容体陽性(HR+)/HER2陰性(HER2-)乳がんにおけるアベマシクリブ術後療法は再発率を低下させ、全生存期間を改善するが、毒性、とくに下痢で減量や早期の中止をせざるをえない場合がある。TRADE試験においてはすでに、アベマシクリブの早期用量漸増により12週までに目標用量である1日2回150mgに到達し、維持できることが報告されている。今回、米国・Dana-Farber Cancer InstituteのIlana Schlam氏らが本試験の24週時点での臨床アウトカムに関する解析結果について、ESMO Open誌2026年7月6日号で報告した。

タモキシフェン治療中の乳がん患者のホットフラッシュ、ベンラファキシンが有望(HOFLA-V試験)/日本乳癌学会

 内分泌療法治療中の乳がん患者において、発汗や動悸を伴う血管運動症状である「ホットフラッシュ」は、患者の約50~80%と高頻度に発生する。とくに閉経前患者や、LH-RHアゴニスト併用症例においては、その頻度や重症度が高い。更年期障害に伴うホットフラッシュに対しては、ホルモン補充療法が第一選択となるが、乳がん患者においては再発リスクを増加させる懸念があるため推奨されていない。非ホルモン療法の中では、抗うつ薬ベンラファキシン、抗けいれん薬ガバペンチンについて、NCCNガイドラインでは「preferred」とされ推奨度が高いが、日本人乳がん患者、とくに閉経前患者におけるエビデンスは不足している。