耳鼻咽喉科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

年齢と治療前の聴力がメニエール病の長期的な聴力予後に関連

 メニエール病(MD)患者では、年齢および治療前の聴力が長期的な聴力予後と関連するという研究結果が、5月16日付で「Acta Oto-Laryngologica」に掲載された。  亜東紀念医院(台湾)のPing-Chia Cheng氏らは、MD患者159人(患耳179耳)を対象とした後ろ向き研究を実施し、長期的な聴力予後を評価するとともに、聴力予後に影響を及ぼす主な因子を特定した。聴力予後は、4周波数(500 Hz、1,000 Hz、2,000 Hz、3,000 Hz)の平均聴力レベルに基づいてステージ分類した。平均追跡期間は4.7年であった。

インフルエンザで入院の小児、オセルタミビルはICU入室減と関連

 インフルエンザで入院した小児では、オセルタミビル(商品名:タミフル)の投与が集中治療室(ICU)入室リスクの低下と関連することが、新たな研究で明らかになった。米コロラド大学医学部およびコロラド小児病院のSuchitra Rao氏らによるこの研究結果は、8月10日付で「JAMA Pediatrics」に掲載された。  Rao氏は、「過去20年間で最も厳しいインフルエンザシーズンの1つを経験した後だけに、今回の結果は、インフルエンザで入院した小児を治療することの重要性を改めて強調している。われわれの研究結果から、オセルタミビルによる治療は、発症から2日を過ぎて開始してもクリティカルケアが必要となるリスクを低下させる可能性があることが分かった」と述べている。

OSASの根本的要因の「肥満」への治療に期待/リリー・田辺ファーマ

 日本イーライリリーと田辺ファーマは、2026年5月に持続性GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチド(商品名:ゼップバウンド)が効能または効果において、「中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(以下“OSAS”)」に対する治療薬として追加承認を取得したことに寄せて、「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の実態と新たな治療選択肢」をテーマに都内でメディアセミナーを開催した。セミナーでは、OSASの病態やリスク、チルゼパチドの概要、診療でのアンメットニーズなどが説明された。

OSAに対する舌下神経電気刺激療法、二次的な健康効果も確認

 舌下神経電気刺激療法(HGNS)は、気道陽圧呼吸(PAP)療法を継続できない閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)患者に対する治療選択肢である。このほど新たな研究で、HGNSを受けた人ではPAP療法を継続できなかった人と比べて、初診から2年以降に糖尿病や高血圧と診断されるリスクが低かったことが示された。米シカゴ大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科のNeil Kondamuri氏らによるこの研究の詳細は、7月16日付で「JAMA Otolaryngology-ead & Neck Surgery」に掲載された。Kondamuri氏らは、「HGNSがPAP療法に代わる治療法となり得ることを支持する結果だ」との見解を示している。

男性は女性より進行がんで診断されやすい

 がんによる死亡率は女性よりも男性の方が高いが、その理由の一端を説明し得る新たな研究結果が報告された。同研究によると、男性は女性と比べてがんが最初に発生した部位(原発巣)から近傍のリンパ節や他臓器へ広がった段階でがんと診断される可能性が高いことが明らかになったという。この研究は、米国立がん研究所(NCI)のBeth Maclin氏らによるもので、詳細は「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention」7月号に掲載された。  この結果は、男性ではがんの発見が遅れ、治療がより困難で死亡につながりやすい段階で診断されることを意味していると研究グループは指摘している。

ブラシ検査で口腔扁平上皮がんを高精度に検出

 新たな研究で、口腔扁平上皮がん(OSCC)を1時間以内に診断できる非侵襲的なブラシ検査が、がんの検出率向上につながる可能性が示された。ブラシで採取した細胞からRNAを抽出し、対象とする遺伝子のmRNA発現量を調べる多遺伝子アッセイ「qMIDSV3」により、OSCCを感度95.7%、特異度95.1%で検出できたという。英ロンドン大学クイーン・メアリー校分子口腔腫瘍学教授のMuy-Teck Teh氏らによるこの研究結果は、6月23日付で「Biomarker Research」に掲載された。  米国がん協会(ACS)によると、米国では2026年に、口腔・中咽頭がんの新規患者数は約6万480人、これらのがんによる死亡者数は約1万3,150人になると予測されている。

アレルギー性鼻炎はアルツハイマー病のリスク因子?

 神経炎症は、アルツハイマー病(AD)の病態形成に関与していることから、公衆衛生上の懸念が高まっている。一般的な慢性炎症性疾患であるアレルギー性鼻炎は、全身性炎症の一因となり、ADリスクに影響を及ぼす可能性がある。台湾・台北医学大学のShih-Han Hung氏らは、アレルギー性鼻炎の既往歴とその後のAD発症との関連を詳細に評価するため、台湾の大規模かつ代表的なコホートを用いて検討を行った。Scientific Reports誌オンライン版2026年5月2日号の報告。  台湾の国民健康保険研究データベース(LHID2010)を用いた本ケースコントロール研究では、初めてADと診断された65歳以上のAD群4,681例および傾向スコアマッチングで抽出された対照群1万4,043例を対象とした。

睡眠時無呼吸症候群治療薬、臨床試験で症状改善を確認

 睡眠時無呼吸症候群(OSA)の治療法の一つであるCPAP(持続陽圧呼吸療法)を忍容できない患者では、毎晩1回服用する錠剤がCPAPに代わる治療法となり得ることが、第3相臨床試験で示された。実験的治療薬AD109(aroxybutynin/atomoxetine)は、上気道筋の弛緩を抑制する作用を有する。臨床試験では、この薬を服用した患者で、睡眠1時間当たりの無呼吸と低呼吸の合計数(無呼吸低呼吸指数〔AHI〕)が約44%低下したという。米ピッツバーグ大学医療センターの睡眠医療専門医であるPatrick John Strollo氏らによるこの研究結果は、「American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine」に5月18日掲載された。

遺伝性血管性浮腫の疾患認知はまだ不十分/CSLベーリング

 CSLベーリングは、5月16日の「HAE Day」によせて都内でメディアセミナーを開催した。  HAEは、生まれつき血液中にあるタンパク質C1インヒビター(C1-INH)の不足・機能低下が原因で浮腫を生じる疾患。指定難病に認定され、皮膚や腹部(腸)など、全身に浮腫が生じ、とくに咽喉で腫れると呼吸困難に陥り、命に関わるケースもある。わが国には、診断・治療中の患者は430人前後であり、未診療の患者も相当数がいると推定されている。また、海外のデータでは、人口50,000人に1人の割合で患者がいるとされる。なお、同社ではHAEの急性発作の発症抑制薬として、ヒト抗活性化第XII因子モノクローナル抗体製剤ガラダシマブ(商品名:アナエブリ)を発売している。

経鼻インフルエンザワクチン、鼻腔内に免疫反応を形成

 経鼻弱毒生インフルエンザワクチンのフルミスト(FluMist)は、従来の注射型ワクチンとは異なる仕組みで作用することが、新たな研究で示された。フルミストは、ウイルスが侵入してくる鼻腔内で直接的に免疫反応を引き起こし、ウイルスと闘うための「戦場」を形成することが明らかになったという。米ラホヤ免疫研究所のチーフサイエンティフィックオフィサーであるShane Crotty氏らによるこの研究の詳細は、「Science Translational Medicine」に4月29日掲載された。  研究グループは、こうした免疫反応は上気道にとどまり、血液検査では検出できないため、これまで成人に対する経鼻ワクチンの潜在的な有益性が見過ごされてきたと指摘する。