耳鼻咽喉科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:2

10月24日開催『第7回ヘルスケアベンチャー大賞』最終審査会【ご案内】

 日本抗加齢協会は2025年10月24日(金)、医療・ヘルスケア分野で革新的な挑戦を続けるスタートアップを応援する「第7回ヘルスケアベンチャー大賞」最終審査会を日本橋ライフサイエンスハブにて開催する。  本アワードは、医療・学術界と産業界をつなぎ、新しい価値を創出するヘルスケアスタートアップを発掘・支援することを目的に2017年から開催しており、毎回大きな注目を集めている。過去の受賞者には、世界的イノベーションコンペティション「XPRIZE」のセミファイナリストが輩出されるなど、国内外から高く評価される企業も生まれており、本アワードはグローバルに羽ばたく登竜門としての役割を担っている。

鼻血の初の全国調査、多い季節・年齢・性別・治療法は?

 鼻出血(鼻血)の発生率のピークは冬季にあることが複数の研究で示されているが、研究のほとんどは単施設または特定の地域のデータに基づいており、全国的な季節的傾向、年齢と性別の分布、地理的パターンは不明である。今回、岡山大学の牧原 靖一郎氏らは、日本における鼻出血治療の季節的、人口統計学的、地域的差異を明らかにするため、全国行政データベースを用いて疫学調査を行った。その結果、鼻出血は冬季、小児と高齢者、男性に多く、また、地域によって処置の傾向が異なっていることがわかった。Auris Nasus Larynx誌2025年10月号に掲載。

男性の身長の高さとがんリスク、関連がみられたがん種は

 600万人以上を対象とし、性別・身長とがんの関連を検討したこれまでで最大規模の研究において、39種中27のがん種において身長の高さががんリスク増加と統計学的有意に関連し、男性では悪性黒色腫、急性骨髄性白血病、唾液腺がん、結腸がんでとくに身長の高さによる過剰がんリスクが高かった。スウェーデン・カロリンスカ研究所のCecilia Radkiewicz氏らによる、International Journal of Cancer誌オンライン版2025年8月26日号への報告より。

ひどい乗り物酔いを音楽が緩和

 車酔いや船酔いのときには気分が良くなる音楽を聴くと良いことが、新たな研究で示唆された。ヨット・ロックや明るいポップミュージックのような音楽が、乗り物酔いによる吐き気の緩和に役立つ可能性のあることが明らかになったという。西南大学(中国)のQizong Yue氏らによるこの研究の詳細は、「Frontiers in Human Neuroscience」に9月3日掲載された。  この研究では、穏やかで楽しい音楽を聴いた人は乗り物酔いからより早く回復する傾向にあることが明らかになった一方で、悲しい音楽は何の役にも立たないどころか、むしろ逆効果になる可能性も示唆されたという。Yue氏は、「われわれの結論に基づけば、移動中に乗り物酔いの症状を経験している人は、明るい音楽や穏やかな音楽を聴くことでその症状を和らげることができる」とFrontiers Media社のニュースリリースの中で述べている。

高齢者への高用量インフルワクチン、肺炎などの入院減少せず/NEJM

 インフルエンザの不活化ワクチンでは、標準用量と比較して高用量で優れた感染予防効果が示されているが、重症のアウトカムに対する高用量ワクチンの有効性に関する無作為化試験のデータは十分でないという。デンマーク・コペンハーゲン大学病院のNiklas Dyrby Johansen氏らの研究チームは、高齢者におけるインフルエンザ感染の重症アウトカム(入院)に対する高用量ワクチンの有効性の評価を目的に、実践的なレジストリに基づく非盲検無作為化対照比較試験「DANFLU-2試験」を実施。高齢者への高用量インフルエンザ不活化ワクチン投与は、標準用量と比較してインフルエンザまたは肺炎による入院率を低下させなかったことを報告した。なお、「副次エンドポイントについては決定的な結論は導き出せないものの、高用量ワクチンは、インフルエンザによる入院および心肺系疾患による入院の予防において有益性を示す可能性がある」としている。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2025年8月30日号で発表された。

COVID-19罹患は喘息やアレルギー性鼻炎の発症と関連

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患により、喘息、アレルギー性鼻炎、長期にわたる慢性副鼻腔炎の発症リスクが高まる可能性のあることが、新たな研究で明らかにされた。一方で、ワクチン接種により喘息と慢性副鼻腔炎のリスクは低下することも示された。カロリンスカ研究所(スウェーデン)のPhilip Curman氏らによるこの研究結果は、「The Journal of Allergy and Clinical Immunology」に8月12日掲載された。  Curman氏は、「ワクチン接種が感染そのものを防ぐだけでなく、特定の呼吸器合併症に対しても優れた予防効果をもたらす可能性のあることが興味深い」と同研究所のニュースリリースの中で述べている。

慢性流涎治療にA型ボツリヌス毒素が登場/帝人ファーマ

 パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの日常症状として「流涎(よだれ)」が患者のQOLを低下させるために問題となっている。これまで、この流涎に効果的な治療法が少なかったが、2025年6月、帝人ファーマは、インコボツリヌストキシンA(商品名:ゼオマイン筋注用)について、慢性流涎の効能または効果の追加承認を取得した。そこで、同社はインコボツリヌストキシンAの追加承認について、都内でメディアセミナーを開催した。セミナーでは、パーキンソン病などの疾患と流涎の関係や治療薬の効果、投与での注意点などが解説された。

抗アレルギー点鼻薬がコロナ感染リスクを低減

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の曝露前予防には、ワクチン接種以外の医薬品の選択肢は限られている。今回、抗アレルギー薬であるヒスタミン受容体拮抗薬アゼラスチンの点鼻スプレーは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染の発生率の有意な減少と関連し、SARS-CoV-2以外の呼吸器病原体の総感染リスク低減とも関連していたことを、ドイツ・ザールランド大学のThorsten Lehr氏らが明らかにした。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2025年9月2日号掲載の報告。

「かぜ」への抗菌薬処方、原則算定不可へ/社会保険診療報酬支払基金

 社会保険診療報酬支払基金は8月29日付けの「支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)において、一般に「風邪」と表現される「感冒」や「感冒性胃腸炎」などへの内服の抗生物質製剤・合成抗菌薬を処方した場合の算定は、“原則認められない”とする方針を示した。  支払基金・国保統一事例は以下のとおり。  次の傷病名に対する抗生物質製剤【内服薬】又は合成抗菌薬【内服薬】※の算定は、原則として認められない。 ※ペニシリン系、セフェム系、キノロン系、マクロライド系の内服薬で効能・効果に次の傷病名の記載がないものに限る。