耳鼻咽喉科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:3

月1回の注射で重症喘息患者の経口ステロイド薬が不要に?

 重症喘息があり、発作予防のために毎日、経口コルチコステロイド薬(以下、経口ステロイド薬)を使用している人は少なくない。しかし、経口ステロイド薬には重い副作用を伴うことがある。  こうした中、英キングス・カレッジ・ロンドン(KCL)呼吸器免疫学臨床教授のDavid Jackson氏らが、治療へのテゼペルマブの追加が重症喘息患者の症状と経口ステロイド薬の必要性にもたらす効果を調べる第3b相臨床試験を実施。その結果、この抗体薬により対象患者の90%で毎日の経口ステロイド薬の使用量を減らすことができ、約半数で経口ステロイド薬の使用を完全に中止することができたことが示された。テゼペルマブは、免疫系の一部を標的とするよう設計された抗体薬で、肺の炎症を軽減する働きがある。製薬企業のAstraZeneca社とAmgen社の資金提供を受けて実施されたこの臨床試験の結果は、英国胸部疾患学会(BTS)冬季学術集会(BTS Winter Meeting 2025、11月26~28日、英ロンドン)で発表されるとともに、「Lancet Respiratory Medicine」に11月26日掲載された。

10代の若者の約8人に1人に難聴の兆候

 10代の若者の約8人に1人が、18歳になるまでに難聴の兆候を示し、約6%は感音性難聴(SNHL)を発症する可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。SNHLは、内耳(有毛細胞や蝸牛)や聴神経の損傷や異常を原因とする難聴であり、多くの場合、不可逆的である。エラスムス大学医療センター(オランダ)の耳鼻咽喉科医であるStefanie Reijers氏らによるこの研究結果は、「Otolaryngology-Head and Neck Surgery」に10月14日掲載された。  Reijers氏は、「思春期に認められた聴覚の変化は、たとえそれが軽微であっても長期的な影響を及ぼす可能性があるため、これらの研究結果は、早期のモニタリングと予防の重要性を浮き彫りにしている」とニュースリリースで述べている。

慢性鼻副鼻腔炎の手術後の再発を防ぐ留置ステントへの期待/メドトロニック

 日本メドトロニックは、慢性副鼻腔炎手術後に使用するわが国初のステロイド溶出型生体吸収性副鼻腔用ステント「PROPEL」の発売によせ、都内でプレスセミナーを開催した。セミナーでは、慢性副鼻腔炎の疾患概要と診療の現状と課題などが講演された。  「慢性副鼻腔炎の病態と最新治療-手術療法を中心に-」をテーマに、鴻 信義氏(東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科学講座 教授)が講演を行った。  はじめに鼻腔内の解剖を説明するとともに、副鼻腔炎について、誰もがなりうる疾患であり、急性副鼻腔炎で3ヵ月以上鼻閉、粘性・膿性鼻漏、頭重感、嗅覚障害、後鼻漏などの症状が持続した場合、慢性副鼻腔炎と診断される。その患者はわが国では、100万~200万人と推定され、その中でも好酸球性副鼻腔炎は20万人と推定されている。慢性化すると鼻茸(ポリープ)はしばしば発生し、病態は悪化するが生命予後に大きく関係することもないので、病状に慣れてしまい、放置や受診控えなどの患者も多いという。その一方で、重症例での内視鏡下副鼻腔手術は年間6万例行われている。

胃食道逆流症が耳疾患と関連か

 胃食道逆流症(GERD)は、耳鳴り、メニエール病、前庭機能障害、感音難聴のリスク上昇と関連する可能性があるという研究結果が、「Journal of Multidisciplinary Healthcare」に8月20日掲載された。  河北中医薬大学(中国)のWen Zhao氏らは、ヨーロッパ系集団のゲノムワイド関連解析データを用いて、GERDおよびバレット食道(BE)と耳疾患との関連を検討した。3つのメンデルランダム化法を適用し、因果推定は逆分散加重法を用いて算出した。

mRNAインフルワクチン、不活化ワクチンに対する優越性を確認/NEJM

 ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)インフルエンザワクチンは、対照ワクチンと比較して相対的有効性に関して統計学的な優越性を示し、A/H3N2株とA/H1N1株に対する免疫応答が顕著である一方、副反応の頻度は高いことが示された。米国・East-West Medical Research InstituteのDavid Fitz-Patrick氏らが、第III相無作為化試験「Pfizer C4781004試験」の結果を報告した。modRNAインフルエンザワクチンは、インフルエンザA型とB型のそれぞれ2つの株(A/H3N2、A/H1N1、B/Yamagata、B/Victoria)のヘマグルチニンをコードする4価のワクチンである。研究の成果は、NEJM誌2025年11月20日号で報告された。

飲酒が加齢性難聴リスクに影響~日本人1万4千人のデータ

 加齢性難聴における飲酒の影響については結論が出ていない。今回、東北大学の高橋 ひより氏らが東北メディカル・メガバンク計画のコホートデータを用いた横断研究を実施したところ、飲酒と加齢性難聴との間に関連がみられ、その関連は男女によって異なることが示唆された。男性では、過度の飲酒は潜在的な危険因子となるが、女性では、適度な飲酒は保護効果をもたらす可能性があるという。Scientific Reports誌オンライン版2025年12月2日号に掲載。

軽微な難聴で認知症リスク上昇、APOE ε4保有者で顕著

 加齢に伴う難聴は、認知症の修正可能なリスク因子の1つとされるが、脳構造の変化や遺伝的背景との相互作用については不明な点が多かった。米国・テキサス大学サンアントニオ校のFrancis B. Kolo氏らの研究によると、中年期以降の軽微ないし軽度の難聴であっても、脳容積の減少、白質病変の進行、認知症発症リスクの上昇と有意に関連していることが明らかになった。とくにアルツハイマー病のリスク遺伝子であるAPOE ε4アレル保有者において、正常聴力者よりも、軽微以上の難聴者のほうが、認知症発症リスクが約3倍も高いことが示された。JAMA Network Open誌2025年11月5日号に掲載。

NTRK陽性固形がんへのレポトレクチニブ承認/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは2025年11月20日、レポトレクチニブ(商品名:オータイロ)について「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌」に対する効能・効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表した。  本承認は、成人患者を対象とした国際共同第I/II相試験(TRIDENT-1試験)および小児・若年成人患者を対象とした海外第I/II相試験(CARE試験)の参加者のうち、NTRK融合遺伝子陽性固形がん患者から得られた結果に基づくものである。両試験のNTRK融合遺伝子陽性固形がん患者の結果は欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)で報告されており、主な結果は以下のとおりであった。

鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎、テゼペルマブの日本人データ(WAYPOINT)/日本アレルギー学会

 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(CRSwNP)に対し、生物学的製剤の適応拡大が進んでいるが、生物学的製剤使用患者の約40%は全身性ステロイド薬を用いていたという報告があるなど、依然としてコントロール不十分な患者が存在する。そこで、抗TSLP抗体薬のテゼペルマブのCRSwNPに対する有用性が検討され、国際共同第III相試験「WAYPOINT試験」において、テゼペルマブは鼻茸スコア(NPS)と鼻閉重症度スコア(NCS)を有意に改善したことが、NEJM誌ですでに報告されている。本試験の結果を受け、テゼペルマブは米国およびEUにおいて2025年10月にCRSwNPに対する適応追加承認を取得した。

原因不明の慢性咳嗽の“原因”が明らかに?

 英国・マンチェスター大学のAlisa Gnaensky氏らが、原因不明の慢性咳嗽(unexplained chronic cough:UCC)と原因が明らかな慢性咳嗽(explained chronic cough:ECC)を区別するための臨床リスク因子として、後鼻漏の有無を特定した。Allergy and Asthma Proceedings誌2025年9月1日号掲載の報告。本研究者らは過去の研究において、喘息や慢性閉塞性肺疾患よりもUCCである可能性が高い患者像を報告していた。  本研究は、米国の7つの咳嗽センターで慢性咳嗽患者に配布された電子質問票を基に調査を行い、平均±標準誤差、連続変数の頻度(一元配置分析)、カテゴリ変数のクロス集計頻度(二元配置分析)を計算した。UCCとECCの単変量比較はt検定とノンパラメトリック一元配置分析を使用して行われた。