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朝食後の歯みがきが高血圧リスク低下と関連/鹿児島大

 高血圧は生活習慣に大きく左右される疾患であり、予防には日常行動の改善が重要とされる。今回、地域住民を対象とした横断研究で、朝食後に歯を磨く習慣が高血圧の有病率低下と独立して関連することが示された。研究は鹿児島大学大学院医歯学総合研究科心臓血管・高血圧内科学の手塚綾乃氏、窪薗琢郎氏らによるもので、詳細は10月9日付で「Scientific Reports」に掲載された。

10人に1人が糖尿病疑い、男性は3割が肥満/国民健康・栄養調査2024

 厚生労働省は2025年12月2日、「令和6年国民健康・栄養調査」の結果概要を発表した。この調査は、健康増進法に基づき毎年実施され、2024年10〜11月に日本全国から無作為に選ばれた約1万世帯が、身体・栄養摂取状況、生活習慣についての調査に回答した。結果の要点は以下のとおり。 ・HbA1c値と自己申告に基づく推計によると、「糖尿病が強く疑われる者」は約1,100万人と推計され、1997年以降、一貫して増加している。一方、「糖尿病の可能性を否定できない者」は約700万人で、こちらは2007年をピークに減少傾向を示した。 ・20歳以上の「糖尿病が強く疑われる者」の割合は12.9%(男性17.7%、女性9.3%)、「糖尿病の可能性を否定できない者」は男女とも8.2%であった。「糖尿病を指摘された経験がある者」のうち現在治療を受けている者の割合は67.4%と3分の2にとどまり、とくに30〜40代において相対的に未治療率が高かった。

若年女性の4人に1人が低体重:運動習慣が与える影響はBMIで異なる

 日本では若年女性(18~29歳)の約20〜25%が低体重(BMI:18.5未満)で、将来的な健康リスクを抱え、社会問題となっている。「やせ=美」という社会的/文化的理想(痩せ理想)の内在化が強く、これが「健康ではなく、見た目のための痩せ志向」を助長している可能性がある。順天堂大学・室伏 由佳氏らは、運動習慣が身体満足度に与える影響を、「痩せ理想の内在化」と「自尊心」を通じて評価し、とくに低体重女性と標準体重女性(BMI:18.5~25未満)でその違いを検討することを目的とした研究を行った。本研究結果は、BMC Public Health誌2025年11月20日号に発表された。  2023年5月、日本全国のオンラインモニターを通じ、18~29歳の女性を対象に調査を行った。最終解析には低体重400例(平均BMI:17.4)と標準体重189例(平均BMI:20.6)の計589例が含まれた。「運動習慣」は、日本の国民健康・栄養調査の定義に倣い、「過去1年以上、週2回以上、1回30分以上の運動を実施」で判定した。また、主観的な身体満足度、外見に対する社会文化的態度、自尊心も評価した。

代謝異常を伴う脂肪肝「MASLD」、慢性腎臓病の独立リスクに

 新しい脂肪肝の概念「MASLD;代謝機能障害関連脂肪性肝疾患」が、慢性腎臓病(CKD)の独立したリスク因子であることが国内研究で示された。単一施設の約1.6万人の健康診断データを解析したもので、MASLDの早期発見や管理の重要性が改めて示された。研究は京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌・代謝内科学の大野友倫子氏、濱口真英氏、福井道明氏、朝日大学病院の大洞昭博氏、小島孝雄氏らによるもので、詳細は10月17日付で「PLOS One」に掲載された。  日本では食生活の欧米化に伴い肥満が増加し、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の有病率も上昇している。NAFLDは主に内臓脂肪やインスリン抵抗性と関連し、糖尿病や心血管疾患などの代謝異常を伴うことが多い。2020年には、こうした代謝背景を重視する形でNAFLDはMAFLDとして再定義され、日本の大規模コホート研究ではCKDの独立したリスク因子であることが報告された。さらに2023年、国際的専門家パネル(Delphiコンセンサス)により、より包括的でスティグマの少ない概念としてMASLDへと名称が変更され、少なくとも1つの心血管代謝リスク(BMI、血糖値、HDL-C値など)を伴う脂肪肝と定義された。本研究は、この新しい定義によるMASLDがCKD発症の独立したリスク因子となるかを明らかにすることを目的に、人間ドック受診者を対象とした縦断的コホート解析として実施された。

日本人小児におけるADHDサブタイプと肥満との関係

 福島県立医科大学の川崎 幸彦氏らは、日本人小児における注意欠如多動症(ADHD)サブタイプの特徴とBMI-SDスコアに基づく肥満との関連を明らかにするため、ADHDの小児患者を対象とした臨床調査を実施した。Brain & Development誌オンライン版2025年10月29日号の報告。  対象は、ADHDと診断された日本人小児115例。患者は、ADHDのサブタイプ別に次の3群に分類された。グループ1は不注意優勢型ADHD(ADHD-I)、グループ2は多動性・衝動性優勢型ADHD(ADHD-HI)、グループ3はこれらの複合サブタイプ(ADHD-C)。各群の臨床的特徴を分析した。

ガイドライン順守率が精神疾患の長期アウトカムに及ぼす影響〜統合失調症とうつ病におけるEGUIDEプロジェクト

 精神科医療の普及と教育に対するガイドラインの効果に関する研究(EGUIDEプロジェクト)は、精神科医に対してガイドラインの教育の講習を行い、統合失調症およびうつ病のガイドライン順守治療を促進することを目的として、日本で開始されたプロジェクトである。参加医師への短期的な効果は、すでに報告されていたが、長期的および施設全体への効果は依然として不明であった。国立精神・神経医療研究センターの長谷川 尚美氏らは、ガイドライン順守による治療が、施設間で時間の経過とともに改善するかどうかを評価した。その結果、潜在的な拡散効果またはスピルオーバー効果が示唆された。Neuropsychopharmacology Reports誌2025年12月号の報告。

夕食時間が蛋白尿に影響、時間帯や患者特性は?

 蛋白尿や微量アルブミン尿は、心血管疾患および全死亡リスク上昇との関連が報告されている。また、いくつかの研究で、夕食時間の遅さと蛋白尿との関連が報告されているが、患者特性などは明らかにされていない。そこで今回、りんくう総合医療センター腎臓内科の村津 淳氏らは、夕食時間の遅さが蛋白尿を来すことを明らかにし、とくに低BMIの男性で強く関連することを示唆した。本研究結果はFront Endocrinol誌2025年11月10日号に掲載された。  研究者らは、夕食時間の遅さと蛋白尿の出現との関連を評価するため、りんくう総合医療センターの健康診断データを用い、推定糸球体濾過量(eGFR)60mL/分/1.73m2以上で腎疾患の既往のない2,127人(男性1,028人、女性1,099人)を対象に横断研究を実施。週3日以上、就寝前2時間以内に夕食を取った参加者を夕食時間が遅い群と定義した。夕食時間による蛋白尿の影響は、臨床的関連因子(年齢、性別、喫煙歴、飲酒歴、既往歴など)を調整したロジスティック回帰モデルを用いて評価した。また、これまでに報告された横断研究では、蛋白尿の有病率はBMI(kg/m2)とJ字型関係を示していることから、今回、男女別でBMIと腹囲を各3群に区分。BMIは、男性では22.3未満、22.3~24.9、24.9以上に分け、女性では20.3未満、20.3~23.0、23.0以上と分けた。ウエスト周囲径(cm)は、男性は83.0未満、83.0~90.1、90.1以上、女性は75.0未満、75.0~83.5、83.5以上として評価した。

気象関連疼痛に期待される食事性フラボノイドの有用性

 悪天候や気象変動は健康に悪影響を及ぼし、気象関連疼痛と呼ばれる症状を引き起こす可能性がある。症状の緩和には、鎮痛薬などによる薬物療法が一般的に用いられているが、副作用を引き起こす可能性がある。そのため、非薬物療法や食事療法への関心が高まっている。大塚製薬の池田 泰隆氏らは、気象関連疼痛に対する食事性フラボノイドであるケンフェロールの有効性を評価するため、オープンラベルパイロット研究を実施した。International Journal of Biometeorology誌2025年10月号の報告。

血圧コントロールに地域差、降圧目標達成が高い/低い都道府県は?/東北医科薬科大ほか

 日本における降圧治療開始後の血圧コントロール状況には、地域間で格差が存在し、降圧目標達成割合は医師の偏在や脳血管疾患死亡と関連していることが、岩部 悠太郎氏(東北医科薬科大学)らによる大規模なリアルワールドデータ解析で示された。『高血圧管理・治療ガイドライン2025』では、年齢にかかわらず降圧目標を「130/80mmHg未満(診察室血圧)」としているが、本研究では治療開始後にこの目標を達成できた患者は26.7%にとどまった。本研究結果は、Hypertension Research誌オンライン版2025年11月18日号で報告された。

断続的断食は成人の認知機能に影響しない

 食事を摂取する時間と断食する時間を定期的に繰り返す断続的断食(インターミッテントファスティング)を行っても、成人の思考力、記憶力、問題解決能力などの知的機能が鈍ることはないことが、新たな研究で明らかになった。オークランド大学(ニュージーランド)心理学准教授のDavid Moreau氏とザルツブルク大学(オーストリア)生理学部のChristoph Bamberg氏によるこの研究結果は、「Psychological Bulletin」に11月3日掲載された。  Moreau氏は、「本研究により、全体的には、短期間の断食が知的機能を低下させるという一貫したエビデンスは存在しないことが明らかになった。断食を行った人の認知機能の成績は、直前に食事をした人と驚くほど似通っていた。これは、食物を摂取していない状態でも認知機能は安定していることを示唆している」と米国心理学会(APA)のニュースリリースで述べている。

ピロリ菌が重いつわりを長引かせる可能性、妊婦を対象とした研究から示唆

 妊娠中の「つわり」は多くの人が経験する症状であるが、中には吐き気や嘔吐が重く、入院が必要になるケースもある。こうした重いつわり(悪阻)で入院した妊婦164人を解析したところ、ヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)に対する抗体(IgG)が陽性である人は入院が長引く傾向があることが分かった。妊娠前や妊娠初期にピロリ菌のチェックを行うことで、対応を早められる可能性があるという。研究は、日本医科大学武蔵小杉病院女性診療科・産科の倉品隆平氏、日本医科大学付属病院女性診療科・産科の豊島将文氏らによるもので、詳細は10月6日付けで「Journal of Obstetrics and Gynaecology Research」に掲載された。

日本人不眠症患者におけるレンボレキサント切り替え後のベネフィット評価

 デュアルオレキシン受容体拮抗薬であるレンボレキサントは、成人の不眠症治療薬として日本で承認されている。久留米大学の小曽根 基裕氏らは、多施設共同SOMNUS試験のデータを用いて、日本人不眠症患者における前治療からレンボレキサントへ切り替え後の睡眠日誌に基づく睡眠パラメーター、自己申告による睡眠の質、不眠症の重症度、健康関連の生活の質(QOL)について報告を行った。Sleep Medicine X誌2025年9月25日号の報告。  SOMNUS試験は、プロスペクティブ多施設共同非盲検試験である。本試験のデータより抽出した、Z薬(単剤療法コホート:25例)、スボレキサント(単剤療法コホート:25例、併用コホート:21例)、ラメルテオン(併用コホート:19例)からレンボレキサントに切り替えた4つのコホートにまたがる90例の患者を対象に、最大14週間までのデータを解析した。

日本の外科医における筋骨格系障害の有病率

 わが国では外科医の業務に関連した筋骨格系障害(MSD)に対する認識は限定的である。今回、自治医科大学の笹沼 英紀氏らが日本の一般外科医におけるMSDの有病率、特徴、影響を調査した。その結果、日本の外科医におけるMSD有病率はきわめて高く、身体的・精神的健康に影響を及ぼしていることが示唆された。Surgical Today誌オンライン版2025年11月14日号に掲載。  本研究では、日本の大学病院ネットワークに所属する一般外科医136人を対象に電子アンケートを実施した。Nordic Musculoskeletal Questionnaireの修正版を用いて、人口統計学的特性、作業要因、MSD症状、心理的苦痛、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の使用状況とそれらの影響を評価した。

75歳以上における抗凝固薬と出血性脳卒中の関連~日本の後ろ向きコホート

 高齢者における抗凝固薬使用と出血性脳卒中発症の関連を集団ベースで検討した研究は少ない。今回、東京都健康長寿医療センター研究所の光武 誠吾氏らが、傾向スコアマッチング後ろ向きコホート研究で検討した結果、抗凝固薬を処方された患者で出血性脳卒中による入院発生率が高く、ワルファリン処方患者のほうが直接経口抗凝固薬(DOAC)処方患者より発生率が高いことが示唆された。Aging Clinical and Experimental Research誌2025年11月13日号に掲載。  本研究は、北海道のレセプトデータを用いた後ろ向きコホート研究で、2016年4月~2017年3月(ベースライン期間)に治療された75歳以上の高齢者を対象とした。曝露変数はベースライン期間中の抗凝固薬処方、アウトカム変数は2017年4月~2020年3月の出血性脳卒中による入院であった。共変量(年齢、性別、自己負担率、併存疾患、年次健康診断、要介護認定)を調整した1対1マッチングにより、抗凝固薬処方群と非処方群の入院発生率を比較した。

レカネマブ承認後に明らかとなった日本におけるアルツハイマー病診療の課題

 2023年、日本で早期アルツハイマー病の治療薬として抗Aβ抗体薬レカネマブが承認された。本剤は、承認後1年間で約6,000例に処方されている。東京大学の佐藤 謙一郎氏らは、レカネマブ導入後の実際の診療とその課題、そして潜在的な解決策を明らかにするため、認知症専門医を対象にアンケート調査を実施し、その結果を公表した。Alzheimer's & Dementia誌2025年10月号の報告。  レカネマブを処方可能な認知症専門医を対象に、匿名のオンライン調査を実施した。回答した認知症専門医311人が1年間でレカネマブによる治療を行った患者数は3,259例であった。

「ゆっくり食べ、よく噛む」習慣と関連する食事・口腔要因を解明

 日本では「食育基本法」の目標の1つとして「ゆっくり食べてよく噛む人の割合を増やす」ことが掲げられている。日本で行われたウェブ調査で、「ゆっくり食べ、よく噛む」食習慣は「味わいながら食べる」ことや「口いっぱいに食べない」ことと強く関連していることが明らかになった。国立保健医療科学院の石川 みどり氏らによるこの研究結果は、Scientific Reports誌2025年11月19日号に掲載された。  研究チームは、オンライン調査会社の全国モニターから40~70代の男女を対象に、性別・年齢層別に調査票を配布し、食生活・健康行動(12項目)、歯科口腔状態(14項目)、社会経済的要因(6項目)の質問への回答を自己評価形式で収集した。最終的に成人1,644例(男女各822例)が解析対象となった。

日本人不眠症におけるBZDからDORAへの切り替え方法

 デュアルオレキシン受容体拮抗薬(DORA)は、不眠症に対する効果的な薬物療法であるにもかかわらず、臨床現場では依然として多くの患者にベンゾジアゼピン受容体作動薬(BZD)が不眠症治療薬として使用されている。不眠症治療において、BZDからDORAへの適切な切り替え方法を確立することは重要である。千葉大学の金原 信久氏らは、不眠症治療におけるBZDからDORAへの切り替えに関する成功事例について報告した。Clinical Psychopharmacology and Neuroscience誌2025年11月30日号の報告。  長期にわたりBZDを服用している210例の不眠症患者を対象とした、DORA(スボレキサントまたはレンボレキサント)導入後3ヵ月時点でのDORA継続率に関する先行研究の2次解析を実施した。半減期に基づき分類したBZDの種類がDORA継続率およびBZD減量率に及ぼす影響も検討した。

ハンズフリーでも油断禁物、会話が運転中の目の動きを妨げる

 道路交通法上、運転中のハンズフリー通話に問題はないが、脳には一定の負荷がかかる可能性があるようだ。最新の研究で、健常成人に眼球運動課題を行ってもらったところ、話しながら課題を行った場合に反応開始時間や眼球移動時間に遅れが生じる傾向があることがわかった。研究は、藤田医科大学病院リハビリテーション部の鈴木卓弥氏、藤田医科大学保健衛生学部リハビリテーション学科の鈴木孝治氏(現所属:金城大学医療健康学部作業療法学科)、上原信太郎氏によるもので、詳細は10月6日付けで「PLOS One」に掲載された。  注意の分散は運動行動に影響を与え、正確な動作や協調が必要なタスクで遅れや誤差を生じることが知られている。特に運転中の通話は、手に持つかハンズフリーかに関わらず周囲の視覚情報への反応を遅らせ、事故リスクを高めることが報告されている。これは、会話による認知的負荷が運転に必要な注意資源(attentional resources)を奪い合うためと考えられる。運転には眼球運動、物体認識、動作の準備、実行といった視覚運動処理が必要であり、会話はこれら、特に周辺視野への眼球運動に干渉する可能性がある。本研究では、健常成人に中心から周辺への眼球運動課題を実施し、会話をする、音声クリップを聞く、課題のみの3つの条件で比較し、会話による眼球運動の反応遅延を検討した。

糖尿病治療、継続の鍵は「こころのケア」と「生活支援」

 病気の治療を続けたいと思っていても、気持ちの落ち込みや生活の負担が重なると、通院や服薬をやめてしまうことがある。今回、全国の糖尿病患者を対象にした調査で、心理的苦痛や先延ばし傾向がある人ほど治療を中断しやすいことが明らかになった。その背景として、経済的困難や介護・家事の負担、糖尿病治療への燃え尽き症候群(糖尿病バーンアウト)がみられたという。研究は鳥取大学医学部環境予防医学分野の桑原祐樹氏らによるもので、詳細は9月30日付けで「BMJ Open Diabetes and endocrinology」に掲載された。  世界的に糖尿病の有病率は増加しており、合併症による健康への影響が大きな課題となっている。適切な血糖管理により、多くの合併症は予防または遅らせることが可能である。しかし、治療を継続し、医療機関を受診し続けることは容易ではなく、治療中断やアドヒアランスの低下は血糖管理の不良、合併症の進行、死亡リスク、医療コストの増大につながる。過去の研究では、治療継続に関わる心理・社会的要因(抑うつや薬剤費など)が限定的に検討されてきたが、患者の体験と治療中断の関係については十分に解明されていない。本研究は、心理・社会的要因と患者体験が糖尿病治療の中断にどのように関連するかを明らかにすることを目的とした。

糖尿病、非肥満者は発症前に体重減少の傾向

 東アジア人は白人よりも低い体重で糖尿病を発症することが知られており、その背景には異なる発症メカニズムが存在する可能性がある。日本人の健康診断データを用いた後ろ向き観察縦断コホート研究により、非肥満者では糖尿病発症前に体重減少が先行する一方、肥満者では糖尿病発症前に体重増加がみられることが明らかになった。富山大学・四方 雅隆氏らによるこの研究成果は、Endocrine Journal誌オンライン版2025年9月25日号に発表された。  この研究は、日本人9,260例の健康診断データを用いた後ろ向き観察縦断コホート研究として実施された。対象者の61.4%が男性で、観察期間中に259例が糖尿病を発症した。観察期間開始から3年以内に糖尿病を発症した者は除外した。参加者を肥満群(BMI 25 kg/m2以上)と非肥満群(BMI 25kg/m2未満)の2つのサブタイプに分類し、糖尿病発症に至るまでの体重変化のパターンを評価した。