統合失調症の陰性症状に対する補助的抗うつ薬の有効性~ネットワークメタ解析

提供元:ケアネット

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公開日:2025/11/24

 

 統合失調症の陰性症状に対する治療反応は必ずしも十分ではない。また、陰性症状に対する抗うつ薬の効果については、依然として議論の余地がある。中国・Affiliated Hospital of Southwest Medical UniversityのYuting Li氏らは、厳格な選択基準に基づき、統合失調症の陰性症状に対する補助療法としての抗うつ薬の有効性を評価するため、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を実施した。Psychological Medicine誌2025年10月24日号の報告。

 2025年4月16日までに公表され、統合失調症の陰性症状に対する補助療法として抗うつ薬とプラセボを比較したランダム化二重盲検比較試験をPubMed、Web of Scienceよりシステマティックに検索した。主要アウトカムは陰性症状とした。対象研究よりデータを抽出し、標準化平均差(SMD)を用いて全体的なエフェクトサイズを算出した。

 主な結果は以下のとおり。

・合計15件の研究(655例)を本レビューに含めた。
・プラセボと比較し、陰性症状に対して有意に優れた効果を示した抗うつ薬は、ミルタザピン(2研究、48例、SMD:-1.73、95%信頼区間[CI]:-2.60~-0.87)およびデュロキセチン(1研究、64例、SMD:-1.19、95%CI:-2.17~-0.21)であった。
・抗うつ薬間での直接比較では、ミルタザピンはreboxetine、エスシタロプラム、bupropionと比較し、統計学的に有意な差が認められたが、その他の抗うつ薬間あるいは抗うつ薬とプラセボの間に有意な差は認められなかった。
・有病率に関する出版バイアスは認められなかった。

 著者らは「抗精神病薬治療を受ける安定期統合失調症患者において、ミルタザピンまたはデュロキセチンの併用が陰性症状の改善に有効である可能性が示唆された。統合失調症の陰性症状に対する今後の治療計画に抗うつ薬を組み込むことは、さらなる検討に値する有望な戦略と考えられる」としている。

(鷹野 敦夫)