アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)イベントの既往/初回リスクを有する患者において、経口PCSK9阻害薬enlicitideはプラセボと比較して、24週時点でLDL-C値を有意に低下させたことが示された。米国・University of Texas Southwestern Medical CenterのAnn Marie Navar氏らCORALreef Lipids Investigatorsが、日本を含む14ヵ国168施設で実施した国際共同第III相二重盲検無作為化プラセボ対照試験「CORALreef Lipids試験」の結果を報告した。第II相試験において、enlicitide decanoateはLDL-C値を低下させることが示され、より長期のデータが求められていた。NEJM誌2026年2月5日号掲載の報告。
24週時点におけるLDL-C値の平均変化率を対プラセボで評価
CORALreef Lipids試験の対象は、主要なASCVDイベント既往でLDL-C値55mg/dL以上、または初回ASCVDイベント発症リスクが中等度~高度でLDL-C値70mg/dL以上の18歳以上の成人。
被験者は、enlicitide 20mg 1日1回投与群またはプラセボ群に2対1の割合で無作為に割り付けられ、52週間投与を受けた。
主要エンドポイントは、ベースラインから24週時点におけるLDL-C値の平均変化率であった。重要な副次エンドポイントは、52週時点におけるLDL-C値の平均変化率、24週時点におけるnon-HDL-C値およびアポリポ蛋白B(APOB)値の平均変化率、リポ蛋白(a)[Lp(a)]値の変化率であった。
平均変化率はenlicitide群-57.1%、プラセボ群3.0%
2023年8月~2025年7月に、2,909例が無作為化された(ITT集団:enlicitide群1,940例、プラセボ群969例)。このうち試験薬を投与されなかった5例を除く2,904例(enlicitide群1,935例、プラセボ群969例)が主要および副次の有効性エンドポイントと安全性の解析に包含された。
被験者の平均(±SD)年齢は62.8±10.7歳、39.3%が女性、53.9%が白人で、主要なASCVDイベント既往者は58.3%であった。ベースラインで96.6%がスタチンを服用しており、25.8%がエゼチミブまたはhybutimibeの投与を受けていた。ベースラインの平均(±SD)LDL-C値は96.1±38.9mg/dLであった。
24週時点における平均LDL-C値は、enlicitide群38.7±35.6mg/dL、プラセボ群98.6±42.5mg/dLで、主要エンドポイントのLDL-C値の平均変化率は、enlicitide群-57.1%(95%信頼区間[CI]:-61.8~-52.5)、プラセボ群3.0%(95%CI:0.9~5.1)であり、補正後群間差は-55.8%ポイント(95%CI:-60.9~-50.7)で有意な差が認められた(p<0.001)。
52週時点におけるLDL-C値の平均変化率、24週時点におけるnon-HDL-C値およびAPOB値の平均変化率、Lp(a)値の変化率は、いずれもenlicitide群がプラセボ群より有意に大きかった(すべての比較のp<0.001)。
有害事象の発現は、両群間で差はみられなかった。
(ケアネット)