ミノサイクリンは急性期脳梗塞に有益か/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2026/02/16

 

 急性期虚血性脳卒中に対する発症後72時間以内に開始したミノサイクリン療法は、プラセボとの比較において、安全性への懸念なく90日時点で有意な機能的アウトカムの改善をもたらしたことが示された。中国・首都医科大学のYao Lu氏らEMPHASIS Investigatorsが、同国58病院で行った多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験「EMPHASIS試験」の結果を報告した。ミノサイクリンは、広く使用されている忍容性が良好で安価なテトラサイクリン系の抗菌薬で、さまざまな神経疾患に対する有望な薬剤として注目されており、前臨床モデルおよび小規模臨床試験で虚血性脳卒中に対する潜在的なベネフィットが示されていた。著者は、「さらなる研究を行い、今回示された知見を確認し、より重症または軽症の脳卒中患者にも同様のベネフィットが及ぶかどうかを明らかにする必要がある」とまとめている。Lancet誌オンライン版2026年1月30日号掲載の報告。

発症後72時間以内に投与開始、90日時点の優れた機能的アウトカムを評価

 EMPHASIS試験の対象は、18~80歳、脳CTまたはMRIで虚血性脳卒中が確認された、発症から72時間以内、National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)スコア範囲4~25、意識レベルスコア(NIHSSのサブスケール1a)≦1の患者であった。

 被験者は、ルーチンに行われていた治療に加えてミノサイクリンの経口投与を受ける群(初回投与量200mg、その後12時間ごとに100mgを4日間)またはプラセボ群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。コンピュータ生成無作為化シークエンス法によるブロック無作為化(試験施設により層別化された固定4ブロックサイズ)が用いられた。

 主要アウトカムは、90日時点の優れた機能的アウトカム(修正Rankinスケール[mRS]スコア:0~1)であり、無作為化され試験薬を少なくとも1回投与されたすべての患者を対象に、欠損データの補完を行うことなく解析した。

 安全性のアウトカムは、試験薬を少なくとも1回投与され、少なくとも1回安全性の評価を受けた患者を対象とし、24時間時点および6日時点の症候性頭蓋内出血などを評価した。

主要アウトカム、ミノサイクリン群52.6%、プラセボ群47.4%

 2023年5月19日~2024年5月20日に、1,724例がミノサイクリン群(862例)またはプラセボ群(862例)に無作為化された。年齢中央値は65歳(四分位範囲[IQR]:57~71)、男性が1,151例(66.8%)、女性が573例(33.2%)であり、ベースラインのNIHSSスコア中央値は5(IQR:4~7)であった。

 4例(ミノサイクリン群3例、プラセボ群1例)が同意を取り下げ、19例(9例、10例)が追跡不能であった。

 90日時点でmRSスコアが0~1の被験者は、ミノサイクリン群で447/850例(52.6%)、プラセボ群で403/851例(47.4%)であった(補正後リスク比:1.11、95%信頼区間[CI]:1.03~1.20、p=0.0061)。

 mRSスコアの全範囲にわたる順序解析でもミノサイクリン群が優れ、補正後共通オッズ比は1.19(95%CI:1.03~1.38、p=0.018)であった。

 症候性頭蓋内出血の発生はミノサイクリン群とプラセボ群で、24時間時点(1/860例[0.1%]vs.0/861例[0%])、6日時点(3/859例[0.3%]vs.0/861例[0%])でいずれも同程度であった。重篤な有害事象(ミノサイクリン群40/862例[4.6%]vs.プラセボ群51/862例[5.9%]、p=0.24)を含むその他の安全性アウトカムについて有意差は認められなかった。

(ケアネット)

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