生検でグレードグループ1(GG1)に分類された前立腺がん患者は、転移リスクが低いため、治療はせずに経過観察のみでよいとされることが多い。しかし新たな研究で、GG1前立腺がん患者のおよそ6人に1人は中〜高リスクのがんであることが示された。米ワイル・コーネル・メディスン泌尿器科・人口健康科学科のBashir Al Hussein氏らによるこの研究結果は、「JAMA Oncology」に7月31日掲載された。
前立腺生検の結果は、非がん性から高リスクで治療が必要ながんまでさまざまである。現在、生検でGG1と判定された場合、治療は行わずに定期的に腫瘍の評価を行って進行の兆候がないか確認する「積極的監視」の方法が取られることが多い。Al Hussein氏らによると、積極的な監視では、前立腺で生成されるがん関連タンパク質である前立腺特異抗原(PSA)値をモニターするための血液検査、生検、MRI検査などが行われる可能性があるという。しかし同氏らは、前立腺生検は前立腺全体の組織を採取するわけではないため、1回の生検では悪性のがん細胞を見逃す可能性もあると強調する。