75歳以上のNSCLC、術前ICI+化学療法は安全に実施可能?(CReGYT-04 Neo-Venus副次解析)/日本肺癌学会

提供元:ケアネット

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公開日:2025/11/21

 

 StageII~IIIの切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、ニボルマブ+化学療法による術前補助療法が2023年3月より使用可能となった。そこで、実臨床におけるニボルマブ+プラチナ併用化学療法による術前補助療法の安全性・有効性を検討する多施設共同後ろ向き観察研究「CReGYT-04 Neo-Venus」が実施された。本研究では、第III相試験「CheckMate-816試験」と一貫した安全性が示され、実行可能であることが報告された1)

 ただし、実臨床における肺がん手術例の約半数は75歳以上の高齢者である。また、高齢者を対象に、免疫チェックポイント阻害薬+化学療法による術前補助療法の安全性・有効性を検討した報告はない。そこでCReGYT-04 Neo-Venusの副次解析として、75歳以上の高齢者における安全性・有効性に関する解析が実施された。本解析結果を松原 太一氏(九州大学病院 呼吸器外科)が、第66回日本肺癌学会学術集会で発表した。

 対象は、ニボルマブ+プラチナ併用化学療法による術前補助療法を1サイクル以上受けた切除可能StageII~III NSCLC患者131例。このうち、登録時に術前補助療法を実施中であった1例を除外した130例を解析対象とした。解析対象患者を年齢で2群(75歳以上:28例/75歳未満:102例)に分類し、患者背景や治療成績を比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・患者背景について、75歳以上の高齢群は非高齢群と比較して、男性が少ない(67.9%vs.87.3%)、他がんの既往ありが多い(32.1%vs.11.8%)という特徴があった。糖尿病や冠動脈疾患などの合併症については、2群間で差はみられなかった。臨床的StageやPD-L1発現状況についても2群間で差はみられなかった。
・化学療法の種類について、高齢群はカルボプラチンベースのレジメンが多かった(96.4%vs.75.5%)。
・術前補助療法の完遂割合は高齢群92.9%、非高齢群84.3%であった。
・術前補助療法の奏効割合は高齢群68%、非高齢群66%であり、病勢コントロール割合はそれぞれ100%、96%であった。
・術前補助療法におけるGrade3以上の治療関連有害事象は高齢群35.7%、非高齢群27.5%に発現した。全Gradeの免疫関連有害事象は高齢群7.1%、非高齢群25.5%に発現し、高齢群のほうが少なかった(p=0.0393)。
・手術実施割合は高齢群92.9%(予定症例3.6%を含む)、非高齢群91.5%(同2.9%を含む)であった。非実施割合はそれぞれ7.1%(病勢進行1例、AE 1例)、8.8%(病勢進行4例、患者拒否2例、AE 1例、その他2例)であった。
・手術実施例におけるR0切除割合は高齢群96.0%、非高齢群98.9%であった。
・病理学的完全奏効(pCR)割合は高齢群20.8%、非高齢群39.3%であり、病理学的奏効(MPR)割合はそれぞれ54.2%、60.7%であった。

 本結果について、松原氏は「pCR、MPR割合は非高齢群と比較するとやや低いものの、臨床試験の結果と比較しても全体的に良好な結果であった」と考察し「高齢者に対するニボルマブ+化学療法による術前補助療法は忍容性があり、病理学的奏効も期待できる治療であると考えられる。今後は長期フォローアップでの有効性の検討や、他の術前・術後補助療法の忍容性・有効性の検討も必要である」とまとめた。

(ケアネット 佐藤 亮)